先日、ある美容室オーナーからこんな相談をいただきました。
「ジョイマンさん、2店舗目の出店を考えているんですが、何から準備すればいいでしょうか」
電話口の声は明るく、意欲に満ちていました。でも、いくつか質問していくうちに、あるひとつのことが浮かび上がってきました。1店舗目の数字に、まだ手つかずの「利益の穴」がある、ということです。
今回は、そのオーナーとのやり取りを振り返りながら、2店舗目の出店を検討する前に「気づけてよかった」と後から語ってくれた3つのことをお伝えします。私、ハワードジョイマンが実際に相談を受けながら感じたことも交えて書いていきます。
📋 この記事でわかること
- 2店舗目の出店前に1店舗目で確認しておくべき「利益の穴」の正体
- 失客がなぜ起きるのか、来店間隔を放置するとどれほどの損失になるか
- 次回来店日の提案・ポイントカード・LINEを使った具体的なリピート対策
- 「技術に自信がある」オーナーが陥りやすい落とし穴と、そこから抜け出すヒント
こんな方におすすめ
- ✅ 2店舗目・3店舗目の出店を具体的に考え始めている美容室オーナーの方
- ✅ 新規客は来るのに、なぜかリピートにつながらないと感じている方
- ✅ 1店舗目の経営がなんとなく回っているが、手元に利益が残らないと感じている方
- ✅ 客単価4,000〜6,000円の壁をなかなか越えられないと悩んでいる方
- ✅ 仕組みをつくらないまま、自分一人で現場を回し続けている方

「2店舗目」の話をする前に、私が必ず確認すること
2店舗目の相談をいただくとき、私が最初に確認するのは売上の数字ではありません。「今のお客さんが、次いつ来るか把握できていますか?」という一点です。
今回相談してくれたオーナーは、技術力には定評がありました。新規客も途切れない。でも、よく聞いてみると「一度来てくれたお客さんが、気づいたら来なくなっていた」というケースが続いていたんです。
これは珍しいことではありません。美容室の失客の多くは、劇的なきっかけがあって起きるわけではない。来店間隔が少しずつ伸び、自然に「フェードアウト」していく。その積み重ねが、年間で数十万円規模の売上消失につながっています。
2店舗目を出す前に1店舗目の「穴」を塞がなければ、規模が大きくなるほど穴も大きくなるだけです。これが、私がオーナーに最初に伝えた視点でした。
「2店舗目への意欲は、経営者としてとても大事なエネルギーです。でも、その前に確認してほしいのは、今いるお客さんが次回いつ来るか、あなた自身が把握できているかどうか。そこが曖昧なまま規模を広げると、穴が二倍になるだけなんです」
ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)
2店舗目の話をする前に「来店間隔がお客さん任せになっていた」と気づいたオーナーの話、刺さるものがありましたか。無料レポートでは、髪の「賞美期限」をお客さんに伝えてリピートを増やす方法や、価値で選ばれるメニューの作り方を全8章で解説しています。メールアドレスだけで受け取れます。
気づいてよかったこと①:来店間隔は「お客さん任せ」にしてはいけない
このオーナーが最初に気づいたのが、来店間隔の問題でした。
施術が終わって「またいつでもどうぞ」と送り出す。これ、ほとんどのサロンがやっています。でも、この一言が失客の引き金になっているとしたら?
