1億円突破術

美容室の2店舗目の売上目安はどのくらいに設定すればよいでしょうか?

結論から言うと、2店舗目の売上目安は「1店舗目の固定費+2店舗目の固定費+オーナーが必要とする利益額」を逆算して設定するのが正解です。「とりあえず1店舗目と同じくらいを目指す」という感覚値では、出店後に資金繰りで苦しくなるケースが後を絶ちません。

静岡市清水区を拠点に、21年・833件以上の店舗経営支援を行ってきたハワードジョイマンです。美容室の多店舗展開に関しては、成功事例も失敗事例も間近で見てきました。この記事では、2店舗目の売上目標をどう設計すればよいか、実際のケースをもとに具体的にお伝えします。

📋 この記事でわかること

  1. 2店舗目の売上目安を「感覚」ではなく「数字」で設定する考え方
  2. 出店前に1店舗目で確認すべき経営指標のチェック方法
  3. 2店舗目が赤字になりやすいパターンとその回避策
  4. 売上目標を達成するための優先順位の付け方

こんな方におすすめ

  • ✅ 2店舗目の出店を検討しているが、売上目安の設定方法がわからない方
  • ✅ 1店舗目の売上はある程度安定してきたが、次のステップが見えない方
  • ✅ 多店舗展開で失敗したくない、リスクを最小限に抑えたい方
  • ✅ 「自分がいないと店が回らない」状態から抜け出したい方
  • ✅ 利益を残しながら事業を拡大したい美容室オーナーの方
美容室の2店舗目の売上目安はどのくらいに設定すればよいでしょうか? | 月商200万円から年商1億円を実現する美容室経営術

「1店舗目と同じ売上を目指す」では危ない理由

2店舗目の売上目安を相談してくれる経営者の方の多くが、最初にこうおっしゃいます。「1店舗目が月商150万円くらいなので、2店舗目も同じくらい稼げれば合計300万円になりますよね」と。

この考え方には、大きな落とし穴があります。

1店舗目と2店舗目では、コスト構造がまったく違います。1店舗目はオーナー自身が現場に立つため人件費を抑えられますが、2店舗目はオーナー不在でも回せるスタッフ体制が必要です。つまり、2店舗目には1店舗目より多くの人件費が最初からかかる構造になります。

実際に、こんなケースがありました。月商150万円・スタッフ2名で安定していた美容室オーナーが、2店舗目を月商120万円の目標でスタート。家賃20万円・人件費70万円・その他経費20万円で固定費だけで110万円。売上120万円から固定費を引くと手元に残るのはわずか10万円。そこから借入返済が加わると、実質的に毎月赤字という状況に追い込まれたのです。

売上の「絶対額」ではなく、「固定費に対して何%の利益率を確保できるか」という逆算思考が2店舗目では不可欠です。

2店舗目の売上目安を決める3つの逆算ステップ

売上目安の設定 STEP 1

2店舗目の「固定費の合計」を先に出す

家賃・水道光熱費・スタッフ人件費・材料費・借入返済額など、売上がゼロでも必ず出ていくお金をすべて洗い出します。2店舗目では特に、スタッフの採用コストと教育期間中の生産性低下分も見込んでおく必要があります。開業から3〜6ヶ月は想定より売上が低い前提でシミュレーションしてください。

⚠️ よくある失敗:「材料費は売上に連動するから変動費」として甘く見積もり、固定費の試算が楽観的になりすぎるケース。特に初期の採用・研修費用を見落とす方が多いです。

売上目安の設定 STEP 2

オーナーが必要とする「手取り利益額」を決める

1店舗目の利益を維持しながら2店舗目を黒字にするには、オーナー自身が「月いくら手元に残れば経営として成立するか」を先に決めることが必要です。子供の教育費・住宅ローン・老後の積み立て……このリアルな数字から目を背けると、2店舗目の売上目標が甘くなります。

⚠️ よくある失敗:「最初は赤字でもしょうがない」と期限を決めずに赤字を許容し続け、1店舗目の利益を2店舗目の補填に使い続けてしまうパターン。「何ヶ月以内に黒字化」という期限設定を必ず行ってください。

売上目安の設定 STEP 3

「固定費+目標利益」を達成できる客数・客単価の組み合わせを逆算する

たとえば固定費が月120万円・目標利益が20万円なら、売上目安は最低でも月140万円が必要です。客単価7,000円なら200人の来店が必要。営業日20日なら1日10人。これが現実的かどうかを、商圏と席数・稼働時間で検証します。

⚠️ よくある失敗:客数だけで逆算して、客単価の設計を後回しにするケース。2店舗目こそ、開業前にメニュー設計・POPによる客単価アップの仕組みを整えておくことが重要です。

✓ ここまでのポイント

  • 2店舗目の売上目安は「感覚値」ではなく、固定費+目標利益の逆算で決める
  • 2店舗目は人件費構造が1店舗目と大きく異なるため、同じ売上でも手残りが少ない
  • 開業前にメニュー設計・客単価の仕組みを整えることが黒字化の鍵

