目次
静岡県静岡市清水区にて洋食屋「ワイン食堂SHANTI(シャンティ)」を経営
- まずは山田さんが経営している「ワイン食堂SHANTI(シャンティ)」がどのようなお店なのか、お教えください。
人気No.1メニューの「オードブルの盛り合わせ」 |
静岡県静岡市清水区の住宅街の中にある、フレンチをベースにした洋食屋です。
静岡は海と山に囲まれた食材が豊富な土地で、そんな県内の食材を使ったこだわりのお料理と、自然派ワインが気軽に楽しめるのが特徴です。
最寄り駅は静岡鉄道の桜橋駅で、お店の場所はそこから徒歩10分程度になります。
座席は、カウンター7席、テーブル10席の全17席。
2007年にこのお店をオープンしました。
富士山岡村牧場の「岡村牛」を使った「赤ワインのとろとろ煮込み」や、6~8種類のオードブルを一皿にまとめた「オードブル盛り合わせ」が人気メニューです。
- 山田さんの経歴を簡単にお教えください。
年齢は現在42歳。妻と、中2の息子と、小5の娘がいます。
出身は静岡県静岡市清水区で、高校卒業を機に、千葉の大学の情報学部へと進学しました。
そこでソフトウェアやパソコンについて勉強しながら、飲食店でのアルバイトを始めたことがキッカケで、飲食への興味を持ち始めました。
この頃はちょうど就職氷河期ということもあって、情報系の仕事に就くより「手に職」を付けるほうが、将来的に良いのではと考え、飲食店へ就職することにしました。
最初に就職したのは東京の新宿にあるカジュアルなフレンチレストランで、こちらでは約5年半勤めました。
その後、大学時代に知り合った妻と結婚し、ひとり目の子どもが産まれるタイミングで静岡に戻り、そこで高級フレンチ店に就職して3年半、さらに雇われ店長という形で小さなフレンチの店で3年働いた後に、今の場所に「ワイン食堂SHANTI(シャンティ)」をオープンさせました。
店舗所在地
「お客様に忘れられない」という集客の基礎を学び入会を決意
「赤字になっていた訳ではないですが、 このまま行ったら、いずれ経営は悪化するかも という不安はありました」と山田さん |
- 2007年に独立してから、お店の経営はどんな状況だったのですか?
最初は順調でした。直近に勤めていたお店が、今のお店と近かったこともあって、その時のお客様が来てくださっていたので。
売上もずっと右肩上がりで伸びていたのですが、2016年頃からその伸びが頭打ちになってきていて、どうすれば売上は伸びていくのか悩むようになりました。
しかし自分ではどうすれば良いか分かりませんでした。
そこで税理士さんに相談したところ、「ハワード・ジョイマンという男がいるよ」と教えてもらい、無料のメールマガジンの購読を始めたのです。
- 2017年1月1日にメールマガジンの購読を始め、その翌月には「増益繁盛クラブゴールド」に入会されました。どういった部分を評価しての入会だったのですか?
仰っている内容が、すべて「なるほど」と腑に落ちた点です。
特に印象的だったのは、2月に清水区で行われた「地域交流会」に参加した時にジョイマンさんの言葉です。
「お客様が来ない原因」は、お店を「知らない」、「気づいていない」、「忘れている」ことだという考え方に、すごく納得させられました。
この頃、東京で働いていた時代の先輩の飲食店が、立て続けに2件も閉店してしまうという出来事が起こりました。私よりも凄いシェフで、料理もとても美味しかったので、本当にショックだったのを覚えています。
同時に、先輩たちと比べてまだまだな自分が、なぜお店を続けられているのか、思い悩んでもいました。
そんな時にジョイマンさんの言葉を聞いて、「メールマガジン」がそのひとつの要因だったことに気付かされたのです。
私は2007年にお店をオープンさせた時から、お客様に向けてメールマガジンを配信していました。
この当時はまだ、商品の売り込みばかりでよく出来た内容ではありませんでしたし、頻度も月に1度程度しか配信していませんでした。
それでもメールマガジンを出し続けることで、お客様にうちを思い出していただけて、来店に繋がっていたのです。
この例のように「来店」ひとつ取っても、ジョイマンさんは、その仕組みを分かりやすく、誰の腑にも落ちるよう説明してくださいます。
そんな人の元で学べば、頭打ちになっていた売上も、またアップさせられるのではという期待もあって、「増益繁盛クラブゴールド」に参加しました。
メニューブックでは「どれが人気」か伝えることが重要
- 「増益繁盛クラブゴールド」で学んで、どのようなことを実践しましたか?
