先日、コワーキングスペースを運営するオーナーさんからこんな相談が届きました。「ホットペッパービジネスの掲載費が毎年上がっているのに、来るのはクーポン目当ての一見さんばかり。やめたいけど、やめたら一気に人が来なくなりそうで踏み切れない」——このお悩み、本当によくお聞きします。そのオーナーさんと話を進める中で出てきたのが、「Googleビジネスプロフィール(以下、GBP)のメッセージ機能を使えば問い合わせを拾えるんじゃないか?」という話でした。
Googleビジネスプロフィールのメッセージ機能とは、Googleマップ上の店舗情報ページから、お客様が直接テキストメッセージを送れる機能のことです。検索した人がそのままGoogleマップ上から「空き確認」や「予約相談」を送ってくるため、ポータルサイトを経由しないダイレクトな問い合わせ窓口として機能します。
📋 この記事でわかること
- Googleビジネスプロフィールのメッセージ機能の基本的な仕組みと設定方法
- メッセージ機能を「使うべき店舗」と「避けるべき店舗」の判断基準
- ポータルサイト依存から脱却するための3本柱と、メッセージ機能の位置づけ
- 問い合わせをリピーターへつなげるための返信・導線設計の具体的な手順
こんな方におすすめ
- ✅ ホットペッパー・食べログ等の掲載費が毎年上がり、利益が残らないと感じている方
- ✅ ポータルサイトをやめた後の集客に不安があり、自前集客の柱を育てたい方
- ✅ GBPのメッセージ機能が何に使えるかを具体的に知りたい方
- ✅ Googleマップからの問い合わせを増やして、LINEやリピート購入につなげたい方
- ✅ 2026年のAI検索時代に向けて、Googleマップ経由の集客基盤を整えたい方

Googleビジネスプロフィールのメッセージ機能とは何か?
GBPのメッセージ機能は、Googleマップで店舗を検索したユーザーが「メッセージ」ボタンを押すことで、店舗側のGoogleアカウントにリアルタイムでテキストを送れる仕組みです。お客様はGoogleアカウントにログインした状態でマップを見ており、ボタン1タップで送信できるため、電話よりも心理的ハードルが低いのが特徴です。
店舗側はGoogleビジネスプロフィールの管理画面、もしくはGoogleマップのアプリから受信・返信できます。営業時間外に届いたメッセージでも、自動応答メッセージ(ウェルカムメッセージ)を設定しておけば「本日の営業は終了しました。翌営業日にご連絡します」といった一次対応を自動化することが可能です。
重要なのは、このメッセージ機能がポータルサイトの「問い合わせ欄」と根本的に異なる点です。ポータルサイト経由の問い合わせはプラットフォームが個人情報を保有しますが、GBPのメッセージはGoogleを介しつつも、お客様との直接のやり取りになります。ここが「自前集客の窓口」として機能する理由です。
また、Googleは返信速度をメッセージ機能の品質指標として管理しており、24時間以内に返信しない状態が続くとメッセージ機能が自動的に無効化される仕様になっています。「とりあえずオンにしておけば良い」という運用は、かえってGBP全体の評価を下げるリスクがあるため注意が必要です。
メッセージ機能を使うべき店舗とはどんなタイプか?
