3.行動戦略と時間創出

やるべきことを明確にする3つのポイント

「やるべきことは山ほどあるのに、時間がまったく足りない」——この状態に陥っている飲食店・美容室オーナーは、実は想像以上に多い。

あるリサーチによると、中小企業の経営者が1週間に取り組んでいる業務の約60〜70%は、売上や利益に直結しない作業だという実態があります。つまり、時間がないのは「仕事が多いから」ではなく、「成果につながらない仕事に時間を使いすぎているから」である可能性が高い。

時間がないから新しいことを考えられない。考えられないから現状が変わらない。現状が変わらないからまた時間がない——この悪循環、思い当たりませんか?

今日は、その循環を断ち切るために「やるべきことを明確にする3つのポイント」をお伝えします。「何を増やすか」ではなく、「何を手放すか」から始める話です。

📋 この記事でわかること

  1. なぜ「頑張っているのに時間が足りない」状態が起きるのか、その構造的な原因
  2. 1週間の行動を書き出して、やめるべき仕事を特定する具体的な手順
  3. 「やるべきこと」を明確にするための3つのポイントと陥りやすい失敗
  4. 時間を捻出した先に経営者が向かうべき仕事の方向性

こんな方におすすめ

  • ✅ 毎日忙しく動いているのに手元にお金が残らないと感じている方
  • ✅ ToDoが増え続けて、何から手をつければいいか分からなくなっている方
  • ✅ 「もっと考える時間がほしい」と思いながら、現場作業に追われている飲食店・美容室オーナー
  • ✅ 目標を立てても日々の業務に流されて行動できないもどかしさを感じている方
  • ✅ 忙しさを「頑張っている証拠」と思いながらも、このままでいいのか不安がある方
やるべきことを明確にする3つのポイント | 有限会社繁盛店研究所

「やることが多い」のではなく「やめられない」のが問題

時間が足りない経営者に「1週間で何をやっていますか?」と聞くと、多くの場合、リストが止まらない。仕込み、発注、スタッフへの指示、クレーム対応、SNS投稿、シフト作成、帳簿の確認、電話対応、備品補充……。

でも、ここで立ち止まって考えてほしいんです。そのリストのうち、売上や客単価に直接つながっているものはいくつありますか?

おそらく、正直に仕分けてみると、半分以下になるはずです。

多くの経営者が陥っているのは「やることを増やして解決しようとする」という発想の罠です。もっとSNSを投稿しよう、もっとスタッフに声をかけよう、もっと早起きしよう——でも、増やせば増やすほど時間は消える。

本当に必要なのは「何をやめるか」を決めることです。そのためにまず、現状の行動を「見える化」するところから始める必要があります。

1週間の行動を書き出してみたはいいが、「どれをやめていいのか判断できない」「そもそも何が利益に直結しているのかが見えない」という状態で止まってしまうことがあります。繁盛店ポータルの無料アカウントに登録すると、AIと対話しながらお店のビジョン・目標・ターゲットを整理できる「増益繁盛プランナー(5ステップ)」が使えます。無料で登録でき、メールアドレスだけで始められます。

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ポイント①:1週間の行動を全部書き出す(行動の棚卸し)

やるべきことを明確にする最初の一手は、「今やっていること」をすべて書き出すことです。頭の中だけで整理しようとすると、どうしても「なんとなく忙しい」という感覚のままになってしまう。

やり方はシンプルです。

行動の棚卸し STEP 1

1週間分の行動をすべて紙に書き出す

月曜から日曜まで、仕事上でやったこと・やっていることを時間単位で書き出します。「なんとなく対応した」「気づいたらやっていた」ものも含めて漏らさずに。スマホを見た時間、誰かとした雑談の時間も対象です。15分単位くらいで書き出せると精度が上がります。

⚠️ よくある失敗:「だいたいこんな感じ」と記憶だけで書こうとすること。実際にやってみると「こんなにやっていたのか」と驚く項目が必ず出てきます。できれば1週間、実際に記録しながら書き出してみてください。

行動の棚卸し STEP 2

書き出した行動を「目標に直結するか・しないか」で2つに分ける

基準はシンプルです。「この行動は、自分が今期目標にしている売上・客単価・休日確保などに、直接つながっているか?」。YESとNOで分けてください。迷ったものはいったんNOに置きます。

⚠️ よくある失敗:「これもどこかで役に立つはず」と全部YESにしてしまうこと。「なんとなく必要な気がする」は基準になりません。「直接つながっているか」で判断してください。

この2ステップをやると、多くの経営者が「自分の時間の大半がNOの仕事に消えている」という現実に直面します。これが出発点です。

ポイント②:「やめる」を先に決める(削除と手放しの判断)

書き出してNOに分類した行動を見て、多くの人がこう思います。「でも、これもやらないとまずいんです」。

ここが最大の関門です。

「やめる」は怖い。何かが崩れそうな気がする。でも、実際に支援の現場でお客さんに試してもらうと、やめても困らないことの方が圧倒的に多い。

「時間がないのは、やめる勇気がないからです。やめた後に何も困らなかったとき、初めて『あの時間は何だったんだ』と分かる。それを経験してもらうのが最初の仕事です。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店研究所代表)

「やめる」の判断に迷ったときは、次の問いを使ってみてください。

❌ よくある判断パターン(手放せない経営者の思考)

