「自分がいないと回らないんですよ、うちは」
ある日、私のところに相談に来た和食店の50代オーナーが、開口一番そう言いました。月商は安定しているように見えたけれど、話を聞くほどに実態が見えてくる。仕込みも段取りも発注も接客のクレーム対応も、全部自分がやっている。スタッフに任せようとすると「でも、うちの子たちには無理だから」「だって、自分がやった方が早いから」と、次々と"できない理由"が出てくる。
変わりたい、でも動けない。——この状態、あなたにも心当たりはないでしょうか。
今日は、私がなぜ飲食店オーナーに「現場を離れること」を強く勧めるのか、その理由とプロセスを正直に話させてください。
📋 この記事でわかること
- 「自分がいないと回らない」状態が続く、本当の理由
- 変わりたいのに動けない「現状維持機能」のしくみ
- 現場を離れるための最初の小さな一歩の踏み出し方
- 仕組み化で経営に集中できるようになった実際の変化
こんな方におすすめ
- ✅ 「自分がいないと店が回らない」と感じている飲食店オーナー
- ✅ 変わらなきゃと思っているのに、なかなか行動に移せない方
- ✅ スタッフに任せたいけれど、任せ方がわからない方
- ✅ 毎日現場に立ち続けることへの限界を感じ始めている方
- ✅ 経営者として次のステージに進みたいと思っている方

「でも」「だって」が口癖になっていませんか
冒頭の和食店オーナーとの話に戻ります。彼はとても腕のある料理人で、お客様からの信頼も厚い。でも、経営という視点で見ると、完全に「現場の人」になりきっていました。
私が「スタッフに段取りを任せてみましょう」と提案すると、こういうんです。
「でも、うちのスタッフはまだ覚えられていないんで」
「だって、自分でやった方がクレームにならないから」
「でも、今は忙しい時期だから」
この「でも」「だって」、実は非常に厄介です。これは意志が弱いとか、やる気がないとかの話じゃない。人間に本来備わっている現状維持機能が、フル稼働している状態なんです。
変化には必ずリスクが伴う。脳はそのリスクを「危険」と判断して、あの手この手で行動にブレーキをかけてくる。だから「でも」「だって」が自動的に出てくる。これは生存本能に近い働きで、あなたが弱いんじゃなくて、人間として正常な反応です。
ただ、問題はその機能が「現場に立ち続けること」を守ろうとしている点です。現場に立つことで一時的な安心は得られる。でも、3年後・5年後に向けて何も変わらない。
「変われない理由を探している間は、何も変わらない。『原因は100%自分』という視点に立った瞬間から、初めて動き出せる。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店研究所 主宰)
「自分がいないと回らない」と感じながら、変わるきっかけが見えないまま日々が過ぎている——そういう状態だからこそ、まず自分の経営の現状を整理する場所が必要です。繁盛店ポータルの無料登録で、AIと対話しながらお店のビジョン・目標・行動の軸を整理できる「増益繁盛プランナー(5ステップ無料)」と、ハワードジョイマンAIへの無料相談が使えます。メールアドレスだけで無料で登録できます。
私が「現場を離れること」を勧める、本当の理由
私は役所を辞めて独立し、開業から2年半で全財産を失いました。文字通りのどん底を経験しています。その当時の私も「でも」「だって」の塊でした。うまくいかない原因を、景気のせい、お客さんのせい、タイミングのせいにしていた。
でも、あるとき気づいたんです。今の現実は100%、自分が作り出している、と。
これは自分を責めることじゃない。「原因が自分にある」ということは、「自分が変われば、現実も変わる」ということでもある。そこに気づいた瞬間から、行動が変わりました。
飲食店オーナーに現場を離れることを勧める理由も、まったく同じです。現場に貼り付いている限り、経営者としての仕事ができない。売上を生む仕組みを考える時間も、スタッフを育てる時間も、次の手を打つ余白も生まれない。
「現場を離れる」は、サボることじゃない。経営者として本来やるべき仕事をする時間を、取り戻すことです。
✓ ここまでのポイント
- 「でも」「だって」は意志の弱さではなく、脳の現状維持機能が働いているサイン
- 「原因は100%自分」という視点に立つことで、初めて変化への行動が生まれる
- 現場を離れることは、経営者として本来の仕事をする時間を取り戻すことと同義
行動を記録して、任せられる作業を1つ見つけることが最初の一歩だとわかった。でも、その先——作業を分解してマニュアル化し委譲する手順、利益に直結しない行動を「やめる」判断の仕方——まで踏み込んだ道具が必要です。動画講座「行動収益化法」では、1週間の行動分析で捨てる行動を特定し、6つの選択肢(なくす・任せる・外注する・変える・速める・集約する)で時間を捻出する方法を全8本の動画で学べます。有料の教材ですが、申し込み後すぐに視聴でき、期限なしで繰り返し使えます。
変われなかった50代オーナーが動き出した、最初の一歩
先ほどの和食店オーナーの話に戻ります。私は彼に、大きな改革をいきなり求めませんでした。最初にやってもらったのは、たったひとつのことです。
