結論から言うと、外部に依頼する前に自社の課題を言語化しておかなかった工務店は、お金をかけても問題の本質が変わらないままになりやすいです。私がこの仕事を通じて何度もそれを見てきたので、今日はそのことをお伝えしたいと思います。
少し前のことを振り返ります。ある工務店の社長から、こんな相談を受けました。「本体サイトと、外壁塗装の専門サイトと、外構のサイトと、3つ持っているんですが、全部止まっています。更新する人間がいないし、自分でやる時間もない。このままじゃまずいのはわかっているんですが、どこから手をつけたらいいか全くわからなくて」という内容でした。
その社長は、制作会社に「リニューアルしてほしい」と打診したことがあったそうです。でも話がうまく進まなかった。なぜか。相手から「どんな課題を解決したいですか?」と聞かれたとき、答えが出てこなかったからです。
📋 この記事でわかること
- 複数サイトを放置してしまう工務店に起きていること
- 外部に依頼する前に自社の課題を言語化すべき理由
- 課題が整理できたあと、実際にどう動けばいいか
- 担当者ゼロでも複数サイトの情報蓄積を続ける具体的な方法
こんな方におすすめ
- ✅ 複数のサイトを持っているが全部更新が止まっている方
- ✅ 外部に依頼しようとしたが、何を頼めばいいかわからず止まっている方
- ✅ 担当者を置く余裕がなく、Web集客が後回しになっている方
- ✅ 放置が続くと競合に差をつけられることはわかっているが、動けていない方
- ✅ 紹介・口コミ中心の集客から、ホームページ経由の問い合わせに切り替えたい方

「更新が止まっている」は、サイトの問題ではなく運用の設計ミスだった
冒頭の社長の話に戻ります。私がまず聞いたのは「3つのサイト、それぞれ誰がどう更新する前提でつくりましたか?」という質問でした。
しばらく間があって、「…そういえば、特に決めていなかったかもしれないです」という答えが返ってきました。
これが、放置の根本原因です。サイトをつくることと、サイトを運用し続けることは、まったく別のことです。ところが多くの工務店では、「制作会社に頼んでサイトをつくってもらった」時点で仕事が終わったと感じてしまう。その後の更新をどうするかは、考えられていないことが多い。
3つのサイトがあれば、当然3倍の更新工数が必要になります。中小の工務店で、その工数を担う人員が社内にいるケースはほぼありません。社長が現場も営業も担いながら、さらにWeb更新まで回すのは、構造的に無理があります。
ここで重要なのは、「誰かに頼む」という選択をする前に、「今の自分たちのサイトは、何が止まっていて、なぜ止まったのか」をきちんと言葉にすることです。それができていないまま外部に依頼しても、また同じ構造を繰り返すことになります。
「3つのサイトが全部止まっている」という状況は、更新する人がいないという構造的な問題であって、サイトのデザインを直すだけでは解決しないことが見えてきたと思います。その構造の全体像——HP集客がうまくいかない工務店の3つのパターンと、問い合わせを生む5つの仕組み——を18ページの小冊子にまとめています。メールアドレスを登録するだけで、すぐに読めます。
外部に依頼する前に課題を言語化することで、初めて依頼の中身が決まる
課題の言語化とは、難しいことではありません。私がその社長と一緒に整理したのは、次の3点でした。
チェックポイント1:何のためにそのサイトを持っているか
本体サイトは新築の問い合わせ獲得が目的。外壁塗装専門サイトは塗装工事の地域検索からの流入が目的。外構サイトは外構工事の相談を集めるのが目的。——このように事業ごとにサイトを分けていたのには理由があった。しかし「なぜ分けているか」が言語化されていなかったため、制作会社への依頼内容も曖昧になっていました。
✅ ポイント:サイトの目的を事業ごとに明文化する。「このサイトで何を達成したいか」が外部への依頼文に直接なる。
チェックポイント2:今、何が止まっていて、それがどんな損失を生んでいるか
更新が止まっているということは、検索エンジンからの評価が積み上がらないということです。競合他社が月に数十本のコンテンツを追加し続けているとしたら、放置期間が長くなるほど検索順位の差は広がっていきます。外壁塗装と外構、それぞれの事業で検索からの問い合わせがゼロのまま時間だけが過ぎていく——これは「サイトがある」ではなく「サイトに投資したお金が眠っている」状態です。
✅ ポイント:「更新が止まっている期間」と「競合が動いている期間」を対比して考えると、放置コストが見えてくる。
チェックポイント3:更新が続かなかった本当の理由は何か
「時間がなかった」「担当者がいなかった」は理由ではなく、結果です。本当の理由は「更新を人力でやる前提のまま、仕組みを変えていなかった」ことです。ここを直さないかぎり、外部に頼んで一時的にサイトがきれいになっても、半年後にはまた止まります。
