先日、プラチナクラスの会員さんからこんな連絡が来ました。
「ジョイマンさん、2店舗目を出してから半年間、毎日が綱渡りでした。でも先月、ようやく自分がいなくてもお店が回る日が来たんです。あのとき『一人でやろうとするから崩れる』って言われた意味が、やっとわかりました」
この言葉を読んで、私はすぐに返信しながら、これは多くの美容室オーナーに届けないといけない話だと思いました。
多店舗経営を目指す美容室オーナーの多くが、最初の壁として「自分がいないと崩れる」という問題にぶつかります。1店舗目をある程度回せるようになった。だから2店舗目を出した。でも気づいたら、両方のお店で火を消してまわる毎日になってしまった。そういう話は、この21年で何度も聞いてきました。
今日は、そのループから抜け出すために「何を比べ、何を選ぶか」という視点で話を整理してみます。
📋 この記事でわかること
- 「一人で回す」経営と「チームで回す」経営の本質的な違い
- 多店舗経営が崩れやすい構造的な原因と、その診断チェック
- 仕組み化・役割分担を進めるための具体的なステップ
- 増益繁盛クラブで取り組む「社長が現場を離れるための設計」
こんな方におすすめ
- ✅ 2店舗目・3店舗目を出したが、自分が走り回るばかりで利益が残っていない方
- ✅ 多店舗経営に興味はあるが「自分がいなくなったらどうなるか」が不安な方
- ✅ スタッフに任せようとしているが、なかなか移管が進まない方
- ✅ 仕組みを作りたいのに、日々の業務に追われて時間が取れない方
- ✅ 店舗を増やすより「1店舗を深化させるべきか」で迷っている方

「自分がいないと回らない」は、構造上の問題です
多店舗経営がうまくいかないとき、よくある誤解が「スタッフが育っていないから」という診断です。でも私の見てきた現場では、スタッフの問題というよりも、社長の役割設計の問題であることがほとんどです。
1店舗目を成功させた美容室オーナーの多くは、技術力・接客力・現場感覚が非常に高い。だからこそ、無意識のうちに「自分が一番うまくできる」という前提で仕事を引き受け続けてしまう。2店舗目を出しても、その癖は変わらない。
結果として何が起きるか。
1店舗目では「社長がいないと品質が落ちる」という不安が残り、2店舗目では「立ち上げ期だから自分がいないといけない」という理由が重なる。そのどちらにも自分がフルコミットするうちに、体力・時間・判断力が枯渇していく。
これは意志の問題ではなく、設計の問題です。
チェックポイント1:あなたの1日の仕事を「社長の仕事」と「スタッフでもできる仕事」に分けてみてください
多くのオーナーが「8割以上がスタッフに移管できる仕事」だったことに気づきます。カウンセリングの一部、予約管理、在庫チェック、レジ締め——これらは仕組みさえあれば、必ずしも社長でなくてもいい仕事です。
✅ ポイント:「自分でないとできない仕事」を1週間ノートに書き出してみる。思ったより少ないはずです。その「本当に社長にしかできない仕事」に時間を集中させることが、多店舗経営の土台になります。
チェックポイント2:スタッフへの指示が「言葉だけ」になっていませんか
「こうしてほしい」と口で伝えるだけでは、スタッフは動けません。何をどの順番でどのレベルまでやるのか、それが可視化されて初めて移管できます。
✅ ポイント:業務を言語化・手順化する「仕組みの設計」が先。教育の前に「設計」があります。
「一人経営」と「チーム経営」を比べてみると
ここで、2つの経営スタイルをはっきり比較してみます。どちらが良い・悪いではなく、どちらが多店舗経営に向いているかという観点で見てください。
❌ 一人経営(社長がすべてを握るスタイル)
- 社長の判断を常に待つ構造になり、現場の意思決定が遅くなる
- 社長の体調・不在で店全体のパフォーマンスが落ちる
- 2店舗目を出すと「移動時間と情報収集」だけで1日が終わる
- スタッフが育たず、依存関係が固定されていく
- 利益が出ても、社長の労働に上限があるため成長に天井がある
✅ チーム経営(仕組みと役割で動くスタイル)
- 社長が不在でも店が一定水準で機能する状態をつくれる
- スタッフが「自分で考えて動く」経験を積んで成長する
- 社長は「設計・改善・次の展開」に時間を使える
- 3店舗目・4店舗目への拡張が、同じ設計図を複製する形で進められる
- 利益構造が人ではなく「仕組み」に乗るため、安定性が増す
「1店舗を成功させた社長が、2店舗目で詰まる理由は一つです。1店舗を成功させたやり方を、そのまま2店舗目にもちこもうとするからです。でも多店舗経営に必要なのは、技術者としての自分ではなく、設計者としての自分です」
