10月も後半に差し掛かり、秋の深まりとともに日が暮れるのが早くなってきた。夕方5時を過ぎると空がもう暗い。仕込みをしているうちに外が真っ暗になって、「あ、今日も一日終わった」と気づく——そんな感覚、飲食店のオーナーなら誰もが知っているはずです。
こんにちは、繁盛店研究所のハワードジョイマンです。今日は、僕自身が日々どんなことを考えながら動いているかを、一日の流れに沿ってお伝えしながら、「やることが多すぎて追われ続ける」という状態をどう抜け出すか、その考え方をお話しします。
忙しいことと、追われることは違います。大人気で手が空かない状態は喜ばしい。でも「何かに追いかけられている感覚」の中で毎日を過ごすのは、全然違う話です。その苦しさは痛いほど分かる。僕自身、かつて破産を経験した後の再起の日々で、まさにその感覚の中にいたから。
📋 この記事でわかること
- 「追われる感覚」が生まれる本当の原因(能力ではなく構造の問題)
- 一日の流れの中で、やることを整理して優先順位をつける具体的な考え方
- 心にゆとりをつくるために最初に手を付けるべき場所
- 「やることが見える」状態に変わったオーナーの実例
こんな方におすすめ
- ✅ 朝から晩まで動いているのに、何も片付いていない感覚がある方
- ✅ 「忙しい」が口癖になっていて、精神的な余白がほぼゼロな方
- ✅ やることを減らしたいのに、何を減らせばいいか分からない方
- ✅ 漠然とした不安を抱えながら、毎日を乗り切ることだけで精一杯な方
- ✅ スタッフに任せたいのに、結局自分がやってしまうループに入っている方

朝一番に僕がやること——「今日の主役を決める」
繁盛店研究所の営業は午前10時から。でも僕の一日は、それより前に始まっています。
朝の時間に必ずやることがあって、それは「今日の主役を一つだけ決める」こと。手帳を開いて、今日やろうとしていることを全部書き出す。出てきたリストを眺めて、「この中で、今日の売上や未来の利益に直結するのはどれか」と問いかける。そうやって一つに絞り込む。
飲食店のオーナーが「追われている」と感じる一番の原因は、リストが多すぎることではありません。「どれも同じ重さで並んでいる」ことです。仕入れの電話も、新メニューの試作も、スタッフへの連絡も、予約台帳の整理も——全部フラットに並んでいると、脳は常に「次は何?次は何?」と走り続ける。これが追われ感の正体です。
主役が決まっていれば、他のことは「助演」になる。助演は後回しにしていい。この感覚を持つだけで、朝の時点での焦りがかなり和らぎます。
「忙しい経営者と、大人気の経営者の違いは、何をやらないかを決めているかどうかです。やることを増やしても時間は生まれない。やらないことを決めた瞬間に時間が現れる。」
ハワードジョイマン(繁盛店研究所・中小企業診断士)
「やることが多すぎて何から手をつければいいか分からない」——その詰まりは、情報不足ではなく整理のフレームがないことが原因です。無料で受け取れる書籍8冊の中には、売上を伸ばした実践者が「何をどう変えたか」を語った134ページのインタビュー集も含まれています。メールアドレスを登録するだけで、今すぐ読み始められます。
午前中——「利益に直結しない行動」を発見する時間
コンサルティングの仕事でクライアントの社長と話していると、よく気づくことがあります。「毎日やっていること」の中に、「なんとなく続けているだけで、実は誰かに任せられる・なくせる・まとめられる」ものが、思った以上に混じっているということ。
たとえば、毎朝自分でかけている仕入れ業者への電話。毎回手書きしている発注書。営業中に自分が出ている電話対応。「私がやらなければ」と思っていたものが、実はルール化すれば誰かに渡せる、あるいは週一回のまとめ作業に変えられる——そういうものが必ずあります。
僕が支援している中で特に印象に残っているのが、40代のイタリアンを営む女性オーナーのケースです。
「漠然とした不安が『やることが見える』安心に変わった。電話対応の負担が減って、客単価も18%上がりました。」
イタリアン経営(40代・女性)
このオーナーがまず取り組んだのは、電話対応の見直しでした。「予約電話を自分が取らないといけない」という思い込みを外して、対応のフローを整理した。するとその時間が空いて、接客とメニュー設計に集中できるようになった。客単価が上がったのは、その「集中できる時間」に手を打てたからです。
追われている日々から抜け出す突破口は、「やることを増やす」ことじゃない。「やらなくていいこと」を見つけることです。
この「やらなくていいこと探し」を体系的にやる方法として、僕が講座の中でお伝えしているのが「1週間の行動分析」という手法です。一週間、自分が何に時間を使ったかを記録して、利益に直結しない行動を特定する。そして「なくす・任せる・外注する・変える・速める・集約する」という6つの選択肢の中からどれを当てはめるかを考える。やってみると、思っていた以上に「手放せる仕事」が見えてきます。
✓ ここまでのポイント
- 「追われる感覚」の正体は、やることに優先順位がついていない状態。主役を一つ決めるだけで変わる
