飲食店

75店舗目 岡井さん│カフェレストラン経営(和歌山県橋本市)

和歌山県橋本市にて喫茶店「コロンブス」を経営


コロンブス
代表・岡井 宏市郎さん

- まずは岡井さんが経営している「コロンブス」がどのようなお店なのか、お教えください。

和歌山県の橋本市の南海電鉄高野線「林間田園都市駅」の構内にある、元々は喫茶店からスタートした飲食店です。
25年前の1996年にオープンさせた当時は、普通の喫茶店でしたが、ハンバーグを出し始めてみたとろ好評で、そこからパスタや海老フライなどの定食メニューを展開していくようになりました。

座席数は35席で、営業時間は朝の9時から夜の21時まで。お子様からご年配まで、いろんな年齢層のお客様にお越しいただいています。

現在の中心メニューは、ミスジを使った「ローストビーフ」や天使の海老を使った「エビフライ」です。

また200gのハラミステーキと160gのハンバーグをご飯の上に盛った「肉山丼」は、多くのメディアに取り上げていただいています。

 
 
「コロンブス」の人気メニュー

最寄り駅となる「林間田園都市駅」は、元々は大阪のベッドタウンとして、南海電鉄か開発をスタートさせた街です。しかしバブルが弾けたり、リーマンショックの影響で、人口が減少し、残念ながら今では少し寂しい街になってしまっています。

半径1.5kmの商圏で、昼間の滞在人口を調べてみたところ、約2000人程度しかいませんでした。ですので、地域のお客様だけでなく、遠方からお越しいただくお客様をターゲットにした販促を行っています。

ちなみに私は、ここ「コロンブス」の他に、大阪の堺市にある学校で「学食」の経営も行っています。


店舗所在地

借金2800万円で倒産寸前!残りの運転資金で「増益繁盛クラブゴールド」に入会

- 岡井さんは、2015年12月7日にメールマガジンの購読を開始しました。その時のお店の状況をお教えください。

1996年にお店をオープンさせてから、10年くらいは順調でした。
しかし2008年のリーマンショックを機に、売上がどんどん落ち込んで、経営が危なくなってきました。

そんな状況を打破しようと、「コロンブス」と「学食」の他に「日本料理のお店」をオープンさせました。

しかし日本料理屋は、店主がいなければ成り立ちません。私が少し不在にするだけで「大将はどこに行ったんだ?」とお客様から不満の声があがります。
そのため、私はずっと日本料理屋に付きっきりになってしまい、「コロンブス」と「学食」に力を注げなくなったことで、売上はさらに下がっていってしまったのです。

2015年の末には、毎月赤字が30万円出るわ、借金額も2000万円まで膨れ上がるわで、このままでは翌年の夏まで持たないところまで来ていました。

そこで、経営を回復させる良い方法はないかと、インターネットで色々と検索していた時に出てきたのが、ジョイマンさんのWebサイトでした。
ただこの時はまだ、失礼ながらジョイマンさんに対して「胡散臭い」という思いがあったので、とりあえず無料のメールマガジンだけ購読を始めました。

- そんな中、2016年4月には「増益繁盛クラブゴールド」に参加されましたが、これはどういう理由からだったのですか?

「メールマガジンの内容が良かった」ことと、「次のチャンスを見据えて勉強しようと思った」ことの2点が、大きな理由です。

●メールマガジンの内容が良かった

まずはメールマガジンの内容が、読んでいて「なるほど」と気付かされることがたくさんありました。
例えば私はこれまで、「美味しければお客様が来てくれる」と思っていました。でもそうじゃないんだと言うことを教えてもらいました。
美味しくても、それをお客様が知らなければ、来店や売上には繋がらないと知って、「では知ってもらうために対策しなければ」と考えるようになったのです。これは自分の中での大きな転機でしたね。

●次のチャンスを見据えて勉強しようと思った

また2016年4月頃は、さらに経営が悪化している状態でした。
借金も2800万円まで増えたことで、経営をテコ入れするべく、日本料理屋も閉店させた時期でした。
しかし「コロンブス」と「学食」の2店舗で、それだけの借金を返せる目処がまったく立ちません。

