4.平均点の店作りは大手に任せろ!個人店が選ぶべき「特徴ある店づくり」の威力

平均点の店作りは大手に任せろ!個人店が選ぶべき「特徴ある店づくり」の威力

目次

「どこにでもあるような店」が淘汰される時代の到来

あなたの店は、お客様にとって「特別な存在」ですか?

もしあなたが
「うちの店は技術力が高いから大丈夫」
「良い商品を提供しているから選ばれる」と考えているなら、
今すぐその考えを見直す必要があります。

なぜなら、現代は
「どこにでもあるような店」が
容赦なく淘汰されていく時代だからです。

技術力や商品力は、
もはや「当たり前」になりました。
同じようなサービス、似たような商品、
横並びの価格設定—。
お客様から見れば、
どの店を選んでも大差ないというのが現実です。

平均点の店作りが個人店にとって「死亡フラグ」である理由

多くの個人店経営者が犯している致命的な間違いがあります。
それは、大手企業と同じ土俵で戦おうとすることです。


なぜ大手は「平均点の店作り」をするのか?

大手チェーンの戦略を理解する

大手チェーン店が平均点の店作りをするのには、
明確な戦略があります:

大手の論理:

  • 膨大な数の店舗展開が必要
  • 誰にでも気に入ってもらえる無難な店作り
  • マニュアル化による均質なサービス提供
  • スケールメリットによるコスト削減

大手が平均点を選ぶ3つの理由

1. 大量の顧客獲得が至上命題 数万人、
数十万人の顧客を相手にするため、
特定の人だけに刺さる特徴的なサービスは避ける傾向にある。

2. リスク回避の必要性 株主への責任があるため、
冒険的な試みよりも確実性を重視。

3. オペレーションの効率化 全国展開を前提とした場合、
特徴的すぎるサービスはマニュアル化が困難。

しかし、これが個人店には当てはまらない理由

個人店の現実:

  • 商圏は限定的(半径数キロ程度)
  • 相手にするお客様は数百人から数千人
  • 経営者の個性や価値観を直接反映できる
  • 小回りの利く迅速な意思決定が可能

つまり、個人店が大手と同じ戦略を取ることは、
自らの最大の武器を捨てることと同じなのです。


「特徴ある店づくり」がもたらす圧倒的な競争優位性

成熟化した市場で生き残る唯一の方法

現代は「成熟化した市場」です。
お客様にとって選択肢は無限にあります。
だからこそ、
専門店や特徴のある店がより強力な競争力を持つのです。

成熟市場における消費者心理の変化

昔の消費者:「何でもある店が便利」
今の消費者:「自分のニーズにピッタリ合う専門的な店を探したい」

成功事例:絞り込み戦略で客単価150円アップしたうどん店

ある一般的なうどん店が
「カレーうどん専門店」に特化した結果:

変更前:

  • 30種類のメニューで「何でもあります」
  • 客単価:平均的
  • お客様:「いつものうどん」を注文

変更後:

  • カレーうどん専門に絞り込み
  • 客単価:150円アップ
  • お客様:「カレーうどんならここ」という明確な来店動機

この成功の背景にある3つの要因

1. 選択の迷いをなくした お客様が「何を注文するか」で迷う時間を削減し、迷った結果注文しないリスクを回避。

2. 専門性による信頼感 「カレーうどんのプロ」として認識され、他店との差別化を実現。

3. 口コミでの紹介しやすさ 「カレーうどんが美味しい店があるよ」と友人に紹介しやすい明確な特徴。


個人店が持つ「ダイヤモンドの原石」を発見する方法

あなたの店にしかない魅力を見つけ出す

多くの経営者が見落としている事実があります。
それは、すでにあなたの店には独自の魅力があるということです。

自店の強みが見えない3つの理由

1. 近すぎて見えない現象 毎日接している自分の店の良さは、当たり前すぎて気づかない。

2. お客様の立場で考えていない 経営者視点ではなく、お客様視点での価値を理解していない。

3. 他店との比較不足 競合他店を客として利用した経験が少ない。

ダイヤモンドの原石発見法:5つのステップ

ステップ1:お客様の声を徹底収集

重要:悪い点ではなく、良い点だけを聞く

従来のアンケートでは
「改善点を教えてください」と聞きがちですが、
これは逆効果。
お客様に悪い印象を思い出させ、
再来店率を下げてしまいます。

正しいアプローチ:
「当店を利用して良かったことは何ですか?」
「どの点が他店と違うと感じましたか?」
「なぜ当店を選んでいただけたのですか?」

ステップ2:スタッフの他店体験レポート

スタッフに定期的に競合他店を利用してもらい、以下を記録:

  • 気づいた不便・不満点
  • 良いと思った取り組み
  • 自店との違い

この手法の効果:

  • 自店の改善点が明確になる
  • スタッフの改善意欲が向上
  • 客観的な視点での店舗評価が可能

ステップ3:来店動機の詳細分析

お客様に以下を質問:

  • 「どうやって当店を知りましたか?」
  • 「何が決め手で来店しましたか?」
  • 「他の店と比較しましたか?」

ステップ4:リピート客の深掘りインタビュー

何度も来店してくれるお客様に:

  • 「なぜ当店を選び続けるのですか?」
  • 「当店の何が他と違いますか?」
  • 「友人に紹介するとしたら、どう説明しますか?」

ステップ5:経営者のストーリーの言語化

  • なぜこの商売を始めたのか?
  • どんな想いで商品・サービスを提供しているのか?
  • 過去の失敗から学んだこととは?
  • お客様に提供したい本当の価値とは?

特徴を活かした「ナスカの地上絵戦略」

同じものでも伝え方で魅力は激変する

ナスカの地上絵理論とは、
同じものでも見せ方・伝え方によって全く違う価値として認識されるという法則です。

実例:お絵かきボード → 筆談ボード

従来の商品説明: 「子供用お絵かきボード」

  • 対象:子供を持つ親
  • 用途:お絵かき・遊び
  • 価格:低価格帯

価値再定義後: 「高齢者向け筆談ボード」

  • 対象:高齢者・介護関係者
  • 用途:コミュニケーション支援
  • 価格:適正価格(社会的意義による価値向上)

この戦略の3つのポイント

1. 用途提案の重要性 商品そのものではなく、
「誰が・何のために・どう使うか」を明確に提案。

2. ターゲットの明確化 「誰にでも」ではなく「
特定の人に深く刺さる」メッセージ。

3. 課題解決型の商品説明 機能説明ではなく、
お客様の問題解決に焦点を当てた価値提案。


「焼き直し戦略」による新しい価値創造

世の中に新しいものは存在しない

成功している多くのビジネスは、
既存のものの組み合わせや焼き直しです。

成功事例:いきなりステーキ

組み合わせた要素:

  • 立ち食いそば(立ち食いスタイル)
  • ステーキハウス(商品)

結果: 従来なかった「立ち食いステーキ」という新業態の誕生

ライザップの成功パターン

単品価格:

  • 食事管理:月1万円
  • パーソナルトレーニング:月2万円
  • 合計:月3万円

セット化・コンセプト化後:

「60日で理想の体を手に入れる」というコンセプトで60万円を実現

成功要因:

  1. 既存サービスのセット化
  2. 強力なコンセプトによる価値向上
  3. 結果にコミットする明確な約束

あなたの店でできる焼き直し戦略

美容室の例

**従来:**カット・パーマ・カラーの個別メニュー

焼き直し案:

  • 「婚活成功ヘアスタイル」パッケージ
  • 「面接突破ビジネスヘア」セット
  • 「同窓会で注目される」トータルコーディネート

飲食店の例

**従来:**単品メニューの組み合わせ

焼き直し案:

  • 「デート成功コース」
  • 「健康寿命延長定食」
  • 「受験生応援セット」

特徴ある店づくりの実践ロードマップ

フェーズ1:現状分析と強み発見(1-2ヶ月)

