先日、静岡県内の工務店の社長からこんなご相談をいただきました。
「最近、地元の不動産会社から古家付き土地の情報が入るようになったんですが、正直どう活用すればいいかわからなくて。解体費用のことも聞かれるんですが、答え方がわからないし、そのまま話が終わってしまうんです」
この社長、腕は確かで地元の評判もいい。でも、目の前にチャンスが転がっているのに、それを受注につなげる「型」がなかった。古家付き土地・解体提案は、紹介や口コミに依存せず、新規顧客を安定的に獲得できる有力なルートのひとつです。今回は、この提案を受注につなげるためのチェックポイントと実践ステップをお伝えします。
📋 この記事でわかること
- 古家付き土地・解体提案が工務店の新規集客に有効な理由
- 受注につながる提案ができているか確認するチェックポイント
- ホームページ・Web集客と解体提案を連動させる具体的な方法
- 問い合わせから受注までの流れを仕組み化するステップ
こんな方におすすめ
- ✅ 古家付き土地の情報は入ってくるが、受注につながっていない方
- ✅ 解体業者との連携はあるが、集客の入口として活用できていない方
- ✅ 紹介・OB客中心で新規顧客の獲得が安定しない方
- ✅ ホームページはあるが古家付き土地や解体に関するコンテンツがない方
- ✅ 不動産会社との協力関係を集客に活かしたいと考えている方

古家付き土地の提案が工務店にとってチャンスになる理由
首都圏だけでなく、静岡をはじめ地方都市でも「空き家問題」が顕在化しています。国土交通省の調査(2023年住宅・土地統計調査)によれば、全国の空き家数は約900万戸に上り、過去最多を更新しています。
この状況は、工務店にとってむしろ追い風です。古家付き土地を購入し、解体して注文住宅を建てたいというニーズは確実に存在しています。問題は、そのニーズをもった見込み客が「どの工務店に相談していいかわからない」という状況にあること。
ここでのポイントは、解体+新築をワンストップで相談できる工務店は、お客様にとって非常に頼もしい存在だということ。「解体は別業者、設計はまた別」という縦割り対応より、窓口をひとつにしてくれる工務店のほうが圧倒的に選ばれやすい。
「古家付き土地の提案は、競合が少ないブルーオーシャンです。ポータルサイトに掲載しているだけでは届かない層に、工務店自らアプローチできる数少ない手法のひとつ。ここに着目している工務店はまだ多くない」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・利益倍増の専門家)
あなたの工務店は受注できる体制になっていますか? 5つのチェックポイント
古家付き土地・解体提案で受注するには、「情報が入ってくる」だけでは不十分です。以下のチェックポイントで自社の現状を確認してみてください。
チェックポイント①:解体費用の目安をすぐに答えられますか?
「解体費用はいくらくらいかかりますか?」という質問に対して、「業者に聞いてみないとわからない」とだけ答えていませんか?見込み客は不安を解消したくて聞いています。正確な金額でなくていい。構造・広さ・立地別のおおよその目安と、そのあとの流れを説明できるだけで信頼感は大きく変わります。
✅ ポイント:地域の解体業者2〜3社と事前に関係を作り、概算見積りをスムーズに取れる体制を整えておく。「解体から新築まで一緒に動きます」という一言が、競合との差別化になる。
チェックポイント②:不動産会社との連携ルートを持っていますか?
古家付き土地の情報は、多くの場合まず不動産会社に入ります。「土地を紹介してくれる不動産会社」と連携できているかどうかが、情報の入り口を広げるかどうかの分岐点です。
✅ ポイント:地元の不動産会社5〜10社に「古家付き土地の購入を検討しているお客様がいれば、建築相談を一緒に受けます」と声をかけておく。名刺と会社案内を渡すだけで一定数の紹介が生まれ始める。
チェックポイント③:ホームページに「古家付き土地」「解体」に関するコンテンツがありますか?
「古家付き土地 + 地域名 + 工務店」でGoogle検索してみてください。あなたの会社は出てきますか?見込み客の多くはまずネットで調べます。この検索で上位表示されている工務店は、地域で問い合わせを独占できます。
✅ ポイント:ホームページに「古家付き土地からの建て替え事例」「解体から新築までの流れ」を解説したページを1ページ作るだけで、検索流入の経路が増える。施工事例に解体前・解体後・完成後の写真を載せると説得力が増す。
チェックポイント④:問い合わせてきた人への初回対応の「型」がありますか?
古家付き土地の検討者は、不安が多い状態で問い合わせてきます。解体費用・土地の問題・ローンの組み方・スケジュール……。この段階で「うちは建築だけなので解体は別途相談してください」という対応では、信頼を失います。
✅ ポイント:初回問い合わせから面談までのトーク設計と資料(解体から新築までのフロー図・費用の目安シート)を事前に準備しておく。準備があるかないかで、成約率は大きく変わる。
チェックポイント⑤:Googleビジネスプロフィールに「解体」「土地から相談」の情報を載せていますか?
Googleマップで工務店を探すとき、プロフィールに書かれているキーワードが検索結果に影響します。「解体相談可」「古家付き土地からの建て替え対応」などの情報をGoogleビジネスプロフィールに追加していますか?