✅ ポイント:「人を増やす」方向ではなく、「人がいなくても動く仕組み」を外部依頼の条件に含める。
✓ ここまでのポイント
- 複数サイトの放置は「更新する人がいない」という設計ミスが原因であり、サイト自体の問題ではない
- 外部に依頼する前に「何のためのサイトか」「何が止まってどんな損失があるか」を言語化することで、依頼の中身が初めて決まる
- 仕組みを変えないかぎり、リニューアルしてもまた同じ状態に戻る
課題を言語化したあと、「では実際に何から手をつけるか」で止まるケースが多いです。小冊子『工務店・塗装店のHP集客 5つの仕組み』では、20問の自己診断チェックリストを使って自社サイトの問題箇所を特定できます。無料で、メールアドレスだけで受け取れます。
課題が言語化できたとき、依頼の選択肢がはっきり変わった
「課題を言葉にするまでは、何を依頼したいのかが自分でもわかっていなかった。言語化してから初めて、何を解決したいのかが整理できた」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・工務店集客支援サポート)
この社長のケースで言うと、課題の言語化が終わったあと、依頼の方向は「リニューアル」ではなく「自動で動き続ける更新の仕組みを、3サイト分いっきに整える」という形に変わりました。
人力で3サイトを更新するのは構造的に無理だとわかっていたので、1つのシステムで複数サイトを一括管理・自動投稿できる環境を整えることが根本解決策になる、という判断です。
各サイトのキーワードと事業特性を個別に設定すれば、あとはシステムが自動でコンテンツを生成・投稿し続けます。担当者ゼロでも、3つのサイト全体の情報蓄積が毎日積み上がっていく。これは単なる便利ツールではなく、「人がいない状態でも競合との差を縮め続ける」という経営判断です。
工務店のホームページに反響がないのはアクセス・信頼・導線のどの問題かを事前に把握しておくと、複数サイトのどこから手をつけるべきかがさらに明確になります。
「HPからの問い合わせが月0件から5件以上になりました」
工務店経営者(ハワードジョイマン支援先)
この声をいただいた工務店の社長も、最初は「うちのサイトは問い合わせが来ない」という漠然とした悩みをお持ちでした。でも、どこに問題があるのかを言語化する作業から始めたことで、何を変えればいいかが見えてきた。結果として、月0件だった問い合わせが月5件以上になるという変化につながりました。
「言語化」をやらずに依頼すると何が起きるか
課題の言語化をスキップして外部に依頼したときに起きやすいパターンを整理します。
❌ 「とりあえずリニューアルしてほしい」で依頼する
- 制作会社はデザインを変えるが、更新の仕組みは変わらない
- 新しいサイトが完成した3ヶ月後、また更新が止まる
- 「リニューアルしたのに問い合わせが来ない」という状況が繰り返される
✅ 「更新が続かない構造的な原因を解消したい」で依頼する
- 依頼の中身が「制作」ではなく「仕組みの設計」になる
- 自動化・一括管理の仕組みを前提にした提案が出てくる
- 担当者ゼロでも複数サイトが毎日動き続ける環境が整う
依頼文が変わると、提案の中身が変わります。そして提案の中身が変わると、実際に起きる結果が変わります。課題の言語化は、依頼の質を根本から変える作業です。
工務店のホームページから問い合わせがゼロになりやすい原因と改善の優先順位も、課題を言語化するうえで参考になります。どこに問題があるかを診断することから、正しい依頼内容が見えてきます。
まとめ:依頼の前に「言語化」する時間は、投資対効果が最も高い時間だった
私がこの記事で伝えたかったのは、「外部に頼む前に、まず自分たちの課題を言葉にしてほしい」ということです。それはコンサルタントに相談しながらでも構わない。一人で考えているだけでは見えにくい部分もあるので。
ただ、「何が止まっていて、なぜ止まったのか」「どんな状態になれば解決したと言えるのか」——この2点だけでも言葉にしてから動き始めると、依頼の質がまったく変わります。
複数サイトを持ちながら全部放置になっている状態は、放置期間が長くなるほど競合との差が広がっていきます。でも逆に言えば、仕組みを整えたところから差を縮め始められる。21年間、1,000店舗以上の中小事業者の売上支援をしてきた経験から言うと、最初の「課題の言語化」をきちんとやった工務店ほど、改善のスピードが早い傾向があります。
「言語化するといっても、何から考えたらいいかわからない」という方は、工務店ホームページの反響が出ないサイトに共通する3つの落とし穴を読んでみてください。自社のサイトのどこに問題があるかを整理するヒントになります。
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