「気づいたらメニューが20種類以上になっていて、お客さんにどれを勧めればいいかわからない」
「低単価のメニューばかりが売れて、利益の出るメニューが全然動かない」
「新しいメニューを追加するたびに、スタッフの教育コストが増えて現場が混乱する」
こういった声、本当によく聞きます。美容室のメニューは、何年も経営を続けるうちに少しずつ積み重なり、気づけば収拾がつかない状態になっていることが多いものです。
私、ハワードジョイマンが主宰する「増益繁盛クラブ」では、美容室150件以上の経営改善に関わってきましたが、メニューの整理ひとつで客単価が上がり、オーナーとスタッフの両方が楽になったケースをいくつも見てきました。
この記事では、「削るべきメニュー」と「残すべきメニュー」をどう判断するか、その具体的な基準をお伝えします。
📋 この記事でわかること
- メニューが増えすぎることで起きる経営上の問題
- 削るべきメニューと残すべきメニューの判断基準
- メニュー名を変えるだけで客単価が変わる「ご利益型ネーミング」の考え方
- 整理後のメニュー構成で利益を最大化する並べ方のポイント
こんな方におすすめ
- ✅ メニューが増えすぎて整理したいと思っている美容室オーナーの方
- ✅ 客単価が4,000〜6,000円台で頭打ちになっている方
- ✅ 低単価メニューばかりが売れて利益が残らないと感じている方
- ✅ メニューブックやPOPを改善して単価を上げたい方
- ✅ スタッフへの説明や教育コストを減らして現場を楽にしたい方

「増やせば売れる」は幻想。メニュー過多が引き起こす経営の落とし穴
まず前提として確認しておきたいのですが、メニューの数が多いことは必ずしも良いことではありません。
お客さんの立場になって考えてみると、選択肢が多すぎると逆に「何を選べばいいかわからない」という状態に陥ります。心理学では「選択のパラドックス」と呼ばれる現象で、選択肢が増えると意思決定が止まり、結果として一番安くてシンプルなものを選んでしまいやすくなります。
美容室で言えば、「とりあえずカットだけ」という判断につながりやすいということです。
経営側の問題としても、メニューが多いと在庫管理・スタッフ教育・施術時間の読み違いなど、オペレーションの複雑さが増します。結果として現場の生産性が下がり、忙しいのに利益が残らないという悪循環が生まれます。
「メニューを増やすことで集客できると思っていましたが、むしろ絞り込んだほうがお客さんへの訴求力が上がることに気づきました。整理してから、スタッフが自信を持って高単価メニューを勧められるようになりました」
増益繁盛クラブ会員・40代男性美容室オーナー
削るべきメニューを見極める3つの判断基準
では、どのメニューを削ればいいのか。感覚ではなく、以下の3つの基準で判断することをおすすめします。
チェックポイント1:利益率が低く、施術時間が長いメニュー
材料費や施術時間を考慮したときに、手元に残る利益が薄いメニューは要注意です。「売れている」という事実だけで残していると、時間と体力を消耗するだけで経営の足を引っ張る存在になります。
✅ ポイント:「時間当たりの利益」で各メニューを評価し直す。60分かけて2,000円の利益しか残らないメニューより、30分で2,500円残るメニューに力を入れる方が合理的です。
チェックポイント2:月に数件しか出ないメニュー
メニューブックに掲載しているのに、月に1〜2件しかオーダーがないメニューは存在意義を問い直す必要があります。スタッフがその施術に慣れておらず、品質にばらつきが出やすいリスクもあります。
✅ ポイント:過去3ヶ月の施術データを確認し、月5件未満のメニューはリストアップして検討対象に入れましょう。「季節限定」として位置づけるか、思い切って終了するかを判断します。
チェックポイント3:スタッフが説明に詰まるメニュー
お客さんから「これどんな施術ですか?」と聞かれたとき、スタッフが自信を持って答えられないメニューは危険信号です。スタッフ自身が理解していないメニューは、お客さんに価値が伝わらず売れません。
✅ ポイント:スタッフ全員が30秒で説明できないメニューは、名称・内容の見直しか廃止を検討する。現場で使えないメニューは、あっても意味がありません。
✓ ここまでのポイント
- メニューの多さは集客力ではなく、むしろお客さんの判断を鈍らせる原因になる
- 「時間当たりの利益」「月間注文件数」「スタッフの説明力」の3軸で削るメニューを判断する
残すべきメニューの条件と、残し方のポイント
削る基準がわかったところで、次は「何を残すか」の話です。
