美容室の2店舗目を出した経営者の多くが、出店後1年以内に「人の問題」で頭を抱えます。
実際、私がこれまで関わってきた美容室のオーナーさんに話を聞くと、2店舗目への挑戦で最初につまずくのは「資金」でも「立地」でもなく、スタッフの数と育成の仕組みだという声が圧倒的に多いのです。
「何人いれば回るのか」「既存店からスタッフを移すべきか」「採用してもすぐ辞めてしまう」——そういった悩みが積み重なって、気づいたら社長自身が2店舗をひとりで掛け持ちしている、という状況に陥っているケースは決して少なくありません。
この記事では、美容室の2店舗目出店に向けて「スタッフは何人必要か」という基本の問いに、21年間・美容室150件以上の経営支援実績をもとにお答えします。人数の目安だけでなく、出店前に整えておくべき「仕組み」についても触れますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
📋 この記事でわかること
- 2店舗目に必要なスタッフの人数目安とその考え方
- 既存店のスタッフをどう配置・補充するかの基本方針
- スタッフが少なくても店が回る「仕組み」の作り方
- 出店前に社長が本当に準備しておくべきこと
こんな方におすすめ
- ✅ 2店舗目の出店を検討しているが、スタッフ体制に不安がある方
- ✅ 既存店からスタッフを移すべきか迷っている方
- ✅ 採用してもすぐ辞めてしまい、人材定着に課題を感じている方
- ✅ 社長が現場から離れられず、多店舗展開の進め方がわからない方
- ✅ 2店舗目を成功させるための経営の仕組みを知りたい方

2店舗目に「最低何人必要か」の考え方
まず結論からお伝えすると、2店舗目の立ち上げに必要なスタッフ数に「絶対の正解」はありません。ただし、現実的な目安として考えていただきたいのは次の3つの視点です。
チェックポイント1:席数とピーク時の稼働を基準にする
美容室のスタッフ数を考えるとき、まず「セット面(席)の数」と「土日のピーク時に何席が同時に動くか」を確認してください。一般的に、セット面3席程度の小規模店舗であれば、スタイリスト1〜2名+アシスタント1名の計2〜3名体制が最低ラインの目安になります。
✅ ポイント:「最低限回せる人数」と「理想の人数」は分けて考えること。まず最低ラインを確保してから、利益が出始めた段階で採用・育成を加速させる順番が堅実です。
チェックポイント2:既存店の体制が崩れないかを確認する
2店舗目を出す際、既存店のスタッフを移動させるケースがよくあります。しかしここで失敗するオーナーさんが多い。既存店が「社長+スタッフ1名」の体制だった場合、そのスタッフを2店舗目に移すと既存店が立ち行かなくなります。2店舗目の出店準備は、既存店が「社長がいなくてもある程度回る状態」になってから始めるのが基本です。
✅ ポイント:既存店の売上・利益が安定していて、社長が週に2〜3日は現場を離れられる状態になっているか、まず確認してください。
チェックポイント3:「40点のスタッフでも回る仕組み」があるか
「優秀なスタッフが揃ってから出店しよう」と考えているオーナーさんは、いつまでも出店できません。現実には、スタッフは入れ替わるものです。重要なのは、優秀かどうかではなく、仕組みがあるかどうかです。接客手順・施術メニューの案内・次回予約の取り方・POPの活用——こうした「誰がやっても一定の成果が出る仕組み」が整っていれば、多少経験の浅いスタッフでも店は回ります。
✅ ポイント:マニュアルやチェックリストが整備されているか、今いちど確認してみてください。
✓ ここまでのポイント
- 2店舗目のスタッフ数は「席数×ピーク稼働」を基準に、最低ラインから考える
- 既存店が社長なしでも回る体制になってから出店準備を始める
- 優秀な人材を揃えることより、誰でも動ける「仕組み」を先に作る
採用・配置の失敗パターンと正しいアプローチ
❌ よくある失敗パターン
- 既存店のエース級スタッフを2店舗目の店長に抜擢し、既存店が一気に弱体化する
- 「とりあえず誰かを採用してから出店する」と考え、採用が決まらないまま開店日を迎える
- 社長自身が2店舗を行き来する「二刀流」になり、どちらの店も中途半端になる
✅ 推奨アプローチ
- 既存店は「2番手スタッフ」が回せる体制を先に作っておく。エース級はしばらく既存店に残し、2店舗目が安定してから配置転換を検討する
- 出店の6〜12ヶ月前から採用活動を始める。美容師の採用は時間がかかるため、早めの動き出しが必要
- 社長の役割を「現場の施術者」から「仕組みのデザイナー・教育者」へシフトする意識を持つ
「私がよく経営者さんに伝えるのは、『2店舗目は人の問題ではなく、仕組みの問題だ』ということです。優秀な人が来てくれるのを待つより、今いるスタッフが活躍できる環境をデザインする方が、はるかに再現性が高い。」
ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)
スタッフ教育と「仕組み化」の基本ステップ
2店舗目を回すためのスタッフ体制を整えるには、採用よりも先に「教育の仕組み」を作ることが重要です。以下のステップで考えてみてください。
スタッフ育成 STEP 1
既存店で「引き継ぎ可能な業務」をリストアップする
社長が毎日やっている作業を紙に書き出してください。施術・レジ・POPの貼り替え・在庫確認・次回予約の声がけ——こうした作業を「誰でもできるもの」と「社長しかできないもの」に仕分けします。前者をスタッフに渡していくことが、2店舗展開への第一歩です。
⚠️ よくある失敗:「口頭で教えればわかるだろう」と考えてマニュアル化を省いてしまい、スタッフごとに対応がバラバラになる。
スタッフ育成 STEP 2
「守守守の法則」で実績ある手順をそのまま渡す
新店のスタッフに「自分で考えてやってみて」と任せるのは、まだ早い段階では逆効果です。私が提唱している「守守守の法則」——つまりまず実証済みの手順をそっくりそのまま守る——をスタッフに徹底してもらうことが、短期間で戦力化する近道です。アレンジは成果が出てから。
⚠️ よくある失敗:オリジナリティを求めすぎて、基本の手順が定着しないまま応用に進んでしまう。
スタッフ育成 STEP 3
次回予約・客単価アップの仕組みをスタッフに移管する
売上に直結する「次回予約の声がけ」や「オプションメニューの案内」は、社長だけがやっている状態では2店舗展開に限界があります。POPやメニューブックを活用して、スタッフが「何も考えなくても自然に案内できる」状態を作りましょう。ここが整うと、社長がいなくても客単価が落ちにくくなります。
⚠️ よくある失敗:社長自身は「言わなくてもわかるはず」と思っているが、スタッフには伝わっていないケースが大半。
「2店舗目をうまく回しているオーナーさんに共通しているのは、『スタッフに任せられる自分』を作ったことではなく、『スタッフが動ける仕組み』を先に作ったことです。人に頼る前に、仕組みで解決することを考えてほしいのです。」
ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)
出店前に利益の土台を作っておくことが最重要
ここまでスタッフ数や仕組みの話をしてきましたが、実は2店舗目を出す前に最も重要な準備は別にあります。それは既存店の利益率を高めておくことです。
新店舗は立ち上げ当初、売上が安定するまでに数ヶ月かかります。その間のランニングコストを既存店の利益で支えられる体制になっているかどうかが、2店舗目の成否を大きく左右します。
客単価が4,000〜5,000円台のままで新店を出しても、人件費・家賃・材料費を差し引いた利益は薄い。だからこそ、出店前に①客単価アップ→②再来店の仕組み化→③新規集客の順で既存店の利益構造を整えておくことが大切です。
「毎月忙しく働いているのに利益が残らないという状態で2店舗目を出すのは、穴の開いたバケツをもう1個買うようなものです。まず既存店の利益をしっかり積み上げることが、多店舗展開への最短ルートです。」
ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)
「最初はすぐに結果を求めてしまって、1ヶ月で諦めかけていました。でも継続して実践することで、半年後には客単価が大きく変わりました。焦らず仕組みを積み上げることの大切さを実感しています。」
40代・男性・美容室オーナー
まとめ:2店舗目成功のカギは「人数」より「仕組み」にある
2店舗目に必要なスタッフ数の目安は、セット面3席程度であればスタイリスト1〜2名+アシスタント1名の2〜3名体制がひとつの基準です。ただしそれ以上に重要なのは、人数よりも「仕組みが整っているかどうか」です。
出店前に確認しておきたいことをまとめると、
- 既存店が社長なしでもある程度回る状態になっているか
- 業務の引き継ぎリスト・マニュアルが整っているか
- 既存店の客単価・再来店率・利益率が改善されているか
- 採用活動を出店の6〜12ヶ月前から始めているか
これらが揃ってはじめて、2店舗目は「リスク」ではなく「投資」として機能します。
私、ハワードジョイマンは静岡県静岡市清水区を拠点に、21年間・美容室150件以上の経営支援に携わってきました。「増益繁盛クラブ」では、多店舗展開を含む美容室経営の利益改善・仕組み化を、全国のオーナーさんと一緒に実践しています。
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