✅ ポイント:Googleビジネスプロフィールの「サービス」や「投稿」欄に解体提案に関する情報を定期的に更新することで、MEO対策としても有効に機能する。
✓ ここまでのポイント
- 古家付き土地・解体提案は競合が少なく、工務店にとって新規集客の有力ルート
- 「解体費用の目安が答えられる」「不動産会社との連携がある」「HPにコンテンツがある」の3つが最優先で整えるべき基盤
- Googleビジネスプロフィールへの情報追加は今日からできる即効性のあるMEO対策
Web集客と解体提案を連動させる3ステップ
チェックポイントで課題が見えてきたら、次は実際に動く仕組みを作る段階です。私が支援している工務店では、以下のステップで「月5件以上のHP問い合わせ」を目指す体制を整えています。
集客の仕組み化 STEP 1
「古家付き土地」をテーマにしたランディングページをホームページに追加する
「解体から新築まで任せられる工務店」というポジションをWeb上で明確にする。施工事例・流れ・費用目安・よくある質問・問い合わせフォームをひとつにまとめたページを作成する。これがすべての集客の起点になる。
⚠️ よくある失敗:「いつか作ろう」と後回しにしているうちに、同じ地域の競合工務店が先に上位表示を確保してしまうケース。コンテンツは早く出した方が有利。完璧を目指さず、まず公開することが先決。
集客の仕組み化 STEP 2
不動産会社・解体業者とのネットワークをオフラインとオンラインの両方で構築する
直接訪問して名刺交換・関係作りをするオフラインの活動と並行して、ホームページのURLを渡して「解体から相談できる工務店」として認識してもらうオンラインの補強を行う。
⚠️ よくある失敗:不動産会社に挨拶に行っただけで終わり、その後フォローをしないケース。定期的に事例を報告したり、情報を共有するコミュニケーションがなければ紹介は続かない。
集客の仕組み化 STEP 3
問い合わせから面談・見積り・受注までのフローをドキュメント化する
社長がすべて対応する属人的な状態では、問い合わせが増えたときに対応しきれなくなる。初回問い合わせへの返信テンプレート・ヒアリングシート・解体費用の概算資料・面談用トークスクリプトを整備しておく。
⚠️ よくある失敗:問い合わせフォームからの連絡への返信が翌日以降になっているケース。古家付き土地の検討者は複数の工務店に問い合わせていることが多く、返信の速さが第一印象に直結する。
「広告費をかけずに集客しようとするより、きちんと投資して仕組みを作る方が、社長の時間も守られて利益も増える。古家付き土地の提案は、その仕組みの入口として機能させやすい領域です」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・利益倍増の専門家)
実際にどう変わるか? 支援事例から見る受注増のリアル
私はこれまで18年にわたり、1,000店舗以上の中小事業者の売上アップを支援してきました。工務店に特化してからも、古家付き土地・解体提案を集客の軸にした工務店が成果を出すケースを多く見てきています。
年商3〜5億円・年間新築5〜10棟クラスの工務店でも、HPに解体関連のコンテンツを追加し、Googleビジネスプロフィールを整備するだけで、それまで月0件だった問い合わせが動き始めることは珍しくありません。
「HPからの問い合わせが月0件から5件以上になった」
工務店経営者(50代・男性)
「年間1棟増えただけでコンサル費用の6倍以上が回収できた」
注文住宅工務店 社長(40代・男性)
年間1棟の受注が増えるだけで、粗利ベースでは500万円以上の上乗せになるケースがほとんどです。古家付き土地・解体提案はその「1棟」を生み出す有力な経路のひとつになりえます。
❌ よくある失敗パターン
- SUUMOなどのポータルサイトへの掲載に費用をかけ続けているが費用対効果が出ない
- 解体の情報が入っても「建築専門なので」と断ってしまい、チャンスを逃している
- 不動産会社と知り合いはいるが、紹介をお願いする仕組みがない
✅ 受注につながるアプローチ
- 自社HPに「解体から新築まで相談できる」コンテンツを追加し、検索流入経路を広げる
- 地域の不動産会社・解体業者と定期的に情報交換する関係を構築する
- 問い合わせへの初回対応を仕組み化し、見込み客の不安を早期に解消する
まとめ:古家付き土地・解体提案は「仕組み」にしてこそ受注が増える
古家付き土地・解体提案は、「偶然情報が来たら対応する」ものではなく、意図的に集客の入口として設計することで、紹介だけに頼らない新規受注の柱になります。
今回ご紹介した5つのチェックポイントで、まず自社に何が足りないかを確認してみてください。HPのコンテンツ不足、不動産会社との連携不足、初回対応の仕組みの欠如──どれかひとつを改善するだけでも、問い合わせの質と量は変わってきます。
「いい家を建てているのに、なぜ選ばれないのか」という悩みを抱えている社長に伝えたいのは、選ばれない理由の多くは技術や品質ではなく、「知ってもらう仕組みがない」ことにあるということです。解体提案はその仕組みを作る入口のひとつになれます。
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