先日、会員制サポート「増益繁盛クラブ」のオンラインミーティングで、こんな話が出ました。
「ジョイマンさん、売上は月に100万円以上あるのに、手元に残るお金が20万円もないんです。何かがおかしいと思って……」
静岡市清水区の事務所で画面越しにその言葉を聞いたとき、私はすぐに状況が把握できました。ポータルサイトへの手数料と広告費が、利益をごっそり持っていっているパターンです。食べログやホットペッパービューティー、Uber Eatsなどのプラットフォームは確かに集客力がある。でも、その裏でどれだけの利益が"通行税"として消えているか、正確に計算している店主さんは意外と少ないんです。
この記事では、ポータル依存を脱却した店主たちの本音と、「数字だけ追う経営ではなく、スタッフも自分も楽しみながら地域に愛されて利益も残る店」をつくるための具体的な道筋をお伝えします。
📋 この記事でわかること
- ポータルサイトの手数料が利益を圧迫する具体的な構造
- MEO集客(Googleマップ経由の集客)に切り替えた店主の実例と数字
- 「楽しく繁盛する店」を実現するための笑人流アプローチ
- ポータル依存から自前集客へ移行する3つのステップ
こんな方におすすめ
- ✅ 食べログ・ホットペッパー等の広告費が高く、利益が手元に残らないと感じている方
- ✅ 売上はあるのに経営が苦しい理由を知りたい方
- ✅ ポータルサイトをやめたいけれど、解約後の客足が不安な方
- ✅ スタッフも自分も楽しみながら地域に愛される店をつくりたい方
- ✅ MEO対策(Googleマップ集客)に切り替えた場合の効果を知りたい方

朝10時・事務所に届く「本音の相談」から一日が始まる
私の一日は、新清水駅から徒歩1分の事務所に着く10時から動き出します。まずメールボックスを開くと、この日も全国の店主さんからの相談が数件届いていました。
そのうちの一通が、東海地方でコワーキングスペースを運営するオーナーからのメッセージです。「ポータルに掲載し続けているけれど、月の利益が読めない。毎月どれだけ手数料を払っているのか怖くて計算できていない」という内容でした。
この「怖くて計算できていない」という言葉が、ポータル依存の本質を突いていると思います。計算してしまうと現実を直視しなければならないから、目を背けてしまう。でも、その現実から目を背け続けることこそが、一番危険な状態です。
結論から言うと、ポータルサイトは「集客の入り口」としては優秀ですが、「利益を残す仕組み」としては根本的に相性が悪い構造になっています。なぜなら、プラットフォームの手数料モデルは「あなたが売れるほど、彼らも儲かる」設計だからです。売上が上がっても、手数料率が同じなら利益の伸び率は変わらない。むしろ規模が大きくなるほど、手数料の絶対額は増えていきます。
「手数料に消えていた利益」を数字で直視した店主たちの反応
午前中のオンライン面談では、数字の整理から入ることが多いです。ポータルサイトへの年間支出を計算してもらうと、多くの店主さんが初めて正確な金額を把握して驚かれます。
月5万円の広告掲載料+売上の10〜15%の手数料が乗ると、月商100万円の店舗では実質20万円前後がポータルに流れていることも珍しくありません。年間で240万円。これだけあれば、スタッフの賞与にも設備投資にも使えるお金です。
「売上の数字を追いかけているうちは、利益から目が離れます。私が大切にしているのは『手元に残るお金』だけです。派手な売上より、地味でも利益が積み上がる仕組みのほうが、経営者もスタッフも笑顔でいられる」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・MEO集客大全)
ここで大切な視点をひとつ。「売上より利益」にこだわる本当の理由と、割引集客をやめた経営者の変化についても別記事で詳しく書いていますが、ポータル依存から抜けるのは「広告をやめる」ことではなく、「自前の集客基盤を育てる」ことです。この順番を間違えると、解約後に客足が止まってしまいます。
✓ ここまでのポイント
- ポータルサイトは集客力があるが、手数料構造上「利益を残す仕組み」とは根本的に相性が悪い
- 月商100万円規模でも年間200万円超がポータルへ流れているケースがある
- 脱却の順番は「ポータルをやめる」より先に「自前の集客基盤を育てる」こと
昼休みに整理する「ポータル依存チェック」
午後の面談前に、私自身がクライアントの状況を整理するために使っているチェック項目があります。読者の皆さんも、自店の状況を照らし合わせてみてください。
チェックポイント1:新規来店の何割がポータル経由か
新規来店のうち60%以上がポータル経由の場合、そのプラットフォームが一時停止・値上げされると即座に経営に影響します。特定の集客チャネルへの依存率が高い状態は、リスク管理の観点から見直しが必要です。
✅ ポイント:Googleビジネスプロフィール(Googleマップ上の店舗情報)経由の来店数を計測し始めることが第一歩。現状把握なくして改善なしです。
チェックポイント2:クーポン・割引で来た客のリピート率を把握しているか
ポータル経由の新規客はクーポン目当てのケースが多く、リピート率が低い傾向があります。来店単価は上がっても、常連化しないと長期的な利益に結びつきません。
✅ ポイント:割引で集めた新規客と口コミで来た新規客では、利益の残り方が根本的に異なります。口コミ経由の客は来店前から店への信頼度が高く、リピートにつながりやすいのです。
