労働基準法が定める年間休日の最低基準は105日。一般的な会社員の年間休日は120日前後と言われています。
では、飲食店オーナーはどうか。「休みを取ったら売上が落ちる」「自分がいないと店が回らない」という状態で、年間を通して休日が数えるほどしかない、というオーナーに何人も会ってきました。
でも、ここで正直に言います。
休めないのは、あなたが頑張り屋だからではありません。構造の問題です。
今日は僕・ハワードジョイマンが繁盛店研究所でどんな一日を過ごしているか、その流れに乗せながら、「休めない飲食店オーナーが変わった舞台裏」をお伝えします。
📋 この記事でわかること
- 飲食店オーナーが「休めない」状態に陥る、本当の構造的な原因
- 焼肉店オーナー(40代男性)が月商420万→560万に伸ばしながら週2日の休みを確保した変化の舞台裏
- 「頑張る量=売上」から抜け出すための仕組みと単価設計の考え方
- 今日から使える、時間を捻出するための行動の絞り込み方
こんな方におすすめ
- ✅ 毎日店に出続けているのに、手元にお金が残らないと感じている飲食店オーナー
- ✅ 「休みを取ると売上が落ちる」という状態から抜け出したい方
- ✅ スタッフに任せたいのに、うまく手放せずに抱え込んでいる方
- ✅ 働く時間を減らしながら、売上も伸ばす方法を知りたい方
- ✅ 値引きに頼らず、価値で選ばれるお店にしていきたい飲食店経営者

朝10時、デスクに向かう前に自分に問いかけること
繁盛店研究所の営業は朝10時から始まります。
僕がまず最初にやることは、スマホを開いてSNSをチェックすることでも、メールの返信でもありません。「今日やることのうち、利益に直結しないものはどれか」を考えることです。
かつての僕は、役所を辞めて独立し、開業2年半で全財産を失いました。初年度の年商は269万円。翌年はさらに落ち込みました。あの頃の僕は「頑張れば頑張るほど結果が出るはずだ」と信じていました。でも、現実は違った。頑張る方向が間違っていたんです。
そのどん底から這い上がるときに気づいたのが「今の現実は100%自分が作り出している」という考え方でした。売上が上がらないのも、休めないのも、誰かのせいでも環境のせいでもなく、自分がそういう構造を選んでいる。そこに気づいたとき、行動の質が根本から変わりました。
飲食店オーナーが休めない理由も、多くの場合ここに行き着きます。「自分がいないと回らない」のは、あなたの能力の問題ではなく、オーナー自身が「舞台裏の仕組み」をまだ設計していないからです。
「自分がいないと回らない」という状態が、能力ではなく構造の問題だと感じ始めているあなたへ。売上を伸ばしながら休みを確保した実践者たちが「何をどう変えたか」を聞いた訪問インタビュー(134ページ)や、経営の仕組みを整えるための書籍8冊が読めます。無料でアカウントを作るだけで、すぐに読み始められます。
午前中の相談で気づいた、焼肉店オーナーの「思い込み」
ある日の午前中、40代の焼肉店オーナーとオンライン面談をしました。最初の言葉がこれでした。
「うちは僕がいないとダメなんです。スタッフに任せると質が落ちる。だから休めない」
この言葉、聞いたことありませんか。または、自分で言ったことがありませんか。
でも、ここが落とし穴です。「任せると質が落ちる」というのは、事実ではなく認識です。任せるための仕組みが整っていないだけで、それはオーナーが設計していないことの裏返しでもある。
この方、当初の月商は420万円。決して少なくない数字です。でも、休日はほぼゼロ。値引きクーポンでリピーターを繋ぎ止めていたため、客単価も伸びていなかった。
「値引きをやめたら客が離れると思っていた。でも離れたのは、安さ目当てのお客さんだけでした。常連さんはむしろ、うちの料理の価値をちゃんと分かってくれていた」
焼肉店オーナー(40代・男性)
この方が変わるきっかけは、「頑張る量」を増やすことではありませんでした。「やらないこと」を決めることから始まりました。
✓ ここまでのポイント
- 「休めない」状態は能力の問題ではなく、仕組みが設計されていないことが原因
- 「任せると質が落ちる」という思い込みが、オーナーの時間を奪い続けている
- 値引きをやめることは、客を失うことではなく「選ばれる理由」を変えること
「やめる行動」を見つけ、単価を上げ、設計する時間を作る——この流れを自分のお店で実際にやるための手順が知りたいなら、動画講座「行動収益化法」が役に立ちます。1週間の行動分析で利益に直結しない行動を特定する方法や、作業を分解してスタッフに委譲する手順を、未来デザインマップと曼荼羅シートを使いながら全8本・約6時間17分で学べます。有料教材ですが、一括払いのほか分割払いも選べます。
昼休み後、「やめる行動」を見つけるプロセスを整理する
13時を過ぎると、僕は午後の時間を「整理」に使います。クライアントの行動を一緒に棚卸しするのも、この時間帯が多い。
焼肉店のオーナーと取り組んだのも、まずここからでした。1週間の行動を書き出してもらい、「それは利益に直結しているか?」を一つひとつ問い直す作業です。
すると出てきました。電話対応、仕入れ業者との個別交渉、手書きのPOP作り、予約表の管理……。これらの多くは、スタッフに渡せるもの、仕組み化できるものでした。
