優良スタッフ採用と教育

スタッフの指名客が増えるまでの3ヶ月間。毎月の数字の変化を記録

「うちのスタッフ、技術はしっかりしているのに、なかなか指名が取れなくて…」

こんな場面、心当たりはありませんか。オーナー自身は満席なのに、スタッフの椅子だけ空いている。その状況が続くうちに、スタッフ本人も自信をなくし始める。オーナーは「どうフォローすればいいのか」と悩み続ける——。

こんにちは。増益繁盛クラブ、スタッフの渥美昌代です。普段は会員サポートやコンテンツ運営を担当しています。畑仕事と猫(アメリカンショートヘアー)をこよなく愛す、静かな日々を送っている私ですが、今日はちょっと違う話を書かせてください。

全国の美容室オーナーさんから相談を受ける中で、特に多いのが「スタッフの指名をどう育てるか」というテーマです。ジョイマン(ハワードジョイマン)のノウハウをもとに、私が実際に会員さんのサポートをしながら見てきた「指名客が増えるまでの3ヶ月」を、今日は数字の変化も含めて正直にお伝えします。

📋 この記事でわかること

  1. 指名客がなかなか増えない本当の原因
  2. 1ヶ月目・2ヶ月目・3ヶ月目それぞれで何が変わったか
  3. オーナーがスタッフに対してやるべき具体的な仕掛け
  4. 指名を「仕組み」として育てるための考え方

こんな方におすすめ

  • ✅ スタッフの椅子が空いていることが多く、売上の偏りに悩んでいる方
  • ✅ 技術は教えているのに指名が増えないと感じているオーナーの方
  • ✅ スタッフへの指導やサポートの仕方に迷っている方
  • ✅ 指名客を増やす「仕組み」を作ってみたい方
  • ✅ スタッフと一緒に数字を追う経営に興味がある方
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指名が増えない「本当の原因」は技術ではなかった

まず最初に、これだけははっきりお伝えしたいことがあります。指名が取れないスタッフの多くは、技術が足りないのではありません。

お客さんが「また指名しよう」と思う瞬間は、施術の仕上がりだけで決まるわけではないんです。むしろ、

  • 次回来店のタイミングを自分から提案できているか
  • 担当したお客さんの記録(好み・悩み・前回の状態)を引き継げているか
  • お客さんの名前を呼んでいるか、会話に個別感があるか

この3つができていないケースが圧倒的に多い。

技術は合格点なのに、施術が終わった後「また来てくださいね」の一言だけで終わってしまっている。そして次の来店はお客さん任せ。これが指名が育たない最大の原因です。

「お客さんが来ない理由を、スタッフの個性や愛嬌のせいにしているうちは何も変わりません。指名が増えるかどうかは、仕組みの問題です。仕組みがないまま個人の努力に任せるのは、水が漏れているバケツに水を注ぎ続けるようなものです。」

ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)

1ヶ月目:まず「記録する」ことから始めた

あるオーナーさんが、スタッフの指名客ゼロという状況からスタートしたときの話です。

最初の1ヶ月でやったことは、とてもシンプルでした。

チェックポイント①:担当記録を残す習慣があるか

施術後に、カルテ(または簡単なメモでもOK)にこの3点を書き残す習慣をつけました。①お客さんの悩み、②今回行ったこと、③次回提案したメニューと来店目安日数。

✅ ポイント:記録がなければ「あなただから来た」という体験を作れません。次回来店時に「前回こうおっしゃっていましたね」と一言言えるだけで、お客さんの感じ方は大きく変わります。

チェックポイント②:次回来店を「提案」しているか

「またいつでもどうぞ」ではなく、「今日のスタイルをきれいにキープするなら、45日以内に来ていただくと一番いい状態が続きますよ」と伝えるよう指導しました。

✅ ポイント:来店タイミングをお客さん任せにすると、平均で10〜15日来店が遅れると言われています。年間の施術回数が1回減るだけで、単純計算で1人あたり数千円〜数万円の機会損失になります。

1ヶ月目の結果:指名客数は0→3人。小さな数字ですが、この「3人」が次の月に大きな意味を持ちます。

2ヶ月目:「接触」を増やして関係を深めた

2ヶ月目に追加したのは、LINE公式アカウントを使ったフォローです。

初回来店のお客さんに友だち登録してもらい、来店から3週間後に「先日のスタイル、その後いかがですか?」という短いメッセージを送るだけ。難しいことは何もありません。

ここで大事なのは、スタッフ個人の名前を出すことです。「〇〇を担当した渥美(仮名)からご連絡しています」という一言があるだけで、お客さんの反応が変わります。店舗からの一斉配信と、担当者からの個別感あるメッセージでは、受け取る印象がまったく違うんです。

❌ よくある使い方(効果が薄いパターン)

  • 「キャンペーンのお知らせ」など店舗一斉配信ばかり
  • 担当者の名前が出てこないため、お客さんに個別感がない
  • 送るタイミングが不定期で、お客さんの印象に残らない

✅ 効果的な使い方

  • 担当スタッフの名前で送る「ご様子うかがい」メッセージ
  • 来店から一定期間後(3週間・5週間など)に自動送信の仕組みを作る
  • 「次回はこんなメニューがお勧めですよ」と次の来店への橋渡しをする

