夏の繁忙期を越えた実感。
8月の後半になると、
「今月も忙しかったのに
通帳を見たら残ってない」
という話が、あちこちから届いてきます。
先週も、会員さんから
メッセージが来ました。
「お客さんは来てる。
席も回ってる。
でも利益が出ない」
これ、非常に多い。
と言うことで、今日は
「飲食店の営業利益率の平均は5〜10%」
という現実から出発して、
原価以外に見直したい3つのことを
書いていきます。
📋 この記事でわかること
- 飲食店の営業利益率5〜10%という数字の意味と、なぜその水準に届かない店が多いのか
- 原価率以外で利益を削っている3つの構造的な問題
- 「忙しいのに残らない」を抜け出すための利益設計の考え方
こんな方におすすめ
- ✅ 客席は埋まっているのに利益が薄いと感じている飲食店オーナーの方
- ✅ 原価率は管理しているが、それでも利益が残らない理由を知りたい方
- ✅ 値下げや集客を増やす前に、構造を見直したい方
- ✅ 客単価・来店頻度の設計に手をつけたことがない方
- ✅ 「忙しさ=儲かる」という感覚から抜け出したい方

飲食店の営業利益率5〜10%という数字をどう受け止めるか
日本政策金融公庫の調査によると、
飲食店の平均営業利益率は
およそ5〜10%程度とされています。
月商500万円の店なら、
利益は25万〜50万円。
多いと見るか、少ないと見るか。
でも、現場の感覚はもっとシビアです。
私がこれまで支援してきた
飲食店610件以上の肌感覚で言うと、
この5〜10%すら届いていない店が
半数近くいます。
なぜか。
原価は管理している。
でも、原価以外が放置されている。
そこです。
原価率を28%に抑えていても、
残りの72%の使われ方が
設計されていなければ、
利益は蒸発します。
忙しさと儲かりは、別物です。
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見直したい3つのこと
原価以外で利益を削っている構造は、
大きく3つに絞られます。
1. 客単価の設計が「なんとなく」になっている
あなたのお店の客単価、
今月の実績で確認していますか?
メニューの価格は決めている。
でも、客単価は意識していない。
この2つは違います。
例えば、居酒屋さんで考えると、
席単価3,500円を想定してメニューを組んでも、
実際に計算すると2,800円しか出ていない、
というケースはよくあります。
理由はシンプルで、
「追加注文を促す仕組み」がないからです。
一品料理のPOPがない。
デザートや締めの提案がない。
ドリンクの2杯目を声かけするタイミングが
スタッフごとにバラバラ。
こういう店は、
忙しくなればなるほど
1組あたりの単価が下がります。
回転が上がっているのに、
売上の伸びが鈍い。
感じたことありませんか?
客単価を設計するというのは、
値上げだけを指すわけではありません。
「お客さんに何を追加してもらうか」
を意図的に仕組みに落とし込むことです。
単価と再来店の設計を同時に見直す考え方を
参考にしてみてください。
2. 来店頻度の設計がゼロになっている
売上の公式を書きます。
売上=客数×客単価×来店頻度。
この3つのうち、
多くの飲食店が「客数」にしか
手をつけていません。
新規を増やす。
チラシを撒く。
グルメサイトに掲載する。
でも来店頻度、つまり
「同じお客さんに何回来てもらうか」
へのアプローチがゼロ。
これが利益を薄くする
もう一つの構造です。
新規客を獲得するコストは、
既存客を再来店させるコストの
5〜7倍と言われます。
(マーケティング分野では「1:5の法則」として
広く参照される考え方です)
つまり、新規ばかり追っている店は、
利益率の低い集客を
ずっと繰り返していることになります。
では来店頻度はどう上げるか。
LINE公式アカウントでの定期配信、
ハガキDMでの季節ごとの声かけ、
「次回使えるサービス券」の手渡し。
地味です。
でもこれが効きます。
私の会員さんで、
プレスリリースを継続的に打ち続けて
累計100回以上メディアに掲載され、
観光バスが止まる名物店になった方がいます。
最初は「そんなこと自分には無理」
と言っていました。
でも始めてみると、
プレスリリースという紙1枚が
新規客と再来店の両方を
引っ張ってくることに気づいた。
来店頻度の設計は、
派手な施策ではありません。
「また来たくなる理由」を
お客さんに渡し続けることです。
✓ ここまでのポイント
- 飲食店の営業利益率5〜10%は、原価以外が放置されていると届かない
- 客単価は「価格設定」ではなく「追加注文の仕組み」で決まる
- 来店頻度へのアプローチがゼロの店は、コストの高い集客を繰り返し続けている
