「ナスカの地上絵理論」で既存商品を高付加価値商品に変身させる方法
ナスカの地上絵理論とは
プロジェクト知識によると、
「ナスカの地上絵理論」とは、
同じものでも伝え方次第で魅力が激変するという原理です。
地上から見ると「地面」「石ころ」「草地」にしか見えないものが、
上空から見ると壮大なナスカの地上絵だったという例のように、
商品自体は変わらないのに、
伝え方によって全く異なる価値を生み出せるということを示しています。
実践事例:お絵かきボード→筆談ボード
従来の商品
- お絵かきボード:子供向けの玩具
- 価格帯:低価格
- ターゲット:子供を持つ親
用途提案による変身
- 筆談ボード:コミュニケーションツール
- 新しいターゲット:聴覚障害者、外国人観光客、高齢者
- 利用場面:駅の窓口、病院、接客業
結果:同じ商品が全く新しい市場を創出し、社会的価値も向上
5つの商品価値再定義テクニック
1. 演出による価値向上
- 鉄板焼き:ただ提供するのではなく、フォークとナイフを空中に投げながら調理
- 効果:商品をおいしそうに見せる、エンターテイメント性を付加
2. ネーミングの変更
- 通勤快速(靴下):普通の靴下→ビジネスマン専用
- スイート10ダイヤモンド:ダイヤモンド→結婚10周年記念
- ブライダルエステ:エステ→結婚前の特別ケア
3. 市場変更
- 赤ちゃん用オムツ→高齢者用オムツ→植物用土壌改良材
- 吸水性という機能を異なる市場で活用
4. 用途変更
- ロウソク:照明用→セラピー・癒し商品
- ホッカイロ:保温用→腰痛緩和用
5. 超絞り込み
- 卵かけご飯専用醤油:一般醤油から特化
- 朝専用缶コーヒー:時間帯特化
- 採用面接カット:用途特化
懐中電灯の変身事例
Before(売れない状態)
懐中電灯
・コンパクトサイズ
・明るいLED
・価格:1,000円
After(価値を再定義)
寝ているときの緊急避難用小型懐中電灯
寝ている時の突然の地震や停電。あなたならどうしますか?
この懐中電灯なら:
・小型で場所をとらない
・ボタンひとつですぐ点灯
・突然の災害発生時も安心
安全のために枕元に1本お持ちください
旭山動物園の成功事例
商品(動物)は同じでも、展示方法(伝え方)を変更:
- 従来:檻の中の静的展示
- 改善:動物本来の行動に合わせた「行動展示」
- 結果:入園者数大幅増加
実践のポイント
1. 人は必要性に気づいていない
- お絵かきボードを見て「筆談用に使える」と思う人はいない
- 用途を明確に示すことで初めて価値を認識
2. 5つの方向性で考える
- 演出:見せ方、提供方法の工夫
- ネーミング:印象的で分かりやすい名称
- 市場変更:異なる顧客層への展開
- 用途変更:新しい使い方の提案
- 超絞り込み:特定用途に特化
3. 既存商品の活用
- 新商品開発より既存商品の新しい見せ方の方が売りやすい
- 仕入れ商品でも用途提案で独自商品化可能
4. ターゲットの明確化
- 誰に何のために使ってもらうかを明示
- 結婚式二次会、ブライダルエステなど具体的シーン提示
まとめ
ナスカの地上絵理論の本質は、
商品力向上より伝える力向上が重要だということです。
技術力や商品開発に注力するより、
既存商品をいかに新しい視点で伝えるかを考えることで、
低コストで高い効果を生み出せます。
「それがなんでいいのか」「お客さんにとってどういいのか」を明確に伝えることで、
同じ商品でも全く異なる価値を創造できるのです。
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