節約で真っ先に削られるのが「外食費」です。
それなのに、物価高でもぜったいに削られない支出が
日本には4兆円あります。
――あなたのお店は、削られる店ですか。
それとも、削れない店ですか。
去年、生まれて初めて矢沢永吉さんのコンサートに行きました。
会場に着いて、まず面食らいました。上下真っ白のスーツ。白い靴。白い帽子。首にタオル。髪はリーゼント。永ちゃんと同じ格好をした人が、そこらじゅうにいるんです。
しかも、若い人じゃない。五十代、六十代の男性ばかりでした。永ちゃんと同世代の人たちが、大声で「永ちゃん、永ちゃん」と叫んでいる。
私も流れでタオルを買いました。周りにつられて振りました。正直に言えば、最初は「これは、いったい何なんだろう」と思っていました。
傍から見たら、訳が分かりません。なぜ全員が白の上下なのか。なぜタオルなのか。説明できる人はたぶん誰もいない。
けれど、帰りの新幹線で、私の頭に残ったのは別のことでした。
矢沢永吉さんは、芸能活動50年です。
その50年、この人たちは一度も離れていない。
芸能界には、一年二年ものすごい人気が出る人はいます。でも、三十年四十年ずっと第一線で活躍し続ける人は、なかなかいない。
そして、これはお店もまったく同じです。
一時的なブームを作ることは、意外とできてしまいます。新メニュー、割引、SNSでのバズ。やり方はいくらでもある。
難しいのは、それをずっと続けることです。
私が知りたかったのは、集客の方法ではありませんでした。なぜこの人たちは、50年も離れないのか。そのことでした。
あなたのお店にも、「あの人」がいるはずです
台風の日でも来てくれる人。誰に言われたわけでもないのに、月に二回、いつも同じ席に座る人。あなたが値上げをしても、たぶん来てくれるだろうと思える人。
そういう方が、あなたのお店にも何人かいらっしゃると思います。
では、ひとつ質問をさせてください。
その人は、なぜ来てくれるのでしょうか。
味が好きだから。……本当にそうでしょうか。
もし味だけが理由なら、同じ味を食べた他のお客さんも、同じ回数だけ来るはずです。でも実際には来ない。ということは、味の外側に理由があるということです。
私がこれまで多くの店主さんとお会いしてきて分かったのは、ほとんどの方が、自分の店の常連さんが来てくれる理由を説明できないということでした。
これは能力の問題ではありません。誰も教えてくれなかっただけです。
そして、理由が説明できないということは、その人を意図的に増やすこともできないということです。増えるかどうかが、運まかせになってしまう。
もし、ひとつでも心当たりがあれば
このお手紙は、こういう状態にある方に向けて書いています。
- 味には自信がある。実際「美味しかった」とも言われる。それなのに、去年と同じ数字を今年もなぞっている
- グルメサイトに毎月お金を払い続けているが、来るのは値引き目当てのお客さんばかりで、一度きりで消えていく
- SNSは義務感で更新している。撮るものが料理の写真しかないので、いつも同じような投稿になる
- 仕入れ値が上がった。値上げしなければいけない。でも常連さんの顔が浮かんで、メニューの数字に手が触れられない
- 後からできた店のほうが賑わっているのを、見てしまった
- スタッフが、時間に来て時間に帰るだけになっている。作業として働いている
- 閉店後にレジを締めながら、ふと「あと十年、この店を続けられるだろうか」と考えることがある
どうでしょうか。
このリストの厄介なところは、どれも「困っている」とまでは言い切れないことです。潰れそうなわけじゃない。お客さんもいる。だから誰にも相談しない。
でも、良くもなっていない。
困っているのではなく、言葉にできないまま、ゆっくり沈んでいる。これがいちばんつらい状態だと、私は思っています。
いま、消えているのは大手ではありません
少し、冷たい数字の話をさせてください。目を背けたくなる内容ですが、二分だけお付き合いください。
2026年上半期に起きていること
- 飲食店の倒産は473件。前年同期を上回り、過去最多を更新。4年連続の増加(帝国データバンク)
- 別集計では509件。上半期としては1997年以降の30年間で初めて500件台に達した(東京商工リサーチ)
- そのうち負債5000万円未満の小規模な倒産が369件、全体の78.0%
- 物価高による倒産は前年同期の1.5倍、人手不足関連の倒産は2.2倍
