
「年間300万円払っているのに、成約は1件だった」——ある工務店社長の告白
実は、年商3〜5億円規模の注文住宅工務店の多くが、ポータルサイトへの掲載費用として年間100万〜300万円以上を支出しているというデータがあります。ところが、その費用に見合った成約件数を確保できているという声は、驚くほど少ないのが現実です。
今回は、私(ハワードジョイマン)が実際にコンサルティングをご支援した静岡県内の工務店社長・K氏(年商約4億円・年間新築8棟)にインタビュー形式でお話を伺いました。「ポータル費用を削減して自社集客に切り替えた経緯と、その後の変化」について、赤裸々に語っていただいています。
ポータルサイトの費用対効果に疑問を感じているけれど、やめる踏ん切りがつかない——そんな社長にこそ、読んでいただきたい内容です。
【インタビュー前半】ポータル依存の3年間で何が起きていたか
ジョイマン:K社長、今日はよろしくお願いします。最初に教えていただきたいのですが、ポータルサイトへの掲載をやめようと思ったきっかけは何だったんでしょうか?
K社長:3年間で合計で700万円以上は払っていたと思います。問い合わせ数だけ見れば、確かにそれなりに来ていたんですよ。ただ、質が全然違う。「とりあえず比較したい」「安いところを探している」というお客さんがほとんどで、私たちが大切にしている家づくりの考え方に共感してくれる方は、ほぼゼロでした。
ジョイマン:つまり、問い合わせ件数は来ていたけれど、実際に成約につながるお客さんとの質がかみ合っていなかったということですね。
K社長:そうです。しかも比較されるから、どうしても価格の話になる。値引きを求められる。私たちは断熱性能にこだわって、職人を自社で育てて、地元でちゃんと施工管理もしている。その価値をポータル経由のお客さんには全然伝えられなかった。ずっとモヤモヤしていましたね。
——この話を聞いて、「まさに自分のことだ」と感じた社長も多いのではないでしょうか。ポータルサイトは集客の入り口としては機能しているように見えますが、「値段で選ぶお客さん」を呼び込む仕組みであるという本質的な問題があります。
私が18年間、飲食店・美容室・工務店と1,000店舗以上の集客支援をしてきた経験から言うと、集客コストの削減で最も効果が高いのは「質の低い問い合わせを減らすこと」です。問い合わせ件数を増やしながら、成約につながらない案件への対応時間をゼロにすることで、実質的なコストパフォーマンスが劇的に変わります。
【インタビュー中盤】自社集客へ切り替えた「判断基準」と「具体的なステップ」
ジョイマン:実際にポータルをやめて自社集客に切り替える際、どんな順番で動かれましたか?
K社長:最初は正直、怖かったです。ポータルをやめたら問い合わせがゼロになるんじゃないかと。でも、ジョイマンさんに言われて気づいたのが、「今すでに自社HPがあるのに、何もできていない状態がもったいない」ということでした。
ジョイマン:そうなんですよね。多くの工務店さんがすでにホームページを持っています。ただ、作りっぱなしで検索に引っかかる設計になっていない、あるいはお客さんが問い合わせたくなるコンテンツが載っていない状態が多い。ここを整えるだけで、まったく違う結果が出てきます。
K社長:実際、最初の3ヶ月でGoogleのMEO対策とホームページの改善だけやって、月1〜2件の問い合わせが入るようになりました。ポータルではあれだけ払っても取れなかった「地元で建てたい、品質にこだわりたい」というお客さんが、自社HPから来るようになったんです。
この変化の背景には、いくつかの具体的な施策があります。私がK社長にご提案した内容を、ポイントとして整理するとこうなります。
- ① Googleビジネスプロフィールの最適化(MEO対策):「地名+工務店」「地名+注文住宅」で検索されたときに上位表示させる。口コミ件数と内容を戦略的に増やす。
- ② ホームページのコンテンツ強化:施工事例を「読まれる形」で掲載する。どんな人のどんな想いを形にしたのかを具体的に書く。
- ③ 問い合わせ動線の整備:資料請求・無料相談の導線を分かりやすくし、問い合わせへのハードルを下げる。
- ④ ターゲット検索キーワードの設計:「注文住宅」という大きなキーワードではなく、地域名を含めた検索意図の明確なキーワードで記事コンテンツを積み上げる。
- ⑤ SNSとの連携:Instagram・Facebookで施工事例と現場の日常を発信し、HPへの流入を増やす。
これは私が「5ステップ集客法」と呼んでいる、工務店専門のHP問い合わせ獲得フレームワークです。飲食店や美容室で再現性を確認した「増益繁盛メソッド」を、工務店の購買行動(高単価・長期検討・一生に一度の決断)に合わせて特化させたものです。
【インタビュー後半】集客コスト削減と利益増加、その両立が現実になった
ジョイマン:現在の状況を教えていただけますか?ポータルをやめてどのくらい経ちますか?
