受動的アプローチ:店舗からの積極的働きかけ
LINE公式アカウント戦略
友達獲得の効率的手法
タイミングを見極めた声かけ:
- お客様が携帯を取り出したタイミングで声をかける
- 注文後、携帯をいじり始めた瞬間が最適
- 「携帯を出している=話しかけやすい状況」を活用
QRコードの戦略的配置:
- 卓上POPでのQRコード表示
- その場で簡単に登録できる環境づくり
- 100円トッピングサービス+4回来店で餃子無料の特典設定
配信内容の最適化
配信順序の重要性:
- 文章(親しみやすい情報)
- 写真+特典(視覚的訴求)
- 文章+動画+特典(総合アプローチ)
配信パターンの4類型:
- 季節関連情報:バレンタイン、節分など
- 新商品・月替わりメニュー情報
- スタッフ個人情報:誕生日、卒業など人間味のある話題
- 価格以外の価値提供:限定メニュー、友達限定特典
個別メッセージの威力
パーソナライズ戦略:
- 来店後の個別お礼メッセージ
- 「今日はお子さん可愛かったです」など具体的な内容
- 好みを把握した個別案内「前回言ってた○○が入荷しました」
ハガキDM:確実性の高いアプローチ
驚異的な効果数値
投資対効果の実績:
- 反応率20%(チラシの1%に対して20倍)
- 1枚につき2.2人来店(同伴効果)
- 投資例:1,000枚送付(6.5万円)→440人来店→44万円売上
- ROI:約6.8倍の投資効果
A4大判ハガキの活用
訴求力向上のポイント:
- 表面から活用:通常は裏面のみ使用だが、表面半分も活用
- 写真付き個人的な手紙風:店主の顔写真で親近感演出
- 手書き風デザイン:デジタル化が進む中での差別化
メールマガジン:補完的活用
到達率の課題と対策:
- 年々到達率が下がる傾向(迷惑メール判定の厳格化)
- LINEへの移行が推奨
- 既存リストの活用に留める
自発的アプローチ:顧客の行動促進
3枚クーポン戦略
来店間隔の短縮効果
3段階配布システム:
- 今月用・来月用・再来月用の3枚同時配布
- 通常30日間隔→今月中の再来店促進
- 継続来店の習慣化
期限設定の重要性:
- 必ず期限を明記(行動促進には期限が不可欠)
- 期限切れ時の新クーポン交換で再来店促進
3ステップポイントカード
心理的達成しやすさ
設計の根拠:
- 3回来店で常連化する統計データに基づく
- 初回来店時に1個目スタンプ済み(あと2回で達成感)
- 10個20個では「貯まらない」印象を回避
財布での視認性向上:
- カード入れから「はみ出す」サイズ設計
- 財布を開くたびに思い出す仕組み
年間パスポート制度
定期利用の仕組み化
成功事例の構造:
- 美容室:カラーリング年間パスポート
- 整体:炭酸泉年間パスポート
- 飲食店:ビール1杯目無料パスポート
重要な注意点:
- 単品商品では実施禁止(売上がパスポート代のみになる危険)
- 複数メニューが前提:他商品の有料注文で利益確保
- 集客商品の定期券化:収益商品への誘導が目的
物品預かりサービス
他店利用の阻止効果
成功パターン:
- ゴルフ練習場:クラブ預かりサービス
- 美容室:専用ガウン、タオル預かり
- 居酒屋:ボトルキープ
心理的効果:
- 「他店に行けない」状況の創出
- 取りに来る必要性による確実な再来店
- 顧客との物理的な繋がり創出
統合戦略による安定集客の実現
数値に基づく計画的運営
目標逆算システム
計算例:
- 1日20人来店×30%がLINE登録=6人/日
- 6人×20営業日=120人/月の友達増加
- 年間1,440人の顧客リスト構築
- 配信反応率10%×2人同伴×1,000円=月46万円の追加売上
コントロール可能な行動目標
重要な思考転換:
- 結果目標「月80万円達成」→行動目標「毎日20人に声かけ」
- 自分でコントロール可能な行動に焦点
- 売上は結果、行動は手段という明確な区別
受動的×自発的の相乗効果
最適な組み合わせパターン
段階別アプローチ:
- 初回来店時:LINE登録促進(受動的仕組み構築)
- 定期配信:季節情報、新メニュー案内(受動的接触)
- クーポン配布:3枚同時配布で自発的再来店促進
- ポイントカード:継続利用のモチベーション維持
- 個別メッセージ:パーソナライズされた特別感演出
投資効率の最大化
コスト比較:
- チラシ:1万人あたり16円の利益効果
- ハガキDM:1万人あたり376円の利益効果(23倍の効率)
- LINE:定額制で接触頻度無制限(最高効率)
実践のポイントと注意事項
継続実行の仕組み化
- 習慣化:毎日の声かけを業務の一部として定着
- 分担制:スタッフとの役割分担で負担軽減
- 効果測定:月次での友達数、反応率の把握
個人店の強みの活用
- 大手チェーンとの差別化:個別対応の徹底
- 人間関係の構築:顔と名前の一致、家族構成の把握
- 秘密の共有:顧客のプライベート情報を大切にする関係性
再来店対策は「待つ経営」から
「攻める経営」への転換の核心です。
受動的アプローチで確実な接触を確保し、
自発的アプローチで顧客の行動を促進することで、
安定した集客基盤を構築できます。
重要なのは、両方のアプローチを組み合わせ、
数値に基づいた計画的な運営を行うことです。
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