飲食店

80店舗目 市山さん|広島風お好み焼き店経営(山口県下関市)

山口県下関のお好み焼き店「弘々家」を3年ぶりに再訪問


弘々家(こうこうや)
オーナー・市山 隆志さん

- 市山さんには3年ぶり、2回目の訪問インタビューとなりますが、前回の記事を読んでいない方のために、まずは「弘々家(こうこうや)」がどのようなお店なのかお教えください。

「弘々家」は、本州の一番西に位置する、山口県下関市にある広島風お好み焼きと鉄板焼きの専門店です。
座席数は22席。通常は私ともうひとりの2名体制、土日のピーク時には3名体制でお店を回しています。

7000回を超える試行錯誤の末に生み出したパリパリ食感の麺と、秘伝のソースを使った独特な仕上がりのお好み焼きが特徴で、その中でも最近は、2種のチーズや地元の名産・安岡ネギなど6種類のトッピングを盛り込んだ「贅沢6種盛り」というお好み焼きが人気です。

 
人気の贅沢6種盛り(写真左)。
客からの希望があれば、お好み焼きにイラストや似顔絵を描くことも(写真右)

- 市山さんは「増益繁盛クラブゴールド」に参加して約1年後になる、2016年10月に一度、訪問インタビューをさせていただきました。それから約3年が経過した訳ですが、ここ3年のお店の状況はいかがでしたか?

前回のインタビュー後も良い調子は続き、最終的には27ヶ月連続での前年超えを達成しました。現在はピーク時よりは少し下がりましたが、それでも高い水準で安定した売り上げを残せています。


店舗所在地

約4年の実践で仕事とプライベートの両方がより充実

- 27ヶ月連続での前年超えとは凄いですね。売り上げがピーク時から少し減ってしまっていることに関しては、どのように捉えていますか?

まったく問題ありません。
売り上げがピークの時は、あまりにも忙しすぎたので、あえてチラシなどの販促活動をストップさせているところもありますので。

それでもお客様には安定して来ていただけています。販促を抑えただけでなく、休日も増やしているのですが、それでも売り上げは一番低かった頃に比べて年商で800万円ほど高い状態を維持してくれているので、不安もありません。
仕事もプライベートも充実させられているので、今が一番いい時期なのではないかなと思っています。

- 休みを増やした理由はなんですか?

一番の理由は、自分の身体が心配になったからです。
あとは、今まで時間がなくてできなかった、「やりたい」ことに挑戦していきたいと思ったのも、理由のひとつです。

例えば今年、生まれて初めてバリ島へ海外旅行に行ってきたんですよ。現地ではジョイマンさんや他の会員さんと合流して、サーフィンや観光などを楽しみました。

 
 
初の海外旅行を満喫する市山さん

往復の飛行機やホテルを自分で取ることも含めて、初めて尽くしの体験だったので、刺激になりました。日本には存在しない考えを持った人との触れ合いもあって、自分の中の視野、領域が広がったように感じています。

また休みが増えたことで、家族と過ごす時間が増えたのも良かったですね。

- 前回のインタビューでは、入会時に奥様から「騙されていないか?」と不安視されていたと話されていましたが、今のご家族の声はどのように変わりましたか?

売上という結果を出していることもあって、「凄いね」と認めてもらえています。
ただ、私があまりにもジョイマンさんの考えに傾倒しているので、「ジョイマンさんを教祖にした宗教に入っているみたい」とも言われていますね(笑)。

新規集客では新たにInstagramにも挑戦!

- 前回の訪問インタビューから3年が経過しましたが、その間に新たに取り組まれた販促活動があれば教えてください。まず新機集客では、どのようなことをやりましたか?