結論から言うと、メッセージ機能が最も効果を発揮するのは「即時決断よりも、一度相談してから来店を決めるお客様が多い業種」です。
チェックポイント1:問い合わせ内容がテキストで完結しやすいか
「〇月〇日の15時は空いていますか?」「初回体験のコースを教えてください」——こういった一問一答で完結する問い合わせはメッセージ機能と非常に相性が良いです。コワーキングスペース、ヨガスタジオ、パーソナルジム、学習塾、整骨院・鍼灸院、美容室・ネイルサロンなどはこのパターンに該当します。
✅ ポイント:問い合わせの7割以上が「空き確認」「料金確認」「初回の流れ確認」で構成される業種は積極的に使うべきです。
チェックポイント2:夜間・休日に問い合わせが集中しやすいか
飲食店のランチ予約、美容室の週末予約、ジムの体験申し込みは、お客様がスマホを触りやすい夜間・休日に問い合わせが集中します。電話だと「営業時間外で取れない」で終わりますが、メッセージ機能なら翌朝に確認して返信できます。ウェルカムメッセージを設定しておけば一次対応も自動化できるため、機会損失を大幅に減らせます。
✅ ポイント:電話に出られない時間帯が多い一人オーナー・少人数運営の店舗ほど、メッセージ機能の恩恵を受けやすいです。
チェックポイント3:LINEへの誘導動線を設計できるか
GBPのメッセージ機能は「最初の接触窓口」として使い、その後のやり取りをLINE公式アカウントへ誘導する設計が理想です。「詳しいご案内はLINEでお伝えしています。こちらからご登録ください」とメッセージ内で案内することで、お客様をリピート設計の中に取り込むことができます。
✅ ポイント:LINE公式アカウントをすでに運用している、もしくは今後導入予定の店舗なら、GBPメッセージとの連携でポータルサイト不要の集客ルートが完成します。
✓ ここまでのポイント
- GBPのメッセージ機能は「ポータルサイトを経由しない直接問い合わせ窓口」として機能し、自前集客の起点になる
- 24時間以内返信が維持できない場合は機能が自動停止するため、返信体制の構築が前提条件
- 問い合わせがテキストで完結しやすく、LINE等への誘導動線を持つ業種が最も効果を得やすい
逆に、メッセージ機能を避けるべき店はどんな店か?
機能を「オンにしたまま放置」することが最も危険なパターンです。具体的にどんな状況が当てはまるかを確認しておきましょう。
❌ 避けるべきケース(よくあるパターン)
- スタッフが常に接客中で返信確認の時間が取れず、24時間放置が常態化している
- 問い合わせ内容が複雑で、テキストではなく対面・電話でしか説明できない(例:医療機関の症状相談、法律・税務相談など)
- 現時点でGBPの基本情報(営業時間・写真・カテゴリ)が整っておらず、マップからの流入自体が少ない段階
✅ 使うべきケース(推奨アプローチ)
- 返信担当者を決め、1日1回は必ず確認できる体制が整っている
- ウェルカムメッセージと時間外自動返信を設定済みで、一次対応が自動化されている
- GBPの写真・口コミ・投稿が整っており、メッセージを送るだけの信頼感がマップ上で醸成されている
医療機関(小児科・心療内科など)については、症状に関するテキストのやり取りはリスクを伴うため、メッセージ機能ではなく予約専用URLや電話への誘導に絞るほうが安全です。
「GBPのメッセージ機能は、ポータルサイトの代替ではなく、ポータルを卒業するための橋渡しです。問い合わせを受けてLINEへ誘導し、リピート設計に乗せる。この動線ができて初めて、掲載費ゼロで集客が回り始めます」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・MEO集客大全)
ポータルサイト依存から抜けるには、メッセージ機能だけでは足りないのか?
正直に言います。GBPのメッセージ機能は「自前集客の1パーツ」であって、それ単体でポータルサイトを代替できるわけではありません。ポータルサイトを卒業するには、3本柱を同時並行で立ち上げる6ヶ月の助走期間が必要です。
ポータル卒業 STEP 1
GBPのMEO最適化(0〜2ヶ月目)
まずGoogleマップ上での露出を高める基盤を作ります。写真は50枚以上、口コミは100件・評価4.5★以上、投稿は週3回以上を目標に設定します。MEO順位に効く写真の枚数と投稿の実測データも参考にしながら、競合との差を数値で把握することが出発点です。カテゴリや属性の設定漏れも確認しておきましょう。業種別のGBP属性設定の完全一覧を使えば設定項目の抜け漏れを素早くチェックできます。
