経営者が「仕事を楽しんでいる」と答える割合は、ある調査で全体の3割に満たないという数字があります。残り7割は「楽しみたいけど、楽しめていない」というのが現実です。
この話を聞いたとき、正直なところ「そうだよな」と思いました。私自身、かつては朝から晩まで現場に張り付いて、閉店後には翌日の仕込みの段取りを頭の中で繰り返す——そんな毎日を送っていたからです。
でも今は違います。経営が、本当に楽しい。この記事では、私がなぜそう思えるようになったのか、その転換点を正直にお話しします。「仕事を楽しむなんて自分には無縁」と感じているオーナーの方こそ、最後まで読んでみてください。
📋 この記事でわかること
- 「社長なのに現場作業ばかり」という状態がなぜ生まれるのか
- 現場から離れるために何を手放し、何から始めたのか
- 現場委譲によって「楽しむ経営」がどう実現するか
- 焼鳥居酒屋オーナーが客単価を上げながら新メニュー開発の時間を確保した事例
こんな方におすすめ
- ✅ 毎日現場に入り続けていて、経営のことを考える時間がない方
- ✅ 「任せたいのに、任せられない」ループから抜け出せていない方
- ✅ 忙しく働いているのに、手元にお金も時間も残らないと感じている方
- ✅ 経営を「楽しむ」という感覚が、今の自分には想像できない方
- ✅ 仕組みで店を回す体制をつくりたいが、何から着手すればいいか分からない方

「忙しいのに楽しくない」——その正体に気づくまで
かつての私は、「現場が自分のいる場所だ」と疑いなく信じていました。仕込みも、接客も、クレーム対応も、全部自分でこなすことが「プロとしての仕事」だと思っていた。
でも、あるとき気づいたんです。自分がやっている仕事のほとんどは、「今日の売上をつくる作業」であって、「来年・再来年の売上をつくる経営」ではないと。
平たく言えば、私は「社長」という肩書きの職人だったわけです。手を動かすことで安心していた。現場にいることで「ちゃんとやっている」という錯覚の中にいた。
この状態が長く続くと何が起きるか。体は疲れているのに、売上は頭打ち。新しいことに手をつける気力もなければ、時間もない。そして気づけば、「なんのためにやっているんだろう」という虚無感が漂いはじめる。
経営が楽しくないのは、才能の問題でも、性格の問題でもありません。構造の問題です。
「忙しいのに楽しくないのは、社長が現場作業員になっているサインです。儲かるアイデアと儲かる仕組みをつくるのが社長の仕事。現場で汗をかくことが社長の仕事ではありません。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店研究所 主宰)
「経営に集中したいのに、気づけば現場作業で1日が終わっている」——そのループの原因が、時間の使い方の構造にあることはこの記事でお伝えしました。繁盛店ポータルに無料登録すると、AIと対話しながら自店のビジョンと目標を整理できる「増益繁盛プランナー(5ステップ無料)」と、ハワードジョイマンAIへの無料相談が使えます。メールアドレスだけで今すぐ登録できます。
転換点は「何かを手放す」決断から始まった
私が変わり始めたのは、1週間自分の行動を書き出したのがきっかけでした。月曜から日曜まで、何に何時間使ったかを細かく記録する。たったそれだけのことです。
結果を見て、愕然としました。経営に関わる思考——新しいメニューの構想、価格設計、集客の仕掛け——に使っていた時間は、週にたったの2時間足らず。残りのほぼすべては、現場の作業か、現場を支えるための段取りでした。
「これは経営じゃない。自分は現場の管理者だ」と、その瞬間はっきり自覚しました。
そこからの行動は、ひとつに絞りました。利益に直結しない作業を、できるものから手放すこと。全部いっぺんには無理でも、一つずつ工程を分解して「これは誰でもできる作業か?」「これはマニュアル化できるか?」と問い直していく。
最初は怖かった。「自分がやらないと店が崩れる」という思い込みが根強くありました。でも実際にやってみると、スタッフは予想以上に動いてくれた。むしろ「もっと早く任せればよかった」と感じました。
任せた分だけ、時間が生まれました。その時間で、初めて「経営者として考える」ことができるようになった。それが、楽しさの入口でした。
✓ ここまでのポイント
- 「忙しいのに楽しくない」は、社長が現場作業員になっているサインである
- 1週間の行動を書き出すと、経営に使っている時間の少なさが可視化できる
- 「利益に直結しない作業を手放す」決断が、時間と楽しさを取り戻す入口になる
