「今はとにかく現場が忙しいから、落ち着いたら経営の勉強をしよう」
「もう少しお客さんの数が安定したら、ちゃんとマーケティングを学ぼう」
「スタッフが育ったら、自分は少し引いて仕組みを考える時間をつくろう」
このセリフ、あなたも一度は口にしたことがありませんか。あるいは、毎日のように心の中でつぶやいていませんか。
実はこれ、私ハワードジョイマンが美容室・飲食店の経営者と話すなかで、最も多く耳にしてきた「先送りの言葉」のひとつです。そして正直に言います。私はかつて、この言葉を聞くたびに「そうですね、まず現場を安定させましょう」と答えていた時期がありました。今、その対応を深く後悔しています。
今日はその後悔の話を、正直にお伝えしたいと思います。
📋 この記事でわかること
- 「現場が落ち着いてから」という発想がなぜ経営悪化を招くのか
- 社長業と現場作業を切り分けるための具体的な第一歩
- 赤字続きの美容室が折込チラシとPOPで経営を立て直した実例
- 今日から始められる「社長の1時間」の作り方
こんな方におすすめ
- ✅ 「現場が落ち着いたら勉強しよう」と何年も先送りしている美容室オーナーの方
- ✅ 休みの日も頭の中が仕事のことでいっぱいになっている方
- ✅ 自分がいないとお店が回らない状況から抜け出したい方
- ✅ 売上は上がらないのに忙しさだけが増している、と感じている方
- ✅ 経営者として「仕組みをつくる時間」を確保したいと思っている方

「落ち着いてから」は、永遠に来ない
美容室の現場というのは、本質的に「落ち着く日」が来ません。お客さんが増えれば予約管理が複雑になる。スタッフが増えればシフト調整や教育に時間をとられる。繁忙期が終われば今度は閑散期の不安が頭をもたげる。
現場にいる限り、何かしらの「今すぐ対応しなければいけないこと」が次々と生まれてきます。これは美容室に限らず、小規模店舗経営の構造的な問題です。
私が21年間、833件以上の店舗経営者と向き合ってきてわかったことがあります。それは、「現場が落ち着いてから経営を学んだ人」に、私はほとんど会ったことがない、という事実です。
では、経営を学んで実際に利益が伸びた人たちは何が違ったのか。彼らは「現場が忙しいなか」でも、経営の勉強をする時間を強引に捻り出していました。
「現場を言い訳にしている間は、経営者ではなく高給取りのアルバイトです。社長業とは、忙しくても未来に投資し続けることだと思っています」
ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)
私が「後悔している」本当の理由
かつて私は、相談に来た美容室オーナーが「今は現場が忙しくて……」と言うと、その言葉を受け入れていました。「では、少し現場が安定したタイミングでまた話しましょう」と。
当時は「相手の状況に寄り添うことが親切だ」と思っていたのです。でも今は違う考え方をしています。あの対応は親切ではなく、「現状維持の後押し」をしてしまっていただけだったと。
その後、何人かのオーナーが数年後に再び連絡をくれました。状況はどうなっていたか。現場は「落ち着く」どころか、さらに混乱していました。売上は伸びていない。利益も残っていない。体は疲弊している。そして、「あのとき動いていれば……」という言葉をこぼしていました。
経営の勉強を先送りにするということは、経営の課題も先送りにするということです。課題は放置すれば悪化します。時間が解決してくれることは、経営においてほとんどありません。
✓ ここまでのポイント
- 「現場が落ち着いてから」という言葉は、経営改善の永遠の先送りにつながりやすい
- 経営を学んで成果を出した人は、忙しいなかでも時間を捻り出していた
- 課題の先送りは悪化を招く。時間が経営問題を解決することはほとんどない
赤字続きの美容室が動き出したとき、何が変わったか
ここで、ひとつの実例をご紹介したいと思います。
「赤字が続いていたとき、正直もう閉めようかと思っていました。でも折込チラシとPOPを学んで実践し始めてから、少しずつ売上が伸びて、気づいたら経営が安定してきていました。動き出すまでが一番しんどかったけれど、あのとき踏み出してよかったです」
赤字続きだった美容室オーナー(改善後、折込チラシとPOPで売上が安定)
このオーナーが特別なスキルを持っていたわけではありません。資金が潤沢にあったわけでもない。それでも変わったのは、「現場をこなすだけの毎日」から「経営の手を打つ時間を作る毎日」へとシフトしたからです。
