再来店の仕掛け

なぜ「3回来てもらう」という意識を持ってから、常連客の数が変わったのか

梅雨が明けて一気に気温が上がるこの季節、美容室にとっては「夏のダメージケア」を求めるお客さんが動き始める時期です。カラーの退色が気になりはじめたり、うねりや乾燥が目立ってきたり。本来であれば来店の理由がたくさんある季節のはずなのに、「なぜかお客さんが増えない」と感じているオーナーさんから、相談をいただくことが増えています。

チラシも配った。SNSも更新した。でも反応がない。そういう状況が続くと、「うちの商圏が悪いのかな」「もっと安くしないとダメかな」と、本来向かう必要のない方向に気持ちが流れてしまいます。

でも、多くの場合、問題は「量」でも「価格」でもありません。誰に向けて書いているか、そこだけなんです。

今回は、「3回来てもらう」という意識を軸にした常連客づくりの話と、その土台になる「ラブレター型販促」の考え方を、具体的にお伝えしていきます。

📋 この記事でわかること

  1. チラシ・SNSをやっても反応がない本当の原因
  2. 「3回来てもらう」意識が常連客づくりに直結する理由
  3. ターゲットを絞ったラブレター型販促の具体的な作り方
  4. 新規客を常連に変えるための来店後フォローの考え方

こんな方におすすめ

  • ✅ チラシやSNSを更新しているのに新規客が増えない方
  • ✅ 常連客が少なく、毎回新規集客に頼ってしまっている方
  • ✅ 「誰でも歓迎」の販促から脱却したいと感じている方
  • ✅ 3回目以降に来てくれるお客さんの数を増やしたい方
  • ✅ 少ない広告費でも着実に手元に残る利益を増やしたい方
なぜ「3回来てもらう」という意識を持ってから、常連客の数が変わったのか | 月商200万円から年商1億円を実現する美容室経営術

「誰でも来てください」の販促が、結果的に誰にも届かない理由

美容室のチラシやSNS投稿を見ると、こういった内容がとても多いです。

「カット+カラー ○○円〜」
「平日限定クーポン実施中」
「丁寧な施術で仕上げます」

悪い内容ではありません。でも、受け取った人の立場に立つと、「で、私に関係あるの?」という感覚になりやすい。メニュー名と価格だけが並んでいると、読み手にとっては「ただのお店の案内」でしかないからです。

人が行動を起こすのは、自分の悩みや願望に触れたときです。「カット○○円」では悩みに触れていない。でも「40代からのくせ毛に悩んでいる方へ」と書かれていたら、その言葉が当てはまる人は思わず読み込みます。

ターゲットを絞ると「客層が狭まる」と怖く感じるかもしれません。でも実際は逆です。誰かの心に深く刺さる言葉は、その誰かを動かします。「なんとなく全員向け」の言葉は、誰の心も動かしません。

「販促物が効かないのは、ターゲットが広すぎるからです。100人に薄く届けるより、10人に深く刺さる言葉を書く。その10人が来てくれれば、十分なんです。」

ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)

この考え方の転換が、常連客づくりの第一歩になります。

「3回来てもらう」という意識が、なぜ重要なのか

常連客とは、突然生まれるものではありません。1回目に「いいお店だな」と感じ、2回目に「また来たい」と確信し、3回目にようやく「ここが自分のお店」という感覚が生まれます。

つまり、3回目の来店が「常連化のしきい値」です。

この意識がないと、どうなるか。1回目に来てくれたお客さんに対して、何もせずに次の来店を待ちます。待っている間に、他店に行かれたり、なんとなく足が遠のいたりします。来店間隔が延びるだけで、年間の売上は想像以上に減ります。

逆に「3回来てもらうことを設計する」という意識があると、行動が変わります。施術後に次回来店のタイミングを具体的に伝える。LINEで来店後のフォローをする。2回目、3回目を後押しする働きかけを、仕組みとして組み込んでおく。

このとき大切なのは、3回来てもらう「仕掛け」と、そもそも最初に来てもらうための「入口」の両方を整えることです。そしてその入口こそが、ラブレター型の販促です。

✓ ここまでのポイント

  • 「誰でも歓迎」式の販促は誰の心にも届かない。ターゲットを絞った言葉が行動を生む
  • 3回目の来店が常連化のしきい値。そこまで連れていく設計が利益に直結する
  • 入口(新規集客)と出口(再来店の仕掛け)は両方整えて初めて機能する

ラブレター型販促の作り方:「○○に悩む方へ」から始める

ラブレター型販促とは、特定の悩みを持つ一人のお客さんに向けて書いた、手紙のような販促物です。チラシでもSNS投稿でも、この構造で書くことができます。

チェックポイント①:誰の悩みに絞るか

まず、あなたのお店に来てほしいお客さんの「具体的な悩み」を一つ選びます。「くせ毛が扱いにくい」「白髪が気になり始めた」「産後から髪質が変わった」など、できるだけ具体的に。

