先日、増益繁盛クラブの会員さんから、こんなご相談をいただきました。
「ジョイマンさん、スタッフと面談してみたんですが……何を聞けばいいかわからなくて、結局『最近どう?』で終わってしまうんです。もっとちゃんとやりたいんですけど、面談って型みたいなものはありますか?」
これ、すごくリアルなお悩みだと思いました。面談の大切さは頭でわかっていても、いざ向き合うと言葉に詰まってしまう。そのまま「お互い気まずかったね」という空気で終わり、次の面談への億劫さが増していく……。
実は面談は「即興の会話」ではなく、「準備した質問と流れ」で成立するものです。型を持つだけで、スタッフの本音が驚くほど引き出されるようになります。今回は、私がこれまで833件以上の店舗支援の中で磨いてきた面談の進め方を、ステップごとにお伝えします。
📋 この記事でわかること
- 個別面談が機能しない根本的な原因と、その解決の考え方
- やる気と課題を引き出す面談の進め方(STEP別の具体的な流れ)
- スタッフが本音を話してくれる質問の選び方・使い方
- 面談後のフォローで成長につなげる仕組みのつくり方
こんな方におすすめ
- ✅ スタッフと面談しているが毎回内容が薄くなってしまう方
- ✅ スタッフのやる気が見えず、何を考えているかわからないと感じている方
- ✅ 面談で何を聞けばよいか迷い、結局世間話で終わってしまう方
- ✅ スタッフ教育を仕組み化して、自分が現場から抜け出したい方
- ✅ 小規模美容室でスタッフとの関係を深め、店全体の底上げをしたい方

面談が「形だけ」になってしまう本当の理由
多くのオーナーさんが面談をやっているにもかかわらず、手応えを感じられていない。その背景には、ひとつの共通した原因があります。
それは、「面談の目的が曖昧なまま始めている」ということです。
面談には大きく分けて3つの目的があります。
- ① スタッフの現状・悩みを把握する(現状確認)
- ② スタッフの意欲・目標を引き出す(動機づけ)
- ③ 具体的な行動を合意する(行動設計)
この3つのどれを今日の面談でやるのか、事前に整理していないと、話が行ったり来たりして終わります。しかも「最近どう?」という問いかけは、スタッフにとって答えにくい。何を聞かれているのかわからないから、当たり障りのない返答になるのです。
面談は「即興の会話」ではなく「設計された問いかけの連続」です。型を持つだけで、スタッフから引き出せる情報の質がガラリと変わります。
面談の前に準備すべき3つのこと
面談を機能させるには、当日の「場づくり」と「事前準備」が欠かせません。
チェックポイント1:場所と時間を固定する
面談を「営業の合間」にやろうとすると、お互いが半分別のことを考えたまま話すことになります。面談専用の時間を月に1回でもよいので確保し、できれば施術室以外の場所(バックヤードや近くのカフェなど)でおこなうのが理想です。
✅ ポイント:場所が変わると話しやすさが変わります。「いつものお店の空気」から離れるだけで、スタッフの口が驚くほど軽くなることがあります。
チェックポイント2:事前にシートを渡しておく
面談の前日までに、スタッフへ簡単な事前記入シートを渡しておきます。内容は「最近うまくいっていること」「困っていること」「オーナーに相談したいこと」の3つだけで十分です。
✅ ポイント:事前に書いてもらうことで、スタッフは「何を話すか」を整理する時間が生まれます。面談当日にゼロから引き出そうとするより、はるかに深い話ができます。
チェックポイント3:オーナー自身も「今日何を決めたいか」を1つ決めておく
面談の着地点を「この面談で何か1つ行動を合意する」と決めておくだけで、会話の方向性が自然に整います。
✅ ポイント:面談を「聞くだけ」で終わらせないためには、オーナー側にも「この面談で得たいもの」が必要です。
✓ ここまでのポイント
- 面談が薄くなる原因は「目的の曖昧さ」と「即興でやろうとすること」
- 事前シートと場所の工夫だけで、スタッフの本音が出やすくなる
- オーナーも「この面談で何を決めたいか」を1つ決めてから臨む
やる気と課題を引き出す面談の進め方(STEP別解説)
面談の流れ STEP 1
アイスブレイク(2〜3分)
いきなり「最近の仕事どう?」と切り出すのではなく、スタッフが緊張を解くための会話から始めます。「最近プライベートで楽しかったこと、何かある?」「お休みは何してた?」といった、仕事と関係ない軽い話題がおすすめです。面談はスタッフにとって「評価される場」と感じられやすいため、最初の2〜3分で「ここは安全な場所」と思ってもらうことが大切です。
⚠️ よくある失敗:最初から業績や課題の話を切り出し、スタッフが防御モードに入ってしまう。そうなると残り時間は「建前のやりとり」で終わります。
面談の流れ STEP 2
「うまくいっていること」を先に聞く(5〜7分)
事前シートにも書いてもらった「最近うまくいっていること」から会話を始めます。「先月、お客さんへの提案でうまくいったな、と思う場面はありましたか?」のように、できるだけ具体的な場面を引き出す問いかけにします。