- 業態別では、居酒屋が118件で上半期として初めて100件を超えた。ラーメン店36件、日本料理店36件、焼肉店26件
出典:帝国データバンク「『飲食店』の倒産動向(2026年上半期)」/東京商工リサーチ「2026年上半期『飲食業』倒産動向調査」
数字の中身を見てください。消えているのは大手チェーンではありません。倒産の8割近くが、負債5000万円未満の小さなお店です。
そして、その理由について、東京商工リサーチはこう分析しています。
小・零細企業ほどコスト増の負担が大きく、
来店客数の減少を懸念して、値上げなどの価格転嫁が難しい。
ここを、よく読んでいただきたいんです。
潰れている店は、原価が上がったから潰れているのではありません。値上げできなかったから潰れているんです。
そして、なぜ値上げできないのか。お客さんが離れるのが怖いからです。
つまり、値上げできない本当の理由は、原価の問題ではありません。お客さんとの関係の問題です。
そして、逃げ道が二つとも塞がりました
「コストが上がるなら、人件費で調整すればいい」――もう、それができません。
確定している未来
- 2026年度の最低賃金は、全国加重平均で1176円が目安として決着。現行の1121円から55円、率にして4.9%の引き上げ
- さらに政府は、2030年代半ばまでに全国加重平均1500円を目標に掲げている
- 2026年4月13日、外食業の「特定技能」の受け入れが停止。制度が2019年にできて以来、初めての長期停止。海外からの新規受け入れも、他資格からの変更も、原則として認められなくなった
出典:中央最低賃金審議会「令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について」/農林水産省・出入国在留管理庁発表(2026年3月27日)
人件費は、これから十年、確実に上がり続けます。そして人は、もう採れません。新しく人を増やすルートが、制度としてほぼ閉じました。
コストは確実に上がる。人はもう採れない。
上げられないのは、価格だけです。
……ここまでが、悪い話です。
ここから、良い話をします。
財布は同じ財布です。行き先が変わっただけです
まず、こちらをご覧ください。
2026年、日本人のお金の使い方
- ぐるなびの消費者調査によると、2026年の外食は頻度が伸び悩み、外食費は横ばいまたは減少の見込み。節約志向から外食費の純減が予想されている
- 一方、いわゆる「推し活」の市場規模は約4兆1000億円に達した。推し活をしている人口は2000万人規模
- 推し活をしている人の年間平均支出は約21万円
- そして――物価高が続くなかでも、推し活の支出を「一度も減らしたことがない」と答えた人が約5割
- 15歳〜69歳のおよそ3人に1人が「推しがいる」と回答している
出典:ぐるなび「2025年のふりかえりと2026年の意向」/推し活総研「第3回 推し活実態アンケート調査」ほか
外食費は減る。推し活費は減らない。
けれど、これは別々の財布から出ているお金ではありません。同じ人の、同じ財布です。
お金が減っているのではありません。
行き先が変わっているだけです。
そして、ここがいちばん大事なところです。
3人に1人が「推しがいる」ということは、今夜あなたのお店のカウンターに座っているお客さんの、3人に1人は、すでに「推す」という行動を知っているということです。
誰かのために並ぶ。誰かのためにグッズを買う。誰かのために友達を連れていく。その回路は、もうお客さんの中にできあがっているんです。
問題はひとつだけ。その対象が、あなたのお店になっていない。それだけです。
「自分を出すなんて、恥ずかしい」
ここまで読まれて、こう思われたかもしれません。
まったく正常な反応です。
私がお会いしてきた店主さんも、ほとんどの方が最初にそうおっしゃいます。真面目に商売をやってきた方ほど、そう言われます。
ですが、セミナーの中で、私はこうお伝えしました。
完璧な店主より、頑張る姿と思いが共感を呼びます。
ずっとうまくいっている人は、応援したくないんですよ。共感できないから。
悩んだこと、失敗したことを見せるから、応援したくなるんです。
『プロジェクトX』を思い出してください。あの番組は、うまくいった話だけを流しません。必ず途中に苦悩が入る。そのほうが引き込まれるからです。
