先日、ある眼科クリニックのオーナー様からこんなご相談をいただきました。「スタッフにGoogleビジネスプロフィールの投稿作業を任せたいんだけど、オーナーのGoogleアカウントを共有するのは怖くて……。そもそも複数人で管理できるんですか?」
結論から言うと、Googleビジネスプロフィール(以下GBP)は複数人がそれぞれ自分のGoogleアカウントのままオーナー権限または管理者権限を持つことができます。アカウントを使い回す必要はありません。ただし、権限の種類によってできることが異なるため、「誰に・どの権限を渡すか」の設計が大切です。
そしてもう一点。今回の記事では、この「権限管理」という入口から、ホットペッパーや食べログといったポータルサイト依存を脱却するための自前集客の土台づくりまで一緒にお伝えします。複数人でGBPを運営できるようになることは、ポータルからの卒業を加速させる重要な一手になるからです。
📋 この記事でわかること
- GBPの権限の種類(オーナー・管理者・サイト管理者)と、それぞれができること
- 複数人を管理者に追加する具体的な手順
- ポータル依存から抜けるためにGBP複数人運用がなぜ有効なのか
- GBPを軸にした「自前集客3本柱」の組み立て方
こんな方におすすめ
- ✅ スタッフにGBPの投稿や口コミ返信を任せたい店舗オーナーの方
- ✅ ホットペッパー・食べログの掲載料に限界を感じている飲食店・美容室の経営者の方
- ✅ 複数店舗を展開していて、GBPの管理コストを下げたい方
- ✅ 2026年のAI検索時代に向けて、GBPの運用品質を底上げしたい方
- ✅ スタッフに権限を渡すときのセキュリティリスクが気になっている方

GBPの権限には何種類あり、何が違うのか?
GBPの権限は大きく3種類あります。それぞれの役割を正しく理解することが、安全な複数人運用の第一歩です。
チェックポイント①:オーナー権限
最上位の権限です。ビジネス情報の編集、管理者の追加・削除、GBPそのものの削除・オーナー移管など、すべての操作が可能です。原則としてオーナー(経営者本人)だけが持つべき権限です。なお「プライマリオーナー」は1名だけで、追加できる「オーナー」は複数名設定可能です。
✅ ポイント:スタッフに「オーナー権限」を渡すのは避けてください。万が一、退職後にアカウントを削除される・情報を改ざんされるリスクがあります。Googleビジネスプロフィールの情報改ざんを防ぐ方法も合わせて確認しておくことをおすすめします。
チェックポイント②:管理者権限
投稿作成・写真追加・口コミへの返信・営業時間の更新など、日常的な運用業務はほぼすべてこなせます。他の管理者の追加・削除はできません。スタッフに渡す権限としては、この「管理者」が最適です。
✅ ポイント:スタッフの入退社のたびに権限を見直す運用ルールを決めておくことが重要です。退職したスタッフが管理者のままになっているケースは意外に多く、情報漏洩やなりすまし投稿のリスクにつながります。
チェックポイント③:サイト管理者権限
GBPの「ウェブサイト」機能(Googleが提供する簡易ウェブサイト)の編集のみが可能な権限です。ビジネス情報の編集や口コミ返信はできません。現在はGoogleのウェブサイト機能自体が終了しているため、実務上はほぼ使われない権限です。
✅ ポイント:新規に設定する必要はありません。既存のサイト管理者が残っていれば、不要であれば削除しておきましょう。
✓ ここまでのポイント
- GBPの権限は「オーナー(経営者)」と「管理者(スタッフ)」の2種類を使い分けるのが基本
- スタッフに渡すのは「管理者権限」に留め、オーナー権限は経営者が保持する
- 退職スタッフの権限は必ず即日削除するルールを社内で決めておく
複数人を管理者に追加するには、どうすればいいのか?
手順はシンプルです。スマートフォンの「Googleマップ」アプリまたはPCブラウザの「Google Search」どちらからでも操作できます。
管理者を追加する STEP 1
GBPの管理画面を開く
Googleマップで自店舗を検索し、オーナーアカウントでログインした状態で「ビジネスを管理」をクリックします。PCの場合は「business.google.com」からも直接アクセスできます。
⚠️ よくある失敗:Googleアカウントが複数あり、GBPを登録したアカウントと別のアカウントでログインしているケース。「ビジネスを管理」のボタンが表示されない場合はアカウントの切り替えを確認してください。
管理者を追加する STEP 2
「ユーザー」メニューから招待する
管理画面の「設定(歯車アイコン)」→「ビジネスプロフィールの設定」→「ユーザーと権限」の順に進みます。「ユーザーを追加」をクリックし、追加したいスタッフのGmailアドレスを入力、権限を「管理者」に設定して招待を送信します。
⚠️ よくある失敗:GmailアドレスではなくプライベートのYahooメールを入力してしまうケース。招待を受け取るにはGoogleアカウント(Gmail)が必須です。スタッフに業務用Gmailを作成してもらうと管理もしやすくなります。
管理者を追加する STEP 3
スタッフ側で招待を承認してもらう
招待されたスタッフのGmailに招待メールが届きます。メール内のリンクから承認すれば、そのスタッフは自分のGoogleアカウントのままGBPの管理者として操作できるようになります。
⚠️ よくある失敗:招待メールに気づかずに放置するケース。迷惑メールフォルダに入っていることもあります。招待後は口頭でも確認を促すひと手間が大切です。
「複数人でGBPを運営できるようになると、口コミへの返信スピードが格段に上がります。ポータルサイトの広告費を払いながら自前の集客基盤も育てるのが、脱ポータルへの現実的な道筋です。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・MEO集客コンサルタント)
なぜ複数人運用がポータル依存脱却につながるのか?
