結論から言います。飲食店オーナーが「時間がない」状態から抜け出すのに、必要なのは努力量を増やすことではなく、やることを減らす判断力です。
朝10時に事務所に入るとき、ジョイマンの頭の中にはすでに「今日やること」と「今日やらないこと」の両方がある。どちらも意図的に決めている。これが21年間、飲食店・美容室オーナーの経営を支援し続けてきた繁盛店研究所の、時間管理の起点です。
この記事では、ジョイマン自身の一日の動き方を追いながら、「追われる経営者」が「設計する経営者」に変わるまでの道筋を具体的にお伝えします。難しいツールは一切いりません。今日の夜から使える視点です。
📋 この記事でわかること
- 「時間がない」の正体——問題は忙しさではなく行動の構造にある理由
- 朝・昼・夕方の時間帯ごとに、利益に直結しない行動をどう手放すか
- 仕組み化で「任せられる時間」を増やした和食店オーナーの実例
- 今夜15分でできる、時間を取り戻す最初の一手
こんな方におすすめ
- ✅ 開店から閉店まで現場を離れられず、経営者として考える時間がない方
- ✅ 休日も仕込みや事務作業に追われ、家族や自分の時間を犠牲にしている方
- ✅ スタッフに任せたいのに、任せ方がわからず結局自分でやってしまう方
- ✅ 「忙しいのに手元にお金が残らない」という矛盾に気づき始めた方
- ✅ 仕事の仕方を根本から変えたいが、何から手をつければいいか分からない方

朝イチの30分が、一日の質を決める
ジョイマンが事務所に着くのは毎朝10時ちょうど。そこから最初にやることは、メールのチェックでも電話への折り返しでもない。「今日の行動リストを確認し、直結しない行動に線を引いて消す作業」だ。
これ、笑えない話なんですよ。多くの飲食店オーナーに「今日の一日を振り返ってみてください」と伝えると、「忙しかった」と言うわりに、売上に直結した行動は2〜3個しかない。残りは「なんとなくやった」か「誰かに頼まれた」作業で埋まっているんです。
朝の30分でやること、ただ一つ。「今日の行動の中に、利益に直結しないものが混じっていないか」を確認する。これだけで、一日の密度がまるで変わります。
「飲食店オーナーが口にする『時間がない』の9割は、時間が足りないんじゃなくて、直結しない行動で時間を使い切っているんです。原因を外に探している間は、何も変わりません。」
ハワードジョイマン(繁盛店研究所 主宰・中小企業診断士)
自分自身、破産から再起を果たしたあの時期、一番最初に変えたのはこの朝の習慣でした。「何をやるか」より「何をやらないか」を先に決める。これが、24時間を設計する経営者への第一歩です。
「直結しない行動を手放す」と頭では分かっていても、自分の一日のどこにそれが潜んでいるかは、なかなか見えないものです。売上を伸ばした会員さんが「何をどう変えたのか」を直接語った実践者訪問インタビュー(134ページ)と、時間の捻出・仕組み化のヒントが詰まった書籍8冊が無料で読めます。メールアドレス一つで今すぐ受け取れます。
午前中——「経営者の仕事」に集中する時間帯
ジョイマンの午前中(10時〜12時)は、クライアントとの面談か、教材・コンテンツの制作に充てている。どちらも「明日の売上ではなく、3ヶ月後・1年後の売上をつくる行動」だ。
飲食店オーナーに置き換えると、この時間帯にあたるのは何か。仕込みでも発注でもない。「次の繁盛期に向けたメニュー設計」「スタッフに任せるための手順書づくり」「新規集客の導線を見直す時間」——つまり、現場を離れて経営者として考える時間です。
でも実際には、この時間帯にオーナーは何をやっているか。発注、仕込み、スタッフへの指示、急なクレーム対応……。どれも「今日の営業を回す」ための行動です。必要ですよ、もちろん。でも、それを全部オーナーがやらなければいけないかどうか、一度立ち止まって考えてほしいんです。
飲食店オーナーが時間を作る具体的な手順でも詳しく書きましたが、「今自分がやっている作業のうち、スタッフや仕組みに置き換えられるものはどれか」を書き出すだけで、多くのオーナーが「あ、これ自分じゃなくてもよかった」と気づきます。
昼休憩——「手放す練習」の場にする
13時から再開するジョイマンの午後は、会員コミュニティのサポートや個別コンサルに充てることが多い。そこで毎回のように出てくる言葉が「社長、それ本当に社長がやらないといけないですか?」という問いかけだ。
先日も、50代の和食店オーナーとのやり取りがありました。月商80万円を上乗せして、仕組み化で現場をスタッフに任せられる時間が増えた方なんですが、最初にお話を聞いたとき、その方が自分でやっていたのは驚くほど多岐にわたっていました。仕込みの段取り、発注、シフト管理、お客様への連絡、SNS投稿……全部自分。
「仕組み化で現場を任せられる時間が増えました。抱え込みグセが減って、ようやく経営に集中できるようになった気がします。」
和食店オーナー(50代・男性)
