「現場の職人が高齢化してきた」「若い大工が全然集まらない」「繁忙期だけでも人手が欲しいのに、どこにも人がいない」——そんな悩みを抱えながら、外国人材や技能実習生の受け入れを検討し始めた工務店の社長も多いのではないでしょうか。
実際、建設業の人手不足は深刻で、国土交通省の調査(2023年)によれば、建設業就業者数はピーク時(1997年)の約685万人から約479万人へと、20年以上で30%以上も減少しています。高齢化も進み、55歳以上が全体の約35%を占める状況です。
こうした背景から「外国人を雇えば解決するのでは?」と思う社長も増えています。ただ、私がこれまで18年間・1,000社以上の中小事業者を支援してきた中で感じるのは、「外国人材を受け入れる前に、まず整えるべきことがある」という点です。
この記事では、工務店が外国人材・技能実習生の受け入れを検討する際に、経営者として押さえておくべき考え方と、自社の準備状況を診断するためのチェックポイントをお伝えします。
📋 この記事でわかること
- 外国人材・技能実習生を受け入れる前に確認すべき自社の状態
- 受け入れにかかるコスト・リスクの現実的な見方
- 人材問題と集客問題を切り離して考える経営判断のポイント
- 「人を増やす前にやるべきこと」という視点での優先順位の整理
こんな方におすすめ
- ✅ 現場の人手不足で外国人材・技能実習生の受け入れを検討している工務店経営者
- ✅ 職人の高齢化・後継者不足に頭を悩ませている社長
- ✅ 外国人材の受け入れにかかるコストやリスクが不安な方
- ✅ 人を増やす前に、経営全体を見直したいと考えている方
- ✅ 受注棟数を増やしながら、持続可能な体制づくりをしたい方

外国人材・技能実習生の受け入れ、「なぜ検討しているか」を整理する
まず、受け入れを検討している理由を冷静に言語化してみてください。多くの社長が「人手不足だから」と一言で片付けてしまいますが、その中身はさまざまです。
チェックポイント1:人手不足の「本当の原因」はどこにあるか
現場の職人が足りないのは事実だとしても、その根本原因はどこにあるでしょうか。「受注が多すぎて職人が回らない」のであれば、それは喜ばしい状況です。しかし「棟数が増えないのに職人の高齢化で現場が回らなくなっている」のであれば、受け入れ以前に受注の安定化が急務です。
✅ ポイント:人を増やす前に、「今の受注数が職人数に見合っているか」を数字で確認すること。受注が不安定なまま人を増やすと、固定費だけが膨らむリスクがあります。
チェックポイント2:外国人材を「現場戦力」として機能させられる環境があるか
技能実習生や特定技能外国人は、即戦力ではありません。入国後の研修期間、言語のコミュニケーション、生活サポートなど、受け入れ側の体制整備が必要です。国土交通省が定める建設分野の特定技能・技能実習の制度では、監理団体や登録支援機関を通じた管理体制が義務付けられており、そのコストも無視できません。
✅ ポイント:受け入れにかかる初期費用(渡航費・手続き費用・研修費)と年間コストを試算し、「何棟受注すれば採算が取れるか」を事前に計算しておくこと。
チェックポイント3:社内の指導・教育体制が整っているか
外国人材を育てるためには、日本語でのコミュニケーション能力だけでなく、技術を教えられる職人(指導者)の存在が不可欠です。「現場の親方が忙しすぎて教える余裕がない」という状況では、受け入れてもうまくいきません。
✅ ポイント:技能を伝えられる「指導役」が社内にいるかどうかを確認する。もし現状の職人が教育に割く時間を作れないなら、まず業務の仕組み化・効率化が先決です。
✓ ここまでのポイント
- 人手不足の「本当の原因」が受注不足なのか・職人不足なのかを切り分けることが大切
- 外国人材の受け入れには、想定以上のコスト・管理コストがかかることを事前に把握する
- 指導体制が整っていないまま受け入れても、定着・育成は難しい
「人を増やす前にやるべきこと」という視点で優先順位を考える
私がコンサルティングの現場でよくお伝えしていることがあります。
「人を増やす前に、今いる人とお金と時間で最大の成果を出す仕組みをつくることが先です。外国人材の受け入れは、その仕組みができてから初めて選択肢に入ってくる。順番を間違えると、コストだけが増えて経営が苦しくなります」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・工務店集客支援コンサルタント)
工務店の経営を安定させるために最初にやるべきことは、「受注の仕組みをつくること」です。受注が安定しない状態で人件費の固定費を増やしても、経営は楽になりません。
チェックポイント4:今の受注は「紹介・口コミ」だけに依存していないか
紹介や口コミは素晴らしい集客経路ですが、コントロールできないという弱点があります。「今年は紹介が多かったが、来年どうなるかわからない」という状態では、職人の採用計画も立てられません。
