「売上はそれなりにあるのに、月末に通帳を見るとほとんど残っていない」「一生懸命やっているのに、なぜ利益が出ないのか分からない」——こういう状態が続いている経営者、正直かなり多いです。
さらに追い打ちをかけるのが、スタッフの様子。社長が疲弊しているのはもちろん、スタッフまで「なんとなく覇気がない」「言われたことしかやらない」という空気になってきて、なんとかしたいと感じているのに、何から手をつければいいか分からない——そんな状況ではないでしょうか。
結論からいうと、飲食店の利益率が低い経営者には5つの共通パターンがあります。そしてそれらは、スタッフのやる気や店の雰囲気とも深くつながっています。この記事では、そのパターンと対策を一つひとつ整理していきます。
📋 この記事でわかること
- 飲食店の利益率が低い経営者に共通する5つのパターン
- 利益が残らない状態がスタッフの士気にどう影響しているか
- スタッフが「一緒にやりたい」と思える店をつくるための具体的なアプローチ
- 値引きに頼らず価値で選ばれる状態に変えるための最初の一歩
こんな方におすすめ
- ✅ 売上はあるのに利益が残らないと悩んでいる飲食店オーナーの方
- ✅ スタッフが前向きに、誇りを持って働ける店にしたいと思っている方
- ✅ 値引き・グルメサイト依存から抜け出す方法を知りたい方
- ✅ 忙しく働いているのに手元にお金が残らない原因を突き止めたい方
- ✅ 利益率の改善と店の雰囲気づくりを同時に進めたい経営者の方

パターン①:なぜ「値引きで集客」が利益率を壊すのか?
飲食店の利益率が低い経営者に最も多いのが、集客の入り口を値引きに頼っているパターンです。グルメサイトのクーポン、食べ放題・飲み放題の低価格プラン、SNSでの割引告知——やることは理解できます。ただ、問題はそれが「習慣」になってしまうことです。
値引きで来たお客さんは、次も値引きを期待して来ます。正規価格に戻したとたん来なくなる。そしてまた次の値引きを打つ、という負のループに入ります。気づけば「うちの客単価、なぜこんなに低いんだろう」という状態になっている。
もう一つ見落とされがちな問題があります。それはスタッフへの影響です。安売りで呼んだお客さんが増えると、料理のクオリティを下げざるを得ない場面が出てきたり、スタッフが「この店の料理は安いもの」という認識を持ち始めたりします。誇りを持って料理を出せる環境が崩れていくんです。
❌ 値引き依存の集客パターン
- クーポン・割引で来た客が定着せず、毎月集客コストがかかり続ける
- 客単価が下がり、利益率が悪化する一方になる
- スタッフが「安売りの店」という認識を持ち、誇りが失われていく
✅ 価値で選ばれる集客への転換
- 料理のこだわり・ストーリーを発信し、価格に納得して来店するお客さんを増やす
- 客単価が上がることで、少ない来客数でも利益が残る構造になる
- スタッフが「うちの料理には価値がある」と実感できる環境が生まれる
値引きに頼らないと集客できない、原価の把握が感覚任せ——この記事を読んで「自分の店のことだ」と感じた部分があるはずです。売上を伸ばした会員さんが「何をどう変えたか」を語った実践者訪問インタビュー(134ページ)をはじめ、利益率改善のヒントになる書籍・レポート8冊が読めます。無料でアカウントを作成するだけで、すぐに読み始められます。
パターン②:原価・経費の把握が「なんとなく」になっていないか?
「原価はだいたい30%くらいで回っているはず」——この「はず」が危険です。中小企業庁の調査によると、原価を製品・商品・サービス単位で把握している事業者は約4割にとどまっています。裏を返せば、6割近くの経営者が原価を感覚で管理しているということです。
飲食店では食材ロス、スタッフのまかない、値引き販売した分のコスト——これらが「なんとなく」の中に埋もれています。月次の損益を見て「おかしいな」と思っても、どこで漏れているか特定できない。だから対策も打てない。
まず取り組んでほしいのは、メニューごとの原価率を1枚の紙に書き出すことです。感覚ではなく、数字で見る。それだけで「このメニューは売れても利益にならない」という事実が見えてきます。
パターン③:自分がいないと回らない「属人依存」はなぜ起きる?
利益率が低い経営者の多くが、同時に「自分が現場にいないと不安」という状態に陥っています。これは能力の問題ではなく、仕組みがないという構造上の問題です。
社長が現場にいる時間が長ければ長いほど、経営に使える時間がなくなります。新しい取り組みを考える時間、スタッフと将来の話をする時間、数字を見て戦略を練る時間——これらが全部なくなる。結果として、利益を改善する打ち手が何も打てないまま月日が過ぎていきます。
もう一つ、属人依存の怖さはスタッフに対してです。「社長がやる仕事」「スタッフがやる仕事」の境界線が曖昧なまま、指示待ちの文化が育ってしまう。これでは、スタッフが誇りを持って主体的に動ける環境は生まれません。
「自分がいないと回らない、という状態は、スタッフへの不信任通知を毎日出しているのと同じです。任せる仕組みをつくることが、スタッフの誇りを育てる第一歩になります。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士/繁盛店研究所 主宰)
✓ ここまでのポイント
- 値引き依存の集客は利益率を下げるだけでなく、スタッフの誇りも奪っていく
- 原価を「感覚」で管理している限り、利益率の改善策は打てない
- 属人依存は仕組みの問題であり、任せる仕組みがスタッフの主体性を引き出す
属人依存を抜け出して「任せる仕組み」をつくりたいと感じているなら、まず他の経営者がどのように変えたかを知ることが一番の近道です。実践者訪問インタビュー(134ページ)では、仕組み化によって利益率と働き方を同時に変えた事例が読めます。登録は無料で、メールアドレスだけで今すぐ受け取れます。
パターン④:「掲載をやめたら終わり」という依存状態から抜け出せているか?