1店舗目が「この状態」なら2店舗目は待った方がいい

出店のタイミングを誤ると、2店舗目が1店舗目の足を引っ張ります。以下のチェックポイントで現状を確認してみてください。

チェックポイント①:オーナー不在でも1店舗目が回るか

オーナーが現場を離れると売上が落ちる、クレームが増える、スタッフが動かない——こういった状態での2店舗目出店は非常にリスクが高いです。2店舗を掛け持ちすることで、どちらも中途半端になります。

✅ ポイント:1店舗目でスタッフが自律的に動ける「仕組みと教育」が整ってから出店を検討する。最低でも「週1回オーナーが不在でも問題なく営業できる」状態が目安。

チェックポイント②:1店舗目の客単価・リピート率は安定しているか

客単価5,000円以下・リピート率50%以下のまま2店舗目を出しても、薄利の構造が2倍になるだけです。売上は増えても手残りが増えないという状況になります。

✅ ポイント:2店舗目出店前に、1店舗目の客単価を最低7,000〜8,000円台に引き上げ、リピート率65%以上を目指す。この水準が出店の「基準線」になります。

チェックポイント③:出店資金の調達方法は適切か

自己資金ゼロ・フルローンでの出店は、初期の売上が想定を下回ったときの余裕がまったくありません。開業から軌道に乗るまでの「運転資金6ヶ月分」を手元に確保した状態で出店するのが理想です。

✅ ポイント:「広告投資は店舗経営で大切」という観点から、2店舗目の開業告知・新規集客のための広告予算も最初から確保しておくこと。開業してから「広告費がない」では集客の初速が遅くなります。

「2店舗目を出すことが目的になっている経営者の方を、たまに見かけます。でも本当の目的は『利益を増やして、自分と家族の生活を豊かにすること』のはずです。2店舗目はその手段であって、ゴールではない。手段と目的を混同しないことが、多店舗展開で成功する経営者の共通点だと感じています」

ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)

2店舗目が黒字化した美容室に共通するパターン

これまで支援してきた美容室の中で、2店舗目・3店舗目を順調に黒字化できたオーナーには、いくつかの共通点があります。

❌ うまくいかなかったパターン

  • 1店舗目の売上が「なんとなく安定した気がする」タイミングで感覚的に出店した
  • 2店舗目のスタッフ教育を「開業してから考えよう」にした
  • オーナーが2店舗を行き来することで、どちらの店もオーナー依存が高まった
  • 開業後の集客を「口コミだけ」に頼り、初月から売上が想定の半分以下だった

✅ うまくいったパターン

  • 1店舗目でPOP・メニューブック・次回予約の仕組みが完成してから出店した
  • 2店舗目の店長候補を1年以上かけて社内育成してから出店した
  • 開業前にチラシ・LINE・Googleビジネスプロフィールを整備し、開業初月から集客の仕組みを動かした
  • 「2店舗目が黒字になる最低売上ライン」を事前に明確にし、達成できなければ撤退する基準も決めていた

「継続して実践できる経営者の方は、確実に結果が出ます。でも、すぐに成果が出ないと途中で手法を変えてしまう方は、どの施策も中途半端になります。2店舗目の黒字化も、正しい方向性で半年〜1年間コツコツ積み上げた結果として生まれるものです」

ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)

「最初はすぐに結果を出したくて焦っていましたが、まず1店舗目の客単価と仕組みを整えることに集中してよかったです。2店舗目を出したときに、ゼロから作り直す手間がなかったのが本当に助かりました」

増益繁盛クラブ会員(40代・男性)

売上目標を達成するための優先順位:2店舗目でも変わらない鉄則

2店舗目の売上目標を設定したら、次はその達成に向けた優先順位です。ここで多くの経営者の方が「まず新規集客」に走ります。でも、これは順序が逆です。

2店舗目であっても、改善の優先順位は変わりません。

①客単価アップ → ②再来店対策 → ③新規集客

新規客を増やしても、客単価が低く・リピートが続かなければ、集客コストだけがかさみます。まず2店舗目のメニューブック・POPを整備して客単価の仕組みを作り、次回予約やLINE公式アカウントでリピートの仕組みを作る。その土台が整ってから、広告投資で新規集客を加速させる。この順番が、2店舗目を早期黒字化する経営者の方が実践している手順です。

なお、「お金をかけずに売上を伸ばす」という発想は、特に2店舗目では通用しません。開業初期の認知を高めるための広告投資は、必要なコストとして最初から予算に組み込んでおいてください。適切な広告投資が、集客の初速をつくります。

まとめ:2店舗目の売上目安は「逆算」で設計する

2店舗目の売上目安を設定するとき、「1店舗目と同じくらい」という感覚値では資金計画が甘くなります。固定費の合計・目標利益・客単価と客数の組み合わせを逆算して、数字で裏付けられた売上目標を立てることが出発点です。

そして出店のタイミングは、1店舗目の「仕組み・客単価・リピート率」が一定水準に達してから。この準備なしに出店を急ぐと、2店舗目が足を引っ張って1店舗目まで傾く事態になりかねません。

増益繁盛クラブでは、833件以上の支援実績をもとに、2店舗目・3店舗目への多店舗展開を目指す美容室オーナーの方が実践できる経営改善ノウハウを毎月お届けしています。客単価アップ・再来店対策・仕組み化の手法を、現場で即使える形で学べる環境を整えています。

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