朝から仕込みに入り、ランチを回して、夕方の仕込みをして、夜の営業を閉めて帰る。
その繰り返しを何百日と続けているのに、
月末に通帳を見ると数字が増えていない。
「これだけ動いているのに、なぜ残らないんだろう」
こういう話を、会員さんから何度も聞いてきました。
忙しさと儲かりは、まったく別物なんです。
と言うことで、今日は「利益率を改善するために、まず何から手をつけるか」を
具体的なステップで整理していきます。
📋 この記事でわかること
- 「忙しいのに利益が残らない」の正体と、その構造的な原因
- 利益率改善のために最初に手をつけるべき項目の優先順位
- 原価・単価・来店頻度の歪みを見つけ、設計し直す具体的なステップ
- 値下げに頼らず利益を残す店づくりの考え方と進め方
こんな方におすすめ
- ✅ 毎月忙しく営業しているのに手元にお金が残らないと感じている方
- ✅ 原価や人件費は把握しているつもりだが、利益率の計算をしたことがない方
- ✅ 値引きやクーポンに頼った集客から抜け出したい飲食店オーナーの方
- ✅ 客単価を上げたいが、どこから手をつければいいかわからない方
- ✅ 売上の壁を越えられず、経営の構造そのものを見直したい方

「忙しいのに残らない」は、構造の問題です
まず、はっきり言います。
利益が残らない理由は、
努力が足りないからではありません。
構造の設計が、利益が残らない形になっているからです。
飲食店の売上は、シンプルに分解できます。
客数 × 客単価 × 来店頻度。
この3つのどこかに歪みがあると、
どれだけ回転を上げても、利益は薄くなっていきます。
例えば、ランチを安く設定して客数を増やしているお店。
席は毎回埋まっているのに、利益がほとんど残らない。
これは「客数」は取れているけれど、
「客単価」が低すぎて、原価と人件費を吸収できていないんです。
あなたのお店は今、どこに歪みがありますか?
この問いに答えられるかどうかが、改善の起点になります。
「繁盛しているように見えて、利益が残らない店は多い。問題は売上の額ではなく、どの構造で売上を作っているかです。忙しさを誇る前に、利益構造を設計し直すことが先です。」
ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント・中小企業診断士)
「メニューごとの原価率も、利益率も、まだ数字で把握できていない」という状態のまま読み進めている方も多いと思います。無料で受け取れる「増益繁盛店になる12ステップ(74ページ)」と「必要売上シミュレーター」を使えば、今の利益構造のどこに歪みがあるかを自分で確認できます。メール登録のみ、1分で受け取れます。
利益率改善の前に、まず「今の数字」を把握する
改善の手順として、最初にやることがあります。
今の数字を、正確に把握すること。
中小企業庁の「2026年版中小企業白書」によると、
原価を製品・商品・サービス単位で把握している事業者は約4割にとどまります。
つまり、メニューごとに「これを1品売ると、いくら残るか」を
把握できていない店が、まだ多い。
感覚ではなく、数字で把握すること。
これが第一歩です。
チェックポイント1:メニューごとの原価率を出しているか
「全体の原価率」ではなく、メニュー単位で原価を把握していますか?
看板メニューが実は利益率の低いメニューになっていることは、珍しくありません。
✅ ポイント:まず売れ筋メニュー上位5品の原価率を計算してみてください。そこから見直すと、全体の利益率に効きやすい。
チェックポイント2:人件費率を月次で把握しているか
売上に対して人件費が何パーセントかを、毎月確認していますか?
感覚で「今月は人が多かった」では、管理になりません。
✅ ポイント:飲食店の人件費率の目安は業態によりますが、月次で数字を追い続けることが大事。上がっているなら、シフト設計か売上の作り方を見直すサインです。
チェックポイント3:利益額ではなく、利益率で管理しているか
売上が上がっても、利益率が下がっていれば「忙しくなっただけ」になります。
利益率を月次で追う習慣がありますか?
