メニュー表を作り直した話。
先日、ある焼鳥居酒屋さんの経営者とオンラインで話していて、
こんなことを言われました。
「デザイン会社に頼んでメニューを作り直したんですが、
客単価がぜんぜん変わらなくて。」
仕上がりはきれいで、写真もプロに撮ってもらった。
それでも、売上も利益も動かなかった、と。
話を聞いていくうちに、理由はすぐわかりました。
「デザイン」は変えたけれど、
「何を、どの順番で、どう見せるか」は
変えていなかったんです。
と言うことで、今回はメニュー表を外部に依頼する前に
確認しておきたい5つのポイントを整理します。
📋 この記事でわかること
- メニュー表のデザイン依頼で「なぜ結果が出ないか」の構造的な理由
- 依頼前に自店で固めておくべき5つの確認ポイント
- 客単価が上がるメニュー表と、そうでないメニュー表の違い
- キャッシュが残る経営に変えるための、メニュー設計の考え方
こんな方におすすめ
- ✅ メニュー表を作り直したいが、何を整理してから頼めばいいか迷っている飲食店オーナーの方
- ✅ 売上はあるのに利益が薄く、客単価をもう少し上げたいと思っている方
- ✅ 値下げやクーポンに頼らず、メニューの価値で選ばれる店にしたい方
- ✅ デザイン会社や印刷会社に依頼したことがあるが、期待した効果が出なかった方
- ✅ 新メニュー開発や看板メニューの整理と合わせて、メニュー表を見直したい方

デザインより先に整えるべきこと
メニュー表の外注依頼で多い失敗は、
「デザイン会社にすべて任せてしまう」こと。
でも、デザイン会社はデザインのプロです。
飲食店の利益構造のプロではない。
だから、こちらが何も整理せずに渡すと、
見た目はきれいでも、
売れてほしいものが売れない構造になります。
私がこれまで飲食店610件の支援をしてきた中で、
メニュー表の見直しは、
客単価アップの直接的な手段として使えると実感しています。
それが機能するのは、
「何を見せるか」「どんな順番で誘導するか」
という設計が事前にできているときだけ、です。
デザインはその後。
「メニュー表はお客さんとのコミュニケーションツールです。きれいかどうかより、お客さんが何を選ぶかを設計できているかどうかが先にある。デザインはその設計を美しく見せる手段にすぎません。」
ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)
「デザイン会社に頼んだのに客単価が変わらなかった」という状態は、設計より先にデザインを依頼したことが原因であることが多いです。無料で読める書籍の中に「増益繁盛店になる12ステップ(74ページ)」があり、メニュー設計を含む利益が残る構造づくりの順序を整理できます。メール登録のみ、1分で受け取れます。
確認ポイント1:看板メニューが決まっているか
依頼前にまず聞きたいのは、
「あなたのお店の看板メニューは何ですか?」という一点。
これが決まっていないと、
デザイン会社はすべてのメニューを均等に並べるしかありません。
均等に並べると、お客さんはどれを頼めばいいか迷います。
迷ったとき、人は安いものを選ぶか、
「とりあえず」で決めます。
客単価は上がりません。
看板メニューは、
原価率・満足度・再来店につながる強さ、の3点で選んでください。
「売れている」だけでは不十分。
「売れていて、かつ利益も残るもの」が看板メニューです。
チェックポイント1:看板メニューの選定と強調設計
メニュー表上で「一番目に入る場所」に、看板メニューを置けているか確認します。右上・ページ冒頭・枠囲みなど、視線が集まる位置への配置はデザイン会社と共有できますが、「何を置くか」はこちらが決める必要があります。
✅ ポイント:客単価と利益率の両方を満たすメニューを1〜2品特定してから依頼すること。
確認ポイント2:各メニューの「価値の言葉」があるか
価格だけ書いてあるメニューは、
価格で比較されます。
でも、「地元農家から毎朝仕入れる旬野菜の炭火焼き」と書いてあれば、
価格より先に「これが食べたい」という感情が動く。
これをPOPコピーと呼んでいますが、
メニュー表でも同じ考え方が使えます。
あなたのお店のメニューに、
価格以外の「選ばれる理由」は書かれていますか?
