「広告費を増やしたのに、なぜか手元にお金が残らない」——実は、この状態に陥っている工務店は全体の7割以上にのぼると言われています。
売上は伸びている。棟数も増えた。でも決算書を見ると利益がほとんど残っていない。そのうえ広告費の請求だけはしっかりくる。こういう構造に気づかずに「もっと広告を打てば解決する」とアクセルを踏み続けてしまうのが、利益率が低い工務店の典型的なパターンです。
静岡市清水区を拠点に、全国の中小工務店の経営改善を支援しているハワードジョイマンです。中小企業診断士として18年・1,000社以上の支援に携わってきた経験から、今回は「広告予算の配分」にフォーカスして、利益率が低い原因と正しい数字の見方をお伝えします。
📋 この記事でわかること
- 利益が残らない工務店に共通する広告費の使い方の問題点
- 広告予算を決める前に確認すべき3つの数字
- 媒体別(ポータル・Google・SNS)の費用対効果の診断方法
- 利益率を守りながら集客を伸ばすための予算配分の考え方
こんな方におすすめ
- ✅ 広告費をかけているのに手元にお金が残らないと感じている社長
- ✅ SUUMOなどポータルサイトの費用対効果に疑問を持っている方
- ✅ 広告予算をどう組めばいいかわからず感覚で決めてしまっている方
- ✅ 売上より利益を重視した経営に切り替えたい工務店経営者
- ✅ 専任のマーケ担当を置かずに集客の仕組みをつくりたい社長

「広告費が多いほど集客できる」は半分正解・半分誤解
まず最初に確認しておきたいことがあります。「お金を掛けずに売上を伸ばすというのは間違い」——これは私がクライアントの社長に必ずお伝えしていることです。広告投資は必要です。ただし、どこに・いくら・どんな目的で投じるかを数字で設計していなければ、広告費は純粋なコストになるだけです。
よくあるのが、「とりあえずSUUMOに掲載している」「Googleの広告代理店に任せている」「Instagramを運用会社に委託している」という状態で、それぞれの媒体から何件問い合わせが来て、何件商談になり、何棟受注に至ったかを把握していないケースです。
これは飲食店で言えば、どのメニューが利益を生んでいるか把握せずに食材を仕入れ続けているようなものです。私が飲食・美容業界で体系化した「増益繁盛メソッド」を工務店に転用した際に最初に着手するのが、まさにこの「数字の棚卸し」です。
❌ よくある広告予算の決め方
- 「昨年と同じ金額でとりあえずやってみる」
- 「代理店に言われた金額をそのまま承認する」
- 「競合が出しているから自分も出す」
✅ 利益率を守るための広告予算の決め方
- 1棟あたりの粗利から「許容できる集客コスト」を逆算する
- 媒体ごとに問い合わせ単価・受注単価を計測して比較する
- 目標棟数から必要な問い合わせ件数を逆算し、予算を割り当てる
広告予算を決める前に確認すべき3つの数字
感覚ではなく数字で広告投資を判断するために、まず手元に揃えてほしい数字が3つあります。この3つを把握しているかどうかで、広告の使い方がまったく変わります。
チェックポイント1:1棟あたりの粗利を把握しているか
「年商3〜4億で年間8棟建てている」という工務店の社長でも、1棟あたりの粗利を即答できない方は少なくありません。粗利=売上-原価(材料費・外注費・現場経費)です。これが広告予算の「上限値」を決める基準になります。たとえば粗利が1棟500万円なら、その何%まで集客コストに使えるかを意識することが出発点です。
✅ ポイント:粗利の10〜15%を集客コストの上限目安として設定し、それを超えている媒体は即見直しのサインです。
チェックポイント2:媒体別の問い合わせ単価を計測しているか
ポータルサイト・自社HP・SNS・チラシなど、複数の集客経路を持っている場合、それぞれから「年間何件の問い合わせ」が来ているかを把握していますか。月額30万円払っているポータルで年3件しか来ていなければ、問い合わせ単価は120万円です。一方、月額3万円の自社HP改善で年24件来ていれば、単価は1.5万円です。この差を見えていない状態で「広告費を増やしたい」と考えるのは危険です。
✅ ポイント:Googleアナリティクスとお問い合わせフォームの送信計測を連携させるだけで、自社HPの問い合わせ件数は正確に把握できます。まずここから始めましょう。
チェックポイント3:商談化率・受注率を媒体別に計測しているか
問い合わせが来ても、商談・見学・受注につながらなければ集客コストは回収できません。特にポータルサイト経由は「とりあえず問い合わせてみた」という温度感の低いユーザーが多く、商談化率が低い傾向があります。自社HPや紹介経由と比較したとき、どの媒体が最終的に受注に貢献しているかを追うことが重要です。
✅ ポイント:問い合わせ経路を商談記録・受注台帳に必ず記録しましょう。3ヶ月分でいいので遡れば、媒体の優劣がはっきりします。
✓ ここまでのポイント
- 広告費が「コスト」になるか「投資」になるかは、数字を設計しているかどうかで決まる
- 1棟あたりの粗利・媒体別問い合わせ単価・受注率の3つが判断の基準になる
- この3つを把握せずに予算を増やしても、利益率の改善にはつながらない
ポータル依存が利益率を下げる構造的な理由
SUUMOやホームズなどのポータルサイトに月20〜40万円を払い続けている工務店の社長と話すと、ほぼ共通してこう言います。「成果があるのかよくわからないけど、やめたら問い合わせがゼロになる気がして怖くてやめられない」と。