ハワードジョイマン(繁盛店グループ総代表/店舗利益最大化コンサルタント)
✓ ここまでのポイント
- 「自分がいないと回らない」は意志の問題ではなく、設計の問題
- 社長の仕事をスタッフでもできる仕事と分けることが仕組み化の出発点
- 多店舗経営を安定させるには、「技術者」から「設計者」への役割転換が必要
仕組みを作る3つのステップ:比較しながら選ぶ
ここからは、実際に「チーム経営」へ移行するためのステップを整理します。ポイントは、一度にすべてを変えようとしないことです。
多店舗移行 STEP 1
社長の仕事を「定義」する
まず、社長がやるべき仕事を明確にします。具体的には「販促・コンセプト設計・スタッフ育成の仕組みづくり・数字の管理」この4つです。施術や予約対応、材料発注などは原則としてスタッフに移管できる仕事と定義します。これをやらないと、何をスタッフに渡せばいいかが曖昧なまま進んでしまいます。
⚠️ よくある失敗:「私がいないと品質が落ちる」という理由で移管を後回しにする。品質を守るのは「人」ではなく「基準書(マニュアル)」です。
多店舗移行 STEP 2
40点でも動ける「仕組み」を先につくる
完璧なスタッフを育てようとするより、40点のスタッフでも一定以上の結果が出る仕組みを先に設計します。チェックリスト・接客フロー・POPや案内ツール・次回予約の声がけ台本など、「何をどのタイミングでどう伝えるか」を言語化・ツール化します。
⚠️ よくある失敗:「もっと良いスタッフが入ってから仕組みを作ろう」と思い続けて、永遠に設計が始まらない。仕組みは人材が揃う前につくるものです。
多店舗移行 STEP 3
社長は「改善サイクル」の設計者になる
仕組みができたら、次は社長の役割を「現場から受け取った課題を改善する人」に転換します。月次で数字を見て、どのメニューが売れているか、どこで失客が起きているかを確認し、販促・メニュー設計・スタッフへのフィードバックに落とし込む。この「改善サイクルを回す人」が社長の本来の仕事です。
⚠️ よくある失敗:数字を確認するタイミングが月末だけになり、動き出すのが遅くなる。週次で簡単な確認ルーティンを持つことをおすすめしています。
「仕組みへの投資」を惜しまないこと
ここで少し耳の痛い話をします。
「お金をかけずに何とかしたい」という気持ちはよくわかります。でも私はこの21年、833件以上の店舗支援をしてきた経験から、はっきりこう言えます。
「仕組みへの投資を惜しんで、自分の労働で補おうとする限り、多店舗経営は体力の消耗戦にしかなりません。広告への投資も、ツールへの投資も、学びへの投資も、すべては『社長の時間と体力を売上に変える仕組み』への先払いです」
ハワードジョイマン(繁盛店グループ総代表/店舗利益最大化コンサルタント)
私自身、独立当初に貯金を使い果たし、家族から借金をして再起した経験があります。だからこそ「広告・仕組みへの投資は店舗経営において欠かせない」という話を、理屈ではなく体感として伝えられる。お金をかけずに売上を伸ばそうという考えは、長期的には愚策です。
多店舗経営を「利益が残る形」にするには、客単価・再来店率・仕組みへの投資、この3つを同時に設計しておく必要があります。
「最初はとにかく全部自分でやろうとしていました。でも、増益繁盛クラブで仕組みの設計を学んでから、スタッフに渡せる業務がこんなにあったのかと驚きました。今は2店舗目も安定して、月次の数字を見ながら次の手を考えられるようになっています」
40代・男性(美容室オーナー)
まとめ:「一人では無理」という気づきは、経営の転換点
「一人では無理」という気づきは、弱さではありません。それは設計者としての視点が開いた瞬間です。
多店舗経営がうまく回り始めるのは、社長が「自分一人で全部できる」という幻想を手放し、仕組みとチームに経営を乗せる決断をしたときです。
1店舗目の成功体験は大切ですが、それをそのまま2店舗目に持ち込もうとすると必ず詰まります。必要なのは、同じ熱量を「設計と仕組み」に注ぎ直す勇気です。
静岡市清水区を拠点に、全国の美容室オーナーを対象に活動する増益繁盛クラブでは、多店舗化に向けた仕組みづくり・役割設計・販促改善を、月次セミナーや実践動画ライブラリ、直接相談サポートを通じてサポートしています。支援実績833件以上、業界経験21年の現場知識をもとに、あなたのお店に合った形で伴走します。
「何から手をつければいいかわからない」という段階からでも大丈夫です。まずは無料レポートや公式LINEで、利益が残る経営の全体像を掴んでみてください。
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