その言葉は、お客さんに刺さる言葉ですか?
ここを整理してから外注すると、
デザイン会社にも「このコピーを活かした見せ方で」と指示できます。
チェックポイント2:価値の言葉(コピー)の有無
各メニューに「なぜこれを食べるべきか」を伝える一言があるかどうかを確認します。産地・製法・こだわりの工程・食べた後の感覚など、価格以外の情報が含まれているかがポイントです。
✅ ポイント:コピーは店主・スタッフが書いたものでよい。外注先に文章も丸投げすると、当たり障りのない言葉になりやすい。
✓ ここまでのポイント
- メニュー表の外注は「デザインの前に設計」が先。看板メニューと価値の言葉を整えてから依頼する。
- 均等に並べたメニュー表は、お客さんを安いものへ誘導してしまう。
- 価格以外の「選ばれる理由」を書く言葉が、客単価を動かす。
「原価率をメニュー単位で把握していない」という状態は、多くの飲食店オーナーに共通しています。無料で使える「必要売上シミュレーター」を使うと、固定費・原価率・人件費率から利益を残すために必要な売上が自動で計算でき、単価設計の根拠が見えてきます。メール登録だけで今すぐ使えます。
確認ポイント3:単価の設計が利益ベースになっているか
メニュー表を作り直す前に、
一度だけ確認してほしいことがあります。
今の価格設定は、
「なんとなく相場に合わせた」ものではないですか?
「値上げしたらお客さんが来なくなる」と恐れて、
据え置きが続いていませんか?
中小企業庁の調査によると、
原価をメニュー・商品単位で把握している事業者は約4割にとどまります
(中小企業庁「2026年版中小企業白書」)。
つまり、自分のメニューが「いくら儲かるか」を
把握できていない経営者が過半数、ということです。
この状態でメニュー表をきれいにしても、
利益は残りません。
例えば、焼鳥屋さんで「お通し+焼鳥セット+ドリンク」の
組み合わせを1メニューとして設計し直すだけで、
客単価は数百円単位で動きます。
それがメニュー表で自然に選ばれる順番に配置されていると、
オーダーが変わってきます。
「客単価900円上がりました。新メニューの開発時間も確保できるようになって、『うちは他と違う』を堂々と言えるようになりました。」
焼鳥居酒屋オーナー(50代・男性)
この方が変えたのは、
メニューの中身だけじゃありません。
「うちが出すものはこの価格に値する」という確信を持つことで、
メニュー表の見せ方も変えられた。
単価設計は経営者が決める仕事です。
外注先に委ねられるものではありません。
チェックポイント3:原価率と目標客単価の把握
依頼前に「1人あたりの目標客単価」と「各メニューの原価率」を確認します。原価率30〜35%を基準に、利益が残るメニューの配置を考えてから、レイアウトを依頼するのが順序です。
✅ ポイント:客単価の目標が決まっていると、「このゾーンに3,000〜4,000円のセットを配置したい」という具体的な指示が出せる。
確認ポイント4:「捨てるメニュー」が決まっているか
メニュー数を増やすと、
選ぶのが大変になります。
多すぎるメニューは、
仕込みコストと人件費を増やし、
食材廃棄のリスクも上がる。
メニュー表を新しく作るタイミングは、
同時に「捨てるメニュー」を決めるタイミングでもあります。
注文数が少ない、原価率が高い、
仕込みに時間がかかる割に客単価への貢献が低い──
そういうメニューをこの機会に整理する。
絞り込まれたメニューはシンプルで見やすく、
デザイン会社も作りやすい。
そして、お客さんが迷わず、
看板メニューに手が伸びやすくなります。
飲食店の経営で何が悪いかわからないときに、まず疑うべき3つのポイントでも触れていますが、
「忙しいのに利益が薄い」という状態の原因の一つは、