この心理は理解できますが、これは構造的に利益率を下げます。なぜなら、ポータルサイトは価格・広さ・エリアで横並び比較される場だからです。工務店の強みである「設計の柔軟さ」「職人の技術」「アフターサービスの手厚さ」は、ポータルの比較画面では伝わりません。結果として価格競争に巻き込まれ、値引きを余儀なくされる。これが利益率を下げる本質的な構造です。
「ポータルサイトをやめることを怖がる前に、そのお金で自社HPを育てたら何が起きるか、一度計算してみてください。多くの工務店にとって、答えは明快に出ます」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・増益繁盛メソッド主宰)
ポータル依存から脱却して自社HPからの問い合わせを増やす——これが「紹介だけに頼らない集客の仕組みをつくる」ための最初の一手です。実際、私がサポートしてきた工務店では、こんな変化が起きています。
「HPからの問い合わせが月0件から5件以上になった」
(40代・注文住宅工務店 経営者)
問い合わせが月5件以上来るようになれば、年間で考えると60件以上の接触機会があります。その中で受注に至るケースが増えれば、ポータルに払っていた費用を自社HPの改善・MEO・SEOに振り替えることで、利益率を維持したまま集客を増やすことができます。
媒体別・広告予算の配分ガイド(利益率を守るために)
では具体的に、どの媒体にどう予算を配分すればいいのか。チェックポイントで確認した数字をもとに、以下のSTEPで考えていきましょう。
広告予算配分 STEP 1
自社HPを「問い合わせを生む資産」に育てることを最優先にする
WordPressで構築された自社HPにSEO対策を施し、Googleでの検索流入を増やすことが、長期的に最もコストパフォーマンスが高い集客手段です。記事を書けば書くほど資産として積み上がり、ポータルのように「払い続けないと消える」ということがありません。まずは月額3〜5万円規模で自社HPの改善・コンテンツ充実に投資することを優先してください。
⚠️ よくある失敗:「ホームページはもう作ってある」と思って放置してしまうこと。作るだけでは検索されません。更新・改善を続けて初めて問い合わせが来るようになります。
広告予算配分 STEP 2
GoogleビジネスプロフィールのMEO対策を無料でやりきる
「○○市 注文住宅」「○○市 工務店」などの地域キーワードで検索された際にGoogleマップ上位に表示されるMEO対策は、費用をかけずに始められる集客手段です。口コミ数・写真点数・投稿頻度が評価に影響するため、まずここを整備することで有料広告を打つ前に「無料枠」を最大化できます。
⚠️ よくある失敗:Googleビジネスプロフィールを登録したまま放置しているケース。口コミへの返信・写真追加・最新情報投稿が止まっていると、競合に順位を抜かれていきます。
広告予算配分 STEP 3
有料広告はHPとMEOが整った後に投下する
Google広告やMeta広告などの有料広告は、受け皿(自社HP・問い合わせフォーム)が整ってから投下するのが鉄則です。広告で連れてきた訪問者が「何を売っている会社かわからない」HPに着地しても問い合わせにはなりません。STEP1・2が完成した後に、月5〜10万円規模から有料広告をテストするのが費用対効果を最大化する順序です。
⚠️ よくある失敗:HPが未整備のままGoogle広告を出し続けること。広告費だけが消えてクリック単価が上がり、問い合わせゼロという結果になりやすいです。
「広告投資して集客するのが、労働時間を短縮しながら売上利益を最大化するのに最適です。でもその順序と受け皿が間違っていると、広告費は純粋な損失になります。正しい順番で進めれば、年間1棟増えるだけでコンサル費用は何倍にもなって返ってきます」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・増益繁盛メソッド主宰)
まとめ:広告予算は「感覚」でなく「数字」で組む
利益率が低く手元にお金が残らない工務店の多くは、広告費の使い方が感覚的になっています。「ポータルにとりあえず掲載」「代理店に丸投げ」「SNS運用を外注」——どれも悪い選択ではありませんが、数字を追っていなければ改善できません。
まず1棟あたりの粗利を把握し、媒体別の問い合わせ単価と受注率を計測する。そのうえで、自社HP→MEO→有料広告の順で投資先を整理する。この手順を踏むだけで、同じ広告費で得られる利益が大きく変わります。
「年間1棟増えただけでコンサル費用の6倍以上が回収できた」「紹介だけに頼らなくていい仕組みができて、経営が安定した」——これは私がサポートした工務店の実際の声です。小さな一歩でも、正しい方向に踏み出せば数字は必ず変わります。
まずは現状の集客コスト構造を見直すところから始めてみてください。何から手をつければいいか迷っている社長は、下記のガイドブックをぜひご活用ください。無料でダウンロードできます。お気軽にどうぞ。
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また、自社HPからの問い合わせを仕組みとして構築したい社長は、こちらもあわせてご覧ください。同時5社限定での受付となっておりますので、気になっている方はお早めにどうぞ。