朝から晩までバタバタして、気づけば閉店時間——。
飲食店や美容室を経営していると、こういう一日が当たり前になっていませんか?
季節の変わり目になると、「もう少し余裕があれば新メニューのことを考えられるのに」「繁忙期が来る前に仕込みの段取りを整えたい」という声をよく聞きます。でも実際には、気づいたら繁忙期(繁盛期!)が来てしまっている。
忙しさの原因が「仕事の量」にあると思っていると、いつまで経っても抜け出せません。多くの場合、問題は量ではなく「段取りの設計」にあります。
ここ21年、飲食店・美容室オーナーの現場に入り続けてきた経験から言えるのは、段取りを変えると、同じ仕事量でも「手元に残る時間」がまったく違ってくるということです。今回は、その段取りを良くする4つのポイントをお伝えします。
📋 この記事でわかること
- 「バタバタして終わる一日」が生まれる本当の原因
- 段取りを良くして時間を取り戻す4つの具体的なポイント
- 焼肉店オーナーが月商420万円から560万円に伸ばしながら週2日の休みを確保した実例
- 今日から使えるタスク整理の考え方
こんな方におすすめ
- ✅ 毎日やることに追われ、自分の時間がまったく持てていない経営者の方
- ✅ 段取りが悪くバタバタしているのは分かっているが、どこから直せばいいか分からない方
- ✅ 忙しく働いているのに売上・利益が思うように伸びていない飲食店・美容室オーナー
- ✅ 「時間ができたら考える」が口癖になってしまっている方
- ✅ 休みを増やしたいのに、休むと売上が落ちる気がして踏み切れない方

「段取りが悪い」の正体は、タスクの整理不足にある
「段取りが悪い」と感じるとき、多くの経営者は「自分の要領が悪いせいだ」と思いがちです。でも、実際に一日の行動を書き出してみると、原因はほぼ共通しています。
それは、「やること」が頭の中でぐるぐるしているだけで、整理されていないことです。
時間管理のアプリを使っても、スケジュール帳を買い直しても解決しないのはそのためです。時間を管理しようとする前に、まずやることを整理する——つまりタスク管理への切り替えが先です。
「今日何をやるか」が朝の時点でクリアになっている人と、お店に着いてから「あ、あれもやらなきゃ」と思い出しながら動く人では、一日の密度がまるで違います。
「段取りというのは、やることを決める作業じゃない。やらないことを決める作業です。全部やろうとするから段取りが崩れる」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店研究所 主宰)
この視点が抜けていると、どれだけ「段取りを良くしよう」と意気込んでも、またすぐにバタバタに戻ります。
「タスクを整理したいけど、何から手をつければいいか分からない」——そう感じているなら、まず自分の経営の軸を言語化することが先です。繁盛店ポータルでは、AIと対話しながらお店のビジョン・目標・行動の優先順位を整理できる「増益繁盛プランナー(5ステップ)」を無料で使えます。メールアドレスだけで無料登録できます。
段取りを良くする4つのポイント
チェックポイント1:その日の「最重要タスク」を前日夜に1つだけ決める
朝にお店に来てから「今日は何をしようか」と考えていると、その時点でもう段取りが崩れ始めています。前日の閉店後、たった15分使って翌日の最重要タスクを1つだけ決めておくだけで、朝のスタートが劇的に変わります。
「最重要」は1つだけです。2つ、3つと増やすと、全部が「優先」になり結局また場当たり的になります。
✅ ポイント:翌日の最重要タスクは「売上・利益に直結するもの」から選ぶこと。仕入れの発注、仕込みの段取り確認、スタッフへの指示出しなど、やらないと翌日の営業に影響が出るものを最優先にする。
チェックポイント2:タスクを「種類」ではなく「工程」で分ける
「新メニューを考える」「スタッフに仕事を教える」——こういった大きな塊のタスクは、いつまでも手がつかないままになりがちです。なぜなら、どこから始めればいいか曖昧だからです。
解決策は、タスクを工程に分解すること。「新メニューを考える」なら、①食材候補を書き出す(10分)→②原価計算をする(15分)→③試作の日を決める(5分)というように、1工程を30分以内に収まる単位まで砕きます。
仕事を工程に分ける4つのポイントでも詳しく解説していますが、工程に分けるだけで「着手のハードル」が一気に下がります。
✅ ポイント:タスクを書くときは「〜する」の動詞で終わる形にして、1工程あたりの所要時間の目安も横に書く。「15分でできること」と分かると、スキマ時間に自然と手が動くようになる。
チェックポイント3:「やること」より先に「やめること」を決める
段取りを良くしたいとき、多くの人は「何を加えるか」を考えます。でも本当に効果があるのは、「何をやめるか」を決めることです。
一週間の行動をすべて書き出して、「これは本当に売上・利益に直結しているか?」と問いかけてみてください。Instagramの投稿に毎日1時間かけている、電話対応を全部自分でやっている、スタッフに任せられる発注業務を抱え込んでいる——こういう行動が見えてきます。