もう倒産も視野に入れていたのです。

せっかく20数年守ってきたお店を全部取られてしまうと、最初は悲嘆に暮れていました。
でもよく考えたら、経営や料理の「知識」までは取られることはありません。
だったら残りの運転資金を使って、「増益繁盛クラブゴールド」に参加したり、ジョイマンさんの教材を買って、いつかまたお店を出す機会が得られた時のために「知識」を手に入れておこうと考えたのです。

メニュー改善で客単価が600円から1200円に!

- 「増益繁盛クラブゴールド」に参加して、まずはどのような実践を行いましたか?

メニューの「内容」と「価格」、「メニューブック」を大きく改善しました。

●メニューの内容

これまでは、ハンバーグ600円、パスタ680円とか、シンプルなメニューで、単価も安いものしかありませんでした。
喫茶メニューだけのお客様もいらっしゃいましたので、当時の平均客単価は600円以下でした。

そこで「ハンバーグとエビフライ」とか「ハンバーグとローストビーフ」とか、複数の品を組み合わせたセットメニューをたくさん作り、単価を上げるようにしました。

作った当初は、1500円とか2000円するようなメニューなんか誰も頼まないんじゃないか、これまで通り安いメニューばかり出るんじゃないかと思っていました。
しかい蓋を開けてみたら、後に述べる「メニューブック」の改善もあって、逆に高いセットメニューばかりが売れてくれました。

●メニューの価格

また、ジョイマンさんの元で学ぶ前は、「お客様に喜んでもらおう」という思いが強くて、原価率を上げてでも、お手頃な価格設定にしていました。
しかしそれだとほとんど利益が取れていない状態だったので、思い切って値上げを行いました。

最初に全商品を約10%、その半年後に商品によって20~50%、さらにその半年後に全商品を10%と、半年ごとに上げていきました。この値上げによって平均の原価率は28%に下がり、平均客単価は倍以上になる1200円まで上がりました。

- 値上げをしたことでお客様も反応はどう変わりましたか?

最初の値上げの時は、まったく反応なく受け入れてもらえました。
ただ2回めの値上げは、値上げ幅が大きかったこともあって、固定のお客様の6割が離れてしまいましたね。

ただこれは、私にとっては折込済みでした。
そのため値上げのタイミングで、チラシでの販促、食べログやぐるなび、Googlマイビジネス、Twitterでのネット集客を一気にやり、新規集客を呼び込みました。

お陰で、お客様はガラッと入れ替わる形になりましたが、客数は変わらず値上げ分、売上も伸びてくれました。

●メニューブック

メニューの内容や価格の改定に合わせて、メニューブックも作り直しました。
以前は、メニューを並べて書いて、小さい写真を載せているだけの簡単なものでしたが、メニューごとに写真を大きく載せ、おすすめのメニューには説明文を載せるようにしたのです。

そのお陰で、先にも述べたメニューそのものを変えた効果も併せ、1500円を超えるようなメニューがどんどん出るようになってくれました。
以前は1日に30個とか40個とか作っていた700円のハンバーグは、今や1日に1~2個。まったく注文されない日もあるくらいです。
メニューの作り方ひとつで、ここまでメニューの出る、出ないが変わるのかと驚きました。

 
 
おすすめのメニューは大きく紹介すると共に、その価値を伝えるように改善

- メニューブックを作る時は、どんなことを意識していますか?

メニューそのものの価値を伝えることを大切にしました。
なぜこのメニューはこの値段なのか、なぜ食べて欲しいのか、それをきっちり伝えれば、お客様には選んでもらえるからです。

うちのメニューで言うと「熟成ミスジのローストビーフ」なんかは良い例ではないでしょうか。
この商品を、メニュー内で「普通はもも肉を使用するがミスジを使っている」、「ミスジは1頭から3キロしか取れない希少部位」、「熟成しているので旨味がある」と打ち出して、お客様に「食べてみたい」と思っていただけるように演出しています。

ネット検索で1位を獲って月間アクセス数1万4000を実現!