グルメサイトやホットペッパーへの掲載費が、毎月の固定コストとして重くのしかかっている——そういう経営者は飲食店にも美容室にも非常に多いです。掲載をやめる勇気が持てないから、掲載費を払い続ける。でも掲載費が利益を圧迫して、手元に残るお金が減り続ける。
ここで紹介したいのが、繁盛店研究所の会員さんの事例です。
「掲載をやめたら終わり、という恐怖がずっとあった。でも自力でリピーターを増やす仕組みをつくってから、掲載費を抑えて利益率が改善できた。次回予約でリピートが安定して、あの恐怖が消えました。」
カラー特化サロン(女性・30代)
これは美容室の事例ですが、飲食店でも全く同じ構造があります。グルメサイトに乗っている間は集客できているように見えても、そこへの依存度が高いほど価格決定権を失い、客単価も利益率も低いままになります。
自力でリピーターを増やす仕組みをつくる——具体的にはLINE公式アカウントの活用、次回来店への橋渡しトーク、スタッフが自然に「また来てもらえる関係」を築けるような仕組みです。これができると、掲載費を徐々に下げながら利益率を改善していくことができます。
飲食店の客単価が低い状態から抜け出せているか、今すぐできる見直しのチェックも参考にしてみてください。
パターン⑤:スタッフが「誇りを持って働ける環境」がないと、なぜ利益率が下がるのか?
ここが、多くの経営者が見落としている視点です。利益率の話をすると、多くの場合「コストを下げる」「客数を増やす」という方向に思考が向きます。でも実は、スタッフが誇りを持って働けているかどうかが、利益率に直結します。
理由は明快です。誇りを持って働いているスタッフは、お客さんへの提案が自然と積極的になります。「このメニューは本当においしいですよ」「こちらもぜひ試してみてください」——そういう一言が客単価を上げ、リピート率を高め、口コミにつながります。一方で、士気の低いスタッフは最低限の接客しかしない。同じ人件費を払っているのに、生み出す売上が全然違う。これが利益率の差になって現れます。
チェックポイント1:社長はスタッフに「この店の未来」を語れているか?
「来月の売上目標」だけを共有しても、スタッフは動きません。「3年後にこういう店にしたい」「お客さんにこういう体験を届けたい」というワクワクする未来を社長が語れているかどうか——これがスタッフの誇りの源泉になります。
✅ ポイント:月1回でもいい。スタッフとの対話の中で、数字の話だけでなく「この店で実現したいこと」を伝える時間を意図的につくること。
チェックポイント2:スタッフが「一緒に実現したい」と思える目標になっているか?
社長だけが思い描いている未来は、社長だけのものです。スタッフが「自分もその目標の一部を担っている」と感じられるかどうかが、主体的な行動の分かれ目になります。
✅ ポイント:目標を「売上◯◯万円」ではなく「お客さんにこういう体験を届けられている」という形で語ること。スタッフが自分の仕事との接点を見つけやすくなります。
チェックポイント3:スタッフに任せる仕組みができているか?
いくら良い未来を語っても、社長が全部を抱え込んでいたら、スタッフは「自分には関係ない」と感じます。任せる仕組みをつくることが、スタッフの誇りと主体性を育てる実務的な土台です。
✅ ポイント:まず1つの業務を工程に分解してみること。「社長がやっていた仕事」をスタッフに引き継げる形にするだけで、スタッフの関与感は大きく変わります。
飲食店経営で一人で抱え込むオーナーに共通するパターンについても、あわせて読んでみてください。仕事を手放す最初の一歩のヒントがあります。
「利益率が低い店は、スタッフが『言われたことだけやる』モードになっていることが多い。それは能力の問題じゃなくて、社長が未来を語っていないサインです。ワクワクする目標を共有した瞬間、店の空気は変わります。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士/繁盛店研究所 主宰)
まとめ:利益率の改善は「仕組みと認識」の問題です
飲食店の利益率が低い経営者に共通する5つのパターンを振り返ると、どれも「能力が足りない」という話ではないことが分かります。値引き依存、原価管理の甘さ、属人依存、外部プラットフォームへの依存、そしてスタッフが誇りを持てない環境——これらはすべて、構造と認識の問題です。
逆にいえば、構造を変えて認識を変えれば、利益率は必ず改善できます。そしてその過程で、スタッフが「この店で働いていて誇らしい」と感じられる環境が生まれます。それが、また客単価を上げ、リピートを増やし、利益率をさらに高めていく。そういう好循環をつくることが、社長の本当の仕事です。
「儲かるアイデアと儲かる仕組みをつくるのが社長の仕事」——まずは今日、自分の店の「5つのパターン」のどこに当てはまるかを確認するところから始めてみてください。
飲食店の労働時間が長い経営者が時間を取り戻す手順と考え方も、仕組みをつくる最初の一歩として参考になります。
スタッフが誇りを持って働ける店にするには、社長自身が「未来を語れる状態」になる必要があります。行動収益化法の動画講座では、未来デザインマップを使って望む店の姿を完了形で描き、逆算して日々の行動に落とし込む方法を全8本・約6時間17分で学べます。視聴期限なし、スマートフォンからでも繰り返し見られます。