✅ ポイント:紹介以外の集客経路(ホームページ・MEO・SNSなど)を整備し、月に一定数の問い合わせが来る状態をつくること。受注が安定してから、必要な人員規模を計算して採用計画を立てる。
チェックポイント5:ホームページからの問い合わせは月何件来ているか
工務店のホームページは「会社案内」ではなく「集客ツール」として機能させる必要があります。現状でHP経由の問い合わせが月0〜1件の場合、外国人材を受け入れる前に、まずこの数字を「月5件以上」に引き上げることが経営安定の近道です。
✅ ポイント:HP集客が機能していれば、年間1〜2棟の受注増につながります。年間1棟増えれば粗利500万円超。人を増やすより先に、集客の仕組みをつくる投資対効果を比較してみてください。
「HPからの問い合わせが月0件から5件以上になった」
40代・工務店経営者
「紹介だけに頼らなくていい仕組みができて、経営が安定した」
50代・注文住宅工務店 代表
外国人材受け入れのコストと、集客投資を比較してみる
外国人材・技能実習生の受け入れには、一般的に以下のようなコストがかかります(あくまで概算であり、監理団体・受け入れ人数・制度区分によって異なります)。
- 監理団体への管理費:月額3〜5万円程度
- 渡航・手続き費用:1人あたり30〜80万円程度
- 住居の確保・生活支援コスト
- 日本語研修・技能研修費用
これに対して、HP集客の仕組みをつくる投資はどうでしょうか。私が提供している「HP集客サポートサービス」は月額66,000円(税込)・6ヶ月契約。年間でかかる費用の合計よりも、受け入れコストと比較したときの費用対効果の違いは明らかです。
そして何より、HP集客が機能すれば「年間1棟増」という具体的な成果につながります。
「年間1棟増えただけでコンサル費用の6倍以上が回収できた」
40代・工務店経営者
もちろん、外国人材の受け入れを否定しているわけではありません。受注が安定し、現場の指導体制も整い、「人が足りないから増やしたい」という段階であれば、有効な選択肢です。大切なのは「順番」です。
外国人材受け入れを検討する前の「経営診断」チェックリスト
以下の項目を確認して、自社の現状を診断してみてください。
チェックポイント6:年間受注棟数は安定しているか
過去3年間の受注棟数のバラつきを確認してください。年によって3棟だったり8棟だったりする場合、受注が安定していないサインです。
✅ ポイント:受注が安定していない状態で採用しても、閑散期に職人を遊ばせることになりかねません。まず受注の安定化が先決です。
チェックポイント7:Googleマップに口コミが5件以上あるか
MEO対策(Googleビジネスプロフィールの最適化)は、地域の見込み客が工務店を探すときに直結する施策です。口コミが少ない・Googleマップの情報が不完全な場合、せっかく検索されても選ばれません。
✅ ポイント:Googleマップの口コミ数・評点・情報の充実度を今すぐ確認する。これは無料でできる最初の一手です。
チェックポイント8:SNS・ホームページの更新が3ヶ月以上止まっていないか
更新が止まったWebサイトやSNSは、見込み客に「この会社、今も営業しているのか?」という不安を与えます。更新頻度が低い場合、コンテンツの仕組み化から着手する必要があります。
✅ ポイント:更新が続かない理由の多くは「時間がない」ではなく「何を書けばいいかわからない」です。テンプレート化・仕組み化で解決できます。
「いい家を建てているのに選ばれないのは、技術の問題ではなく、その技術・品質が伝わっていないことが原因です。外国人を雇う前に、まず自社の魅力を正しく発信する仕組みをつくることが、経営安定への最短ルートです」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・工務店集客支援コンサルタント)
まとめ:外国人材受け入れは「経営が整ってから」の選択肢
工務店の人手不足は現実の課題です。しかし外国人材・技能実習生の受け入れは、受注が安定し、指導体制が整い、コストを吸収できる収益構造ができてから検討すべき選択肢です。
今の段階でやるべきことは、「月5件以上のHP問い合わせ」という集客の基盤をつくり、紹介だけに頼らない受注の仕組みをつくることです。受注が安定すれば、採用計画も現実的になり、外国人材受け入れの判断もより明確になります。
私はこれまで18年間・1,000社以上の中小事業者を支援し、飲食・美容で実績を積んだ「増益繁盛メソッド」を工務店向けに特化させてきました。「いい家を建てているのに、なぜ選ばれないのか」という理不尽を解消するために、一緒に集客の仕組みをつくっていきましょう。
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