  • 「これをやめたらお客さんに迷惑がかかるかもしれない」
  • 「今までやってきたことを急にやめるのは怖い」
  • 「自分がやらないと誰もやらない」

✅ 推奨する判断パターン(時間を取り戻した経営者の思考)

  • 「これを3ヶ月やめたとして、売上・客単価・顧客満足度に実害が出るか?」
  • 「これは自分じゃないとできないか?分解すれば任せられる部分はないか?」
  • 「この時間を別のことに使ったら、どれだけ成果が変わるか?」

なお、「やめる」以外にも、仕事を工程に分けて任せられる部分を切り出すという方法もあります。一気に手放せないなら、まず分解するところから始めてもいい。

✓ ここまでのポイント

  • 時間が足りない原因は「仕事の多さ」ではなく「成果に直結しない仕事をやめられないこと」
  • まず1週間の行動を全部書き出し、目標に直結するか・しないかで2分類する
  • 「やめる」を先に決める。迷ったら「3ヶ月やめて実害があるか」で判断する

「やめる仕事は決めた。でも、その先の時間を何にどう使えばいいのかが分からない」——この段階で止まる経営者は少なくありません。動画講座「行動収益化法」では、未来デザインマップと曼荼羅シートを使って望む未来を完了形で描き、逆算して日々の行動に落とし込む具体的な手順を全8本・約6時間17分で学べます。有料の動画教材ですが、一括・分割払いが選べ、購入後すぐに視聴を開始できます。

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ポイント③:「社長の仕事」に時間を集中させる

やめる仕事が決まったら、次は「その空いた時間を何に使うか」を明確にします。ここを曖昧にすると、やめたはずの仕事がいつの間にか戻ってくる。

儲かるアイデアと儲かる仕組みをつくるのが社長の仕事です。現場作業をこなすことではない。この認識の違いが、経営を変えるかどうかの分岐点になります。

具体的に言うと、捻出した時間の使い道として優先すべきは次のような仕事です。

  • 客単価を上げるためのメニュー設計や価格の見直し
  • リピーターが自然と戻ってくる仕組みづくり
  • スタッフに任せるための手順書・基準づくり
  • 自分の時間をさらに増やすための仕組みの設計

これらは「忙しいからできない」と後回しにされがちですが、実は最も売上と利益に直結する仕事です。だからこそ、意識的に時間を確保しないと永遠に後回しになる。

やることの取捨選択で成果に集中する方法についても合わせて読んでみてください。優先順位の整理がさらに深まります。

また、捻出した時間を使って無駄な仕事を段階的に減らす視点を持つと、時間は雪だるま式に増えていきます。

「やるべきことを明確にするというのは、増やすことじゃなくて削ること。削り続けた先に、本当にやるべき仕事だけが残る。その状態になって初めて、経営者として機能し始める。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店研究所代表)

実際にやってみた経営者の変化

ここで、実際にこの取り組みをした経営者のケースを紹介します。

「閉店後の残業が当たり前になっていて、何をやっているのか自分でも分からない状態でした。行動を書き出してみたら、やらなくていい仕事が半分以上あることに気づいて。やめてみたら、驚くほど何も困らなかった。月商は25%増えて、閉店後の残業もほぼなくなりました。今は店に立つのが待ち遠しくて仕方ない。」

鉄板居酒屋オーナー(男性・40代)

この方が最初にやったのは、派手な集客施策でも値下げでもありません。「今やっていることを書き出して、やめることを決めた」という、地味に見えて本質的な一歩でした。

月商が25%増えた背景には、やめた仕事から捻出した時間を使って、客単価アップにつながるメニュー設計に集中できたことがあります。時間を生み出したから、考える余裕が生まれた。考えたから、成果につながる行動ができた。そういう順番です。

繁盛店研究所では、21年・全国500名以上の飲食店・美容室オーナーを支援してきた実績の中で、「やるべきことを明確にする」という一見シンプルなことが、実は最も後回しにされやすく、かつ最も成果に直結するステップだと確認しています。

まとめ:「明確にする」とは削ることから始まる

やるべきことを明確にする3つのポイントをまとめます。

  1. 1週間の行動をすべて書き出す(行動の棚卸し)——頭の中で整理しようとせず、紙に全部出す。
  2. 目標に直結しない行動を「やめる」と先に決める——「なんとなく必要そう」は基準にしない。3ヶ月やめて実害があるかで判断する。
  3. 空いた時間を「社長の仕事」に集中させる——仕組みづくり・単価設計・リピート導線など、利益に直結する仕事に時間を使う。

「何を増やすか」より「何をやめるか」。この順番を変えるだけで、時間の使い方は大きく変わります。

今日から動き出すなら、まず今週1週間、自分が何にどれだけ時間を使っているかを書き出すことから始めてみてください。それだけで、見えていなかったものが必ず見えてきます。

「やめる判断ができた」「時間を捻出できた」——その次のステップは、その時間で何を動かすかを設計することです。動画講座「行動収益化法」では、1週間の行動分析から始まり、利益に直結しない行動を特定してやめる判断をする方法、行動の6つの選択肢(なくす・任せる・外注する・変える・速める・集約する)まで体系的に学べます。スマートフォンでも視聴でき、視聴期限はありません。

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