- 「自分がやらなければ」という思い込みの中に、手放せる仕事が必ず隠れている
- やることを減らす突破口は、1週間の行動分析で「利益に直結しない行動」を可視化することから始まる
「利益に直結しない行動を特定して手放す」という話をしましたが、それをどう実際の行動に落とし込むかが一番の壁です。動画講座「行動収益化法」では、1週間の行動分析で「やめる」判断をする方法と、行動を6つの選択肢で整理する手順を、ワークシートを使って実践できる形で収録しています。視聴期限なし・スマホから何度でも繰り返し見られます。
午後——「決めた主役だけをやり切る」という経営
繁盛店研究所の午後も、基本は同じです。午前中に決めた今日の主役——たとえばクライアントへの提案書づくりなら、それを最優先で動かす。途中で割り込んでくることがあっても、「これは今日の主役か?」と一度立ち止まる。そうでなければ、後回しリストに入れる。
これを飲食店に置き換えると、どうなるか。
たとえば「今週の主役は、次回予約の仕組みをつくること」と決めたとします。そうすると、その日の仕込みや仕入れは「今日もこなすべきルーティン」として手を動かしながら、頭の片方は「予約の仕組み」に向いている。ランチのピークが終わった30分を使って、ポップの文言を考える。閉店後に15分だけ、スタッフへの声かけの手順を書き出す。
「30分も15分もない」と言う社長もいます。でも、飲食店オーナーに時間がない本当の原因と、忙しさを断ち切る進め方でも書きましたが、実は時間はある。ただ「利益に直結しない行動」に使われているだけで。その行動を一つ手放すだけで、15分から30分の時間が現れることが多い。
ここで大切なのが「心にゆとり」の話です。ゆとりは、時間が余ったときに生まれるものじゃない。「今日やるべきことをやっている」という感覚から生まれます。主役が決まっていて、それを動かしている実感があれば、他のことが後回しでも不安にならない。「あれもこれも」の状態のほうが、実は何も進んでいないのに焦り続ける。
追われる日々から抜け出す——認識を変えるところから始まる
僕がかつて破産からの再起を図っていたとき、最初にたどり着いた考え方が「今の現実は100%自分が作り出している」ということでした。初年度の年商は269万円。翌年はさらに落ちた。その状態を「景気のせい」「顧客のせい」にしていても、何も変わらなかった。
「追われている」という状態も、同じです。追われているのは外から仕事が押し付けられているからではなく、自分が「全部やらなければ」という認識で動いているから。この認識を変えるところから、実は全部始まります。
飲食店のオーナーが陥りやすいのが、「売上が落ちているのに、やることは増えている」というループです。対策を打とうとすると、やることがまた増える。でも時間がないから中途半端になる。手応えがないから焦る。また別の対策を打とうとする——この繰り返し。
そのループを断ち切るのに必要なのは、新しい集客策ではなく「やらないことを決める覚悟」と「今いる仕組みを見直す視点」です。飲食店の売上が頭打ちになったとき、オーナーが最初に見直すべき3つのことでもお伝えしていますが、詰まったときほど引き算の発想が効きます。
「経営者の仕事は、儲かるアイデアと儲かる仕組みをつくることです。でもそれをやる時間がない社長は、まず『やめる決断』をすることから経営者になれる。」
ハワードジョイマン(繁盛店研究所・中小企業診断士)
一日の締めに15分——翌日の「主役」を決めてから店を閉める
閉店後、後片付けが終わった後にやってほしいことが一つあります。翌日の「主役」を決めること。たった15分でいい。
明日やることを全部書き出して、その中から一番利益に直結するものを選ぶ。選んだら、「それ以外は後回しでいい」と決める。この15分を習慣にするだけで、翌朝の焦りが大きく変わります。「今日何をやるのか」が決まった状態で一日を始められるから。
追われる感覚から抜け出すのに、まず必要なのは大きな変革じゃない。「今日の主役を決める」「利益に直結しない行動を一つ手放す」「15分で翌日を整える」。この小さな積み重ねが、気づけば「やることが見える」状態を作っていきます。
漠然とした不安が「やることが見える安心」に変わる——先ほどご紹介したイタリアンのオーナーが体験したことは、特別な才能や大きな投資の結果じゃない。やることを整理して、優先順位をつけて、手放せるものを手放した結果です。それはあなたの店でも、同じように起こります。
もし今、飲食店の経営に疲れを感じていて、どこから動き出せばいいか迷っているなら、まず「今週の自分の行動」を書き出してみてください。利益に直結している行動がどれで、そうでない行動がどれかを見るだけで、最初の一歩が見えてきます。
繁盛店研究所では、創業21年・全国500名の経営者が参加する増益繁盛クラブを通じて、飲食店・美容室オーナーの「追われる日々から抜け出す」支援を続けています。小手先のテクニックより先に、経営者自身の認識と行動の仕組みを変えること。それがすべての出発点です。
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