2ヶ月目の結果:指名客数は3→11人。リピート来店が始まったことで、スタッフ本人の表情が変わりました。「自分にも指名してくれる人がいる」という実感は、技術向上への意欲にも直結します。

✓ ここまでのポイント

  • 指名が取れない原因は技術不足ではなく「仕組み不足」であることが多い
  • 1ヶ月目は「記録する・次回を提案する」という基本動作の徹底から始める
  • 2ヶ月目はLINEなどで担当者名を出した接触を増やし、関係を継続する

「ジョイマン先生の『まず守守守で真似してやってみる』という言葉を信じて、難しく考えずに素直に実践しました。1ヶ月、2ヶ月と続けていくうちに、スタッフ自身が変わっていくのが手に取るようにわかりました。」

40代・美容室オーナー(スタッフ2名規模)

3ヶ月目:数字を「見える化」してスタッフ自身が動き出した

3ヶ月目に入ると、オーナーがやることが少し変わります。それは「数字を一緒に見る」という習慣を作ることです。

毎月1回、スタッフと2人で以下の数字を確認する時間を設けました。

  • 担当したお客さんの総数(新規・再来)
  • 指名での来店数
  • 次回予約が取れた数・取れなかった数
  • LINE登録者数の変化

この時間が持つ意味は、「管理される」ではなく「一緒に考える」という感覚をスタッフに持ってもらうことです。数字を見せるだけで終わらず、「先月より3人増えたね。どのお客さんだったと思う?」と会話にすることで、スタッフ自身が行動の意味を実感していきます。

私が会員さんのサポートをしていて感じるのは、この「数字を見える化する」ステップを飛ばしているオーナーさんが非常に多いということです。畑仕事で言えば、種を蒔いたのに収穫物を数えていない状態。何が育っているか分からなければ、次に何を改善すべきかも見えてきません。

スタッフ指名育成 STEP 1

担当記録の徹底(1ヶ月目)

施術後にお客さんの悩み・施術内容・次回提案を3項目だけカルテに残す習慣をつける。難しいフォーマットは不要。まず「書く」ことを先に始める。

⚠️ よくある失敗:「もっと良いカルテシステムを導入してから」と準備に時間をかけすぎて、記録する習慣自体が定着しない。

スタッフ指名育成 STEP 2

担当者名での接触(2ヶ月目)

LINE公式アカウントを使い、来店から3週間後に担当スタッフの名前でフォローメッセージを送る仕組みを作る。

⚠️ よくある失敗:店舗からの一斉配信にしてしまい、お客さんに「担当してくれたあの人から連絡が来た」という個別感が生まれない。

スタッフ指名育成 STEP 3

数字の見える化と月次確認(3ヶ月目〜)

月1回、スタッフと数字を一緒に見る時間を作る。指名数・次回予約数・LINE登録数を確認し、「何が効いたか」「次に何を試すか」を会話する。

⚠️ よくある失敗:数字を見せるだけで終わり、スタッフが「評価されている」と感じて萎縮する。あくまで「一緒に考える」スタンスで行う。

3ヶ月目の結果:指名客数は11→24人。スタッフ自身が「来月は30人を目指したい」と言うようになりました。オーナーが引っ張るのではなく、スタッフが自分ごととして数字を持ち始めた瞬間です。

3ヶ月後に見えてくるもの。数字の先にある変化

指名客が0→24人になった3ヶ月間。数字の変化だけでなく、もう一つ大きな変化がありました。

それは、オーナー自身の「現場への依存」が少し軽くなり始めたことです。

スタッフに指名がつき始めると、オーナーがフォローに使う時間が減ります。スタッフが自分のお客さんを持ち、自分で関係を育てていく。これが進むと、オーナーは「現場の作業者」から少しずつ「仕組みのデザイナー」に近づいていけます。

美容室経営で利益が残らない大きな理由の一つは、オーナーが現場を抜けられないことです。自分しか指名がいないから、自分が手を止めると売上が止まる。この構造を崩す第一歩が、スタッフの指名を育てることでもあります。

指名を増やすことは、スタッフのためだけでなく、オーナー自身の経営の自由を取り戻すことにも直結しているんです。

まとめ:3ヶ月の記録から見えた「指名が育つ店の共通点」

3ヶ月間の変化を振り返ると、指名が育った店には共通点がありました。

  • 特別なことをやっていない。シンプルな習慣を「継続」していた
  • スタッフを「管理」するのではなく「一緒に数字を追う」関係を作っていた
  • お客さんとの接触を「来店時だけ」にしていなかった

私・渥美がサポートの中で大切にしているのも、「難しい仕組みをいきなり作らなくていい」ということです。畑仕事と同じで、まず土を耕して、種を蒔いて、水をやり続ける。3ヶ月というのは、最初の芽が出てくるのに必要な最低限の時間なんだと思います。

スタッフの指名を育てることに、魔法はありません。でも、正しい順番でやれば、確かに数字は動きます。今日ご紹介した3ステップを、ぜひあなたのお店で試してみてください。

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