①お客様インタビューの実施

  • 月10人以上のリピート客に聞き取り
  • 良い点のみを質問し、悪い印象を避ける
  • 来店動機と継続理由を明確化

②競合他店の客観分析

  • スタッフによる他店利用体験
  • 自店との違いの明確化
  • 改善点と強化点の洗い出し

③経営者ストーリーの言語化

  • 創業の想いと経緯
  • 大切にしている価値観
  • お客様への提供価値の明文化

フェーズ2:特徴の明確化と差別化(2-3ヶ月)

①コンセプトの再定義

  • 「誰の・何の課題を・どう解決するか」の明確化
  • ターゲット顧客の具体的イメージ化
  • 競合他店との明確な違いの言語化

②サービス・商品の焼き直し

  • 既存メニューの新しい組み合わせ検討
  • 用途提案による価値向上
  • セット化・コンセプト化の実施

③伝え方の革新

  • ナスカの地上絵理論の適用
  • 機能説明から価値提案への転換
  • お客様の「ご利益」に焦点を当てた表現

フェーズ3:特徴の訴求と浸透(3-6ヶ月)

①販促物の全面刷新

  • 新しいコンセプトに基づくチラシ・POP作成
  • ターゲットを明確にしたメッセージング
  • 特徴を活かした店舗装飾・演出

②スタッフ教育と意識統一

  • 新しいコンセプトの共有と理解促進
  • 接客時の価値提案方法の統一
  • お客様への特徴の伝え方トレーニング

③顧客への浸透活動

  • 既存客への新しい価値提案
  • 口コミ促進のための仕組み作り
  • 特徴を活かしたイベント・企画の実施

特徴ある店づくりがもたらす5つの奇跡

奇跡1:価格競争からの完全脱却

従来:「安くしないと選ばれない」という思い込み
変化後:「この価格でもここでないと」という指名買い

実現する理由:

  • 独自性による差別化
  • 価値に基づく適正価格設定
  • お客様の納得感の向上

奇跡2:自然な口コミによる集客力向上

従来:広告費をかけなければ集客できない 変化後:お客様が自然に友人・知人を連れてくる

実現する理由:

  • 明確な特徴により紹介しやすくなる
  • 「○○ならあの店」という認知の確立
  • お客様の満足度と愛着度の向上

奇跡3:スタッフのモチベーション向上

従来:単なる作業として仕事を捉える
変化後:店の特徴に誇りを持ち、積極的に価値提案

実現する理由:

  • 明確なコンセプトによる働く意味の実感
  • お客様からの感謝の声の増加
  • 専門性による成長実感

奇跡4:経営者の充実感と情熱の復活

従来:日々の業務に追われ、経営の楽しさを見失う
変化後:自分の価値観を活かした経営による充実感

実現する理由:

  • 自分らしい店づくりの実現
  • お客様との深い関係性構築
  • 社会への価値提供の実感

奇跡5:長期的な事業継続性の確保

従来:競合他店の影響を受けやすい不安定な経営
変化後:独自のポジションによる安定した顧客基盤

実現する理由:

  • 代替困難なサービスの提供
  • 顧客ロイヤルティの向上
  • 持続可能な収益構造の構築

特徴ある店づくりで注意すべき3つの落とし穴

落とし穴1:特徴を作りすぎる

間違い:何でもかんでも特徴にしようとする
正解:1つか2つの明確な特徴に絞り込む

理由: 特徴が多すぎると、
結局何の店か分からなくなってしまいます。
お客様の記憶に残るのは、
シンプルで明確な1つの特徴です。

落とし穴2:経営者の趣味に走りすぎる

間違い:自分の好みだけで特徴を決める
正解:お客様のニーズと自分の価値観の交差点を見つける

理由: 特徴は経営者の自己満足ではなく、
お客様の価値になってこそ意味があります。

落とし穴3:一貫性のない特徴づくり

間違い:チラシでは専門店、実際は何でもやる店
正解:すべての接点で一貫した特徴の訴求

理由: 集客時とサービス提供時のギャップは、
お客様の期待を裏切り、リピートを阻害します。


まとめ:「平均点」から「唯一無二」への大転換

個人店だからこそできる「特別な存在」への進化

平均点の店作りは、
大手チェーンに任せましょう。
あなたには、大手には絶対に真似できない武器があります。

それは:

  • 経営者の個性と価値観
  • 地域に密着した細やかなサービス
  • お客様一人ひとりとの深い関係性
  • 迅速な意思決定と柔軟な対応力

あなたの店が「選ばれ続ける存在」になるために

今すぐ始められる3つのアクション:

①今日からお客様に良い点だけを聞く
「当店の良いところを教えてください」の質問を習慣化

②来週までに競合他店を3軒体験する
お客様の立場で他店を利用し、自店との違いを明確化

③1ヶ月以内に自分の経営ストーリーを文章化
なぜこの商売を始めたのか、何を大切にしているのかを言語化

最後に:特徴ある店づくりがもたらす未来

特徴ある店づくりに成功したあなたの店は:

✓ お客様から愛され続ける特別な存在
単なる商品・サービス提供者ではなく、お客様の人生の一部となる

✓ 価格ではなく価値で選ばれる店
「ここでなければダメ」と言われる唯一無二のポジション

✓ 経営者とスタッフが誇りを持てる職場
自分たちの仕事に意味と価値を感じられる環境

✓ 地域コミュニティの中心的存在
地域の人々にとって「なくてはならない店」としての認知

✓ 次世代に継承したい価値ある事業
単なる商売ではなく、社会的価値を提供する事業として発展

今この瞬間が、あなたの店の運命を決める

「どこにでもあるような店」として埋もれるか、
それとも「あなたの店でなければダメ」と
言われる特別な存在になるか。

その分岐点は、
今この瞬間にあります。

平均点の店作りは、
今日で卒業しませんか?


あなたの店には、
まだ発見されていないダイヤモンドの原石が必ず眠っています。
それを見つけ、磨き上げ、
お客様に伝える―それこそが、
個人店経営者だけに許された特権なのです。

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この記事を書いた人

・有限会社繁盛店研究所 代表取締役

・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・繁盛店グループ総代表
・コピーライター
・中小企業診断士(経済産業省 登録番号402345)

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区) 自営業の家に生まれ、
親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。
活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。
急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。
昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。

そして、週末は現場経験を積むため
無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。

6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。
取得を契機に7年目で市役所退職。

退職後、有限会社繁盛店研究所
(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

コンサルタントとして独立後、全く仕事がなく日々思い悩む日々を送る。
食欲もなくなり病気の心配から医者の診察を受けると、
「体に問題はありませんが、商売はうまくいっていますか?」と
医者に商売の心配をされ、帰り道に号泣。

更に、独立以前に毎月ためていた全財産が底をつく。

こうした経験から、店舗経営者でも同じように
資金繰りや集客で悩んでいる方も多いことに気付く。

こうした方達のサポートを通じて、業績の改善、
魅力ある店舗作りのサポートにまい進することを誓う。

お笑い芸人として活動していた経験から、
小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や
店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル
漫才の手法などを取り入れることで、
クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。

独自のジョイマン式増益繁盛店メソッドの考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万7800人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブゴールド」を運営。

人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。


これまで北は北海道から南は沖縄、そして、海を渡りアメリカ、カナダ、オーストラリア
などの海外からも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

実践的で分かりやすく、すぐに店舗売上のアップに繋がると評判であることから、飲食店や美容室の店舗経営者からの評価も高い。

また、こうしたことから飲食店コンサルタントや美容室コンサルタントが、販促情報や販促アイデアのネタ元(発信源)としてそれらの内容をこっそり真似しているのは、つとに有名な話。

「真の情報を学びたかったらジョイマンの門をたたけ」
と言われるほど、飲食店経営者、美容室経営者の間で口コミになるグル中のグルでもある。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)にも、コンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

コンサルタント育成での実績も多数。

現在は、パートナーコンサルタントが所属し、全国の店舗経営者のサポートを行なっているコンサルティングファームの代表としても活動している。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。
家族を愛するマーケッター。

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