大きくは店前看板とInstagramに取り組みました。

●店前看板

道路から見える部分では、照明を明るくして、のぼりを立てました。
照明は、恐らく下関市内で一番明るいくらいにしています。まず気づいてもらうことが大切ですから。
また照明はお昼も明るく点けています。お昼でも明かりが点いていると、お客様に「営業しているんだな」と伝わります。「開いているかな」という小さな不安ですらなくせればなと思っています。

のぼりには、大きく「お好み焼き」と書いて、なんのお店か一目で分かってもらうようにしました。同時に、私と妻の顔を載せています。人の顔って、パっと見た時に目を引きますし、夫婦が仲良さそうにしている姿って非常に良いイメージを与えるので、これは効果的だったなと思っています。
またのぼりは、風で揺れるので、人の視界に入りやすいという利点もありました。


のぼりは店舗前に目立つように設置

入口まわりも大きく変えました。
初めてのお客様やお一人様に向けて「大歓迎」と謳うと共に、席数やお店の雰囲気などを伝えて、お店のことが大まかに理解できるようにしています。
またカードが使えることや、駐車場があることなどを伝えて、出来るだけ外からの情報だけでも、安心して入っていただけるようにしています。



3年前の店舗外観(写真上)と、現在の店舗外観(写真下)

●Instagram

Instagramはお店の情報発信に使っています。
Instagramは、他のSNSと違って、タイムラインだけでなく、ストーリーという「24時間で消えてしまう投稿」も注目を集めやすいSNSです。
通常、SNSはあまりにもたくさん投稿すると、フォローを外されたり、ブロックされてしまう場合が多いですが、ストーリーはたくさん投稿をしても、見ない人は無視してくれるので、リスク少なくたくさん投稿ができます。
ですので私は、週に4回から5回程度、ストーリーに投稿しています。
ただ、お好み焼きの宣伝だけを行うのではなく、私は筆で字や絵を描くことが好きなので、そうした作品をアップしたりもしています。

やってみて気づいたのは、Instagramでの新規集客はある程度のフォロワーが必要だということです。だから私は、店頭でお客様に入会してもらう他に、特定のハッシュタグに「いいね」を自動的に付けてくれるツールを使って、たくさん「いいね」を押すことで、フォロワーを増やしていきました。
その甲斐もあって、現在は4000人弱までいきました。

これくらいフォロワーがいてくれると、たとえば1%の人が月に1回来てくれるだけでも、40人と十分な集客になります。ですので私は、月に1回でも来てくれれば……という思いでInstagramを更新しています。

再来店対策には費用対効果の高いLINE@を活用!

- 次に、再来店対策で新たに行ったことを教えてください。

再来店対策では、主に「ポイントカード」と「LINE@」に力を入れて実践しました。

●ポイントカード

ポイントカードは、3回来店するだけで貯まるようにしています。
1回来たら既に1ポイント貯まっている状態なので、あと2回来店するだけで割引サービスが得られるます。ゴールが見えやすいということで、よく使っていただけています。

また財布の中で埋もれてしまわないように、表面は「福のお札」のようなデザインにすると共に、紐に五円玉を結び付けてカードに貼り付けています。少し邪魔になると思うのですが、財布を開ける度に気づいてもらえるので、お店を思い出してもらう良いきっかけになってくれています。

 
ポイントカードの表面(写真左)と裏面(写真右)

●LINE@

近年は、LINE@にも力を入れています。
LINE@では、あえて商品の話はせず、友達の話や、他所の店の話などを中心に投稿しています。
というのも、メールやLINEなどのコミュニケーションツールを使って「これを買って」とセールスすると、それだけでお店の信用度が下がってしまうのです。
逆に、友人を褒めるような人だったり、タメになる話をしてくれる人って、信頼されるじゃないですか。ですので私の場合は、普段はセールス以外のトークを続けて信用度をしっかり上げて、「ここぞ」という時に売り込みを掛けるようにしています。

あ、でも「困っているので助けてください」というメッセージは送っても良いと思います。
うちでも以前、お祭りが大風で中止になって、用意していた焼きそばが400人前ほど余ってしまったことがありました。そのことをLINE@でつぶやいてみたところ、心配したお客様がたくさん買いにきてくださいました。中には10人前注文してくださる方もいて、2時間くらいで完売しました。
この時は本当にありがたかったですね。