✅ ポイント:悩みは「誰でも当てはまる悩み」ではなく、「あなたのお店が得意なお客さんの悩み」に絞ること。

チェックポイント②:「なぜそうなるのか」原因を説明する

悩みを書いたあと、「なぜその悩みが起きているのか」を説明します。例えば「産後の髪質変化は、ホルモンバランスの変化によるもので、適切なケアで改善できます」のように。

✅ ポイント:原因の説明があると「このお店は私のことを分かってくれている」という信頼感が生まれ、来店の心理的ハードルが下がる。

チェックポイント③:解決策とメニューをつなげる

原因の次は「うちではこうします」という解決策の提示。そのうえで、具体的なメニューに自然に誘導します。「〜だからこのメニューがあなたに合っています」という流れです。

✅ ポイント:メニュー名は「作業名」ではなく「ご利益名」で書く。「縮毛矯正」より「朝のスタイリングが5分で終わるストレートケア」のほうが、読み手の生活に刺さる。

この3ステップで構成された販促物は、「たった一人に向けたラブレター」になります。そしてその一人に刺さる言葉は、同じ悩みを持つ多くの人の心も動かします。

「広告というのは、お金をかけて顧客を創る行為です。ケチって薄い内容を撒いても、誰も動かない。少人数に深く刺さる言葉を書いて、その人たちに確実に届ける。それが正しい投資の使い方です。」

ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)

スタッフ退職後の客数減から、ターゲット特化で新規客が安定した実例

あるオーナーさんは、長く働いてくれていたスタッフが退職したことで、一時的に客数がぐっと減りました。焦った時期もあったそうです。「またゼロから集め直すしかないのか」という気持ちになるのは、自然なことだと思います。

そこで試みたのが、ターゲットを思い切って絞った販促です。「誰でも歓迎」から、「特定の悩みを持つ方への呼びかけ」へ切り替えた。チラシの冒頭から、悩みに直接語りかける内容にしました。

「スタッフが退職して客数が減り、途方に暮れていたときにターゲットを絞った販促に切り替えました。最初は怖かったけれど、反応率が上がって、今では新規客が安定して入るようになっています。」

スタッフ退職で客数減を経験した美容室オーナー

この事例のポイントは、「絞ったから刺さった」という点です。スタッフが減ったことで対応できる客数にも制限が生まれましたが、それが逆に「どのお客さんに来てほしいか」を明確にするきっかけになりました。

結果として、ただ客数を戻すのではなく、「来てほしいお客さんが安定して来る」という状態になった。これが利益にも直結しました。

3回来てもらうための、来店後フォローの設計

ラブレター型販促で最初の来店を実現したあと、「3回」という意識を持つ経営者は、来店後の動きが変わります。

再来店 STEP 1

施術後に「次回の来店タイミング」を必ず伝える

「次はいつ来ればいいですか?」をお客さんに決めさせていると、来店間隔はじわじわ延びます。「40日後ぐらいがベストです。それより空くと、今日の仕上がりが崩れてきます」と、具体的に伝えるだけで意識が変わります。

⚠️ よくある失敗:「またいつでもどうぞ」で終わらせてしまい、次の来店が相手任せになってしまう。

再来店 STEP 2

LINE公式アカウントで来店後の接点をつくる

来店後7〜10日のタイミングで「スタイルの調子はいかがですか?」という一言を送るだけで、お客さんとの距離感が変わります。気になることがあれば相談しやすくなり、次回予約のハードルも下がります。

⚠️ よくある失敗:クーポン情報だけを送り続け、「またセールの連絡か」と感じさせてしまう。情報だけでなく「関心を持っている」というサインを届けることが大切。

再来店 STEP 3

2回目・3回目に来てくれたお客さんへの「特別感」を設計する

2回目に来てくれたときに「また来てくださってありがとうございます」と伝える。3回目には、そのお客さんの好みや前回の悩みを記録してある状態で迎える。こういった積み重ねが「このお店は私のことを覚えてくれている」という感覚をつくり、常連化を後押しします。

⚠️ よくある失敗:2回目・3回目も初回と同じ対応をしてしまい、「特別なお店」という印象が生まれない。

まとめ:常連客が増えるのは、「意識」ではなく「設計」の違い

「3回来てもらう」という意識は大切です。でも意識だけでは変わりません。販促物の書き方を変え、来店後のフォローを仕組みにする。その具体的な設計が、常連客の数を変えていきます。

私・ハワードジョイマンが21年・833件以上の店舗支援を通じて見てきたのは、「忙しいのに利益が残らない」という状況は、多くの場合、販促の方向性が少しずれていることで起きているという事実です。価格を下げる必要も、広告費を何倍にも増やす必要もない。ターゲットを絞り、来店後の設計を変える。それだけで、手元に残るものが変わっていきます。

静岡市清水区を拠点に、全国の美容室オーナーさんと向き合ってきた経験から、まず一歩踏み出すための情報をお渡ししています。

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