来店間隔がお客さん任せになると、平均して10〜15日は伸びると言われています。本来45日周期で来るはずのお客さんが、60日に1回になる。年間で見ると来店回数が約1〜2回減ります。客単価が7,000円なら、1人あたり年間7,000〜14,000円の売上が消える計算です。それが50人いたら…。
解決策はシンプルです。施術の最後に「次回のご来店は、だいたい40〜45日後がおすすめですよ。その頃に来ていただくと、今日の状態をきれいにキープできますから」と、具体的な日数を伝えること。これだけで、お客さんの意識はガラッと変わります。
「次来たいな」と思ってはいるけれど、いつ来ればいいかわからないお客さんに、明確な根拠を渡してあげる。それだけで来店タイミングは自然とコントロールできるんです。
リピートの仕組みをどう作るかについては、美容室のリピート率を改善したくて相談に来るオーナーに、私が最初に聞くことでも詳しく書いていますので、あわせて読んでみてください。
気づいてよかったこと②:ポイントカードとLINEは「接触を保つ」ための道具
次に相談の中で出てきたのが「ポイントカードを作ってはいるんですが、あまり機能していなくて」という話でした。
ポイントカードは、あくまでも「次に来る理由」を作るための道具です。でも多くのサロンで、ポイントカードは「ただ渡しているだけ」になっています。
私がよく紹介するのは「3ステップポイントカード」という考え方です。1回・2回・3回と来店するごとに段階的な特典が得られる設計にすることで、次回来店のモチベーションが生まれやすくなります。「あと1回来ればトリートメントプレゼント」という具体的なゴールがあると、お客さんは来店間隔を意識し始めます。
それと合わせて使いたいのがLINE公式アカウントです。来店後に「そろそろ髪の毛気になってきた頃かな、と思ってご連絡しました」というメッセージを届けられる仕組みを作っておくと、フェードアウトしそうなお客さんをもう一度引き戻せます。
このオーナーは「技術の話ばかり投稿していて、来店を促すメッセージを一度も送ったことがない」と言っていました。そこを変えるだけで、来店頻度の改善につながった事例は私の支援先で何度も見てきています。LINEの設定ミスと改善の糸口についても整理していますので、参考にしてみてください。
✓ ここまでのポイント
- 来店間隔をお客さん任せにすると、年間で一人あたり数万円単位の売上が静かに消える
- 施術後に「次回のベストなタイミング」を具体的に伝えることが、失客防止の第一歩
- ポイントカードとLINEは「接触頻度を保つ道具」として設計し直すことで機能する
「次回来店日の伝え方」や「LINEでの接触設計」を実際にチラシやDMに落とし込もうとしたとき、どう作ればいいか迷うことがあると思います。LINEで友だち追加していただければ、サロンの販促ツール制作について直接チャットでご相談いただけます。
気づいてよかったこと③:「技術への自信」が、メニュー設計の視野を狭めていた
このオーナーのもう一つの気づきが、メニュー設計に関するものでした。
技術には自信がある。お客さんからも喜ばれている。でも、なぜか客単価は上がらない。カットのお客さんが多く、カラーやトリートメントへの誘導がうまくできていない。
こういうオーナーはとても多いんですが、実はこれ「技術があるのに、それを伝える言葉がない」という状態なんです。お客さんにとって、専門的な施術の価値は「やってもらわないとわからない」。だから、やってもらう前に「なぜ今それが必要なのか」を伝える言葉と仕組みが必要になります。
「〇〇さんの今の髪の状態だと、2ヶ月後にはここが傷んできます。今トリートメントを入れておくと、その変化がかなり緩やかになりますよ」という一言を、スタッフ全員が自然に言えるようになると、お店のメニュー構成は変わります。技術力と言葉の力が揃って、初めてメニューは「売れる状態」になるんです」
ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)
このオーナーも、相談後にメニューの見せ方と伝え方を見直したことで、客単価1万円を超えるメニューが「特に強くすすめるわけでもなく、自然に選ばれるようになった」と話してくれています。
「技術には自信があって、長年やってきたのに、なぜか客単価が上がらなかった。ジョイマンさんの話を聞いて、メニューの伝え方を変えたら、お客さんが自分から『それやってみたいです』と言ってくれるようになりました」
技術力に自信があったオーナー(40代)
2店舗目を出す前に、1店舗目でこの変化を作れたことが、このオーナーにとって大きな財産になったと思います。値上げの考え方についても、値上げ失敗のパターンと事前に確認すべき点を整理した記事がありますので、メニュー設計の見直しと合わせて読んでみてください。
「出店前に気づけてよかった」と言えるために
このオーナーは、最終的に2店舗目への準備を続けています。でも、今はまず1店舗目のリピート率と客単価を整えることに注力しています。
出店のタイミングは、焦って決めるものではありません。1店舗目が「お客さんが自然にリピートしてくれる仕組み」と「スタッフが伝え方を持ったメニュー設計」を持っていれば、2店舗目に展開した際の再現性が一気に高まります。
私がコンサルタントとして21年・833件以上の支援実績の中で感じてきたことは、成功している多店舗経営者の多くが「1店舗目で仕組みを作り切った人」だということです。
売上ではなく、利益が残る構造を1店舗目で完成させること。それが、2店舗目・3店舗目へ踏み出すための、一番堅実な足場になります。
「うちの場合、どこから手をつければいいんだろう」と感じた方は、まず自分のお店のリピート率と来店間隔の実態を数字で確認してみることから始めてみてください。そこに、必ず何かヒントが見えてきます。
「技術には自信があるのに、客単価が上がらない・リピートが続かない」という状態を変えるための考え方を、無料レポートにまとめています。客単価1万円超のメニューが自然に売れるようになった事例も含め、5つの仕組みを段階的に解説しています。完全無料で、スマートフォンからでも受け取れます。