24.再来店対策の受動的・自発的アプローチで実現する安定集客

目次

受動的アプローチ:店舗からの積極的働きかけ

LINE公式アカウント戦略

友達獲得の効率的手法

タイミングを見極めた声かけ

  • お客様が携帯を取り出したタイミングで声をかける
  • 注文後、携帯をいじり始めた瞬間が最適
  • 「携帯を出している=話しかけやすい状況」を活用

QRコードの戦略的配置

  • 卓上POPでのQRコード表示
  • その場で簡単に登録できる環境づくり
  • 100円トッピングサービス+4回来店で餃子無料の特典設定

配信内容の最適化

配信順序の重要性

  1. 文章(親しみやすい情報)
  2. 写真+特典(視覚的訴求)
  3. 文章+動画+特典(総合アプローチ)

配信パターンの4類型

  1. 季節関連情報:バレンタイン、節分など
  2. 新商品・月替わりメニュー情報
  3. スタッフ個人情報:誕生日、卒業など人間味のある話題
  4. 価格以外の価値提供:限定メニュー、友達限定特典

個別メッセージの威力

パーソナライズ戦略

  • 来店後の個別お礼メッセージ
  • 「今日はお子さん可愛かったです」など具体的な内容
  • 好みを把握した個別案内「前回言ってた○○が入荷しました」

ハガキDM:確実性の高いアプローチ

驚異的な効果数値

投資対効果の実績

  • 反応率20%(チラシの1%に対して20倍)
  • 1枚につき2.2人来店(同伴効果)
  • 投資例:1,000枚送付(6.5万円)→440人来店→44万円売上
  • ROI:約6.8倍の投資効果

A4大判ハガキの活用

訴求力向上のポイント

  • 表面から活用:通常は裏面のみ使用だが、表面半分も活用
  • 写真付き個人的な手紙風:店主の顔写真で親近感演出
  • 手書き風デザイン:デジタル化が進む中での差別化

メールマガジン:補完的活用

到達率の課題と対策

  • 年々到達率が下がる傾向(迷惑メール判定の厳格化)
  • LINEへの移行が推奨
  • 既存リストの活用に留める

自発的アプローチ:顧客の行動促進

3枚クーポン戦略

来店間隔の短縮効果

3段階配布システム

  • 今月用・来月用・再来月用の3枚同時配布
  • 通常30日間隔→今月中の再来店促進
  • 継続来店の習慣化

期限設定の重要性

  • 必ず期限を明記(行動促進には期限が不可欠)
  • 期限切れ時の新クーポン交換で再来店促進

3ステップポイントカード

心理的達成しやすさ

設計の根拠

  • 3回来店で常連化する統計データに基づく
  • 初回来店時に1個目スタンプ済み(あと2回で達成感)
  • 10個20個では「貯まらない」印象を回避

財布での視認性向上

  • カード入れから「はみ出す」サイズ設計
  • 財布を開くたびに思い出す仕組み

年間パスポート制度

定期利用の仕組み化

成功事例の構造

  • 美容室:カラーリング年間パスポート
  • 整体:炭酸泉年間パスポート
  • 飲食店:ビール1杯目無料パスポート

重要な注意点

  • 単品商品では実施禁止(売上がパスポート代のみになる危険)
  • 複数メニューが前提:他商品の有料注文で利益確保
  • 集客商品の定期券化:収益商品への誘導が目的

物品預かりサービス

他店利用の阻止効果

成功パターン

  • ゴルフ練習場:クラブ預かりサービス
  • 美容室:専用ガウン、タオル預かり
  • 居酒屋:ボトルキープ

心理的効果

  • 「他店に行けない」状況の創出
  • 取りに来る必要性による確実な再来店
  • 顧客との物理的な繋がり創出

統合戦略による安定集客の実現

数値に基づく計画的運営

目標逆算システム

計算例

  • 1日20人来店×30%がLINE登録=6人/日
  • 6人×20営業日=120人/月の友達増加
  • 年間1,440人の顧客リスト構築
  • 配信反応率10%×2人同伴×1,000円=月46万円の追加売上