- 先ほど、チラシやネットの販促で集客を行われたとのことですが、具体的にはどんなことをやったのですか?

まずチラシは、近隣の人に向けて撒いています。
ただうちの立地は、商圏内の昼間の滞在人口が2000人と少なめ。オードブルや宴会などの集客には繋がりますが、普段使いしてくれる人を集めるには、あまり適していません。

そのため、メインの集客はネットで行っています。
食べログ、ぐるなび、Googleマイビジネス、Twitterに、メニューブックでやったような、料理の写真や価値をしっかり載せるのはもちろん、「検索1位」を目指したページ作りを心がけました。

具体的には、例えば「橋本市 海老フライ」、「橋本市 ハンバーグ」などのキーワードでGoogle検索や食べログ検索を行い、1位のサイトが、あまりページ作りに力を入れていなければ、1位を獲りに行きます。

1位を獲りたいキーワードのメニューを、全サイトのトップに載せたり、見出しや説明文もそのメニュー中心の内容に変えたりと、全面的に押し出していくと、検索順は徐々に上がっていってくれます。

私の場合は、そうして1位を獲ったら、次は別のキーワードで1位を獲りに行って……と繰り返して、いろんなキーワードで上位に表示されるように実践しました。

田舎の人は、あまり積極的に販促をやりたがりません。
ネットに詳しい人も、比較的少なめです。
頑張れば、意外と検索1位を狙えるキーワードがあるので、やってみることをオススメします。

1位になるとアクセス数も、かなりアップします。うちは現在、食べログやGoogleマイビジネスの月間アクセス数は、1万4000くらいにになりました。
ここまでアクセス数があると、集客も楽になりますね。
近隣の方だけでなく、奈良県や大阪府からもたくさん来ていただけるようになりました。


現在の食べログでは「天使の海老フライ」と
「ローストビーフ」に力を入れて紹介

プレスリリースをしなくてもマスコミが取材に来る理由とは?

- 他にはどのような販促活動を行いましたか?

オードブルや宴会の「チラシ」を作りました。
最初は、喫茶店のオードブルや宴会なんて、誰が頼むのかなと不安だったのですが、やってみると大きな反応があって驚きました。

例えば宴会だと、「女子会」、「子供会」、「スポーツ大会の後のお疲れ様会」といった「お酒を飲むこと以外」を目的としたグループからのニーズがたくさんあったのです。
チラシを撒く度に、コンスタントに1ヶ月で10~13件の宴会依頼が来てくれています。

あとは「店前看板」も作りました。
看板メニューを中心に写真を大きく載せて、店の前に掲示して、通りすがりの人にも分かるようにしています。
お弁当や宴会予約の情報を、店前看板にしか載せていない時期でも、1日に10個はお弁当の注文が入りますし、月に4~5件は宴会の予約が入るので、かなり効果があるのではないでしょうか。
また少なくとも10%近くは、客数アップに貢献してくれていると思います。


店舗の壁沿いにA型看板を数多く設置

- プレスリリースはやっていないのですか?

実はやっていません。
ただマスコミ、メディアに取り上げられやすいような、看板メニューは作りました。
最初にお店の紹介した時にもお話させていただいた、「肉山丼」がそれにあたります。

こうしたインパクトのあるメニューを作って、食べログやGoogleマイプレイスなどに載せることで、ありがたいことにマスコミのほうから「取材したい」と、毎月のようにご連絡をいただけるようになりました。

2018年は13件。2019年も5月までの段階で、既に4回、新聞や雑誌、テレビなどにご紹介いただいています。
もちろん、そうしたメディアへの露出によって、新規のお客様にもたくさん来ていただけています。

 
プレスリリースを出さなくても、インパクトのある商品を作ることで取材依頼が殺到

- 注文は「肉山丼」に集中するのですか?