✅ ポイント:利益率の目標を先に設定し、そこから逆算して必要な売上・原価・人件費を設計する「逆算経営」の発想に切り替えることが重要です。
✓ ここまでのポイント
- 「忙しいのに残らない」は努力不足ではなく、利益が残らない構造が原因
- 売上を客数・客単価・来店頻度に分解して、どこに歪みがあるかを特定する
- まずメニュー単位の原価率・人件費率・利益率の3つを数字で把握することが改善の起点
「値上げしたらお客さんが離れる」「販促費を使うのが怖い」という思い込みが、改善の手を止めていることに気づいた方へ。無料で読める「顧客の購買行動を軸とした販促改善の教科書(48ページ・自店診断ワークシート付き)」には、値下げに頼らず価値で選ばれる店づくりの具体的な考え方が整理されています。メール登録だけで、今すぐ読めます。
利益率を改善する、具体的な手順
数字が把握できたら、次は実際に設計を直していきます。
利益改善 STEP 1
「売れているけど利益が薄いメニュー」を見つけ、単価か原価を見直す
原価率の高いメニューが、売上を引っ張っていることがあります。
そのメニューの価格を適正化するか、原価を見直すか。
「お客さんに人気があるから変えたくない」という気持ちはわかります。
でも、売れるほど利益が薄くなる構造は、早めに直さないといけません。
値上げの伝え方を工夫すれば、離客は最小限に抑えられます。
⚠️ よくある失敗:「値上げしたらお客さんが離れる」と恐れて、ずっと先送りにすること。理由と価値を伝えないまま値上げするから離れるのであって、価値の説明があれば受け入れてもらえるケースは多い。
利益改善 STEP 2
客単価を上げる「追加注文の仕組み」を作る
客数を増やすよりも、今来てくれているお客さんに
もう1品・もう1杯注文してもらう方が、コストが低い。
POPの置き方、メニュー表の見せ方、スタッフの声がけのタイミング。
これを設計すると、客単価は意外なほど動きます。
例えば、居酒屋さんで「〆の一品」を提案するタイミングをスタッフ全員で統一しただけで、
客単価が数百円上がった事例があります。
この「数百円」が、月の利益額に効いてくるんです。
⚠️ よくある失敗:POPや声がけを「売り込みになる」と躊躇して、やらないこと。お客さんに価値ある選択肢を提案することは、押し売りではありません。
利益改善 STEP 3
来店頻度を上げる「再来店の仕組み」を整える
新規集客は、既存客を再来店させるより何倍もコストがかかります。
一度来てくれたお客さんに、また来てもらう導線を作ること。
LINE公式アカウントでの案内、ハガキDM、スタンプカードの設計。
何でもいいですが、「来てくれた人を逃がさない仕組み」を持つかどうかで、
月の売上の安定度がまったく違ってきます。
この考え方は、飲食店に限りません。
美容室でも同じことが起きています。
「掲載をやめたら終わり」の恐怖が消えた。次回予約でリピートが安定して、掲載費を抑えた分、利益率が改善した。
カラー特化サロン(女性・30代)
掲載プラットフォームに依存していた状態から、
自分で再来店の導線を持つことで、利益構造が変わった。
飲食店でも、食べログやホットペッパーへの依存度が高いお店ほど、
掲載費が利益を圧迫しています。
自前の再来店導線を作ることで、広告費を利益に変えていける。
⚠️ よくある失敗:「お客さんはまた来てくれるはず」と待ちの姿勢でいること。来てくれる理由を作り、来店を促す仕組みを能動的に設計する必要があります。
利益改善 STEP 4
固定費の中で「削れるもの」と「投資すべきもの」を仕分ける
コスト削減と聞くと、何でも削ろうとする人がいます。
これは逆です。
削っていいのは、売上に貢献していない固定費。
集客や再来店につながる販促費は、削ってはいけない。
学びも広告も、投資です。
お金をかけずに売上を伸ばそうという発想は、愚策です。
「毎月の現金を増やすための資金繰りの見直し」という視点で固定費を整理するとき、
何が「コスト」で何が「投資」かを明確にすることが先決です。
⚠️ よくある失敗:販促費・研修費・ツール費をすべて「削るべきコスト」として一括りにすること。売上につながる支出を削ると、じわじわと収入が細っていく。
マインドを変えないと、仕組みは動かない
ここまで手順を書いてきました。
でも、正直に言います。
この手順を知っていても、動かない人はいます。
「そんな時間ない」と思った方は、
実は時間の問題ではなく、マインドの問題です。
「値上げしたらお客さんが離れる」
「販促にお金をかけるのが怖い」
この思い込みが先にある限り、
どんな手順を知っていても実行できません。
施策より先に、考え方を変えること。
経営者マインドの転換が、すべての出発点です。
「廃業を考える前に、一度だけ立ち止まって収支を見直してほしい」という話も書きましたが、
追い込まれてから動くより、余力があるうちに設計を直す方が、選択肢は広い。
私自身、独立直後に全財産を使い果たし、
家族から借金して再起した経験があります。
その時に痛感したのは、「知っているけどやっていない」と「知らない」は、
結果が同じだということ。
実行してこそ、数字が動きます。
また、赤字が続くお店が最初に手をつけるべき数字の見直しについても書いていますので、
利益構造の見直しと合わせて読んでみてください。
利益率改善は、今いるお客さんへの向き合い方から始まる
新しいお客さんを増やすことより、
今来てくれているお客さんに、もっと価値を感じてもらうこと。
これが、利益率改善の一番の近道です。
客数・客単価・来店頻度の3つを見直し、
歪みを直す。
値下げではなく、価値を伝えて適正単価で選ばれる店にする。
この設計を、一つずつ実行していきましょう。
私が主宰する増益繁盛クラブでは、833件以上の店舗支援の実績をもとに、
飲食店・美容室オーナーの利益構造の見直しを伴走しています。
一人で抱え込まずに、動いていきましょう。
店舗経営は、ゴールのないマラソンです。
ペースを設計して、走り続けましょう。
利益が残らない構造のまま、今日も仕込みに入って閉店まで動き続けている。その状態から抜け出すために、「何をどの順番でやるか」を一緒に整理できる場があります。増益繁盛クラブでは、客単価の適正化・再来店対策・利益構造の設計を、全国の仲間と伴走しながら実行できます。申込フォームに必要事項を入力するだけで参加できます。