K社長:サポートを始めてから約8ヶ月になります。今はポータルサイトへの掲載費用はゼロです。その代わり、毎月のコンサル費用と、多少の広告費だけです。それでHPからの問い合わせが月5件前後、安定して来るようになりました。
ジョイマン:費用的にはどのくらい変わりましたか?
K社長:ざっくり言うと、年間で200万円以上コストが下がりました。そして、成約率が全然違う。ポータルからだと10件来て1件取れればいい方だったのが、今は5件来たら2〜3件は真剣に話を聞いてくれるお客さんです。今期はすでに昨年より2棟多く受注できていますから、利益ベースで見たら、もうコンサル費用の何倍にもなっています。
ジョイマン:そこが一番大事なところですよね。年間1棟の受注が増えれば、粗利だけで500万円以上になるケースがほとんどです。コンサル費用(月額66,000円×12ヶ月=約79万円)は、受注1棟増えるだけで十分すぎるくらい回収できる。お金をかけずに売上を伸ばそうというのは、実は遠回りなんです。適切な投資をして、仕組みを作ることが、社長の時間を使わずに利益を最大化する最短ルートです。
K社長:そうですね。私が一番変わったと思うのは、「紹介がなかったらどうしよう」という不安がなくなったことです。もちろん紹介はありがたいですよ。でも、紹介だけに頼らなくていい仕組みができたことで、経営の判断が全然変わりました。値引きを迫られても「うちはそういうお客さんとはお付き合いしない」って、自信を持って言えるようになった。
ポータル費用を自社集客に置き換えるために、今すぐできること
K社長のお話は、特別なケースではありません。私がこれまで関わってきた工務店経営者の多くが、同じような経緯をたどっています。
「HPはあるけど問い合わせが来ない」「ポータルに費用をかけているが成約につながらない」——この状態を抜け出すために、まず確認してほしいことが3つあります。
- Googleで「地域名+工務店」と検索したとき、自社が上位に出ているか:出ていなければ、MEO対策が急務です。Googleビジネスプロフィールを整えるだけで、翌月から変化が出ることがあります。
- 自社HPの施工事例に「お客さんの声」「建築家族の想い」が載っているか:写真だけの施工事例は、ポータルと同じ「見た目比較」になります。「誰のために」「どんな想いで」建てたかを言語化することで、価格ではなく価値で選ばれるようになります。
- ポータルへの掲載費用と自社集客の投資コストを比較したことがあるか:月20万円のポータル費用を見直して、月6.6万円の自社集客サポートに切り替えた場合、年間で160万円以上のコスト削減になります。この差額が、そのまま利益に直結します。
中小企業診断士として、また18年間で1,000店舗以上の集客支援をしてきた経験から断言できますが、工務店の集客コスト削減の本質は「費用を減らすこと」ではなく「費用の使い先を変えること」です。ポータル依存から自社集客への切り替えは、コスト削減と売上増加を同時に実現する、工務店にとって最も効果的な経営改善の一手です。
まとめ:ポータルサイトへの依存から卒業し、自社集客の仕組みを持とう
今回のインタビューで、K社長が伝えてくれたことを一言で表すなら、「投資先を正しく変えたら、コストが下がって利益が上がった」ということです。
ポータルサイトが悪いわけではありません。ただ、価格比較を前提とした場で戦い続ける限り、いい家を建てる工務店ほど割を食います。あなたの技術力・品質・地元への愛着——それが正しく伝わる場所に、集客の軸を移すことが必要です。
「月5件以上のHP問い合わせ」は、特別な会社だけに起きる話ではありません。正しい手順で、適切な投資をすれば、多くの工務店で再現できます。紹介だけに頼らない集客の仕組みをつくることは、今からでも遅くありません。
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