「工程を分解して手放す」「利益に直結しない行動をやめる」——頭では分かっても、実際にどう動けばいいかが見えないまま止まっているオーナーは少なくありません。動画講座「行動収益化法」では、1週間の行動分析で手放す作業を特定する方法と、行動を6つの選択肢(なくす・任せる・外注する・変える・速める・集約する)で仕分けする手順を、ワークシートと合わせて学べます。有料教材ですが、申込み後すぐに全動画を視聴でき、視聴期限はありません。
焼鳥居酒屋オーナーが経験した「手放した先の世界」
これは私だけの話ではありません。50代の焼鳥居酒屋を経営するオーナーの話を紹介します。
彼は長年、仕込みから焼き場まで一人で抱えていました。技術には自信があった。でも「うちは他と違う」と言える根拠が、自分の中でぼんやりしていた。それをお客さんに伝える言葉も、仕掛けも、何もなかった。
現場作業に追われているうちは、そんなことを考える余裕すらなかった、とおっしゃっていました。
「新メニューを開発する時間を確保できたことで、客単価が900円上がりました。それよりも、『うちは他と違う』を堂々と言えるようになったことが、一番大きな変化です。」
焼鳥居酒屋オーナー(男性・50代)
客単価が上がったのは、値引きをやめたからでも、高い食材を使ったからでもない。「経営者として考える時間」を持てるようになったからです。
現場を任せる仕組みを整えた結果、彼は週に数時間、「自分の店をどうしたいか」を考える時間を持てるようになった。その時間から生まれたのが新メニューであり、価値の再定義であり、「うちは他と違う」という確信でした。
楽しさは、暇になれば生まれるわけじゃない。「自分が意図して動かせている」という実感から生まれます。彼がまさにそれを体現していました。
「楽しむ経営」に必要な3つのシフト
私がこれまで飲食店・美容室のオーナーを21年にわたって支援してきた中で、経営を楽しんでいる人に共通するシフトが3つあります。
チェックポイント1:「自分がやる」から「工程を設計する」へ
現場から抜け出せない人の多くは、「自分でやったほうが早い」「スタッフには無理だ」という固定観念を持っています。でも実際には、仕事を工程に分解してみると、自分でなくてもできる作業が7割以上を占めることがほとんどです。
✅ ポイント:まず1週間の自分の行動を書き出し、「これは自分でないといけないか?」を問い直すことから始めてみてください。経営の行動計画の立て方と手順も参考になります。
チェックポイント2:「今日の売上」から「来年の仕組み」へ
現場作業は今日の売上をつくります。でも、経営者が本来使うべき時間は「来月・来年の売上をどうつくるか」を設計することです。この視点が抜けていると、いつまでも現場から離れられない。
✅ ポイント:未来から逆算する経営の考え方を取り入れ、「今日やること」を未来の目標から逆算して決める習慣をつくると、現場以外の時間の使い方が変わりはじめます。
チェックポイント3:「頑張る自分」から「楽しむ自分」への認識転換
「楽しむなんてまだ早い」「もっと結果を出してから」——そう思っているオーナーほど、楽しさが先送りになり続けます。楽しさは結果の後についてくるものではなく、楽しんでいる状態が先にあるから結果がついてくる側面もある。
✅ ポイント:経営がうまくいく人の考え方にも共通していますが、「今の現実は100%自分がつくっている」という認識に立つことが、楽しむ経営への入口になります。
「経営を楽しんでいる人は、暇な人でも余裕がある人でもない。自分の時間と思考を、意図的に経営に向けられている人です。現場を抜け出すのは逃げではなく、社長として正しい場所に立つということです。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店研究所 主宰)
「経営を楽しむ」は、今日から設計できる
楽しい経営は、偶然に訪れるものじゃありません。設計するものです。
現場から離れるための仕組みをつくり、利益に直結する思考に時間を使い、「自分の店をどうしたいか」を描き続ける——その積み重ねの先に、「楽しい」という感覚が生まれてくる。
焼鳥居酒屋のオーナーが「うちは他と違う」を堂々と言えるようになったのも、一夜にして変わったわけじゃない。現場を手放す決断をして、その分の時間で考え続けた結果です。
あなたが「楽しめていない」のは、才能や気力の問題ではありません。まだ現場から抜け出す構造をつくっていないだけです。
今日からできる最初の一歩は、シンプルです。今週1週間、自分が何に時間を使っているかを書き出してみてください。そこに、変える場所が必ず見えてきます。
「楽しむ経営」は設計できる——この記事を最後まで読んだあなたは、もうその入口に立っています。次は実際に動く番です。動画講座「行動収益化法」では、未来デザインマップと曼荼羅シートを使って望む姿を描き、現場から離れるための行動を逆算して今日の一歩に落とし込む方法を、全8本・約6時間17分で学べます。分割払いにも対応しており、スマートフォンからでも繰り返し視聴できます。