⚠️ よくある失敗:写真と投稿だけ頑張って、NAP情報(店名・住所・電話番号の表記統一)を放置するケース。NAP不統一はAI検索時代に致命傷になります。
ポータル卒業 STEP 2
Instagram連携によるサイテーション拡張(1〜3ヶ月目)
「サイテーション」とは、Googleマップ以外のウェブ上でも自店の名前・住所・電話番号が言及されている状態を指します(MEO用語)。InstagramにGBPと同じ屋号・住所・電話番号を掲載し、投稿の中で店名をタグ付けすることで、Googleがその店舗の存在を複数ソースから確認できるようになります。ポータルサイトが果たしていた「第三者への露出」を、Instagramが代替し始める段階です。
⚠️ よくある失敗:Instagramをフォロワー獲得のために運用し、住所や予約導線を記載しないケース。MEO観点では「店名と住所が一致して言及されているか」が重要です。
ポータル卒業 STEP 3
LINE公式×メッセージ機能でリピート設計を完成させる(3〜6ヶ月目)
GBPのメッセージ機能で拾った初回問い合わせを、LINE公式アカウントへ誘導します。LINE登録者にはクーポンではなく「次回予約の優先案内」「季節のおすすめメニュー情報」などを送り、一見客ではなくリピーターとして育てます。この3ヶ月で「検索 → マップ → メッセージ → LINE → 再来店」の動線が完成します。
⚠️ よくある失敗:LINEの配信内容がクーポンばかりになり、ポータルサイトと同じ「割引依存」に陥るケース。配信の8割は情報・役立つ内容、2割がオファーを目安にしてください。
「コワーキングスペースを運営されているオーナーさんが、この3本柱を8ヶ月かけて構築した結果、売上が+589%になりました。工務店では年間受注50件増、学習塾では地方から首都圏への進出も達成しています。共通しているのは、ポータルサイトの掲載費をゼロにしてGBPと直接動線に集中投資したことです」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・MEO集客大全)
「ポータルサイトを解約する前の6ヶ月でGBPを整え、LINEに誘導する仕組みを作りました。解約後も問い合わせが落ちるどころか、むしろ増えています。今は広告費ゼロで回せています」
コワーキングスペース経営者(8ヶ月サポート・売上+589%)
GBPのメッセージ機能、どう設定して何を自動返信に書けばよいか?
設定自体は難しくありません。GBP管理画面の「メッセージ」タブからオンにするだけです。設定後に必ずやっておくべきことが3点あります。
1つ目はウェルカムメッセージの文章です。送信直後に自動で届く一次返信で、「どんな問い合わせを想定しているか」を伝えます。例:「お問い合わせありがとうございます。空き状況・体験予約のご相談は、このメッセージかLINE公式(@xxxx)でお気軽にどうぞ。営業時間内(月〜金10:00〜15:00)にご返信します」。
2つ目は返信担当者の固定です。「誰が返すか曖昧なまま」が最も返信が遅れる原因です。1名を担当者として決め、1日2回(午前・午後)の確認ルーティンに組み込みます。
3つ目は返信テンプレートの作成です。よくある問い合わせパターン(空き確認・料金・初回の流れ・アクセス)の返信文を事前に作り、コピペで対応できる状態にしておきます。AIを使えばこのテンプレート作成も数分で完了します。
GBPの基本情報が整っているほど、メッセージ機能の効果は上がります。GBPの「商品」欄にメニューを写真付きで掲載する方法も組み合わせると、「メッセージを送る前に料金・メニューを確認済み」のお客様が来るようになり、返信のやり取り回数も減ります。
まとめ:メッセージ機能は「ポータル卒業の出口」ではなく「自前集客の入口」
Googleビジネスプロフィールのメッセージ機能は、ポータルサイトをいきなり代替するツールではありません。GBPのMEO最適化 → メッセージで初回接触 → LINEでリピート設計という流れの「最初の入口」として機能するものです。
ポータルサイトの掲載費に毎月頭を抱えているオーナーさんに伝えたいのは、「やめる決断」よりも「やめられる状態を先に作る」ことの重要性です。6ヶ月の助走期間で3本柱を育てれば、解約後に集客が落ちる恐怖はなくなります。コワーキングスペースが8ヶ月で売上+589%を達成したのも、工務店が年間受注50件増を実現したのも、すべてこの順番で動いた結果です。
まずはGBPのメッセージ機能をオンにしてウェルカムメッセージを設定し、問い合わせの入口を作ることから始めてみてください。その1歩が、ポータルサイトからの卒業への道のりを確実に短くします。ぜひ、参考にしてみてください。