売る側の目線で物事を考える致命的エラー
プロジェクト知識から具体的で実践的な内容をまとめて説明します。
1. 自己紹介をガツガツしてくる人と同じ状態
POPと対人関係の共通点
売る側の目線で作ったPOPは、自己紹介をすごいガツガツしてくる人と同じ状態になります。これは非常にうざい状態です。
ガツガツする売り手の特徴:
- 自分が言いたいことばかり書いている
- 商品の素晴らしさを一方的にアピール
- お客さんが聞きたいことを無視している
- 専門用語を使って「俺かっこいい」状態
対人関係との類似性:
- どんどん聞いてくれる人の方が話しやすい
- 一方的に話す人は敬遠される
- POPも対人関係を作るツールと同じ
- 相手のことを考えない人は信頼されない
2. お客様が聞いてくれる人になる方法
基本原則:お客さんが知りたいことを書く
売れるPOPの条件:
- ❌自分たちが言いたいことが書いてあるPOP→売れない
- ⭕お客さんが知りたいことが書いてあるPOP→売れる
聞いてくれる人になるための具体的方法:
1. お客さんの悩みから入る
❌「当店自慢の特製ソース使用」
⭕「フケが気になるなぁと思っているあなた」
2. 役立つ情報を提供する
- 商品を売り込むのではなく、お客さんにとって役立つ情報を載せる
- なぜフケが出るのか?→乾燥するから→水分量が必要→このシャンプーで保たれる
- 情報が欲しい:どうやって自分の悩みを解決できるのか
3. 営業用語・接客用語を使わない
❌「みんなでワイワイ楽しみたい」→誰も言ったことがない
⭕「ちょっと外走ってみたいな」→実際に思うこと
4. 日常会話で書く
- 丁寧な言葉遣いをすればするほど分かりにくくなる
- 「〜です」と「〜でございます」は意味は同じだが文字数が増える
- 普段お客さんに話している言葉で説明する
3. 立場と知識の違いを理解する重要性
致命的な認識不足:自分とお客さんは全く違う
知識レベルの違い:
- 自分:いろんなところでいろんなものを食べて、練習して覚えてきた
- お客さん:そのお店のことは全く知らない
- 自分の当たり前≠お客さんの当たり前
具体例:専門用語の問題
- フランベと言われても分からない
- どこどこさんの豚肉と言われても、どこどこさんがすごいかは知らない
- 芳醇な香りとか極上のひと時など、普段使わない言葉では伝わらない
立場の違いによる判断基準:
お客さんの判断基準:
- 自分の知らないことには経験と価値観でしか判断できない
- 牛丼800円→高い(松屋や吉野家が290円だから)
- どんなにいい素材を使っていてもお客さんには分からない
例:チョコレートの事例
- 本格的なチョコレートは苦い(カカオ使用)
- でも明治のチョコレートで育った人には「まずい」と感じる
- 「この苦みが本来のチョコレートの美味しさです」と先に教育が必要
4. 教育の重要性
お客さんを必ず教育してあげる
POPは教育ツールです:
- 食べ方、取り扱い方、保管方法を教える
- 皆さんが当たり前に知っている知識をお客さんに教える
- 皆さんと同じ価値観に育てていく
教育の具体例:
蕎麦屋の場合:
- 最初に日本酒を飲みながら玉焼きを食べる
- 最後に締めで蕎麦を食べる
- これが粋な食べ方だと教えてあげる
価格の相対性を理解させる:
- 500円のプリンは一般的には高い
- でも1万円のプリンが横にあると500円は安く感じる
- 価格は相対的なもの
5. 実践的な改善方法
売る側目線から買う側目線への転換
1. 商品自体ではなく、得られる変化を伝える
❌「デジタルカメラ」
⭕「写真が撮りたい、写真データが欲しい」
2. 用途の違いを理解する
- 外で子どもを撮る人
- 室内で商品を撮る人
- 用途によって必要な機能が違う
3. お客さんの立場で考える
- 商品が欲しいのではない
- 商品を得ることによって訪れる変化が欲しい
- その人の使い方に合わないなら意味がない
6. 信頼関係構築の重要性
売り込みではなく信頼関係を作る
失敗パターン:
- 売上や利益ばかり意識する
- 「これを買ってください」ばかりのPOP
- 売り込み感が強くなる
- お客さんは売り込まれるのが嫌い
成功パターン:
- まず信頼関係を構築する
- お客さんに楽しんでもらうことを前提に考える
- 売るのではなく、勝手に売れる状態を目指す
- 1対1の商売では信頼関係が基本
コミュニケーションPOPの考え方:
- 商品から考えない
- どういうお客さんに来てもらいたいか
- 人や店に興味を持ってもらう
- 接触頻度と質を意識する
- どういう感情の共有ができるか
このように、売る側の目線で物事を考えることは、
自己紹介をガツガツしてくる人と同じ状態を作り出す致命的エラーです。
お客様が聞いてくれる人になるためには、
立場と知識の違いを理解し、
お客さんが知りたいことを教育的に伝えることが重要です。