「今週の1週間、自分が何に何時間使っているか、記録してみてください」
それだけです。難しいことは何もない。でも、この記録が彼の認識を根本から変えました。
1週間後、彼が持ってきたメモを見ると、発注作業に毎日30分、仕込みの段取り確認に毎日40分、スタッフへの口頭説明に毎日1時間以上。合計すると、週に12時間以上を「本来はスタッフに任せられる作業」に使っていた。
「これ、全部自分がやる必要はないですよ」と私が言うと、彼はしばらく黙ってから「…そうか」とつぶやきました。
この「気づき」が最初の一歩でした。自分の行動を可視化すると、「でも」「だって」が通用しなくなる。数字は嘘をつかないから。
飲食店オーナーが時間を作る具体的な手順については、別の記事でも詳しく解説していますが、まず「自分が何に時間を使っているか」を見える化することが、すべての起点になります。
チェックポイント1:「自分がやらないと回らない」は本当か
一度、自分の1週間の行動を書き出してみてください。そのうち「本当に自分でなければできない仕事」はいくつありますか?多くのオーナーは、全体の2〜3割しかないことに気づきます。
✅ ポイント:「任せられない」ではなく「任せ方を教えていない」だけかもしれません。まず作業を書き出し、任せられる候補を1つだけ選ぶところから始める。
チェックポイント2:「スタッフには無理」という判断の根拠は何か
「うちのスタッフには無理」と思うとき、実際に任せてみた経験はありますか?多くの場合、任せる前から諦めている。
✅ ポイント:手順を分解して文字や図で伝える(マニュアル化)だけで、スタッフが動けるようになるケースは多い。飲食店のマニュアル作りの4つのポイントを参考に、まず1つの作業だけ試してみる。
「仕組み化で現場を任せられる時間が増えた。自分が全部抱え込んでいたのは、任せ方を知らなかっただけだと気づきました。」
和食店オーナー(50代・男性)/月商80万円上乗せ、経営に集中できる環境を実現
「抱え込みグセ」が解けたとき、経営が動き始めた
和食店のオーナーは、その後どうなったか。
行動の記録をきっかけに、発注作業の手順を書き出し、スタッフに任せることにしました。最初は不安でしたが、手順を書いて渡してみると、スタッフは普通にできた。「え、これだけで大丈夫なの?」という拍子抜けした感覚があったと、後から話してくれました。
そこから少しずつ任せる範囲を広げ、数か月後には月商が80万円上乗せになり、現場に縛られていた時間が経営を考える時間に変わっていきました。抱え込みグセが減り、経営に集中できるようになった、と彼は言います。
変化のきっかけは、能力でも才能でもない。「自分の行動を見直す」というたった一つの小さな一歩でした。
現場を離れることへの怖さは、今も彼の中にゼロではないと思う。でも、「原因は自分にある」という視点に立った瞬間から、「でも」「だって」が減っていった。
経営者が現場を手放す5ステップとして体系的な手順も整理していますが、まず大切なのはステップを学ぶ前に、「変わらなきゃと思いながら動けていない自分」に正直に向き合うことです。
「現場を離れる」は怖い。でも、それが経営者の仕事だ
今、秋の行楽シーズンが近づき、飲食店は忙しくなってくる時期です。「今は繁忙期だから、仕組み化は落ち着いてから」と思っているオーナーも多いでしょう。
でも、落ち着く時期は永遠に来ません。次は年末、その次は新年度、また大型連休……。「あとで」と言い続けた先に何が待っているか、心のどこかでわかっているはずです。
私はこう考えています。儲かるアイデアと儲かる仕組みをつくるのが社長の仕事、現場に立つことはその仕事の一部でしかない、と。
現場を離れることへの恐れは、正常な感覚です。でもその恐れを「でも」「だって」に変えて行動を止め続けるのか、小さな一歩を踏み出してみるのか。その選択だけが、3年後の現実を変える。
「原因は100%自分」——この言葉が重いと感じるなら、それは現実を変えるための第一歩を踏み出せる場所に、あなたが立っているということです。
まとめ:現場を手放す勇気が、経営者としての本番を始める
私が飲食店オーナーに現場を離れることを勧めるのは、楽をしてほしいからじゃない。経営者本来の仕事——仕組みをつくり、人を育て、未来を設計する——その時間と余白を取り戻してほしいからです。
「でも」「だって」が出てくるのは、変化への正常な反応。でも、その声に従い続けた先に何が待っているかを、少し立ち止まって考えてみてください。
和食店の50代オーナーが動き出したのは、能力が上がったからじゃない。「自分が原因だ」と認めた瞬間から始まりました。その一歩は、誰にでも踏み出せます。
「原因は100%自分」という視点に立つことで初めて動き出せる——頭でわかっても、実際に何から手をつけるかが見えないと人は動けません。動画講座「行動収益化法」は、マインドセットの転換から逆算の行動設計・時間の捻出・仕組み化まで、一連の流れを約6時間17分で体系的に学べるプログラムです。和食店オーナーが経営に集中できる時間を取り戻したように、あなたの現場依存を構造から変える手順がここにあります。