まずは「メニューブック」を改善しました。 具体的には、次のことに取り組みました。
●写真や説明文を入れる
ジョイマンさんの元で学ぶ前のメニューブックは、「メニュー名」と「価格」だけしか載っていない、簡素なものでした。でもこれだと、お客様がなにを頼んだら良いのか分かりません。
そこで、おすすめのメニューの写真を入れたり、どんな料理なのか説明を入れてアピールするようにしました。
ちなみに写真を載せたのは、うちでは一番高い商品で、それまではあまり注文されるものではなかったのですが、こうしてアピールするだけで、たくさんのお客様から頼んでいただけるようになりました。その変化には、驚きましたね。
●ランチ:おすすめメニューに「人気No.1」と掲載
まずランチメニューでは、頼んで欲しいおすすめのメニューに「人気No.1」という見出しを付けました。 そうすることで、これまではいろんなメニューに分散していた注文が、6割「人気No.1」メニューに集中するようになりました。
同時にいろんなメニューを注文されると、調理に時間が掛かってしまいます。
場合によっては、ランチなのに1時間くらいお客様を待たせてしまうこともありました。その点、ひとつのメニューに注文が集中すると、お待たせせずに料理を提供できるので、やってよかったですね。
ちなみに、いろんな新メニューを出して試してみましたが、一時的に新しいメニューが人気になることもあるのですが、2週間もすると結局「人気No.1」と付けたメニューが、1位に戻っていくので、面白いですよ。
●ディナー:注文して欲しいメニューを人気ランキングとして掲載
夜のメニューは種類が多いので、頼んで欲しいメニューをランキング形式で紹介しつつ、目立つところに掲載しました。
そうすることで、ランチ同様、人気のメニューに注文が集中するようになりました。 また夜は「オススメはなんですか?」という質問をよくされていたのですが、そうした質問をされる頻度も減りました。お陰で、私やスタッフの時間のロスがなくなりました。
人気ランキング形式でおすすめのメニューを紹介
- メニューブックを改善する上で重要な点を教えてください。
ランチもディナーも、「どれが人気か」を伝えることは大切ですね。 調理も接客もオペレーションが楽になるし、食材のロスは出なくなるしと、良いことづくめなので、飲食店をやっている人は、ぜひ一度やってみて欲しいです。
信頼度を上げるためメールマガジンでの売り込みは控えめに
- メニューブックの次に取り組んだことはなんですか?
メールマガジンです。 まずは月に1回だった配信頻度を、月に2回、3回と少しずつ増やし、今では週に1回は配信するようにしました。
またジョイマンさんの「自分を出した方が、親近感を感じてくれる」という教えに従って、「今日あった体験談」や「近隣のおすすめの飲食店の紹介」など、プライベートなことや役に立つことを、メールの中心にしました。
そうすることで、それを読んだお客様からの反応が大きく変わってきました。
例えば来店時に「いつもメールありがとう」とお声掛けいただいたり、失敗談を読んで「私もこんなことあった」と、わざわざ話に来てくださるようになったのです。 メールマガジンで、特に商品を売り込んでいる訳ではないのに、お店に来てくださるようになったのは驚きました。
逆に商品の売り込みの頻度は、大きく減らしました。 というのも、商品の売り込みのメールを読むと、お客様の信頼度が下がってしまうのです。そこで売り込み以外のメールで親近感、信頼度を上げて、その後で売り込みを行うようにしています。
具体的には、売り込みのメールは4回のうち1回程度にしています。
ちなみに、商品を売り込んだ時のメールは、プリントアウトして座席の壁に貼っています。 売り込みたいメニューの販促にもなりますし、これを読んでメールマガジンの新規会員になってくれることもあるので、やってみて良かったですね。
商品を売り込む際も、ただ商品情報を載せるのではなく、印象的なエピソードを添えるよう心がけたメールマガジン
- メールマガジンに力を入れることで、再来店するお客様も増えたということでしょうか?
