秋の夜、会員さんから届いたメッセージ。
「補助金って、うちみたいな規模でも使えますか?」
飲食店のオーナーさんから、こういった質問が届くことが増えてきました。
コロナ以降、補助金という言葉が一般的になりました。
銀行の窓口でも、商工会でも、「補助金を活用しましょう」という声をよく耳にするようになりました。
でも正直なところ、
「何があるのか」
「自分の店で使えるのか」
「どれを選べばいいのか」
これが整理できていない方がほとんどです。
今日は補助金の種類と用途の違いを、飲食店オーナーの目線で整理します。
そして最後に、補助金よりも先に整えるべきことを、正直にお伝えします。
こんな方におすすめ
- ✅ 補助金の種類が多くてどれを選べばいいか迷っている方
- ✅ 設備投資・改装・集客ツール導入を検討している飲食店オーナー
- ✅ 補助金申請を考えているが、何から手をつければいいかわからない方
- ✅ スタッフが誇りを持って働ける店にしたいと思っている経営者の方
- ✅ 売上が横ばいで、次の一手を探している小規模飲食店のオーナー
📋 この記事でわかること
- 飲食店が活用できる主な補助金の種類と、それぞれの用途の違い
- 店舗規模・目的別にどの補助金を選ぶべきかの判断基準
- 補助金申請で陥りやすい落とし穴と、採択後に失敗しないための考え方
- 補助金より先に整えるべき「売上の土台」と、スタッフが誇りを持って働ける店づくりの関係

飲食店が使える補助金、まず3つに絞って理解する
補助金は種類が多すぎて、一度に覚えようとすると混乱します。
まずは飲食店に関係が深い3つを押さえてください。
チェックポイント1:小規模事業者持続化補助金
商工会・商工会議所が窓口になっている補助金です。
上限は50万円(条件により最大200万円)。
チラシ・ホームページ・看板・新メニュー開発など、販促・集客に関わる費用に使えます。
飲食店に最も身近な補助金と言っていいでしょう。
申請の手間も比較的少なく、個人事業主でも法人でも対象になります。
✅ ポイント:「新しい客層にアプローチしたい」「チラシやSNS広告に投資したい」という方はまずこれを検討してください。紙販促・SNS・MEOを組み合わせた集客の考え方と組み合わせることで、補助金を使い切るだけでなく、継続的な集客の仕組みが作れます。
チェックポイント2:ものづくり補助金
製造業向けと思われがちですが、飲食店でも使えます。
厨房機器の購入・省エネ設備の導入・ITシステムの導入などが対象です。
補助上限は750万〜1,250万円(類型により異なる)。
ただし補助率は原則1/2。
つまり1,000万円の設備を入れると、自己負担が500万円残ります。
✅ ポイント:規模が大きい投資には向いていますが、「補助金が出るから」という理由だけで高額設備を入れると、自己資金が底をつくリスクがあります。先に投資回収の計算をしてから申請を判断してください。
チェックポイント3:事業再構築補助金
コロナ禍で売上が落ちた事業者の「事業転換・業態変更」を支援する補助金です。
上限は100万〜7,000万円(類型により大きく異なる)。
業態変更・新事業展開・移転など、「今と違う売り方をしたい」場合に使えます。
ただし、申請要件が複雑で、採択後の実績報告も手間がかかります。
認定支援機関(中小企業診断士など)のサポートが実質的に必要になります。
✅ ポイント:「テイクアウト専門に業態転換したい」「EC販売を始めたい」といった大きな方向転換に向いています。ただし「補助金ありき」で計画を作ると、採択されても実行段階でつまずきます。
✓ ここまでのポイント
- 飲食店向けの主な補助金は「持続化補助金・ものづくり補助金・事業再構築補助金」の3種類が基本
- 用途と規模によって使うべき補助金は変わる。「補助金額の大きさ」だけで選ぶのは危険
- 申請の複雑さと自己負担額は、補助金の規模に比例して大きくなる
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補助金の種類は整理できても、「今の自分の店に何が足りないか」が言語化できていないと、どの補助金も的外れになります。繁盛店ポータルでは、増益繁盛プランナー(5ステップ無料)を使って、お店のビジョン・目標・ターゲット客層をAIが対話しながら整理してくれます。メール登録のみ、1分で使えます。
「どれを選ぶか」の判断基準を整理する
「うちはどれを使えばいいですか?」と聞かれたとき、私は必ず逆に聞き返します。
「何のためにお金を使いたいんですか?」と。
補助金は目的を決めてから選ぶものです。
補助金の種類を先に知ってから目的を合わせようとすると、必ずズレが生じます。
❌ よくある失敗パターン
- 「補助金が出るから」という理由で不要な設備を購入してしまう
- 自己負担の計算をせずに申請し、キャッシュフローが悪化する
- 採択されたが、使い道が決まっておらず実績報告で困る
✅ 正しい選び方のフロー
- まず「何をしたいか(目的)」を決める
- 次に「その目的に使える補助金があるか」を確認する
- 自己負担額と申請の手間を計算してから判断する
例えば、月商400万円前後の居酒屋さんが「Googleマップの表示を強化したい」「チラシを作り直したい」という場合は、持続化補助金が最も合っています。
一方、「客席数を増やすために内装工事をしたい」という場合は、ものづくり補助金か、自己資金・融資との組み合わせを検討することになります。
目的が「業態を変えて新しい客層を開拓したい」という場合は事業再構築補助金の出番です。
でも申請から採択まで数ヶ月かかります。
急ぎの場合は向きません。
「補助金は道具です。道具は使う目的があって初めて意味を持つ。補助金を入口にして事業計画を作ると、計画がゆがむ。事業計画を先に作って、そこに補助金が乗っかるのが正しい順番です。」
ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)
補助金申請で陥りやすい落とし穴
補助金は、採択されてからが本番です。
採択後に「実績報告」が必要で、補助対象の費用を適切に使ったことを証明しなければなりません。
領収書・契約書・写真・効果測定レポートなど、書類の準備が相当な手間になります。
さらに見落とされがちなのが、「後払い」の仕組みです。
補助金は原則として、費用を先に自己負担してから、実績報告後に入金されます。
つまり、一時的に全額を自分で払える資金力が必要です。
月商420万円の焼肉店を経営するある男性オーナー(40代)の話を紹介させてください。
補助金申請の相談を受けたとき、まず私が確認したのは「今の手元資金」でした。
「値引き競争から抜けて、料理への自信を取り戻せました。月商も420万から560万になって、週2日の休みも確保できるようになった。補助金より先に、売上の構造を変えたことが全部の出発点でした。」
焼肉店オーナー(40代・男性)
このオーナーさんが変えたのは、まず販促の方向性でした。
値下げクーポンに頼るのをやめ、客数・客単価・来店頻度の3軸で販促施策を整理するところから始めた。
その結果として売上と利益が安定し、「補助金を使って設備投資する」選択肢が現実的になったのです。
順番が大事です。
売上の土台がない状態で補助金を使っても、
設備だけが増えて、返済と管理コストが重くなる。
これも逆です。
補助金より先に整えるべき「売上の土台」という話
「そんな当たり前のこと言われても」と思った方もいるかもしれません。
でも、実際に補助金の相談をしてくる経営者の方の多くは、月商が横ばいのまま、販促の仕組みも曖昧なまま、「補助金で一発逆転」を期待しているケースが少なくないんです。
残念ながら、補助金は一発逆転の道具ではありません。
繁盛している店が、さらに強くなるための投資に使うのが補助金の正しい使い方です。
では、売上の土台をどうやって作るのか。
私が20年間、833件以上の飲食店・美容室・小売店を支援してきた中で言い続けてきたのは、売上は「客数×客単価×来店頻度」の3系統で動いているという考え方です。
この3つを意図的にコントロールする状態になれば、売上は運任せでなく、計画的に作れるようになります。
そしてその状態になったとき、初めてスタッフが誇りを持って働ける店が生まれます。
給与制度を整えるより前に、
お客さんから「ありがとう」と言われる場面が増えること。
社長自身が安心して経営できていること。
この土台があってはじめて、スタッフは「この店で働いていてよかった」と感じるようになります。
値引きで疲弊し、社長が不安そうにしている店では、
どれだけ制度を整えても、空気は重くなるばかりです。
「補助金の話をしに来た経営者が、話を聞いていくうちに『まず販促の仕組みを作ります』と言って帰る。これが理想の面談です。道具より先に、使う人の状態を整えることが大切なんです。」
ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)
補助金を活かすための実践ステップ
販促改善 STEP 1
「何のための補助金か」を明確にする
新規集客なのか、客単価アップなのか、業態転換なのか。
目的が決まれば、使うべき補助金も自然と絞られます。
飲食店の販促手段を費用対効果・業態別に比較した整理を参考に、まず自店の課題を言語化してみてください。
⚠️ よくある失敗:「補助金が使えそうだから」と目的を後から合わせようとして、計画全体がゆがむ。
販促改善 STEP 2
自己負担額と資金繰りを確認する
補助金は後払いです。
申請額の半分以上を先に払える手元資金があるか確認してから動いてください。
キャッシュフローを圧迫する補助金の使い方は本末転倒です。
⚠️ よくある失敗:採択後に資金が不足し、借入を増やして補助金を使うことになるケース。
販促改善 STEP 3
商工会・中小企業診断士に相談して申請書を作る
持続化補助金は商工会・商工会議所の窓口で無料相談ができます。
ものづくり補助金・事業再構築補助金は認定支援機関(中小企業診断士など)のサポートが実質必要です。
申請書の書き方で採択率が変わります。一人で抱え込まないこと。
⚠️ よくある失敗:採択実績のない業者に高額な「申請代行費用」を払って不採択になる。
まとめ:補助金は「繁盛の足し算」、土台は自分で作る
補助金は確かに使える道具です。
でも、補助金が店を繁盛させるわけではありません。
繁盛させるのは、
お客さんに価値を伝える販促であり、
客単価と来店頻度を意図的に動かす経営の仕組みです。
その土台が整った先に、補助金という道具が活きてくる。
値引きに頼らず、価値で選ばれる店になる。
スタッフが「この店で働いていてよかった」と言える店になる。
この順番を間違えないようにしていきましょう。
補助金の申請を検討している方は、まず地元の商工会・商工会議所の窓口か、中小企業診断士への相談から始めてみてください。
「補助金を使う前に、今の売上の仕組みを整える」
その一歩を、一緒に踏み出していきましょう。
店舗経営は、ゴールのないマラソンです。
でも走り方を知っていれば、ペースを保って長く走れます。
追伸:販促の仕組みを作るところから一緒に取り組みたい方は、下記からどうぞ。
補助金の選び方より先に、売上を客数・客単価・来店頻度の3系統でコントロールできる状態を作る——この記事でお伝えしたことを、一人で実践するのはなかなか続きません。増益繁盛クラブでは、全国の飲食店・美容室オーナーと一緒に、値引きに頼らず価値で選ばれる店づくりを伴走しながら進めています。まず詳細を読んでみてください。