チェックポイント3:Googleマップの口コミ数と評価を直近3ヶ月で確認しているか
MEO対策(Googleマップ上での店舗表示の最適化)を行っていない店舗は、検索結果でポータルサイトのページに埋もれてしまいます。自店のGoogleビジネスプロフィールの表示回数・クリック数を把握していない場合は要注意です。
✅ ポイント:Googleビジネスプロフィールの管理画面で「インサイト」を確認するだけで、どれだけの人が地図上で自店を見ているかが無料でわかります。まずここから始めましょう。
午後の面談で見えてきた「楽しく繁盛した店主」の共通点
午後の面談では、すでにポータル依存から脱却して成果を出しているクライアントさんとの定例ミーティングが入ることも多いです。この日は、コワーキングスペースを運営するオーナーとの面談でした。
このオーナーさんは8ヶ月で売上+589%を実現された方ですが、数字よりも印象的だったのは「最近、スタッフが自分から口コミへの返信文を考えてくれるようになった」という言葉でした。
「ポータルに依存していたころは、広告費のことばかり気になって、スタッフにも余裕がなかった。MEOに切り替えてから、お客様との関係が変わった気がします。口コミを通じて会話が生まれて、スタッフも楽しそうになってきた」
コワーキングスペース経営者(40代・男性)
これが「楽しく繁盛している」状態だと私は思っています。数字の改善は手段であって、ゴールではない。スタッフが自分事として集客に関わり、お客様との関係が育っていく——そういう店舗が、結果として地域に愛されて利益も残る構造になっていきます。
同様に、工務店では年間受注50件増、学習塾では地方から首都圏進出という成果が出ていますが、いずれも「広告費を増やした」わけではありません。Googleマップ上での露出と信頼の積み上げ、そして人柄が伝わる発信を地道に続けた結果です。
笑人流に言うと、MEOの運用は「真面目な情報発信」と「人柄が伝わる発信」を5:5で回すことが大切です。営業時間や住所といった基本情報の整備(真面目な発信)だけでなく、「うちのスタッフはこんな人です」「今日はこんなお客様に喜んでもらいました」という温度感のある投稿(人柄が伝わる発信)が、検索した人の「ここに行きたい」という感情を動かすのです。
夕方・一日を振り返りながら「自前集客への移行」3ステップを整理する
15時の業務終了前に、私は必ずその日の気づきをメモします。この日の気づきは「ポータル依存からの脱却は、段階を踏めば怖くない」ということです。一日の面談を通じて、実際に移行に成功した店主さんたちのプロセスには共通の流れがありました。
自前集客への移行 STEP 1
Googleビジネスプロフィールを「育てる」ことから始める
ポータルをすぐにやめるのではなく、まず並行してGoogleビジネスプロフィールの整備と口コミの蓄積を始めます。写真の追加、営業時間・メニューの更新、投稿機能の活用——これらを週1回のルーティンとして組み込むだけで、3ヶ月後には検索表示回数が変わり始めます。
⚠️ よくある失敗:最初から完璧な情報を揃えようとして手が止まる。まず「今ある情報」で公開し、少しずつ更新する習慣をつけることが大切です。
自前集客への移行 STEP 2
口コミ設計で「来店前の信頼」を積み上げる
口コミの数と質は、Googleマップ上での表示順位に直接影響します(MEO対策の核心のひとつです)。お客様が自然に口コミを書きたくなる「仕掛け」を店内に組み込むこと。レジ横のPOPひとつでも、書き方次第で口コミ誘導の効果が変わります。ここに笑人流のエンタメ要素を入れると、お客様が「この店らしい」と感じてくれます。
⚠️ よくある失敗:口コミをお願いするタイミングが遅い。会計後ではなく、お客様が満足している「その瞬間」に自然に案内できる動線をつくることが重要です。
自前集客への移行 STEP 3
Googleマップ経由の来店数が安定したら、ポータルの費用対効果を再評価する
MEO経由の来店数が月間の新規客の30〜40%を超えてきたら、ポータルの掲載プランを見直す段階です。全廃ではなく「必要な媒体だけに絞る」という判断でも構いません。大切なのは、MEO対策の費用対効果を利益ベースで計算して、どちらが手元に残るお金を増やすかを数字で判断することです。
⚠️ よくある失敗:感情的にポータルをやめてしまい、移行期の売上が落ちて慌てる。段階的な移行が鉄則です。
まとめ:手数料に消えていた利益を、店主の笑顔に変える
この一日を通じて伝えたかったことは、シンプルです。
ポータルサイトは悪いツールではありません。でも、依存している限り「利益はポータルのもの、作業は自分のもの」という構造から抜け出せません。
私がコンサルタントとして21年間で出会ってきた「楽しく繁盛している」店主さんたちに共通しているのは、広告費を削ることで浮いたお金をスタッフへの投資や店舗体験の向上に回していたことです。スタッフが楽しそうな店には、お客様が集まります。お客様が集まると口コミが生まれます。口コミが生まれると、お金をかけずに新規客が来ます——この循環こそが、「売上より利益」を実現する自前集客の本質です。
私自身、お笑い芸人時代に学んだのは「笑いは作れる」ということです。商売繁盛も同じで、「楽しく繁盛する店」は偶然できるものではなく、意図してつくるものです。ポータルの手数料に消えていた利益を取り戻し、その分を「地域に愛される店づくり」に使い始めたとき、経営の景色は確実に変わります。
ぜひ、参考にしてみてください。