3.行動戦略と時間創出

少ない時間で成果を出す経営者の3つの習慣

6月に入り、湿気が増してくるこの時期。飲食店では「梅雨入り前の駆け込み需要が読めない」「ランチとディナーの間にやることが溜まって気づいたら深夜になっている」という声をよく耳にします。美容室でも、梅雨のヘアケア需要が高まる一方で、施術が立て込んで「気力でなんとか乗り切った週だった」という話が後を絶ちません。

共通しているのは、「頑張っている時間の長さ」と「手元に残る成果」が比例していないという現実です。

毎日10時間以上働いているのに、月末の数字を見ると「あれ、これだけか」とため息をついた経験はありませんか。あるいは、体力の限界を感じながらも「自分が抜けたら売上が落ちる」という恐怖で休めない日々。

今回の記事では、そこから抜け出した経営者たちが実際に身につけていた3つの習慣を、具体的な数字とともにお伝えします。

📋 この記事でわかること

  1. 「頑張る量=売上」という構造が生まれる根本原因
  2. 少ない時間で成果を出す経営者が共通して持つ3つの習慣
  3. 働く時間を減らしながら売上を伸ばすための具体的なアプローチ
  4. 今日から着手できる最初の一歩

こんな方におすすめ

  • ✅ 毎日フル稼働しているのに売上が頭打ちで困っている方
  • ✅ 「休むと売上が落ちる」という不安から抜け出したい飲食店・美容室オーナー
  • ✅ 働く時間を減らしながら収益を伸ばす仕組みを知りたい方
  • ✅ 時間をかけずに成果につながる行動の優先順位を整理したい方
  • ✅ 腕・技術には自信があるのに、経営の手応えが感じられない方
少ない時間で成果を出す経営者の3つの習慣 | 有限会社繁盛店研究所

「忙しいほど儲かるはず」という思い込みの正体

多くのオーナーが最初に陥るのが、「作業量を増やせば売上が増える」という錯覚です。

これは職人として腕を磨いてきた方ほど強く刷り込まれています。料理人なら「仕込みの量=美味しさ」、美容師なら「施術の数=技術の向上」という感覚が体に染み付いている。それ自体は正しいのですが、経営者になってからもその感覚だけで動くと、時間を投じた分だけ疲弊して終わる、という結果に向かっていきます。

繁盛店研究所を主宰するハワードジョイマンは、この状態をこう表現しています。

「現場作業に時間を全部使い切ってしまうと、儲かるアイデアと仕組みをつくる時間がゼロになる。社長の仕事は現場を回すことじゃなくて、儲かる構造をつくることです。そこに気づくかどうかで、5年後の手取りが全然変わってきます。」

ハワードジョイマン(繁盛店研究所 主宰・中小企業診断士)

「忙しい」を「大人気」に変える視点の転換。これが最初の入口です。

習慣① 「捨てる判断」を週1回やる

少ない時間で成果を出している経営者には、共通して「やめることを定期的に決める習慣」があります。

具体的には、1週間の行動をすべて書き出し、「これは売上に直結しているか?」という問いで仕分けします。この作業、実際にやってみると驚きます。1日の中で売上に直結している時間は、多い人でも3〜4時間程度。残りの6〜7時間は「やっている感」はあるけれど、成果とは遠い作業で埋まっています。

発注の段取り、SNS投稿のための写真撮り直し、本来スタッフに渡せるはずのレジ締め作業——。「自分がやった方が早い」という思い込みで手放せていないタスクが、経営者の時間をじわじわ奪っています。

週に1回、30分だけ「今週やった作業リスト」を見返して、任せられるもの・やめられるものを1つ探す。たったこれだけです。でも、これを続けた経営者の時間の使い方は、3ヶ月で別物になります。

✓ ここまでのポイント

  • 「作業量=売上」という錯覚が、経営者の時間を最も蝕んでいる
  • 社長の本来の仕事は「儲かる仕組みをつくること」であり、現場作業の消化ではない
  • 週1回の「捨てる判断」で、確実に時間の使い方が変わっていく