肯定的な話から入ることで、スタッフは「自分を認めてもらえている」という安心感を持ちます。そこから課題の話に移っても、防衛的にならずに話してくれるようになります。
⚠️ よくある失敗:「でも、もっとこうしたら?」とすぐに修正アドバイスを入れてしまう。まずは聴ききることが先です。
面談の流れ STEP 3
「困っていること・モヤモヤ」を引き出す(10〜12分)
ここが面談の核心です。ポイントは「問題を聞く」のではなく「感情を聞く」こと。「最近、何かモヤモヤしたり、やりにくいなと感じることはある?」のように、気持ちベースの問いかけにすると、スタッフが自分の言葉で話しやすくなります。
また、「なぜそう感じるの?」ではなく「どんな場面でそう感じる?」と聞くと、具体的なエピソードが出てきます。原因追及より場面の共有を優先することで、スタッフは責められている感覚を持たずに話してくれます。
⚠️ よくある失敗:話の途中でオーナーが解決策を提示してしまい、スタッフが「ああ、もう結論が出た」と口を閉じてしまう。全部話してもらってから、一緒に考えましょう。
面談の流れ STEP 4
「これからどうなりたいか」を引き出す(5〜7分)
課題の話が一通り出たところで、未来に向けた質問に切り替えます。「半年後、どんな仕事ができるようになっていたいと思う?」「もし自分でやってみたいことや、チャレンジしてみたいことがあるとしたら?」といった問いかけです。
スタッフが自らの言葉で「こうなりたい」を語ったとき、そこに初めてモチベーションの火がつきます。オーナーが「こうなってほしい」と伝えるより、スタッフ自身が語ることの方がはるかに効果があります。
⚠️ よくある失敗:「でもうちのお店では難しいね」と早々に現実論で返す。まず「その気持ち、いいね」と受け取ってから、一緒に実現可能な形を探しましょう。
面談の流れ STEP 5
「次の1週間でやること」を1つ合意する(3〜5分)
面談の最後には、必ず具体的な行動を1つだけ決めて終わります。「次の面談まで、これをやってみよう」という小さなゴールです。「お客さんへの次回来店の提案を毎回してみる」「店販品を1日1回は紹介してみる」など、明日からできるレベルの内容にしてください。
⚠️ よくある失敗:抽象的なゴールを設定してしまう(「もっと頑張る」「意識を変える」など)。行動レベルまで落とし込まないと、次の面談でも同じ話になります。
「面談は、スタッフを変えようとする場ではありません。スタッフが自分で気づいて、自分で動きたくなる場です。オーナーの役割は教えることより、引き出すことです。」
ハワードジョイマン(繁盛店グループ総代表/店舗利益最大化コンサルタント)
「やる気はあるのに動かない」スタッフへの対処法
面談をしていると、「やる気はあります」と言いながら、次の面談でも何も変わっていない……というスタッフに出会うことがあります。
これはスタッフのせいではなく、「行動を設計できていなかった」というケースがほとんどです。
❌ よくあるパターン
- 「意識を変えよう」「もっと積極的に」という精神論での合意
- ゴールが大きすぎて、何から手をつければいいかわからない
- 次回の面談まで、途中でフォローが入らない
✅ 推奨アプローチ
- 行動を「明日できる1ステップ」まで細かく分解して合意する
- 週1回のLINEやちょっとした声かけで進捗を確認し、小さな成功体験をつくる
- 「できていないこと」より「できたこと」を先に聞く習慣をつける
「『やる気がない』と感じるスタッフは、実は『何をすればいいかわからない』状態なことが多い。指示が曖昧なまま『あとはよろしく』では、誰だって動けません。私自身、独立当初にこれで痛い思いをしました。」
ハワードジョイマン(繁盛店グループ総代表/店舗利益最大化コンサルタント)
「面談の型を教えてもらって、初めてスタッフが本音を話してくれるようになりました。今まで私が一方的に話して終わっていたんだと気づいて、正直ショックでしたが、やり方を変えてからスタッフとの関係が明らかに変わりました。」
40代・男性・美容室オーナー
まとめ:面談は「仕組み」にすることで初めて機能する
面談は、やるかやらないかではなく、「型を持っているかどうか」で結果が大きく変わります。
今回ご紹介した5つのSTEPを一度に完璧にやろうとしなくて大丈夫です。まず次回の面談で「事前シートを渡す」「うまくいっていることから聞く」「行動を1つ合意する」この3つだけを試してみてください。
スタッフが自発的に動いてくれる店は、オーナーが一人で抱え込まなくてよい店でもあります。面談の仕組みが整うことで、あなたが現場から抜け出せる時間が少しずつ生まれていきます。
「忙しいのに手元にお金が残らない」「自分がいないとお店が回らない」という状況から抜け出す第一歩は、スタッフとの対話の質を変えることから始まります。
スタッフ教育・仕組み化経営の具体的な進め方については、無料レポートでも詳しくお伝えしています。ぜひ一度手にとってみてください。
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