いいえ。実は「肉山丼」は、値段が税込み2354円と特別高額なのもあって、それほど出ていません。
それ以外のメニューとして紹介された「天使の海老フライ&ミスジローストビーフ」や「天使の海老フライ&おろしハンバーグ」などが多いですね。

でもそれで良いと思っています。あくまでマスコミ対策で、目を引くためのメニューとして作ったので。

売上が190%にアップ!
店内の雰囲気や客層も変わって良いこと尽くめ

- 様々な取り組みを行って、お店の売上はどうなりましたか?

実践前と比べたら、売上は190%近くにアップしました。
毎月30万円の赤字だったのも、今は毎月黒字。借金も順調に減っていて、今では逆に、銀行から「お金を借りませんか?」と聞かれるほど、健全な経営ができています。

ちなみに2018年の9月からは、一切販促はやっていないんですよ。
それでも引き続き、お客様は来ていただけていますし、売上も上がっていっています。

- その他、なにか良い方向にお店が変わったことがあればお教えください。

まず店内の雰囲気が良くなりました。
赤字だった頃は、ずっとピリピリしていて、いつも従業員に怒っていたのですが、今は優しく接することが出来ています。
当時の従業員はかなり大変だったのではないでしょうか。

あとは時間が出来ました。
かつては自分しか作れないメニューもあったので、朝の6時から夜の20時まで、毎日働き詰めでした。
ですが今は従業員に任せることは任せているため、私自身は、朝8時から昼の13時までで上がっていますし、休みも取れるようになりました。
1日の労働時間が約7時間は減った形になります。

- 値上げと新規集客を同時に行うことで、お客様が入れ替わったというお話でしたが、客層の変化はいかがですか?

これも大きく変わりました。
これまでは、ちょっとしたことでクレームをいただいたりすることもありましたが、今は一切ありません。
「安いもの」ではなく、「高くても良いもの」を求めていただけるようにもなりましたし、総じて良いお客様に来ていただけているのではないかと思います。

この客層の変化は、こちらとしても良かった店です。
というのも、これまでは900円までに抑えなければと、勝手に思い込み、なんとか安い食材で美味しいものを提供するように頑張っていました。
それが1000円でも1500円でも良いとなれば、「美味しいもの」の提供に集中できます。
食材選びが楽になりましたし、日々の調理にも張り合いが出るようになりました。

今後はコンサルタントとしての活動も視野に!


「コンサルタントの勉強をすることで
料理と経営が別のものだと、改めて理解
することができました」と岡井さん

- ところで岡井さんは、2017年と2019年に「副業コンサルタント起業コース」に参加されていますが、参加しようと思った理由をお聞かせください。

2017年の入会の時は、店舗経営に役立たせるために参加しました。
コンサルタントの視点から、お店を客観的に見ることで、より売上を伸ばせればと考えたのです。

2019年は、コンサルタントになるために再勉強しよういうのが、一番の狙いでした。
かつて私は、中小企業診断士になりという夢に一度挫折した経験があります。その夢を改めて実現させられればと思い、勉強させていただいています。

- そんな岡井さんの今後の展望をお聞かせください。

個人としては、「副業コンサルタント起業コース」での学びを活かして、本格的にコンサルタント活動をしていこうと考えています。

またお店としては、時代のニーズに合わせて業態を変えることを視野に入れています。
例えば先にお話した中にもあったのですが、宴会のニーズというものが、思いの外たくさんありました。
そこで「喫茶店」という業態を、別のなにかに変えるのも良いのではないかなと考えているのです。

ジョイマンさんには、そうした目標を実現させるために、またいろいろと教えていただければと思っています。

- 最後に「増益繁盛クラブゴールド」に参加しようと考えている人に、なにかアドバイスがあればお教えください。

メールマガジンに書いていることを、とりあえずやってみて欲しいですね。
特に最初は、余計なことや、自分なりの考えをあまり入れず、忠実に実践してみることをオススメします。

もし上手く行かなかったとしても、「この方法ではダメ」だと学べるから、決してムダではありません。いろいろな販促に挑戦すれば、きっとどれかは上手く行くはずですので、面倒がらずに、ぜひ取り組んでみてください。