先日、増益繁盛クラブの会員さんから、こんな相談をいただきました。
「ジョイマンさん、値上げしたいんです。でも怖くて……。常連さんが来なくなったら、って思うと、なかなか踏み出せなくて」
その方は関東圏でひとり営業をしている美容室のオーナーさん。技術力は高く、お客さんからの評判も悪くない。でも客単価は5,000円前後で何年も止まったままで、手元に残る利益がじわじわ減っていると悩んでいました。
今回はその相談のやりとりをもとに、値上げのタイミングと告知方法、そして値上げと同時に取り組むべきリピート対策について、対話形式でお伝えしていきます。値上げを考えている方には特に読んでいただきたい内容です。
📋 この記事でわかること
- 常連客が「静かに離れる」本当の原因と、値上げの関係
- 値上げ前・値上げ時・値上げ後の告知タイミングと伝え方の具体例
- 値上げを「信頼」に変えるリピート施策の手順
- 来店間隔が延びて売上が消える仕組みと、それを防ぐ具体的な一言
こんな方におすすめ
- ✅ 値上げしたいけれど常連客が離れるのが怖い美容室オーナー
- ✅ 初回来店はあるのに2回目・3回目につながらないと感じている方
- ✅ 客単価が5,000〜6,000円で何年も止まっている方
- ✅ 来店間隔をお客さん任せにしてしまっていると気づいている方
- ✅ 値上げのあと、どうリピートを維持するか迷っている方

「値上げしたら来なくなるかも」という不安の正体
――ジョイマンさん、値上げって、どのタイミングでやればいいんでしょうか。
ハワードジョイマン(以下、ジョイマン): まず聞かせてください。今、来店間隔はどれくらいですか?
――えっと……平均すると55日から60日くらいでしょうか。
ジョイマン: そこが先に解くべき問題です。値上げを「どう伝えるか」の前に、「来店間隔が延びている」という状態を放置していると、値上げしても・しなくても、常連さんは少しずつ来なくなります。
来店間隔が10〜15日延びるだけで、年間の来店回数は6回から5回に減ります。客単価が6,000円なら、1人のお客さんから年間で6,000円の売上が消える計算です。それが30人の常連さんなら、年間で18万円が静かに失われている。
――そう言われると、値上げ以前の問題ですね……。
ジョイマン: そうなんです。「来なくなった」と気づいたときにはもう手遅れになっていることが多い。値上げへの不安の多くは、実は「リピートの基盤が弱い」ところから来ています。だから、値上げとリピート対策はセットで考える必要があります。
「値上げを怖いと感じる経営者の多くは、実はお客さんとの接触頻度が薄い状態で値上げしようとしています。信頼の積み重ねがある関係なら、値上げはむしろ関係を深める機会になる」
ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)
「値上げしたら来なくなるかも」という不安の根っこが、実はリピートの基盤の弱さにあると気づいた方も多いはずです。無料レポートでは「髪の賞美期限」を使って再来店を促す伝え方と、値上げ後に客単価1万円超のメニューが自然に売れるようになった仕組みを具体的にまとめています。メールアドレスだけで受け取れます。
値上げのタイミング、三つの「前提条件」を確認する
――じゃあ、値上げ自体のタイミングはどう考えればいいですか?
