先日、関東のある美容室オーナーからこんな相談をいただきました。
「ジョイマンさん、うちカットもカラーもトリートメントも全部やってるんですよ。技術には自信があります。でもトリートメントだけ全然売れなくて。メニューに載せてるのにお客さんがほとんど頼んでくれないんですよね……」
この話、美容室経営者の方からよくいただきます。静岡市清水区の事務所で日々相談を受けていると、「技術は磨いているのに、なぜかそのメニューだけが動かない」という状況に悩んでいる方が多いと感じます。
私、ハワードジョイマンは中小企業診断士として21年・833件以上の店舗支援に携わってきましたが、「売れないメニュー」の原因はほぼ共通しています。技術の差ではなく、「伝え方」と「見せ方」の差なんです。
今日は、この問題を紐解きながら、静岡という商人文化の土地柄も少し交えて、お伝えしてみようと思います。
こんな方におすすめ
- ✅ カットのみのお客さんが多く、単価が上がらないと感じている方
- ✅ メニューを増やしても売れる品とそうでない品の差が気になる方
- ✅ POPやメニューブックを見直したいと思っている美容室オーナー
- ✅ 価格を上げずに客単価を改善したい方
- ✅ お客さんに「伝わる」表現の作り方を知りたい方
📋 この記事でわかること
- 売れるメニューと売れないメニューを分ける「伝え方」の本質的な違い
- 「作業名メニュー」から「ご利益名メニュー」への具体的な変換方法
- メニューの「並べ方・見せ方」で客単価が変わるレイアウトの考え方
- POPを活用してメニューを自然に訴求する実践的アプローチ

静岡の老舗で感じた「売れる見せ方」のヒント
私がオフィスを構える静岡市清水区は、新清水駅から歩いてすぐのエリアです。この街には昔から商人文化が根付いていて、老舗の飲食店や小売店が軒を連ねています。
先日、仕事の合間に地元の老舗和菓子店に立ち寄りました。茶道を嗜む私にとって、和菓子は馴染み深いものなのですが、ふと気になったのが店頭のPOPでした。同じ「どら焼き」でも、「どら焼き 200円」とだけ書いてあるものは素通りされていて、「静岡茶の香りをまとった、ほっと一息どら焼き」と書かれたものには人が集まっていたんです。
商品は同じ。価格も同じ。でも、人が手に取る確率がまるで違う。
これは美容室でもまったく同じことが起きています。「カット ¥4,000」と「朝のスタイリングが3分で決まるカット ¥4,000」では、お客さんの受け取り方がまったく変わるんです。
「作業名」で書いたメニューは、お客さんには読まれていない
美容室のメニュー表を見ると、多くのお店でこんなラインナップが並んでいます。
- カット ¥4,000
- カラー ¥7,000〜
- パーマ ¥10,000〜
- トリートメント ¥3,000〜
これを見て、お客さんはどう思うでしょうか。「カットはするつもりだけど……トリートメントって何が変わるんだろう?」と感じて、結局よくわからないから頼まない。これが「売れないメニュー」が生まれる最大の原因です。
美容師さんの側からすると「トリートメントの良さくらい、みんなわかってるでしょう」と感じるかもしれません。でも、お客さんはプロではありません。その施術が自分にとって何をもたらしてくれるのかを、一瞬で理解できないと行動には移らないんです。
「お客さんはメニュー名ではなく、自分の未来の変化を買っている。作業名を並べることは、メリットを隠すことと同じです」
ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント/中小企業診断士)
メニュー名を「作業名」から「ご利益名」に変えるだけで、追加注文率が変わった事例を私は150件以上の美容室支援の中で何度も目にしてきました。
✓ ここまでのポイント
- 売れるメニューと売れないメニューの差は「技術」ではなく「伝え方」にある
- 「作業名メニュー」はお客さんにメリットが伝わらず、追加注文につながりにくい
「ご利益名」への変換:具体的にどう変えるか
では、実際にどう変えればいいか。考え方はシンプルです。
「このメニューを受けたお客さんは、施術の後にどんな良いことが起きるか?」を一言で書く。それだけです。
❌ よくある「作業名」メニューの書き方
- カット・カラー・トリートメントという技術の名称をそのまま並べている
- お客さんが施術後に得られる変化・メリットが一切見えない
- 「頼みたい」という気持ちが生まれず、安いメニューだけで終わってしまう
✅ 「ご利益名」に変えた場合のアプローチ
- 「カット」→「朝のスタイリングが楽になるカット」「雨の日でもまとまりやすい髪型カット」
- 「トリートメント」→「手触りが変わる、艶髪仕上げトリートメント」「カラーした後の傷みが気になる方向けトリートメント」