この方が変わるきっかけになったのは、「一日の行動を書き出して、それぞれを6つに分類する」というシンプルな作業でした。なくせる、任せられる、外注できる、変えられる、速められる、まとめられる——この6つの視点で自分の行動を見直すと、「社長じゃなくてよかった仕事」が次々と浮かび上がるんです。
「抱え込みグセ」というのは、能力の問題じゃない。「自分がやらないと心配」という認識の問題です。その認識が変わるだけで、行動は変わります。
✓ ここまでのポイント
- 「時間がない」の正体は、利益に直結しない行動で時間を埋めていること。朝イチで「やらない行動」を決める習慣が起点になる。
- 午前中の時間を「経営者の仕事」に使えているかどうかが、売上の天井を決める。現場作業はスタッフや仕組みに移せないか確認する。
- 「抱え込みグセ」は能力ではなく認識の問題。6つの視点で行動を仕分けるだけで、手放せる作業が見えてくる。
「6つの視点で行動を仕分ける」「1日の締めくくり15分」——この記事で紹介した手法を、実際に自分の店に当てはめるための具体的なワークが動画講座「行動収益化法」に収録されています。1週間の行動分析で直結しない行動を特定し、やめる判断をする手順まで、全8本・約6時間17分で体系的に学べます。
夕方——一日の締めくくり15分が「明日の時間」をつくる
ジョイマンの一日は15時で終わる。いや、正確には「15時に今日の経営者としての仕事を終える」と表現した方が正確だ。
退勤前にやることは一つ。15分で今日の行動を振り返り、明日の「やらない行動」を決める。うまくいったこと、手放せた作業、まだ自分でやってしまった作業——これを書き留める。これだけ。
飲食店オーナーに伝えると、最初は「そんな時間ないです」と返ってくる。でも考えてほしいんです。「15分の振り返り」をやらないから、毎日同じ行動を繰り返して、毎日同じだけ時間を失い続ける。この15分は、消費する時間ではなく、明日の時間を生み出す投資です。
具体的にやることはシンプルです。
チェックポイント1:今日、自分じゃなくてもよかった作業はあったか
今日の作業を思い返して、「スタッフに任せられた」「手順を決めれば次は自分がいなくてよかった」ものを一つ書き出す。
✅ ポイント:一度に全部を変えようとしないこと。まず「一つだけ手放す」を繰り返すことで、任せられる体制が育っていきます。
チェックポイント2:明日の行動リストに「直結しない行動」が混じっていないか
翌日の予定を眺めて、「これは売上に直結するか」「これは自分がやる必要があるか」を確認する。
✅ ポイント:「なんとなくやってきた習慣」ほど、この確認で引っかかります。習慣は意図的に選び直さないと、ずっと時間を奪い続けます。
チェックポイント3:今日、経営者として考える時間は取れたか
「考える時間」は空けないと生まれない。明日、意図的に30分でも「現場から離れて経営者として考える時間」を確保できるか確認する。
✅ ポイント:この時間が取れていないオーナーほど、「忙しいのに手元にお金が残らない」状態が続きます。まずカレンダーに「考える時間」を入れることから始めてください。
「追われる経営者」が変わるのは、ある日突然ではない
ジョイマンが破産から再起を果たしたとき、劇的な転換点があったわけじゃない。「今の現実は100%自分が作り出している」という認識にたどり着いて、毎日の小さな行動の選択を変え続けた。その積み重ねが、一年後の現実を変えた。
飲食店オーナーが「追われる経営者」から「設計する経営者」に変わるのも同じです。ある日突然スケジュールが空くわけじゃない。毎日の「やらない」という選択が積み重なって、少しずつ時間が生まれてくる。
飲食店オーナーの働き方改革・完全ガイドでも書きましたが、時間を取り戻すプロセスには順番があります。まず認識を変える。次に、直結しない行動を特定する。そして一つずつ手放していく。この順番を飛ばして「仕組み化のテクニック」だけを入れても、長続きしません。
「仕組み化の前に、経営者自身が『自分じゃなくてもいい』と本気で思えるかどうか。ここが変わらないと、どんな手法を入れても元に戻るんです。」
ハワードジョイマン(繁盛店研究所 主宰・中小企業診断士)
経営の伴走支援が向いているオーナーの特徴についてもまとめていますので、「自分はどのタイミングで動くべきか」が気になる方はあわせて読んでみてください。
今夜、閉店後の15分でいい。今日の行動を一つだけ振り返って、明日「やらない行動」を一つ決める。それが、時間を取り戻す最初の一手です。
繁盛店研究所では、飲食店・美容室オーナーが時間を捻出し、価値で選ばれる経営をつくるための支援を、創業21年にわたって行ってきました。全国500名の経営者が参加する会員コミュニティ「増益繁盛クラブ」でも、今日お伝えしたような視点を日々の経営に落とし込むサポートを続けています。
「朝の30分」「15分の振り返り」だけ変えれば時間は動き始めます。ただ、この記事だけでは伝えきれなかった「認識の転換→行動の分解→仕組み化」の全体像を、ワークシートを使いながら自分のペースで学べるのが行動収益化法です。視聴期限なし・スマートフォン対応で、今夜から始められます。