そうですね。 わざわざメールの感想を言いに来てくださることも増えました。
- ジョイマンの教えを受けてメールマガジンに力を入れることで、学べたことを教えてください。
メールマガジンでは「お客様の幸せを考える」ことが大切だということです。
「美味しいですよ」とオススメして、そうでもなかったら、それ以来、お客様は来ていただけなくなります。
逆に自信のある一品がご納得いただけなければ、諦めも付くので、そういう意味でも、「お客様のため」に、自分が本当に良いと思うものを売り込むことは重要ですね。
お客様が求めるものは「安いもの」ではなく「良いもの」
- その他にも実践したことがあれば、お教えください。
食べログの有料会員になりました。 有料会員は、コース料理の情報を細かく掛けたり、店側が写真をたくさん登録できるようになるため、お客様へより多くの情報を伝えられるようになりました。
有料会員になってからは、食べログ経由での予約が、コンスタントに月に10名くらいは増えるようになりました。
またコース料理の順番や紹介の仕方を変えることで、より高いメニューを予約いただけるようにもなりました。 具体的には、下のように変えています。
それまでの紹介方法 | → | 新たな紹介方法 |
3000円コース | 満足コース(4000円) | |
4000円コース | 記念日コース(5000円) | |
5000円コース | 贅沢コース(8000円) | |
8000円コース | お気軽コース(3000円) |
今までは安い順番にコース料理を掲載していました。 しかしジョイマンさんが仰るには、人間の心理として、複数のメニューが並んだ時には、一番上のメニューが頼まれやすいとのこと。
そこで、頼んで欲しいオススメのメニューの順番に料理を掲載するようにしました。 またコースの用途がイメージできるように、「満足コース」や「記念日コース」などコース名の変更も行いました。
お陰で、これまでは「3000コース」が一番人気だったのですが、4000円の「満足コース」がよりたくさん出てくれるようになりました。
また「記念日コース」を頼んでくれたお客様には、「なにか記念日なんですか?」など、お話のキッカケになる点も良かったですね。
メニュー名と掲載順を工夫した食べログのコース紹介コーナー |
- この取り組みで、どのようなことが学べましたか?
お客様は、決して安いものを頼みたい訳ではないということです。 これまで私は、お客様により安く楽しんでいただけた方が良いだろうと、お金をあまり使わせないようなアピールをしていました。 例えばどのコースが良いか聞かれても、「3000円のコースでもお腹いっぱいになりますよ」と伝えていたのです。
でも今回の取り組みを通じて、お客様は、安いものではなく、良いものを頼みたいと思っていることが分かったのです。 お店側からしっかりオススメをアピールすれば、たとえ価格が高くても、気にせず頼んでいただけるということを学びました。
ジョイマンの教えを実践して売上が140%にアップ!
- 様々な実践を経て、売上はどのように変わりましたか?
「増益繁盛クラブゴールド」に参加した2017年2月の月商を「100%」とすると、2019年5月は「140%」にアップしました。
客単価は約300円アップ。また客数は、ランチの日数を減らしたのですが、減らす前とほぼ変わらずに済んでいます。
- ランチの日数を減らしたのは、なぜですか?
メールマガジンの執筆の時間を作るためです。
事前にいろいろ調べ物をしたり、長文を書いてから短く手直ししたりと、1通のメルマガを完成させるまでに、かなり時間を掛けています。 そのため定期的にメールマガジンを送るのは大変だったのですが、今はランチだった時間を使って、メールマガジンを書いているので、コンスタントに週に1回送ることができています。
またランチを1日休んででも、ちゃんと書いたメールマガジンを送ったほうが、高い売上も見込めています。
- 山田さんは、ジョイマンの元で約2年半学び、実際に売上も伸ばしました。そうした実践を通して感じた「増益繁盛クラブゴールド」の良さを教えてください。
大きくは、下のふたつが参加して感じた良さです。
●お客様がどういうことを考えているか学べる
先にも述べたように、お客様は「安いものを買いたい訳ではない」、「人気の品、おすすめの品を食べたがっている」という考えを持っていることを、ジョイマンさんから教えてもらって、私は初めて知りました。
「お客様の考え」、「求めているもの」が分かれば、どう販促すれば良いかも分かるので、これはありがたかったです。
●頑張っている経営者の仲間ができる
「増益繁盛クラブゴールド」には、やる気のある経営者たちがたくさん参加しています。そうした人たちの実践報告を聞いたり、どんな販促をやっているのか聞いたりすると、「自分も頑張らないと」という気持ちになれるので、良かったですね。
日々の経営を頑張るだけでなく、新しいことにもどんどんチャレンジしていくモチベーションにも繋がっています。
関わる人が経営に苦しんだ時に「助けられる存在」になることが目標!
- これから「増益繁盛クラブゴールド」への参加を考えている方に向けて、うまく活用するアドバイスがあればお願いします。
「増益繁盛クラブゴールド」には、一緒に売上を伸ばすために頑張る経営者の仲間がたくさん参加しています。 みんな優しい人たちばかりなので、ジョイマンさんに対してだけでなく、参加者の人たちにも、どんどん声を掛けて、相談してみると良いのではないでしょうか。 きっと快く話を聞いてくれると思いますよ。
- 最後に、山田さんの今後の展望をお聞かせください。
私はこれまで、自分より料理が上手で、凄いと尊敬もしていた人たちが、経営が立ち行かずお店を閉めてしまう姿を、何人も見てきました。 そしてその度に、なにも出来ない自分に対して、悔しい思いを抱いていました。
そこで私は、昨年「副業コンサルタント起業コース」にも参加しました。
今後はそこで学んだ知識を活かして、自分に関わる人が経営で窮地に追い込まれた時に、少しでも手助けが出来る存在になれればと考えています。