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「お客さんが増えれば解決する、という発想でいる間は
利益の構造は変わりません。
客数・客単価・来店頻度の3つを同時に設計して初めて、
働いた分だけ手元に残る商売になります」ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント・中小企業診断士)
3. 固定費の「重さ」を売上で補おうとしている
固定費が高いから、もっと売ろう。
この発想、逆です。
固定費が重いまま売上を伸ばそうとすると、
そのために余分な人件費が発生し、
売れば売るほど費用が膨らむ
構造になります。
飲食業の場合、
適正な人件費比率の目安は
およそ28〜35%とされています。
(日本フードサービス協会の経営実態調査を
参考にしてください)
でもこれを超えている店は多い。
原因の多くは、
シフトが「なんとなく」で組まれていること。
繁忙時間帯と閑散時間帯の
人員の差がない。
あるいは、客単価が低いまま
回転を上げようとするから、
スタッフを多く入れないと回らない
構造になっている。
ここでも「客単価の設計」が効いてきます。
1組あたりの売上が上がれば、
同じ席数・同じシフトで
利益率は改善できます。
人を増やさなくていい。
固定費を削る前に、
「1組から得られる売上」を
設計し直す。
この順番が重要です。
利益構造を見直すために見るべき数字の優先順位も
合わせて読んでみてください。
「忙しいのに残らない」から抜け出す経営者マインドの話
ここまで3つの構造を書いてきました。
でも正直に言います。
施策より先に変えないといけないことが
あります。
それは、
「忙しければ儲かる」
という感覚から抜け出すことです。
忙しさは、手段です。
利益が目的です。
この順番が逆になっている間は、
施策をいくら入れても
結果が出にくい。
私が独立した直後、
全財産が底をついて
家族から借金した時期がありました。
その時に学んだことは、
「動いていること」と
「成果が出ていること」は
全く別だということです。
働けば働くほど疲れる。
でも利益は残らない。
これは商売のやり方の問題ではなく、
構造の問題です。
構造を変えるには、
数字を見る習慣と、
その数字から逆算して
行動を決める思考が要ります。
そのためのマインドの転換が、
施策より先にあります。
「お金を掛けずに売上を伸ばしたい、
という発想は愚策です。
構造を変えることへの投資を惜しんでいる間は、
手元に残るお金は増えません」ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント・中小企業診断士)
利益率を上げた店が共通してやっていること
ここまでの3つを整理します。
❌ よくあるパターン
- 原価率だけ管理して、他は放置している
- 新規客を増やすことだけを考えている
- 固定費が重いまま「もっと売れば解決する」と考えている
- 忙しさを儲かりの証拠と勘違いしている
✅ 利益が残る店のアプローチ
- 客単価を毎月実績で確認し、追加注文の仕組みを整えている
- 来店頻度にアプローチするツール(LINE・ハガキ等)を持っている
- 人員配置と客単価を連動して設計している
- 「利益を残す構造」を意識して先手を打っている
利益率が改善した会員さんの声を
ひとつ紹介します。
「メニューへの自信はあった。でも数字の設計をしてこなかったことに気づいた。客単価と来店頻度を意識し始めてから、売上より利益への手応えが変わりました」
飲食店オーナー(40代・男性)
この感覚の変化が、
利益が残る商売への入口です。
「そんな時間ない」と思った方は、
仕組みを作るのに
大きな時間は要りません。
まず数字を見ること。
そこから始まります。
原価以外に利益率を上げるための具体的な見直し方も
参考にしてみてください。
まとめ
飲食店の営業利益率の平均は5〜10%。
でもこの水準に届かない店のほとんどは、
原価以外の構造を
設計していません。
見直したい3つのこと、
改めて書きます。
1. 客単価の設計を「追加注文の仕組み」で作る。
2. 来店頻度へのアプローチを仕組み化する。
3. 固定費の重さを売上で補う前に、1組の売上を上げる。
そしてその前に、
マインドを変える。
忙しさと儲かりは別物。
構造を設計する経営者になる。
この2つを同時に進めていきましょう。
店舗経営は、忙しさに流されるのではなく、
利益を意図的に作り続けるゲームです。
ルールを知ってプレーしていきましょう。
追伸:
利益が残る構造への設計、
一人でやるには限界があります。
増益繁盛クラブでは、
全国の飲食店・美容室オーナーが
同じ数字の壁を乗り越えながら
進んでいます。
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