つまり、あなたが「恥ずかしい」「見せたくない」と思っているもの――それこそが、いちばん強い資産です。
傍から見て、訳が分からなくていいんです
もう一度、矢沢永吉さんのコンサートに戻ります。
なぜ、みんな白の上下なのか。傍から見たら、本当に訳が分かりません。
でも、永吉コミュニティの中では、それが「どれだけ好きか」を表すステータスになっているんです。近くのホテルに泊まって、チェックインして着替えて、それから会場に行く人までいる。
生姜醤油ラーメンのお店で「ジンジャー」と書かれたパーカーを作ったところ、好きな人はそれを着てラーメンを食べに行くそうです。全然、傍から見たら分かりません。理解できない。
「水曜どうでしょう」のステッカーを車に貼っている人。岐阜の「さるぼぼ」。理解できないものばかりです。
でも、それが推し活なんです。
だから、傍から見て訳が分からなくていいんですよ。
まともなイベントをやっても、そのお店らしくないということなんです。
これはつまり、あなたが「やってはいけない」と思い込んでいたことの、ほとんどはやっていいということです。
店主の誕生日を勝手に「バースデーウィーク」にしていい。車をぶつけて修理代がかかったなら、それを「応援フェア」にしていい。包丁で指を切ったなら、それをイベントにしていい。
訳が分からない。だから面白い。だから語られる。だから人が集まる。
チェーン店には、絶対にできないことです。
申し遅れました
ハワードジョイマン
コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)/絵本作家(構想・シナリオ担当)
有限会社繁盛店研究所 取締役/株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
株式会社日本中央投資会 代表取締役/繁盛店グループ総代表
1975年、静岡県清水市(現・静岡市清水区)生まれ。自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていたことから、小さい頃から受付台に立ち、商売というものを見て育ちました。
大学に入ると同時に、お笑い芸人としての活動を始めました。活動中は、九州松早グループが運営するファミリーマートのCMにも出演しました。
ところが、大学卒業を前に、父が急性膵炎で急死します。私は芸人の道を断念し、清水市役所に奉職しました。
在職中に、中小企業診断士の勉強を始めました。昼は市役所で働き、夜は受験勉強。そして週末は、現場経験を積むために無給でイタリアンレストランの厨房に立ちました。合格するまで、6年かかりました。
資格取得を契機に、勤続7年目で市役所を退職。有限会社繁盛店研究所(旧・有限会社マーケット・クリエーション)を設立しました。
そこで気づいたことがあります。小売店、飲食店、美容室、整体院の集客や店内販売に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法を持ち込むと、業績が着実に上がるということでした。この考え方を「笑人の繁盛術」と名づけ、コンサルティングを行っています。
専門用語を使わないメールマガジンは読者総数1万人を超え、会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」には、北は北海道から南は沖縄まで、そしてアメリカからも参加される方がいます。テレビ番組「ガイアの夜明け」にも取り上げていただきました。コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)でも連載を担当しています。
どんなに仕事が忙しくても、毎月1回のご先祖のお墓参りだけは欠かしません。家族を愛するマーケッターです。
なぜこんな話をしたかというと、私自身が、この教材でお伝えしていることの実践者だからです。
芸人を諦めたこと。父の死。6年かかった試験。無給で厨房に立った週末。これは全部、私の失敗と苦労です。そして、これを話すから、人は私の話を聞いてくれるようになりました。
セミナーを、そのまま教材にしました
先日、私は店舗経営者の方だけを集めて、あるセミナーを開催しました。
テーマは、矢沢永吉さんのコンサートで私が感じたこと――なぜ人は「推す」のか。そして、それをどうやってお店に持ち込むのか。
参加された方から反響が大きかったため、当日の全収録を、オンラインで視聴できる教材にしました。