習慣② 「客単価の設計」を見直す

働く時間を減らしながら売上を伸ばすには、客数を増やすより客単価を上げる方が圧倒的に効率がいいです。これは数字で考えると明快です。

月商を100万円から120万円に上げる方法は2つあります。

❌ 客数を増やして達成する場合

  • 新規集客コスト・広告費が増加する
  • 席数・スタッフ稼働の上限に引っかかる
  • オーナーの労働時間が比例して増える

✅ 客単価を上げて達成する場合

  • 今いるお客様との関係深化だけで実現できる
  • 席数・スタッフ数はそのまま
  • オーナーの労働時間はむしろ減らせる

「でも、値上げしたらお客さんに嫌われる」という不安を抱える方がとても多いです。ここで大事なのは、値段を上げるのではなく、価値を見えやすくするという視点の転換です。

たとえば焼鳥居酒屋のオーナー(50代・男性)は、客単価を900円アップさせることに成功しました。値引きやクーポンではなく、「うちにしかない強みを言葉にして伝える」ことで実現した結果です。そしてそれは、新メニュー開発の時間を確保する余裕にも繋がり、「うちは他と違う」を堂々と言えるようになったと話してくださいました。

客単価設計は、一度軌道に乗ると労働時間を増やさなくても売上が伸びる、最もコストパフォーマンスの高い経営施策のひとつです。

習慣③ 「閉店後の1時間」を経営に使う

3つ目の習慣は、少し地味に聞こえるかもしれません。でも、実際に変化を起こした経営者のほぼ全員が実践していることです。それは、「閉店後の時間の使い方」を意図的に変えること。

支援させていただいた鉄板居酒屋のオーナー(40代・男性)のケースをご紹介します。

「以前は閉店後に2時間かけて翌日の仕込みや雑務をこなすのが当たり前になっていました。でも、その作業を工程に分解してスタッフに渡すことができたら——閉店後の残業がぐっと短縮されて、月商も25%増えたんです。何より、翌朝店に立つのが待ち遠しくなりました。」

鉄板居酒屋オーナー(40代・男性)

この変化のカギは、「閉店後の作業を仕組みに変えた」ことです。同じ作業を自分が毎日こなすか、標準化してスタッフに渡すかで、オーナーの時間は根本から変わります。

空いた閉店後の1時間を、翌週の販促を考える時間・新メニューのアイデアを練る時間・数字を読む時間に使う。これが「儲かる仕組みをつくる社長の時間」です。

「時間がないから考えられない、考えないからまた忙しくなる——この悪循環から抜け出すには、まず時間を『作る』しかありません。作業を一個手放すことが、その入口です。」

ハワードジョイマン(繁盛店研究所 主宰・中小企業診断士)

3つの習慣を「続ける」ための仕組み

ここまで3つの習慣をお伝えしました。でも、「分かった、やってみよう」で終わって、翌週には日常業務に飲み込まれてしまう——これが最も多いパターンです。

「なぜ続かないのか」を突き詰めると、行動と目標がリンクしていないからです。「客単価を上げたい」「閉店後の残業を減らしたい」という漠然とした願いはあっても、それが今日のどの行動に繋がっているかが見えていない。だから日々の業務に流されます。

そこで使えるのが「未来デザインマップ」という手法です。望む状態を完了形で描き、そこから逆算して「今週やること」「今日やること」に落とし込む。「週2日は定休にできている」「閉店後は1時間で終わっている」——こうした完了形の目標を起点に行動を設計すると、習慣が定着しやすくなります。

繁盛店研究所では21年間、飲食店・美容室オーナーの経営支援を行ってきました。全国500名以上の経営者が集まる会員制コミュニティ「増益繁盛クラブ」では、こうした行動設計を仲間と一緒に実践し続ける環境を整えています。「一人だと続かない」という方ほど、環境の力が効きます。

まとめ:「頑張る量=売上」の呪縛を、今日から解き始める

少ない時間で成果を出す経営者の3つの習慣、まとめるとこうなります。

  • 習慣① 週1回「捨てる判断」をする——成果に直結しない作業を一つずつ手放す
  • 習慣② 客単価の設計を見直す——値引きではなく価値を見えやすくして、労働時間を増やさず売上を上げる
  • 習慣③ 閉店後の1時間を経営に使う——作業を仕組みに変えて、社長の時間をつくる

どれか一つから始めれば十分です。大切なのは、「現実は自分が作り出している」という視点に立って、まず小さな一歩を動かすこと。

「頑張る量=売上」から抜け出したい方に向けて、この3つの習慣を体系的に学べる動画講座を用意しています。未来デザインマップや行動目標88シートなどのワークを使いながら、自分の望む状態を設計して実行に移すプログラムです。まずは詳細だけでも読んでみてください。

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