ジョイマン: 値上げに踏み切るかどうかを判断するとき、私はいつも三つの前提を確認します。
チェックポイント①:来店頻度は自分でコントロールできているか
施術のあと、次回来店の目安を毎回お客さんに伝えていますか?「次は40日後に来ると、カラーの色持ちがいちばんきれいな状態でキープできますよ」というような一言です。これを言っているかどうかで、来店間隔は大きく変わります。
✅ ポイント:お客さんに「何日後に来ればいいか」を明確に伝えていない場合、まずこの習慣を作ることが先決。値上げ後にリピートを保つ土台になります。
チェックポイント②:常連客との接触頻度は来店だけに頼っていないか
来店していない期間、お客さんとの接点はゼロになっていませんか?LINEの公式アカウントやニュースレターなど、来店以外のコミュニケーション手段があるかどうかを確認してください。
✅ ポイント:接触頻度が高いほど、値上げの告知を「お知らせ」として自然に受け取ってもらえます。突然の値上げ告知が怖く感じるのは、接触が薄い状態だからです。
チェックポイント③:値上げ後のメニューに「理由」がついているか
値上げする金額だけを伝えても、お客さんには「なぜ?」が残ります。新しいメニュー名・施術内容のリニューアル・使用する薬剤の見直しなど、値上げの「背景」を一緒に伝える準備ができているかどうかを確認してください。
✅ ポイント:「価格が上がった」ではなく「内容がより良くなった」と受け取ってもらえる言葉を用意する。これが値上げを受け入れてもらえるかどうかの分岐点です。
✓ ここまでのポイント
- 来店間隔が延びると値上げ以前に売上が静かに消えていく。まず「次回来店日の提案」を習慣にすること
- 値上げの告知が怖いのは、お客さんとの接触頻度が薄いことが原因であることが多い
- 値上げには「価格変更の通知」ではなく「内容が良くなったというストーリー」が必要
次回来店日の提案とあわせて、値上げ告知のPOPやDMの見た目を整えることで、受け取られ方がまったく変わります。チラシ・DM・POP作成の相談はLINEからチャットでできるので、文章や構成に迷ったときにそのまま聞いてみてください。
告知のタイミングと伝え方、具体的な三段階
――じゃあ、実際に値上げを告知するとき、どんな順番でやればいいですか?
値上げ STEP 1:値上げ「2ヶ月前」の段階
常連さんへの先行お知らせ
値上げの2ヶ月前、いつも来てくれているお客さんに「先にお伝えしたいことがあって」と口頭または手書きのカードで知らせます。「○月から料金を見直しますが、それまでに一度来ていただけると今の料金で対応できます」という伝え方です。これは常連さんへの誠実な対応であると同時に、来店を促す機会にもなります。
⚠️ よくある失敗:「急いで来てください」という圧力がある言い方になると、逆効果です。「先にお伝えしたかっただけなので、都合のいいときに来てもらえれば」という余裕ある姿勢が大切です。
値上げ STEP 2:値上げ「1ヶ月前」から当日まで
POPと店内掲示での告知
店内のPOPや受付まわりに告知を出します。「○月○日より、より良いサービスのため料金を改定いたします」という内容に加えて、「なぜ変わるのか」の理由を短く添えてください。使っている薬剤のグレードアップ、施術時間の見直しなど、お客さんの「髪にとってのメリット」を伝える言葉があると受け取られ方がまったく変わります。
⚠️ よくある失敗:料金だけが書いてあって理由が書いていないPOPは、冷たい印象になります。「お客さんの髪のために」という視点が伝わる言葉を必ず入れてください。
値上げ STEP 3:値上げ後の「最初の来店時」
新料金への丁寧な一言と、次回来店日の提案
値上げ後に初めて来店してくれたお客さんには、施術の中で自然に「今回から新しい料金になっていますが、その分○○を追加しています」と伝えます。そして施術が終わったあとに必ず「次は○日後に来ると、今の状態がいちばんきれいに保てますよ。次回はいつ頃がご都合よさそうですか?」と次回来店日を提案してください。
⚠️ よくある失敗:値上げのことを「なかったこと」のように扱って黙ってしまうオーナーさんがいます。丁寧に触れるほうが、お客さんに誠実さが伝わります。
「値上げに成功するオーナーさんには共通点があって、値上げを『謝るもの』ではなく『伝えるもの』として扱っています。値上げしても来てくれるお客さんは、あなたの技術と人柄に払ってくれている人。その関係は価格だけでは壊れません」
ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)
値上げ後のリピートを守る、三つの仕組み
――値上げをしても、その後ちゃんとリピートしてもらえるかが心配で。
ジョイマン: 実はここが一番大事なところです。値上げ後にお客さんが「なんとなく来なくなった」のを防ぐには、来店間隔を相手任せにしないことが全てです。
具体的にやることは三つです。
①「次回来店日の提案」を毎回必ずセリフとして言う
「今日のカラーは40日後が色のピークが過ぎる前のタイミングです。○月○日あたりはどうですか?」と、次回来店の「理由」と「具体的な日付」をセットで提案します。これを毎回の施術のルーティンにするだけで、来店間隔は確実に縮まります。
②3ステップポイントカードで次回来店の理由を作る
スタンプカードの形を工夫します。3回来店すると特典がある「3ステップ型」にすると、お客さんは「次もあと1回で特典」という理由を持った状態で帰ります。これだけで次回来店のハードルが下がります。
③LINE公式アカウントで来店前に一言送る
「そろそろ髪が気になる時期かなと思ってご連絡しました」という一言のメッセージを、来店から35〜40日後に送ります。このメッセージがリマインドになって、来店を思い出してもらえます。接触頻度が高いほど、値上げ後の離脱は減ります。
値上げ後に「来なくなった」と感じる場合の多くは、値上げが原因ではなく「次回来店の提案がなかったこと」が原因です。来店間隔が15日延びれば年間で数万円単位の売上が消えていく。そこを放置したまま値上げだけしても、利益は増えません。
なお、値上げ設計の前に確認したい、失敗しやすいパターンについても別の記事でまとめていますので、合わせて読んでみてください。
実際に値上げとリピート施策を両立させた美容室の事例
「値上げしたら常連が離れる」という不安を持ったまま動けずにいたオーナーさんが、値上げ設計とリピート施策を組み合わせて実践した結果を、実際の声でお伝えします。
「単価に悩んでいたころは、値上げするたびにひとり来なくなるイメージが頭を離れなくて。でも次回来店の提案と告知の仕方を変えてから、常連さんの単価が大きく上がって、しかも来店ペースも安定してきました」
40代・美容室オーナー(女性)
この方の場合、値上げの前から「次回来店日の提案」を毎回の施術に組み込み、LINE公式アカウントでの接触頻度を高めた状態で告知を行いました。お客さんとの信頼の積み重ねがあった上での値上げだったため、離脱はほとんどなく、むしろ「ちゃんと説明してくれた」という声をもらったそうです。
値上げを成功させるのは「タイミング」だけではなく、「その前後に積み上げたリピートの仕組み」です。
コンサルタントの支援実績833件以上、美容室だけで150件以上の現場を見てきた経験から言えるのは、値上げで失客した美容室よりも「値上げを怖がって何もしなかった美容室」のほうが、長期的には利益を大きく失っているということです。
また、コンサルを選ぶ際には相性や支援内容の違いも大事です。美容室の集客・経営コンサルを比較するときの見極め方もあわせて参考にしてみてください。
まとめ:値上げは「勇気」より「準備」で決まる
値上げのタイミングを迷っている方に、最後に整理しておきます。
値上げで常連が離れる理由のほとんどは、値上げそのものではなく、「来店間隔の管理ができていないこと」と「告知の伝え方が準備できていないこと」の組み合わせです。
次回来店日の提案を毎回習慣にし、LINEやポイントカードで接触頻度を作り、値上げの「2ヶ月前・1ヶ月前・当日後」という三段階で丁寧に伝える。これだけで、値上げへの不安の大半は解消されます。
技術には自信がある。でも利益が残らない。そんな状態が続いているなら、値上げを「怖いもの」として先送りする必要はありません。準備した値上げは、常連さんとの関係をむしろ強くします。
「守守守の法則」として私がお伝えしているのも、実証済みの手順をそのまま真似ることで、最初の一歩を確実に踏み出すことです。値上げも同じで、うまくいった事例の手順をそっくり取り入れることから始めてみてください。
コンサルの支援内容や費用について気になる方は、美容室コンサルの費用相場と料金体系の考え方もご覧いただけます。
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