折込チラシとPOPは、難しい技術ではありません。ただし「誰に向けて」「何を伝えるか」というコンセプトが決まっていないと、どれだけ配っても反応が返ってきません。このオーナーが変わったのは、技術的なノウハウを得たからだけでなく、「自分が経営者として考える時間」を作ったからでもあります。
社長業の時間を「現場のすき間」に押し込まない
多くの美容室オーナーは、経営について考えるのを「お客さんとお客さんの間の10分」や「閉店後の疲れ果てた頭で」やろうとします。それでうまくいくはずがない、というのが私の考えです。
疲労した状態で考える経営判断は、往々にして「とりあえず今を乗り切る」方向に引っ張られます。じっくり構造を変えるような思考ができないのは、体力・集中力の問題であり、意志の弱さではありません。
❌ よくあるパターン:現場の合間に経営を考えようとする
- 常に頭が現場モードで切り替えができない
- 疲れた状態では「現状維持」の判断しか出てこない
- 「今日もできなかった」という罪悪感だけが積み重なる
✅ 推奨アプローチ:社長業の時間を「先に」スケジュールに入れる
- 毎日決まった時間(例:開店前の1時間)を経営思考の時間として確保する
- その時間は電話も接客も入れない「社長業専用時間」と決める
- 小さく始めて、週に1つだけ経営施策を試すサイクルを作る
「1時間の社長業」を今日から始める3つのステップ
具体的にどう動けばいいか、シンプルな3ステップでお伝えします。
経営改善 STEP 1
現状の「時間の使い方」を記録する
まず1週間、自分が何にどれくらい時間を使っているかを書き出します。施術・予約対応・掃除・仕入れ・SNS更新……それぞれに何分かかっているか。これをやると「なぜ時間がないか」が数字で見えてきます。多くの場合、社長でなくてもできる作業が時間の大半を占めています。
⚠️ よくある失敗:「大体わかってる」と思って記録をサボると、思い込みのまま動いてしまい的外れな改善になりやすいです。面倒でも必ず書き出してください。
経営改善 STEP 2
「社長にしかできないこと」を3つ書き出す
次回予約の声かけ方法を決める、チラシのターゲットを考える、メニューの訴求文を書く——こういった「経営の設計」は社長にしかできません。一方で、在庫の整理や予約の確認電話などは、仕組み化すればスタッフに任せられます。この2種類を分けることが、現場から抜け出す第一歩です。
⚠️ よくある失敗:「スタッフに任せると不安」という気持ちから、すべてを抱え込み続けてしまうケースがあります。最初は「40点でも任せる」という割り切りが必要です。
経営改善 STEP 3
毎朝1時間、手帳に「社長業の予定」を入れる
お客さんの予約と同じように、「社長業の時間」を手帳に書き込みます。この時間にやることは「販促物を1枚書く」「POPの文言を考える」「来月のチラシのターゲットを決める」など、現場を動かすための設計です。毎日でなくてもよい。週3日から始めても十分です。
⚠️ よくある失敗:「何をすればいいかわからない」という状態で時間を確保しても、ぼんやりスマホを見て終わってしまいます。事前に「この時間に何をやるか」を1行でも書いておくと、集中しやすくなります。
「経営の勉強をする時間がないのではなく、経営の勉強を後回しにする習慣があるだけです。その習慣に気づいたとき、初めて何かが変わり始めます」
ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)
まとめ:「今日から1時間」が5年後の経営を変える
「現場が落ち着いてから経営を学ぼう」という言葉は、一見まじめで責任感のある発言のように聞こえます。でも実態は、「経営者としての仕事を先送りにしている」状態であることが多い。
私が21年間で見てきた多くの美容室オーナーのなかで、現場を言い訳にして動かなかった人が後から大きく変わったケースは、正直なところほとんどありません。変わった人たちは、忙しい中でも「社長として考える時間」をなんとか確保し、小さな一手を打ち続けていた人たちです。
今すぐ完璧な仕組みを作る必要はありません。今日から毎朝1時間、経営のことだけを考える時間を作ること。それが、忙しさのループから抜け出すための、最初の一歩になります。
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静岡市清水区を拠点に、全国の美容室オーナーをサポートしています。あなたの現場での試行錯誤が、確かな利益に変わる日を一緒に目指しましょう。