3.行動戦略と時間創出

やることの取捨選択、3つのポイント

結論から言うと、「段取りが悪い」のはあなたの能力の問題ではありません。やることが多すぎる状態のまま、時間で管理しようとしていることが原因です。

多くの飲食店・美容室オーナーと話していると、「もっと時間の使い方を工夫しなければ」と言う方が本当に多い。でも正直に言います。時間管理ツールを増やしても、段取りは改善しません。問題は「何をやるか」が整理できていないことであり、これはタスク管理の問題です。

今回は、一日中バタバタして終わってしまう経営者が陥りやすい構造と、やることを取捨選択するための3つのポイントをお伝えします。

📋 この記事でわかること

  1. 「バタバタ」の正体が時間不足ではなくタスク過多である理由
  2. やることを取捨選択する3つの具体的な基準
  3. 取捨選択した後に段取りを組む実践的な手順
  4. 「やることが見える」状態になった経営者の実例と数字

こんな方におすすめ

  • ✅ 一日中動いているのに「何をやったか」が曖昧なまま終わっている方
  • ✅ ToDoリストを作っても消化しきれず翌日へ繰り越してしまう方
  • ✅ 緊急対応に振り回され、本来やるべき経営の仕事が後回しになっている方
  • ✅ 「もっと時間があれば」と感じながら時間の使い方を変えられていない方
  • ✅ 場当たり的な動き方から抜け出して、計画通りに動ける自分になりたい方
やることの取捨選択、3つのポイント | 有限会社繁盛店研究所

「バタバタ」の正体は時間ではなく、タスクにある

あなたは今日、何件の「やること」を持って仕事を始めましたか?

私がこれまで21年間・延べ数百名の飲食店・美容室オーナーをサポートしてきた経験から言うと、バタバタしている経営者の共通点は「時間が足りない」ことではなく、「やること」がリスト化されておらず、頭の中に漠然と積み上がっていることにあります。

頭の中にあるタスクは「なんとなく全部重要」に見えます。だから優先順位がつけられず、目の前に来たものから手をつける。電話が鳴ったら出る。スタッフに声をかけられたら対応する。急な仕入れ確認が入ったら調べる——。これが積み重なって、夕方には「一日中動いていたのに何も進んでいない」状態になります。

時間管理アプリを使ったり、スケジュール帳をきれいに埋めたりしても解決しない理由はここにあります。時間を管理する前に、タスクを管理することが先決です。

では、どうやって「やること」を取捨選択すればいいのか。3つのポイントをお伝えします。

「利益に直結するか」で仕分けしようとしても、自分のタスクがそもそもどのカテゴリに入るのか判断に迷う方は多いです。繁盛店ポータルの無料ツールでは、AIと対話しながらお店のビジョンと優先すべき行動を整理できる「増益繁盛プランナー(5ステップ無料)」が使えます。無料アカウントを作るだけで今すぐ使えます。

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ポイント1:「利益に直結するか」を唯一の取捨選択基準にする

取捨選択の基準は、シンプルにこれだけでいいです。「これは利益に直結しているか?」

飲食店・美容室の経営者が一日に抱えるタスクを書き出してみると、だいたい次の2種類に分かれます。

❌ 利益に直結しない「作業」

  • 電話対応(予約確認・問い合わせ対応)
  • 仕入れ業者への細かい連絡
  • SNSへの投稿作業(文章・写真の加工)
  • シフト調整のやり取り
  • 備品の発注・在庫確認

✅ 利益に直結する「社長の仕事」

  • 客単価を上げる新メニュー・サービスの設計
  • リピーター向けの施策を考える
  • スタッフが自走できる仕組みを作る
  • 数字を見て次の打ち手を決める
  • 新規集客のアイデアを練る

ほとんどの経営者は❌側のタスクに1日の6〜7割を使っています。これが「忙しいのに利益が残らない」構造の正体です。儲かるアイデアと仕組みをつくるのが社長の仕事——と頭では分かっていても、目の前の作業に追われて、気づけばその時間がゼロになっている。