オンライン動画セミナー教材
推し活マーケティング
―― お客様に「推される店」になるための実践プログラム ――
動画5本/総収録時間 2時間29分/オンライン視聴
第1本 43分55秒 第2本 59分15秒 第3本 18分19秒
第4本 11分48秒 第5本 15分39秒
きれいに編集された講義映像ではありません。参加された店主さんの実名が飛び交い、その場で私が個別に指導している、生のコンサルティング現場そのものです。
「藤村さんの店は、こうしなさい」「松井さん、そのエピソードは使えますよ」――そういうやりとりが、そのまま入っています。あなたのお店に置き換えながら、聞いてください。
この2時間29分で、お伝えすること
第1本 なぜ人は「推す」のか43分55秒
- 矢沢永吉さんのファンが50年離れない理由を、あなたのお店に翻訳する
- 推し活とは「思想と行動の共有」である――なぜ同じ服を着てしまうのか
- ファンとは「お店の未来を共に作る共感パートナー」。この定義が経営を変える
- 無農薬農家さんが人気になる本当の理由。人は野菜を買っているのではない
- 店舗経営におけるファンの存在意義5つ(継続売上/口コミ/改善のヒント/物語の共演者/店主の心の支え)
- ファンが生まれるお店に共通する4つの特徴
- お客さんが「推す」5つの心理――自己投影欲求/自己肯定感の補完/共感と感情共有/所属欲求/日常からの逃避
- なぜブラックカードを持っている人は、カードではなく「持っている自分」が好きなのか
- 「私は見る目がある」という感情を、どうお店で満たすか
- 推し活における「経済的行動」の意味。それは消費ではなく愛情表現である
- 年会費1万円を払ってさらにチケットを買う。この一見理不尽な行動が起きる仕組み
第2本 ファンが生まれる7つのステップ59分15秒
- ファン化の根っこにある3つの欲求――承認欲求/自己表現欲求/所属欲求
- なぜ「名前で呼ぶ」だけで関係が変わるのか。その心理的な理由
- ステップ1 共感/「このお店は私を分かってくれる」と感じさせる伝え方
- 美容室・整体院で、技術よりも先に効くもの。技術で差がつかなくなった業種の突破口
- ステップ2 信頼/発信の一貫性と、ストーリーで見せる証拠の作り方
- 「角を切らない牛」――たった一言で商品の見え方が変わるエピソードの実例
- ステップ3 感動/期待を超える瞬間はどこで生まれるか
- ステップ4 参加/答えを持っているのに、あえてお客さんに聞く理由
- お客さんは相談されると考える。考えているうちに好きになる。この順番
- ステップ5 発見と学び/「知ってよかった」を定期的に届ける仕組み
- ステップ6 応援したくなる/新商品を出す前に、必ず苦労を伝える理由
- ステップ7 自発的な拡散/人に教えたくなる状態=真のファン
第3本 店舗経営で活かす「推され化」実践戦略18分19秒
- 卓上に置く自己紹介カードの作り方。「音楽鑑賞」と書いてはいけない理由
- 「テレビが好き」ではなく「毎週、暴れん坊将軍を欠かしません」と書く。この差が売上になる
- なぜ、スタッフに書かせる前に、店主が自分の分を書かなければならないのか
- 常連さん限定の試食会/新メニューの相談という参加の入口
- お客さんにPOPを書いてもらい、反響1位の方にそのメニューを贈る仕掛け
- メニュー名にお客さんの名前を入れる。「◯◯さんが大好きな〜」の効果
- 「常連さんのリクエストで生まれたメニュー」コーナーの作り方
- 会員証を作る。100人の会員証という宿題の意味
- 語りたくなるエピソードの設計――「店主が失恋した日に生まれたパフェ」
- 失敗を商品に変える。切り間違えた肉が名物になるまで
- 応援している実感を可視化する方法。売上の一部を何に使うかを語る
第4本 「買わせる」のではなく「応援させる」設計11分48秒
- 自分の失敗(車の修理代)を「応援フェア」に変える発想法
- お店のステッカー、オリジナルグッズが持つ本当の役割
- 酒飲みのランク制度。最上位は「酒仙」。お客さんが育っていく設計
- よく来てくれる常連さんの名刺を、お店が作って渡す――紹介が自動で回る装置
- スタッフを応援するための「おひねりメニュー」。採用できない時代の定着策
- 写真は必ず写真立てに入れて送る。なぜ写真だけではいけないのか
- ファンだけの日、ファンだけしか注文できないメニュー