- 「カラー」→「白髪が気になり始めた方のための、自然なツヤカラー」
このように変えるだけで、お客さんは「あ、これ自分のことだ」と感じて興味を持ってくれます。特定の悩みを持つ人に刺さる言葉になるからです。
チェックポイント1:今のメニュー表を声に出して読んでみる
メニュー表を見たお客さんが、初めてその言葉を聞いた時に「自分にどんな良いことがあるか」すぐわかるかどうかを確認してください。「カラー」という言葉だけでは、どんな変化があるかは伝わりません。
✅ ポイント:メニュー名の後ろに「〜することで○○になる」という一文を加えてみると、ご利益名への転換がしやすくなります。
チェックポイント2:売りたいメニューが上位に並んでいるか
人は上から順番に読みます。安いメニューを一番上に並べていると、お客さんはそれを選んで終わりです。利益率の高いメニュー・推したいメニューを意図的に上位に配置することが大切です。
✅ ポイント:「カット単品」を一番上に置くのをやめて、「カット+トリートメントセット」を先に見せる工夫から始めてみてください。
POPで「伝えること」を代わりにやってもらう
メニュー表を変えるのと同時に、POPを活用することも非常に有効です。
お客さんが待ち時間に目にする場所——シャンプー台の前、待合スペース、レジ横——にPOPを置くことで、スタッフが何も言わなくてもメニューに興味を持ってもらえる状態が作れます。
客単価アップ STEP 1
「悩み提示型POP」を1枚だけ作る
「最近こんなお悩みはありませんか?」という問いかけから始まり、その悩みへの解決策として特定のメニューを紹介するPOPです。例えば「カラーした後、毛先がパサパサしていませんか?→当店の艶髪トリートメントでケアできます」という流れです。難しく考える必要はありません。A4用紙1枚、手書きでも十分効果があります。
⚠️ よくある失敗:「全メニューを紹介しようとして情報を詰め込みすぎる」ことです。1枚のPOPで伝えることは1つに絞ること。あれもこれも書くと、結局何も伝わりません。
客単価アップ STEP 2
施術中の一言提案を「POPに言わせる」
スタッフが提案するのが苦手な場合、POPがその役割を担えます。「今日、ご新規のお客様限定でトリートメントを○○円でお試しいただけます」などと書いたPOPを鏡の前に置いておくだけで、お客さんのほうから「これ試してみようかな」という反応が生まれます。
⚠️ よくある失敗:POPを作っても「見やすい場所に置かない」ケースが多い。お客さんの視線が自然に止まる場所を意識して配置場所を決めてください。
「私が独立直後、貯金が底をついたときに学んだのは、お金をかけずに売上を伸ばそうとする発想は長続きしないということ。でもPOPは、小さな投資で大きなリターンが出る、数少ない例外のひとつです」
ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)
私自身、独立当初に家族から借金をして事業を立て直した経験があります。その時に「広告と販促への投資」が経営の命綱になることを身をもって感じました。POPも立派な販促投資のひとつです。
「先生に言われた通りメニュー名を変えたら、翌月からトリートメントの注文が増えました。お客さんが自分から『これお願いします』と言ってくれるようになって驚いています」
40代・女性美容室オーナー
まとめ:技術の差ではなく、伝え方の差が利益を決める
技術は同じなのに、売れるメニューと売れないメニューが生まれる理由。それは「作業名」で書かれたメニューが、お客さんに自分ごととして伝わっていないからです。
「ご利益名」への変換、メニューの並び順の見直し、POPによる視覚的な訴求。これらはどれも大きなコストをかけずに、今日から始められることです。
静岡市清水区の老舗の和菓子屋さんの話ではありませんが、同じ商品でも「伝え方」ひとつで人の反応はガラリと変わります。あなたの美容室の技術は、すでに十分な価値を持っています。あとはその価値をきちんとお客さんに届ける「言葉の器」を整えることが、客単価アップへの最短ルートです。
支援実績833件・21年の経験から言えば、メニュー名の見直しは最もコストをかけずに利益改善につながる施策のひとつです。ぜひ、今日のうちにメニュー表を一度見直してみてください。
より詳しい方法や、あなたのお店の状況に合わせた具体的なアドバイスを知りたい方は、まず無料レポートからご覧ください。スタイリスト1人で月商200万円を実現するための考え方と手法をまとめています。
また、日々の集客や販促についての情報をLINEでもお届けしています。気軽に読んでいただける内容ですので、ぜひご登録ください。