まずやることは、今週のタスクをすべて紙に書き出して「利益直結か・そうでないか」に仕分けることです。仕分けてみると、利益に直結しない作業がいかに多いかが数字で見えてきます。

「社長の仕事は、現場の作業をこなすことではない。仕組みを設計して、自分がいなくても回る状態を作ることだ。そこに時間を使えていないとしたら、原因は能力ではなく、どのタスクに時間を割くかという認識の問題です。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店研究所 主宰)

ポイント2:タスクを「なくす・変える・集約する」で数を減らす

取捨選択というと「やる・やらない」の2択に見えますが、実際にはもう少し細かく分解できます。

利益に直結しないと判断したタスクに対して、次の3つの問いを当てはめてみてください。

チェックポイント1:このタスクは「なくせる」か?

そもそも誰も困らないのに、惰性でやり続けていることはないですか? たとえば「毎週作っているけど誰も見ていない報告資料」「やめても影響がない確認作業」などが該当します。

✅ ポイント:「これをやめたら誰が困るか?」を自問してみる。答えに詰まるなら、やめていい。

チェックポイント2:このタスクは「変えられる」か?

たとえば電話対応は「なくす」のが難しくても、「仕組みを変える」ことで時間を圧縮できます。予約をオンラインに移行する、よくある問い合わせをFAQにまとめてスタッフが対応できるようにする——こういった変え方です。

✅ ポイント:今のやり方が「唯一の方法」だと思い込んでいないか確認する。

チェックポイント3:このタスクは「集約できる」か?

同じ種類の作業を、バラバラのタイミングでやっていないですか? 仕入れ確認を週3回に分けてやっているなら、週1回にまとめる。SNS投稿を思いついたときにやっているなら、週1回の「投稿作業日」を決める。業務を集約して効率化するだけで、体感の忙しさが大きく変わります。

✅ ポイント:「毎日少しずつ」より「まとめて一気に」の方が段取りが組みやすい。

✓ ここまでのポイント

  • バタバタの原因は時間不足ではなく、タスクが整理されていないこと
  • 取捨選択の基準は「利益に直結するか」の1点に絞る
  • 利益に直結しないタスクは「なくす・変える・集約する」で数を減らせる

「なくす・変える・集約する」で絞ったあと、残った社長の仕事に本当に時間を使えているかどうか——そこを確かめる方法が「1週間の行動分析」です。動画講座「行動収益化法」では、この分析ワークと、利益に直結しない行動を特定して手放す具体的な手順が全8本・約6時間17分で収録されています。一括払いと分割払いが選べる有料の動画教材です。

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ポイント3:残ったタスクを「順番」ではなく「かたまり」で組む

取捨選択してタスクを絞ったあと、多くの人が陥るのが「ToDoリストを順番にこなそうとする」失敗です。

リストを上から順にやろうとすると、割り込みが入るたびにリズムが崩れます。電話が鳴る、スタッフに声をかけられる、急な対応が入る——そのたびにリストの「次」に戻るコストが発生します。これが体感の「バタバタ」を生む正体の一つです。

段取りを組むときは、タスクを「かたまり(ブロック)」でまとめることが有効です。

具体的には、午前・午後・夕方の3ブロックに分けて、それぞれに「このブロックでやること」を決める。そしてそのブロック中は、割り込みをできる限り遮断する時間を作ります。

段取りの組み方 STEP 1

前日の終業前15分でタスクを書き出す

「明日やること」を翌朝に考えるのではなく、前日の夜に決めてしまいます。翌朝は「考える」ではなく「動く」からスタートできる状態を作ります。これだけで午前中の使い方が大きく変わります。