- お客さんと一緒に店内のペンキを塗る。参加が「私の店」を生む
- 名前と、その人の好きなメニューを覚える。何人まで覚えていますか
- 「今日は売り切れましたが、◯◯さんの分は取っておきました」の破壊力
第5本 実践ワーク/質疑応答15分39秒
- ワーク1 あなたの素顔を発掘する10の質問――お客様が共感したくなる「あなた自身」を言葉にする
- 10の質問それぞれに、どんな意図があるのか。すべて解説します
- なぜ「コンプレックスや弱み」を先に出したほうが、応援されるのか
- ワーク2 感動を生むストーリーの3つの型
- 型①ビフォーアフター(過去の自分 → 今の価値観)/文例つき
- 型②お客様との出会い/文例つき
- 型③誰かのために/「料理が美味しい」と一言も言わずに美味しそうに伝える文例
- ワーク3 アウトプットの場の作り方――SNS、店頭POP、卓上POP、スタッフ紹介
- 【質疑応答】店舗が増えて社長が現場に立てなくなったとき、どうやって理念を届けるか
- 【質疑応答】スタッフに働きがいを作る方法。「美味しかった」が集まる店内設計
書き出してみると、ずいぶんな量になりました。ですが、すべて2時間29分の中に入っています。
あなたが、いちばん怖いこと
ここで、あなたがずっと避けてきたことの話をさせてください。
値上げです。
仕入れが上がっている。光熱費も上がっている。来年は人件費も上がる。頭では分かっている。それでも、メニューの数字に手が触れられない。
理由はひとつです。あの人たちが離れたら、と思うからです。
十年、十五年通ってくれた人たちの顔が浮かぶ。あの人たちは、うちの価格で来てくれている。それを裏切るような気がする。
そして、こう思う。
その優しさは、本物だと思います。
けれど、私はあえて申し上げます。その優しさが、あなたのお店を追い込んでいます。
先ほどの数字を思い出してください。倒産した店の8割近くが小規模店で、その理由が「客数減を恐れて価格転嫁ができなかった」ことでした。
やさしい店主から、順番に潰れているんです。
では、どうすればいいのか。答えは、値上げの技術ではありません。
値上げしても離れない関係を、値上げする前に作っておくことです。
セミナーの中で、私はこう申し上げました。ファンとは、多少値上げしても、天気が悪くても、流行が変わっても、通い続けてくれる人のことです。
そういう人が40人いる店と、120人いる店では、値上げのときの覚悟がまるで変わります。
そして、もうひとつ。
私は多くの店主さんが値上げに踏み切る場面に立ち会ってきましたが、そのたびに思うことがあります。
お客さんは、価格であなたを選んでいたのではありません。
ただ、それを確かめる勇気が、なかっただけです。
値上げの理由を、正直に書いてください。仕入先の名前も、どれだけ悩んだかも、それでも質は落としたくない理由も。そして最後にこう書いてください。「それでも、この味を続けさせてください」と。
その一文を受け取ったお客さんが、あなたのファンであるならば。返ってくる言葉は、あなたが恐れているものとは違うはずです。
「アクトのお好み焼きが食べたい」
セミナーの中で、私が紹介したエピソードをひとつ、お話しさせてください。
私のクライアントに、網野さんという方がいます。「アクト」というお好み焼き屋さんをやっています。
網野さんのお母様は看護師で、病院で看護師長をされています。
ある時、入院されていた末期の患者さんがいました。師長さんが何気なく「何か食べたいものはありますか」と尋ねたそうです。
その患者さんは、こう答えました。
「アクトのお好み焼きが、食べたい」
患者さんは、目の前の看護師長さんの息子さんがアクトをやっているなんて、知りません。ただ、食べたいものを聞かれて、その店の名前が口から出た。それだけです。
話を聞いた網野さんは、お好み焼きを焼いて、病院に持っていきました。
その方は、泣いて喜んで食べられたそうです。そして今は、天国に行かれました。
――もう食欲もほとんどない方が、最後に食べたいものを聞かれたとき、自分の店の名前を挙げてくれた。
店をやっていて、これ以上のことがあるでしょうか。
私は、これがファンだと思っています。売上でも、客数でも、リピート率でもありません。誰かの人生の中に、あなたのお店が入っているということです。