LINE@の良い点は、初期投資は少し掛かりますが、一度、友達登録してもらうと、その後はお金があまり掛からないところです。ハガキDMでは、今は一通63円掛かるので、それに比べると非常に費用対効果は高いと感じています。

- LINE@の友達の集め方と、登録人数を教えてください。

メニューブックに載せたり、登録してくれたらドリンクを1杯無料というサービスを付けて、コツコツと集めました。
現在登録者数は約2000名。実質見てくれている数で言えば1500名程度になりますね。

ちなみにLINE@はInstagramと違って、たくさん送るとブロックされてしまう可能性がありますので、送る頻度は週に1回程度にしています。

- LINE@といい、先ほどお話に出たInstagramといい、新しいサービスを積極的に取り入れられているのが印象的でした。

LINE@は最初に少しお金が掛かりますが、それでも他の販促活動に比べれば安いですし、Instagramに至ってはタダで始められます。
試しにやってみて、ダメだったら止めれば良いという感覚で、とりえずトライしてみているのが、良い結果に繋がっているのかなとおもいます。

ちなみにTwitterもやってみたのですが、こちらはあまり集客に繋がらなかったので、今はやっていません。

メニューブック・ポップ・注文の取り方を改善して
客単価と利益アップ!

- 客単価や利益アップのために行った施策についてもお聞かせください。

客単価や利益アップには、メニューブックやポップ、注文の取り方を改善しました。

●メニューブック

メニューブックは、2019年の消費税アップのタイミングでリニューアルさせました。全体の構成に流れを作ることで、お好み焼き以外の注文を取りに行くような内容にしています。

具体的には、まず1ページ目に初めてのお客様に向けた「おすすめの注文の仕方」を、4つのステップで説明しました。


メニューブックの1ページ目におすすめの頼み方を掲載

メニューを開くと、2ページ目からは、ステップごとにカテゴリーを分けたメニューを紹介しています。ステップ1ではドリンク、ステップ2では鉄板焼き、ステップ3でやっとお好み焼きを紹介して、最後のステップ4で持ち帰りのお土産……という形ですね。

また掲載する順番や大きさにも工夫をしています。
今までは安いメニューから順番にただ羅列していたのですが、今は一番頼んでほしい、おすすめのメニューを大きく掲載するようにしています。


 
 
メニューブックの中面は、ステップごとにカテゴリーを分けて掲載

今まではお好み焼きメニューしか見ないお客様が多く、鉄板焼きやドリンクの注文が少なかったのですが、このメニューにしてからは、いろんなメニュー……しかも頼んで欲しいオススメがたくさん出るようになりました。

うちはお好み焼きを作るのに30分程度かかります。ドリンクや鉄板焼きが出てくれると、焼き上がるまでの時間が無駄にならないので、やって良かったですね。

●ポップ

客席の壁に張ったポップも、客単価アップに貢献してくれています。
うちに来るお客様は、基本的に全員がお好み焼きを頼まれます。そのため壁にお好み焼きのポップはほぼありません。それよりも追加で頼んで欲しい、ドリンクや鉄板焼きのポップを貼るようにしています。

ただメーカーからもらったポップを、ただそのまま貼るのではなく、例えばハイボールなら「糖質0%」と謳ったり、お酢サワーなら「疲労回復」の効果を伝えるなど、なるべくお客様が頼むキッカケになる要素を作るようにしています。


メニューのキャッチは「頼むための理由」を伝えることが大切

最近のヒットは、チューハイのポップですね。
下関の中学校をピックアップして、梅光学院中学校なら梅味の梅光学院中ハイ、垢田中学校ならトマトが名産なのでトマト味の垢田中ハイなど、「中」と「酎」を掛けた各中学校ごとのメニューを作ったのです。

そうしたところ、おもしろがってくれたお客様からたくさん注文をいただけました。また地元のお客様がどこの中学校だったか、また私や従業員たちがどの中学校だったかなど、会話の広がりにもなりました。
ただ商品を勧めるだけでなく、こうした試みを行うと、お客様のほうから積極的に注文してくださるのでオススメです。