メニューの多さによる現場の非効率です。
チェックポイント4:削除・統合するメニューの特定
注文数・原価率・仕込み負荷の3軸で現行メニューを評価し、「今回のメニュー表に載せないもの」を決めてから依頼します。削除候補をリストアップした状態で外注すると、依頼の精度が上がります。
✅ ポイント:メニューを絞ることへの抵抗感は多くの経営者が持つ。でも「売れていないものを載せ続けるコスト」は見えにくいだけで確実に存在する。
確認ポイント5:再来店につながる仕掛けが入っているか
メニュー表は、来店中のお客さんだけに見せるものではありません。
テイクアウトメニューを持ち帰らせる、
季節限定メニューの案内を挟む、
LINE公式アカウントへの誘導QRを入れる──
こうした「次の来店につながる仕掛け」を
メニュー表に組み込めると、
一度来てくれたお客さんとの関係が長くなります。
新規客を集め続けるのはコストがかかります。
一方、一度来てくれたお客さんが再び来てくれると、
広告費をかけずに売上が積み上がる。
キャッシュが残る経営とは、
新規に使うコストを抑えながら、
既存客の来店頻度を上げていく構造です。
メニュー表を作り直すなら、
この視点を最初から組み込んで依頼することを勧めます。
飲食店の販促代行を依頼するとき、任せてよい範囲と丸投げしてはいけない部分にも書きましたが、
「仕掛けの設計」はオーナーが持つべき判断軸です。
外注先に委ねられるのは、あくまで実行の手段だけ。
チェックポイント5:再来店への導線設計
メニュー表にLINE誘導のQRコード・次回来店を促すひと言・季節メニューの告知スペースを含めるかどうかを決めてから依頼します。後から追加しようとすると、デザインの修正が増えてコストがかかります。
✅ ポイント:再来店の仕組みはLINE公式アカウントと組み合わせると自動化しやすい。メニュー表はそこへの入口として機能させる。
まとめ:依頼する前の5分が、利益を変える
飲食店のメニュー表作成を外部に依頼するときに
確認したい5つのポイントを整理すると、こうなります。
- 看板メニューが決まっているか
- 各メニューの「価値の言葉」があるか
- 単価の設計が利益ベースになっているか
- 「捨てるメニュー」が決まっているか
- 再来店につながる仕掛けが入っているか
これらを整理してから依頼すると、
外注先への伝え方が変わります。
デザイン会社も「何を作ればいいか」が明確になるので、
修正が減り、仕上がりも意図に近くなります。
忙しいのに利益が薄い、という状態から抜け出すには、
「今の仕組みをきれいにする」のではなく、
「利益が残る設計に作り直す」という順序が必要です。
メニュー表はその入口になれる道具です。
使い方を間違えなければ、確実に手応えがあります。
飲食店の集客を外部に依頼する前に確認したい、任せていい範囲とオーナーが握るべき判断軸も合わせて読んでもらえると、
外注と自社の役割分担がより明確になります。
一つずつ整理しながら、
利益が残るメニュー設計に変えていきましょう。
メニュー表の見直しは、一度やれば終わりではありません。
店舗経営は、ゴールのないレシピ開発です。
作り続けながら、精度を上げていきましょう。
追伸:
今回の記事で触れた「客単価の設計」「看板メニューの作り方」「再来店の仕組み化」は、
増益繁盛クラブでも取り上げているテーマです。
一人で考え続けるより、同じ景色を見ている仲間の中で実践する方が、
確実に前に進みやすくなります。
5つのポイントを確認して「整理すべきことがある」と感じた方は、一人で抱えないでください。増益繁盛クラブでは、客単価の適正化・看板メニューの設計・再来店の仕組み化を、全国の飲食店・美容室オーナーと一緒に実践できます。申込フォームに必要事項を入力するだけで始められます。