転勤が決まったお客さんが「最後に食べに来ました」と言ってくれる。四年間だけの付き合いだったかもしれない。でもその四年、その人の人生の中に、あなたの店があった。
そういう店を作りませんか、というのが、このセミナーでお伝えしたかったことのすべてです。
※詳しい内容は、この下でも続けてご説明しています。
この教材が向かない方
正直に申し上げます。この教材は、すべての方に向くものではありません。
こういう方には、おすすめしません
- 開業から間もなく、常連さんがまだ一人もいない方。この教材は、いまいるお客さんをファンに変える方法です。ゼロから新規客を集める話ではありません
- 来月すぐに客数を増やしたい方。半年から一年かけて関係を育てる内容です。即効性はありません
- 自分のことは一切出したくない方。人間味を出すことがこの教材の中心です。そこを避けると、何も残りません
- お客さんを効率よく捌きたい方。高回転で数をこなす業態には、この考え方は向きません
一方、こういう方には、必ず役に立ちます
- 常連さんがすでに20人以上いて、そこから増やす方法が分からない方
- 値上げをしたいが、踏み切れずにいる方
- 飲食店(居酒屋・焼肉・カフェ・ラーメン・和食など)を個人で経営されている方
- 2代目・3代目で、お店の歴史や先代の物語を活かしきれていない方
- 美容室・整体院・サロンなど一対一の仕事で、技術での差別化に限界を感じている方
- ダイエット指導・教室業など、商品が形として見えにくい仕事をされている方
- 店舗が増えて現場に立てなくなり、スタッフに理念が伝わらなくなった方
- SNSやLINEで何を発信すればいいのか、ネタが尽きている方
半年後、あなたのお店に起きること
この教材の内容を、ひとつずつ実行していただくと、こういう変化が起きます。
- 月に2回以上来てくれるお客さんが増えます。偶然ではなく、あなたが意図して増やせるようになります
- 値上げが怖くなくなります。価格ではなく関係で通ってくれる人が増えるからです
- 広告費をかけずに紹介が生まれます。ファンは、人に教えたくなる存在です
- 発信のネタが尽きなくなります。あなたの過去、失敗、思い、スタッフの物語――すべてがネタになります
- スタッフが辞めにくくなります。お客さんと仲良くなると、働くことが楽しくなるからです。人が採れない時代に、これは大きな武器になります
- お客さんが、お店の改善を手伝ってくれるようになります。ファンからのフィードバックは、Googleマップの心ない口コミとはまったく違います
- お客さんが、お店の物語の共演者になります。周年、代替わり、リニューアル。節目を一緒に祝ってくれる人が現れます
そして、いちばん大きな変化は、数字ではありません。
閉店後、レジを締めながら「あと十年、続けられるだろうか」と考えていたあなたが、こう考えるようになります。
来月、何をやったら、みんな笑うだろうか。
これが、この教材でいちばんお渡ししたいものです。
価格について
この内容を、私が直接お店に伺ってコンサルティングさせていただくとしたら、一日で数十万円をいただいています。実際に開催したセミナーも、参加費をいただいて行ったものです。
ただ今回は、より多くの店主さんに知っていただきたいという思いがあります。そこで、こちらの価格にしました。
一括払い
15,000円(税込)
クレジットカード/銀行振込
15,000円という金額を、こう考えてみてください。
客単価4,000円のお店なら、新しく4人のお客さんが、月に1回来てくれるようになれば、1か月で回収できます。そしてその4人は、翌月も、翌々月も来ます。
1年で見れば、たった4人で19万2000円。しかもその方たちは、友達を連れてきます。
とはいえ、いまは仕入れも光熱費も上がっている時期です。「内容は分かったが、今月は厳しい」という方のために、もうひとつご用意しました。
変則分割払い
初月 100円(税込)
2か月目 7,450円(税込)/3か月目 7,450円(税込)
クレジットカード決済のみ
初月は100円です。
つまり、まず100円で全編をご覧いただき、実際に動いてみることができます。お手元のキャッシュを痛めずに始めていただくための形です。
お申込みの方への特典
セミナー配布テキスト(PDF)
セミナー当日に参加者へお配りした教科書を、そのままPDFでお渡しします。動画を見ながら書き込んでいただけます。特に「素顔を発掘する10の質問」は、印刷して、閉店後にカウンターで書いてみてください。