⚠️ よくある失敗:「明日は何をするか頭の中にあるから大丈夫」と書き出しを省略してしまい、翌朝また「何からやろう」と考える時間が発生する。

段取りの組み方 STEP 2

タスクを3ブロックに割り振り、「社長の仕事」を午前の最初に置く

利益に直結する社長の仕事は、エネルギーが高い午前の早い時間に固定します。電話対応・スタッフ対応などの作業系は午後のブロックにまとめる。順番を変えるだけで、社長の仕事に使える時間が確実に確保できます。

⚠️ よくある失敗:「緊急」という名目で作業系のタスクを朝イチに入れてしまい、気づけば社長の仕事に使う時間がゼロになる。

段取りの組み方 STEP 3

割り込みを「後で対応する」と決める

割り込みを完全になくすことはできません。ただ、「今すぐ対応しなければならない割り込み」は思っているより少ないはずです。「〇時以降に対応します」と決めてスタッフに伝えておくだけで、集中できるブロックを守れます。

⚠️ よくある失敗:「声をかけてもらったら対応しなければ」という習慣が抜けず、割り込みのたびに集中が途切れる。

「タスク管理と時間管理は別物です。時間管理とは器を整えること。タスク管理とはその器に何を入れるかを決めること。器を整えても中身が変わらなければ、結果は変わりません。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店研究所 主宰)

「やることが見える」状態になると、経営はこう変わる

取捨選択をして、タスクを整理して、段取りを組む——この一連の変化が経営にどんな影響を与えるか。実際のお客様の声をご紹介します。

「以前は毎日バタバタして、何をしているのか分からないまま閉店時間を迎えていました。タスクを整理してやることを絞ったら、漠然とした不安が『やることが見える』安心に変わって、客単価も18%向上しました。電話対応の仕組みを変えただけで、自分の時間がこんなに変わるとは思っていませんでした。」

イタリアンオーナー(女性・40代)

この方が最初にやったことは「電話対応をなくす」ではなく、電話対応の仕組みを変えること——つまりポイント2の「変える」です。そこで生まれた時間を使って、客単価アップの仕掛けを考える時間を確保した結果が18%の向上につながっています。

取捨選択は、「頑張る量を減らす」のではなく、「頑張る場所を正しくする」ための作業です。やめることで生まれた時間を、利益に直結する社長の仕事に使う。この構造の転換が、数字として現れてきます。

なお、タスクを整理した後に「スタッフに渡せる仕事」が見えてきたら、次は仕事を工程に分けて手順を明確にするステップが有効です。タスクの取捨選択と仕組み化はセットで機能します。

まとめ:今日から始める「やることの取捨選択」

「段取りが悪い」と感じているなら、まず疑うべきは時間の使い方ではなく、タスクの整理です。

3つのポイントを改めて整理します。

1. 「利益に直結するか」を唯一の取捨選択基準にする
社長の仕事と作業仕事を仕分けることから始める。

2. 利益に直結しないタスクは「なくす・変える・集約する」で減らす
いきなり全部やめる必要はない。「変える」「集約する」だけでも体感の忙しさは変わる。

3. 残ったタスクを「かたまり」で段取りを組む
前日15分でタスクを書き出し、翌朝は「動く」からスタートできる状態を作る。

取捨選択は一度で完成するものではありませんが、週に1回、30分でもタスクを見直す習慣をつけるだけで、半年後の経営は大きく変わります。「何から手をつければいいか分からない」が「やることが見える」に変わった瞬間から、経営者としての動き方が根本的に変わります。

とっとと始めましょう。

タスクを取捨選択して段取りを組んでも、「なぜかまた元に戻ってしまう」のは、やめる判断の基準と、タスクを手放した後に誰に・どう渡すかの設計が固まっていないからです。動画講座「行動収益化法」では、未来デザインマップと行動目標88シートを使って望む未来を描き、そこから逆算して「今日やること」を1本の線でつなぐ方法を学べます。視聴期限なし・スマホからも繰り返し見られる有料の動画教材です。

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