行動には6つの選択肢があります。
チェックポイント①:その行動は「なくせる」か
そもそもやらなくていい作業が日常に紛れ込んでいることは多い。「慣例だからやっている」だけの作業を特定します。
✅ ポイント:先週やったことを書き出して「これがなくても売上に影響するか?」を問い直してみる。
チェックポイント②:その行動は「任せられる」か
オーナーにしかできない仕事と、スタッフでもできる仕事を分けていない状態が、属人依存の根本原因です。
✅ ポイント:「自分がやるべき理由」を言語化できない作業は、まず任せてみる。最初だけ手本を見せれば8割はできるようになる。
チェックポイント③:「速める」か「集約する」余地はあるか
仕入れ業者を複数使っている場合、集約することで週に何時間もの移動・連絡コストが消えることがあります。焼肉店のオーナーはこれだけで週3時間近くを取り戻しました。
✅ ポイント:同じ目的の行動が分散していないかを確認する。まとめられるものはまとめる。
朝から晩まで時間に追われていた飲食店オーナーが変わるまでのプロセスを別記事でも書いていますので、あわせて参考にしてみてください。
「売上を守る」から「単価を上げる」へ、午後の設計時間
時間を捻出したあと、何に使うか。ここが経営者の腕の見せどころです。
焼肉店のオーナーは、捻出した時間をメニューの見直しに使いました。値引きクーポンで引き付けていた集客をやめ、代わりにこだわりの仕入れルートを使った季節の希少部位コースを設けた。そして、それを丁寧に伝える仕組みを作った。
❌ よくあるパターン:値引きで集客を維持する
- 安さ目当てのお客さんが集まり、価格競争から抜けられない
- 客単価が上がらないので、来客数を増やすしかなくなる
- 来客数を増やすためにオーナーが現場に張り付き続ける悪循環が生まれる
✅ 推奨アプローチ:価値を設計して単価を上げる
- 「なぜうちで食べるのか」を言語化し、それに共感するお客さんが来るようになる
- 客単価が上がるため、来客数が多少落ちても売上と利益が安定する
- スタッフが「うちの店の価値」を説明できるようになり、オーナーが不在でも対応できる体制になっていく
「儲かるアイデアと儲かる仕組みをつくるのが社長の仕事です。現場で体を動かし続けることが社長の仕事じゃない。それに気づいた瞬間から、時間の使い方が変わります」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店研究所代表)
焼肉店オーナーのその後の結果は、月商420万円から560万円へ。そして、週2日の休みを確保するようになりました。売上を伸ばしながら、休みも増えた。矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、構造を変えれば両立できます。
15時、一日を締めくくる「15分」に何をするか
繁盛店研究所の営業は15時に終わります。でも、その最後の15分の使い方が翌日を決めます。
今日やったことを振り返り、「明日やめる行動はあるか」「明日、利益に直結することに使える時間は何分あるか」を確認する。この小さな習慣が、積み重なって経営者の時間を変えていきます。
飲食店のオーナーにも、同じことをお伝えしています。閉店後に疲れ果ててそのまま帰るのではなく、15分だけ「明日の設計」をする。それだけで経営者としての動き方が変わってきます。
「休める経営者」と「休めない経営者」の差は、能力でも体力でも運でもありません。一日の中に「設計する時間」があるかどうか、ただそれだけです。
飲食店の売上が頭打ちになったとき、最初に見直すべき3つのことも参考になりますので、ぜひ読んでみてください。
まとめ:「頑張る量=売上」という方程式を書き換える
休めない飲食店オーナーの多くが、「もっと頑張らないといけない」という方向に力を向けています。でも本当に必要なのは、頑張る方向を変えることです。
やめる行動を決める。任せる仕組みを作る。値引きではなく価値で単価を上げる。捻出した時間を「設計する時間」に使う。この順番で動いた焼肉店オーナーは、売上を伸ばしながら休みを手に入れました。
これは特別な才能でも運でもありません。構造を変えた結果です。
あなたのお店でも、同じことができます。まず「今週やったことの中で、利益に直結しないものはどれか」を書き出すことから始めてみてください。
「繁忙期じゃなくて、繁盛期。忙しいんじゃなくて、大人気。言葉を変えると、見えてくる景色が変わります」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店研究所代表)
繁盛店研究所では、創業21年・全国500名の経営者が参加する会員制コミュニティ「増益繁盛クラブ」と、動画講座「行動収益化法」を通じて、飲食店・美容室オーナーの経営の仕組みづくりをサポートしています。
「頑張る量=売上」という方程式から抜け出したいなら、次の一手は仕組みと単価の設計です。「行動収益化法」では、認識を変えるところから始まり、逆算で日々の行動に落とし込むまでの流れを、ワークシートを使いながら実践できます。お申し込み後すぐに全動画を視聴でき、視聴期限はありません。