お申込み
ご希望のお支払い方法を選んで、ボタンをお進みください。
一括払いで申し込む(15,000円・税込) クレジットカード/銀行振込 分割払いで申し込む(初月100円) クレジットカード決済のみ/2か月目・3か月目 各7,450円(税込)
※分割払いは、クレジットカード決済のみのお取り扱いとなります。
※銀行振込をご希望の場合は、一括払いをお選びください。
よくいただくご質問
飲食店ではないのですが、役に立ちますか。
はい。セミナー当日も、飲食店以外の方が参加されています。美容室、整体院、ダイエット指導など、一対一でお客様と向き合う仕事ほど効果が出やすい内容です。第2本の「共感」の章では、技術よりも先に何が効くのかを詳しくお話ししています。事例が飲食店に寄っている箇所は、ご自身の業種に置き換えながらお聞きください。
2時間半も見る時間がありません。
1本ずつ分かれています。第3本は18分、第4本は12分、第5本は16分です。すぐに実行できる具体策は第3本と第4本に集まっていますので、お忙しい方はそこから先にご覧いただいても構いません。
すぐに結果が出ますか。
正直に申し上げると、来月すぐに客数が倍になるような内容ではありません。関係を育てる話だからです。ただ、自己紹介カードのように、明日から実行できて数日で反応が返ってくるものもあります。まずは小さいものから一つ始めてください。
自分のことを話すのが、どうしても苦手です。
ほとんどの方がそうおっしゃいます。だからこそ、教材の中では「何を書けばいいか」を10個の質問という形にしました。ゼロから考えるのではなく、質問に答えるだけです。上手な文章を書く必要もありません。むしろ、うまく書こうとしないほうが伝わります。
分割払いの初月100円というのは、どういう仕組みですか。
初回のご請求が100円(税込)、2か月目に7,450円(税込)、3か月目に7,450円(税込)をお引き落としする形です。合計は14,900円(税込)となります。クレジットカード決済のみのお取り扱いです。
申し込んだ後、どうすれば見られますか。
お申込み手続きが完了しますと、視聴用のご案内をお送りします。パソコン、スマートフォン、タブレットのいずれからでもご覧いただけます。
最後に
明日も、同じ一日が来ます。
仕込みをして、開店して、お客さんを迎えて、閉店して、レジを締める。それを何年も続けてこられたのだと思います。
その毎日を、私は本当に尊敬しています。簡単なことではありません。
ただ、ひとつだけ申し上げたいことがあります。
一時的に繁盛するお店は、意外と簡単に作れます。
難しいのは、それをずっと続けることです。
矢沢永吉さんが50年続いているのは、歌がうまいからだけではないと、私は思います。あの白いスーツを着た人たちが、離れなかったからです。
あなたのお店にも、いま、その人たちがいます。数は少ないかもしれない。でも、確実にいます。
その人たちを、百人に増やしませんか。
お店って、お客さんと一緒に年を取っていくんです。だんだんお店が年を取ると、同じようにお客さんも年を取っていく。そうやって一緒に歩いてくれる仲間を、意識して増やしていく。
そのための方法を、2時間29分にまとめました。
あなたのお店が、
誰かの人生の一部になりますように。
ハワードジョイマン
追伸1
節約されるとき、外食費は真っ先に削られます。けれど推し活の支出は、物価高でも約半数の人が一度も減らしていません。同じ財布から出ているお金です。削られる店になるか、削れない店になるか。その分かれ目は、味でも価格でもありません。
追伸2
「自分を出すのは、恥ずかしい」――もしそう思われたなら、それが正しい入口です。完璧な店主より、頑張っている姿のほうが応援されるからです。ずっとうまくいっている人は、応援したくならないんです。共感できないから。あなたが隠したいと思っているものが、いちばん強い資産です。
追伸3
セミナーの中で、私は参加者の方にこう質問しました。
「このお店を、誰に一番見せたいですか」
生きている人でなくても構いません。小さい頃、いつも料理を作ってくれたおばあちゃんでもいい。先代でもいい。いま、誰かの顔が浮かんだ方は、この教材が必ず役に立ちます。あなたには、もう語るべき物語があるということですから。
オンライン動画セミナー教材『推し活マーケティング』
動画5本/総収録時間 2時間29分/オンライン視聴