やることの取捨選択は、段取り改善の核心です。やめる判断ができると、一日の中に「考える時間」「経営者として動く時間」が生まれてきます。
✅ ポイント:「やめる」と決めたことは、その日のタスクリストから物理的に消すこと。「いつかやる」に置いておくと、ずっと頭の片隅を占領して集中力を削ぐ。
チェックポイント4:「移動・待機・準備」の時間を計測して最適化する
段取りのロスで意外と見落とされているのが、移動・待機・準備にかかっている時間です。
たとえば、食材の仕入れに週3回行っているとして、そのルートは最適化されていますか? 発注のタイミングや業者の集約で週1〜2回に減らせることも多い。美容室なら、施術前の準備に毎回バラバラな手順を踏んでいることで、1日あたり20〜30分をロスしているケースもあります。
これらは「慣れてしまっているから見えない」ロスです。1日の行動を一度すべて書き出して計測してみると、想像以上に時間が溶けている場所が見つかります。業務を集約して効率化する視点も、ここに直結します。
✅ ポイント:「計測」は1週間でいい。正確でなくていいので、ざっくりで記録する習慣をつけるだけで「時間の感覚」が変わる。感覚で動いている限り、段取りの改善は続かない。
✓ ここまでのポイント
- 段取りが悪い原因はタスクが整理されていないこと。時間管理より先にタスク管理を
- 翌日の最重要タスクを前日夜に1つ決め、工程に分解して着手のハードルを下げる
- 「やること」より「やめること」を先に決めることで、経営者として動く時間が生まれる
「やめること」を決めて、利益に直結する行動だけに絞る——これが段取り改善の本丸ですが、「何をやめるか」の判断基準がないと進みません。動画講座「行動収益化法」では、1週間の行動を書き出して直結しない行動を特定する方法と、行動の6つの選択肢(なくす・任せる・外注する・変える・速める・集約する)を使った実践的な整理法を解説しています。有料教材ですが、一括払いと分割払いが選べます。
段取りが変わると「時間」だけでなく「売上」も変わった実例
静岡をはじめ全国の飲食店・美容室オーナーを支援してきた中で、こういう声をよく聞きます。
「段取りを整えて、週2日の休みが取れるようになりました。売上も月商420万から560万に伸びて、値引き競争から抜けられた。料理への自信を取り戻せたのが一番大きかったです」
焼肉店オーナー(男性・40代)
この方が変えたのは、特別なマーケティングでも、設備投資でもありません。日々の行動の優先順位と段取りの設計を変えただけです。
休みを取ることで思考が整理され、「値引きではなく価値で選ばれる」ための動きに時間が使えるようになった。その結果、客単価も上がり、月商も140万円増という変化につながっています。
「休みを取ると売上が落ちる」ではなく、「段取りを整えて休みを取ることで、売上が上がる」——この逆転の発想が、経営を変えるスタート地点です。
「忙しいのは大人気の証拠。でも、バタバタしているのは段取りのサインです。この2つを混同している限り、時間は永遠に生まれてきません」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店研究所 主宰)
「段取りが良い経営者」が毎日やっていること
最後に、段取りが整っている経営者に共通する習慣を整理しておきます。
❌ 段取りが崩れているパターン
- 朝に来てからその日の動きを考える
- タスクが頭の中だけにあり、書き出していない
- 「全部やらなきゃ」と思い、やめる判断ができない
- 移動・待機・準備の時間を「しょうがない」と放置している
✅ 段取りが整っているパターン
- 前日夜15分で翌日の最重要タスクを1つ決めて翌朝すぐ動ける状態にしている
- タスクは工程に分解し、1つあたりの所要時間を書いている
- 週に一度「やめること」の棚卸しをしている
- 移動・待機・準備の時間を計測し、定期的に見直している
この4つの習慣は、どれも今日から始められます。特別な道具も、まとまった時間も要りません。
「時間がない」は、時間がないのではなく、利益に直結しない行動に時間を使っている状態です。段取りを変えることは、自分の時間を取り戻すことであり、経営者として本当に動くべき場所に力を注ぐための土台をつくることです。
まず今日の閉店後15分、明日の最重要タスクを1つ書いてみてください。それだけで、明日の朝は変わり始めます。
さらに詳しく「やるべきことの明確化」ややるべきことを明確にする3つのポイントも合わせて読んでみてください。行動の優先順位が整うと、段取りの改善がさらにスムーズになります。
週2日の休みを取りながら月商を140万円伸ばした焼肉店オーナーが変えたのは、段取りの設計と行動の優先順位でした。同じ変化を自分の店で起こすための一連の手順——望む未来の描き方から逆算・時間捻出・委譲の仕組みまで——を全8本・約6時間17分の動画で体系的に学べます。視聴期限なし、スマホからいつでも何度でも確認できます。