中学の「中」と酎ハイの「酎」を掛けたドリンク名は、大きな話題に

●注文の取り方

注文の取り方も、工夫をしています。
先ほどもお伝えしたように、うちのお好み焼きは焼き上がりまでに時間が掛かります。
来店して注文を受けてからだと、かなり待っていただくことにもなるので、うちでは可能な限り、事前に電話で注文を受け付けるようにしています。

特に予約の場合は、時間の20~30分前から席を空ける必要があるので、混雑時だと下手をすると1時間30分ほど待ってもらう場合もありました。
そのため今は、席確保だけの予約はすべてお断りして、予約時に注文もお願いするようにしています。
そうすると、お店の回転率は上がるし、お客様の待ち時間も少なくなるしで、win-winの関係を築くことが出来ました。

電話注文やお持ち帰りしてくださるお客様には、冷蔵庫や電話の横に掛けておけるような専用のメニューをお渡ししています。
お客様からは「こんな立派なメニューを貰っていいの?」と喜んでもらえますし、うちとしては常に目がいくところに置いてもらうことで、事前注文に繋がるだけでなく、お店の信用度、好感度の上昇に貢献もしてくれているので、これもwin-winになっているのかなと思います。


持ち帰りメニューは、ラミネート加工を施して配布

とにかく「やる」ことが売上をアップさせる最大の秘訣

- 市山さんが「増益繁盛クラブゴールド」に参加して約4年が経ちました。4年を掛けていろいろと学び、実践してきた立場から、「増益繁盛クラブゴールド」の上手な活用法を教えてください。

まずは「やる」ことです。
いくら有益な情報を詰め込んでも、やらなければ結果は出ません。まだ「増益繁盛クラブゴールド」に入っていない人は、メルマガでも構いません。メルマガにも、具体的な販促活動の方法が書かれているので、少しでも気になるものがあったら、ぜひ挑戦してみて欲しいですね。

ダメだったら止めればいいんです。でもやったら、必ず結果は出ると思っています。そして少しでも売上に繋がれば、次のステップへ進む意欲も湧いてくると思いますよ。

- 「増益繁盛クラブゴールド」で学んで良かったことを3つ挙げるとすれば、どんなことですか?

●やるべきことが分かる

売上を上げるために、なにをやればいいのかが分かりようになりました。
もしお店の売上が下がってしまったとしても、なにを実践すれば売上を戻せるのか、その対策が分かっているので、マイナス思考になることなく、また慌てることもなく販促活動に取り組めるのは、大きかったです。

●仲間ができる

「増益繁盛クラブゴールド」には、自分以外にも頑張っている人がたくさん在籍しています。
経営者は、叱ってくれる人もいませんし、近くのお店の人とはなかなか本音で話せないので、実はとても孤独です。その点、「増益繁盛クラブゴールド」に参加すれば、同じ志を持った仲間ができるので、日々のエネルギーになってくれます。
ですので、入会したらぜひセミナーやその後の懇親会にも参加してみることをオススメします。

●売上以外のことも教えてくれる

普通のコンサルタントの先生は、売上を上げることだけしか教えてくれません。
その点、ジョイマンさんは、プライベートの時間を充実させることも教えてくれます。
お陰で海外旅行など、やりたかったことに挑戦するようになりましたし、より家族も大切にするようになりました。

- 最後に、市山さんの今後の目標を教えてください。

前回のインタビューでは、経営ノウハウを売るフランチャイズ展開を検討しているとお伝えしました。
しかし最近は、志を持ってお店を始めても、1年くらいで廃業してしまう人をたくさん見てきたので、今はもっとそういう人たちの役に立てるように、コンサルタントとしてやっていきたいという思いが強くなってきました。
ですので今後は、ジョイマンさんの元で学んだことを、そうしたコンサルタント業で活かしていければと考えています。

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