7.顧客1人当たりの累計利益を最大化する経営者の思考法

目次

顧客1人当たりの累計利益を最大化する経営者の思考法

プロジェクト知識の内容を基に、
小規模でも高収益を実現する
利益構造の作り方について詳しく解説いたします。

経営者の思考転換:売上思考から利益思考へ

基本概念の転換

従来の思考
売上 = 客数 × 客単価
利益最大化思考
累計利益 = 1回あたり利益 × 継続来店回数

この思考転換により、
小規模でも高収益な店舗経営が可能になります。

1. 顧客1人当たり累計利益最大化の戦略思考

① 時間軸を延ばした顧客価値の考え方

  • 短期思考:1回の来店でいくら売るか
  • 長期思考:1人の顧客から生涯でいくら利益を得るか

実例:美容室の場合

  • 適正周期(2ヶ月)でのご案内をしない場合:
    • 年6回来店 → 年4回来店に減少
    • 1人当たり年間6万円 → 4万5千円(1万5千円の損失
  • 20年通ってくれる場合:年間1万5千円×20年 = 30万円の機会損失

② 人口減少時代の必然的戦略

  • 新規客は今後確実に減少(人口減少)
  • 既存客も減少(高齢化による外出人口減)
  • 将来の顧客層も減少(少子化)
  • 外出しない購買の増加(インターネット発達)

データに基づく現実認識

  • 10年後:約27%減少
  • 20年後:約40%減少
  • これは顧客数の減少であり、売上減少に直結

2. 累計利益最大化の具体的構造

① 適正客単価の設定思考

黄金比率:粗利率70-80%の確保

重要な考え方

  • 集客商品:原価率高めでも話題性・集客力重視
  • 収益商品:利益率高めで実際の収益源
  • 話題商品:注文されなくても良い、価格の相対性を活用

価格の相対性活用例

  • 500円のプリン単体では「高い」
  • 1,000円のプリンと並べると500円が「安く」感じる
  • 1万円のプリンがあると500円が「お手頃」に感じる

② 適正間隔での来店促進思考

焼畑農業を避ける長期思考

  • 客単価を上げすぎて顧客を失わない絶妙なライン
  • 10年20年の長期経営を見据えた価格戦略
  • 継続来店してもらえる価格帯の維持

3. 継続来店を実現する仕組み化思考

① バケツの穴を塞ぐ思考

バケツ理論

  • いくら新規客を集めても(水を入れても)
  • 再来店対策ができていないと(穴が空いていると)
  • どんどん顧客が流出してしまう(水が漏れる)

優先順位

  1. まず適正客単価で利益確保
  2. 次に再来店対策で流出防止
  3. 最後に新規集客で拡大

② 接触頻度を高める思考

87.5%は衝動買いという消費行動特性を活用:

店外での接触頻度(客数に影響):

  • LINE公式アカウント
  • ハガキDM
  • メールマガジン
  • 店前看板・POP

店内での接触頻度(客単価に影響):

  • メニューブックの配置
  • テーブルPOP
  • 会計時の案内
  • トイレでの情報提供

4. 小規模高収益を実現する利益構造の作り方

① 粗利益向上の4つのアプローチ

  1. 見せ方の改善:形、見た目、盛り付け方の変更
  2. ネーミングの変更:用途提案による価値向上
  3. 伝え方の改良:商品自体ではなく「得られるご利益」を伝える
  4. セット化・絞り込み:ライザップ方式の応用

② ライザップ方式の応用思考

従来

  • 食事管理(単品3万円)
  • パーソナルトレーニング(単品3万円)

セット化・コンセプト化後

  • 「60日で理想の体」(60万円)

応用のポイント

  • 既存要素の新しい組み合わせ
  • コンセプト化による高付加価値化
  • 形のないもの(ノウハウ・体験)の付加

③ 成長戦略の6つの方向性

  1. 商圏内売上の徹底強化
  2. 自宅需要の開拓(高齢化対応)
  3. 提供方法の多様化
  4. 商圏内新商品・サービス導入
  5. 商圏外新規顧客開拓
  6. 複数収益源の構築

5. 実践的な経営者思考法

① 数値に基づく意思決定

  • 国勢調査データの活用で将来予測
  • VIP顧客20-50人の居住地分析
  • 効果測定による改善サイクル

② 販促活動の戦略的思考

販促の本質:販促 = 時間を買う行為

  • 1万人への個別説明は現実的でない
  • 販促により一瞬で大勢にアプローチ可能
  • お金をかけて時間を短縮する効率的手法

③ 顧客心理に基づく仕組み設計

  • 顧客満足度と再来店は別問題
  • 期待値を高めすぎない
  • 感情の変化を意識した働きかけ

まとめ:累計利益最大化の成功公式

累計利益最大化 =
【適正客単価】×【継続来店回数】×【接触頻度】×【価値提供力】

この公式を実現する経営者思考:

  1. 長期視点:1回の取引ではなく、顧客生涯価値で考える
  2. 仕組み化思考:偶然ではなく、必然的に利益が生まれる構造を作る
  3. 数値管理:感覚ではなく、データに基づいた意思決定
  4. 顧客中心:商品起点ではなく、顧客の課題解決起点
  5. 継続改善:一度作って終わりではなく、常に最適化する

人口減少時代において、
顧客1人当たりの累計利益最大化こそが、
小規模でも高収益を実現する唯一の道筋なのです。

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この記事を書いた人

・有限会社繁盛店研究所 代表取締役

・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・繁盛店グループ総代表
・コピーライター
・中小企業診断士(経済産業省 登録番号402345)

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区) 自営業の家に生まれ、
親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。
活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。
急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。
昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。

そして、週末は現場経験を積むため
無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。

6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。
取得を契機に7年目で市役所退職。

退職後、有限会社繁盛店研究所
(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

コンサルタントとして独立後、全く仕事がなく日々思い悩む日々を送る。
食欲もなくなり病気の心配から医者の診察を受けると、
「体に問題はありませんが、商売はうまくいっていますか?」と
医者に商売の心配をされ、帰り道に号泣。

更に、独立以前に毎月ためていた全財産が底をつく。

こうした経験から、店舗経営者でも同じように
資金繰りや集客で悩んでいる方も多いことに気付く。

こうした方達のサポートを通じて、業績の改善、
魅力ある店舗作りのサポートにまい進することを誓う。

お笑い芸人として活動していた経験から、
小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や
店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル
漫才の手法などを取り入れることで、
クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。

独自のジョイマン式増益繁盛店メソッドの考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万7800人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブゴールド」を運営。

人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。


これまで北は北海道から南は沖縄、そして、海を渡りアメリカ、カナダ、オーストラリア
などの海外からも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

実践的で分かりやすく、すぐに店舗売上のアップに繋がると評判であることから、飲食店や美容室の店舗経営者からの評価も高い。

また、こうしたことから飲食店コンサルタントや美容室コンサルタントが、販促情報や販促アイデアのネタ元(発信源)としてそれらの内容をこっそり真似しているのは、つとに有名な話。

「真の情報を学びたかったらジョイマンの門をたたけ」
と言われるほど、飲食店経営者、美容室経営者の間で口コミになるグル中のグルでもある。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)にも、コンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

コンサルタント育成での実績も多数。

現在は、パートナーコンサルタントが所属し、全国の店舗経営者のサポートを行なっているコンサルティングファームの代表としても活動している。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。
家族を愛するマーケッター。

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