コントロール可能な行動目標

重要な思考転換

  • 結果目標「月80万円達成」→行動目標「毎日20人に声かけ」
  • 自分でコントロール可能な行動に焦点
  • 売上は結果、行動は手段という明確な区別

受動的×自発的の相乗効果

最適な組み合わせパターン

段階別アプローチ

  1. 初回来店時:LINE登録促進(受動的仕組み構築)
  2. 定期配信:季節情報、新メニュー案内(受動的接触)
  3. クーポン配布:3枚同時配布で自発的再来店促進
  4. ポイントカード:継続利用のモチベーション維持
  5. 個別メッセージ:パーソナライズされた特別感演出

投資効率の最大化

コスト比較

  • チラシ:1万人あたり16円の利益効果
  • ハガキDM:1万人あたり376円の利益効果(23倍の効率)
  • LINE:定額制で接触頻度無制限(最高効率)

実践のポイントと注意事項

継続実行の仕組み化

  • 習慣化:毎日の声かけを業務の一部として定着
  • 分担制:スタッフとの役割分担で負担軽減
  • 効果測定:月次での友達数、反応率の把握

個人店の強みの活用

  • 大手チェーンとの差別化:個別対応の徹底
  • 人間関係の構築:顔と名前の一致、家族構成の把握
  • 秘密の共有:顧客のプライベート情報を大切にする関係性

再来店対策は「待つ経営」から
「攻める経営」への転換の核心です。
受動的アプローチで確実な接触を確保し、
自発的アプローチで顧客の行動を促進することで、
安定した集客基盤を構築できます。
重要なのは、両方のアプローチを組み合わせ、
数値に基づいた計画的な運営を行うことです。

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この記事を書いた人

・有限会社繁盛店研究所 代表取締役

・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・繁盛店グループ総代表
・コピーライター
・中小企業診断士(経済産業省 登録番号402345)

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区) 自営業の家に生まれ、
親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。
活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。
急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。
昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。

そして、週末は現場経験を積むため
無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。

6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。
取得を契機に7年目で市役所退職。

退職後、有限会社繁盛店研究所
(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

コンサルタントとして独立後、全く仕事がなく日々思い悩む日々を送る。
食欲もなくなり病気の心配から医者の診察を受けると、
「体に問題はありませんが、商売はうまくいっていますか?」と
医者に商売の心配をされ、帰り道に号泣。

更に、独立以前に毎月ためていた全財産が底をつく。

こうした経験から、店舗経営者でも同じように
資金繰りや集客で悩んでいる方も多いことに気付く。

こうした方達のサポートを通じて、業績の改善、
魅力ある店舗作りのサポートにまい進することを誓う。

お笑い芸人として活動していた経験から、
小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や
店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル
漫才の手法などを取り入れることで、
クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。

独自のジョイマン式増益繁盛店メソッドの考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万7800人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブゴールド」を運営。

人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。


これまで北は北海道から南は沖縄、そして、海を渡りアメリカ、カナダ、オーストラリア
などの海外からも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

実践的で分かりやすく、すぐに店舗売上のアップに繋がると評判であることから、飲食店や美容室の店舗経営者からの評価も高い。

また、こうしたことから飲食店コンサルタントや美容室コンサルタントが、販促情報や販促アイデアのネタ元(発信源)としてそれらの内容をこっそり真似しているのは、つとに有名な話。

「真の情報を学びたかったらジョイマンの門をたたけ」
と言われるほど、飲食店経営者、美容室経営者の間で口コミになるグル中のグルでもある。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)にも、コンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

コンサルタント育成での実績も多数。

現在は、パートナーコンサルタントが所属し、全国の店舗経営者のサポートを行なっているコンサルティングファームの代表としても活動している。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。
家族を愛するマーケッター。

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