「掲載料が毎年上がっていく。クーポン目当ての一見客ばかりでリピートにならない。でもやめたら客足が落ちそうで怖い」——この悩みは、静岡市清水区のクライアント様だけでなく、全国の飲食店・美容室・整骨院の経営者から毎月のようにいただく声です。
ポータルをやめた後に売上が落ちるのは、やめ方の問題ではなく準備不足の問題です。自前の集客柱が育っていない状態でポータルを止めると、集客の受け皿がなくなるので当然売上は落ちます。大切なのは6ヶ月程度の助走期間を設けて、3本柱を並行して育てることです。
❌ よくある失敗パターン
- 「掲載料がもったいない」と思い立ったその月にポータルを解約してしまう
- GBPは登録しているが更新が止まっており、口コミも放置状態
- InstagramやLINE公式を開設しているだけで、集客設計ができていない
✅ 推奨アプローチ:3本柱を同時並行で育ててからポータルを卒業する
- 第1柱:GBPのMEO最適化——写真・投稿・口コミ返信・サービス一覧の整備を複数人で分担して継続投稿する
- 第2柱:Instagram連携によるサイテーション(言及)拡張——GBPとInstagramを連動させ、ブランド名の露出を増やす
- 第3柱:LINE公式・ニュースレターでのリピート設計——一度来店したお客様が自然と戻ってくる仕組みを作る
この3本柱を複数人で担うためには、GBPの管理者権限を適切にスタッフへ分配することが前提になります。「投稿はAさん、口コミ返信はBさん」という役割分担が現実的に機能するのは、複数人運用の設定を済ませておいてこそです。
なお、GBPへの写真投稿枚数とMEO順位の関係については別記事で実測データをまとめています。スタッフへの作業分担を設計する際の参考にしてください。
実際の数字で見てみましょう:GBP複数人運用で成果が出た事例
「仕組みの話は分かった。でも本当に効くの?」——そう感じる方のために、実際のクライアント様の数字をご紹介します。
「GBPの運用をスタッフと分担して継続したところ、9ヶ月でコンタクトレンズの販売数が2倍になり、問い合わせ件数が+1,875%になりました。ポータルへの依存度が高かった以前と比べると、今は自分たちのペースで集客をコントロールできている実感があります。」
眼科クリニック オーナー様(9ヶ月支援)
「ホットペッパーへの掲載をやめることへの不安はありましたが、GBPを軸にした自前集客の仕組みを整えたことで、10ヶ月で売上+297%、問い合わせ件数+300%を達成できました。」
葬儀社 経営者様(10ヶ月支援)
特に眼科の事例は印象的でした。オーナー院長お一人では口コミ返信も投稿も追いつかない状況から、受付スタッフ2名を管理者に追加して役割を分担。週3回の投稿ペースを6ヶ月以上継続できたことが、問い合わせ件数+1,875%という数字につながっています。
葬儀社の事例でも同様です。「いざというとき」に検索されるこの業種では、GBPの情報が常に最新で・口コミに誠実な返信があり・写真が豊富であることが信頼の証になります。複数人運用により、これらの更新が途切れなくなったことが成果の背景にあります。
「GBPは『作って終わり』のツールではありません。チームで継続的に育てていくもの。そのために複数人の管理体制を整えることは、集客基盤への最初の投資です。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・MEO集客コンサルタント)
権限を渡した後、運用品質をどう揃えるのか?
スタッフに管理者権限を渡しても、「投稿の内容がバラバラ」「口コミ返信の文体が人によって違う」という問題が起きがちです。複数人運用の効果を最大化するには、運用マニュアルを1枚にまとめた「GBP運用ルールシート」を作ることが最短の解決策です。
ルールシートに盛り込む内容は最低でも4点です。①投稿のトーン(堅い・柔らかい・絵文字の使い方)、②口コミ返信の基本テンプレート、③祝日・臨時休業時の特別営業時間の設定ルール、④写真投稿時の構図・サイズのガイドライン。この4点を決めておくだけで、スタッフが替わっても運用品質が維持されます。
笑人流に言うと——「GBPはお店の顔。スタッフが交代でレジに立つときと同じで、誰が対応しても同じサービス品質を出せる仕組みを作ることが、経営者の仕事です」。
まとめ:権限管理はポータル卒業への入口
Googleビジネスプロフィールは、複数人がそれぞれのGoogleアカウントで管理者として運用できます。経営者はオーナー権限を保持し、スタッフには管理者権限を付与するのが基本の設計です。
そしてこの複数人運用体制を整えることは、単なる「作業分担の効率化」ではありません。ホットペッパーや食べログへの依存から抜け出すための自前集客——GBP・Instagram・LINE公式の3本柱——を継続的に育てるための、現実的な土台になります。
「ポータルをやめたいけど怖い」という方の多くは、一人でGBPを回そうとして更新が止まり、ポータル以外の集客基盤が育たないまま時間だけが過ぎているケースがほとんどです。まず権限設定を整え、チームでGBPを育てる体制を作ることから始めてみてください。
ぜひ、参考にしてみてください。