残すべきメニューには、大きく2種類あります。
❌ よくある「残し方」の失敗パターン
- 「昔からあるから」「一応需要があるかもしれないから」という理由だけで漫然と残す
- 低価格メニューを上位に並べ、高単価メニューが目に入りにくい構成になっている
- メニュー名が「カット」「カラー」などの作業名のままで、お客さんにメリットが伝わっていない
✅ 利益が残るメニュー構成の考え方
- 「看板メニュー」として育てたい高単価メニューを1〜2本明確に設定し、それを中心に組み立てる
- お客さんが自然にアップグレードしやすい「ステップ型の提案動線」をメニューブックで作る
- メニュー名を「施術の名前」ではなく「お客さんが得られる変化・喜び」で表現する(ご利益型ネーミング)
たとえば「カット」という名称を「朝のスタイリングが5分で決まるカット」と変えるだけで、お客さんに届くメッセージがまったく変わります。作業を売るのではなく、その後の日常生活が変わることを売るというイメージです。
「ジョイマンさんに言われてメニュー名を変えたとき、最初は半信半疑でした。でも翌月から施術後のオプション提案が格段に通りやすくなって、客単価が上がり始めました。名前って本当に大事なんですね」
増益繁盛クラブ会員・50代女性美容室オーナー
「メニューブックはお客さんへの最初の販売員です。スタッフが何も言わなくても、メニューブックが代わりに提案してくれる状態を作ることが大切です。そのためにはメニューの数より、並び順と名前のほうがずっと重要になります」
ハワードジョイマン(繁盛店グループ総代表/店舗利益最大化コンサルタント)
メニュー整理の進め方。現場で使えるステップ
メニュー整理 STEP 1
全メニューの「時間・利益・販売件数」を一覧化する
まずは現状を数字で把握することから始めます。感覚ではなくデータに基づいて判断するために、過去3ヶ月分の施術記録を見返し、各メニューの施術時間・材料費・販売件数を一覧にまとめましょう。これだけで「実は稼ぎ頭でもなんでもなかったメニュー」が明確に見えてきます。
⚠️ よくある失敗:「面倒だから」と感覚で判断してしまい、実は利益率の高いメニューを誤って削除してしまうケース。必ず数字を確認してから判断しましょう。
メニュー整理 STEP 2
「看板メニュー」を1〜2本決める
お店として「これが一番お客さんに喜んでもらえる」「これが一番利益に貢献する」というメニューを1〜2本明確に決めます。このメニューを軸に、残りのメニューの位置づけ(入口商品・アップグレード先・オプション)を整理していきます。
⚠️ よくある失敗:看板メニューを決めずにすべてのメニューを「同格」で扱い続けること。訴求の集中が分散し、どれも印象に残らない結果になります。
メニュー整理 STEP 3
メニュー名をご利益型に書き換え、メニューブックの並び順を変える
看板メニューと残すメニューが決まったら、すべてのメニュー名をお客さんのメリット視点で書き直します。そしてメニューブックは「見てほしい順=売りたい順」に並べ替えます。一番上に最も推したいメニューが来るように構成することで、自然な導線ができます。
⚠️ よくある失敗:メニューブックの構成を変えずに、名前だけ変えて終わるケース。並び順と名前はセットで変えることで初めて効果が出ます。
メニュー整理は「利益の設計」。一度やり切ると経営が変わる
メニューの整理は、一見地味な作業に見えます。でもこれは「利益の設計」そのものです。
増益繁盛クラブの会員さんでも、メニュー整理に取り組んだ後に「施術件数は変わっていないのに、月の手残りが増えた」という経験をされた方が複数いらっしゃいます。同じ時間を使って、より多くの利益を残すことができる。それがメニュー整理の本質的な価値です。
静岡市清水区を拠点に、私は21年間にわたって全国の小規模店舗経営者を支援してきました。そのなかで一貫してお伝えしてきたのは、「忙しく働くことではなく、利益が残る仕組みを作ることが経営者の仕事」だということです。メニュー整理は、その仕組み作りの入り口の一つです。
まず手をつけやすいところから始めてみてください。「全部いっぺんにやる必要はない」というのが私のスタンスです。STEP 1の一覧化から始めるだけでも、現状が見えてきて次の行動につながります。
もし「どこから手をつければいいか、自分の店に当てはめて考えたい」という方は、以下の無料レポートをお読みください。メニュー整理を含む、美容室の売上・利益改善の具体的な考え方をまとめています。
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