8月も終盤になってくると、「今年もあと4ヶ月か」と、なんとなく気持ちが引き締まる方も多いんじゃないでしょうか。年内にやりたいことを思い浮かべては、「でも今の状態じゃ無理だよな…」とため息をついてしまう。そんな声を、この時期に限らず、毎週のように支援先の社長たちから聞きます。
やらなければいけないことは山ほどある。でも時間が全然足りない。
「毎日必死に動いているのに、気づいたら何も前に進んでいない」——この感覚、あなたにも覚えがあるんじゃないでしょうか。
繁盛店研究所では21年間、飲食店・美容室オーナーの経営支援を行ってきました。その現場で気づいたのは、「時間が足りない」問題の本当の原因は、能力でも体力でもなく、やることリストの中身と整理のされ方にあるということです。
この記事では、やることリストを整理する4つのコツを、具体的な数字と手順を交えながらお伝えします。
📋 この記事でわかること
- 「時間が足りない」が起きる本当の構造的原因
- 1週間の行動を書き出してリストを整理する具体的な4ステップ
- 成果に直結しない行動を「やめる」ための判断基準
- 実際のオーナーがリスト整理で得た変化(数字あり)
こんな方におすすめ
- ✅ 毎日動き回っているのに手元にお金も時間も残らないと感じている方
- ✅ やることリストがどんどん増えて、何から手をつければいいか分からなくなっている方
- ✅ 「考える時間がない」という状態がずっと続いている飲食店・美容室オーナー
- ✅ 仕組み化や任せることに挑戦したいが、そもそも時間が捻出できていない方
- ✅ 年内に売上や働き方を変えたいのに、行動が定まらずに日々が流れている方

「時間が足りない」は、やることの量の問題じゃない
まず最初に、一つの数字を見てください。
私がこれまで支援してきたオーナーたちに「1週間の行動を全部書き出してもらい、そのうち売上目標に直結しているものはどれか?」と確認した結果、目標に直結する行動は全体のおよそ2〜3割しかなかった、というのが平均的な実態です。残りの7〜8割は、「やらないとまずい気がする」「ずっとそうやってきた」「急に来た対応」で占められていました。
つまり、1日10時間働いているとしたら、そのうち7時間は目標に近づいていない行動に使っている計算になる。これでは時間が足りないのは当然です。
さらに深刻なのは、忙しすぎて「自分が何に時間を使っているか」を考える余裕さえなくなることです。考えないから整理されない、整理されないから無駄な行動が増える、無駄な行動が増えるからさらに時間がなくなる——この悪循環に入ってしまうと、どんなに頑張っても出口が見えません。
やることリストを「整理する」ということは、単なる作業の管理ではなく、この悪循環を断ち切るための経営判断です。
「書き出してみたけど、どれが本当に直結しているか判断できない」という詰まりが、この段階で起きやすいポイントです。繁盛店ポータルでは、AIと対話しながら自店のビジョンと目標を整理できる「増益繁盛プランナー(5ステップ無料)」と、ハワードジョイマンAIへの無料相談が使えます。無料でアカウントを作成するだけで、すぐに使い始めることができます。
コツ1:まず1週間、「やったこと」を全部書き出す
整理の出発点は、「これからやること」の計画ではなく、「先週実際にやったこと」の記録です。
多くの社長がやることリストを書くとき、頭の中にある「やるべき理想」を並べます。でもそれでは、実際に時間を奪っている行動は見えてきません。
やり方はシンプルで、過去1週間に自分がやった行動を、思い出せる限り全部紙に書き出す。電話対応、発注確認、スタッフへの声かけ、クレーム対応、SNS投稿、メニュー確認、掃除の段取り……何でも構いません。目安は20〜40項目。これだけ出てくると、「こんなことに時間を使っていたのか」という気づきが自然に生まれます。
頭の中がごちゃごちゃな状態から仕事を整理する方法も参考になりますが、まずはとにかく「書き出す」ことが先です。書いていない限り、整理は始まりません。
コツ2:「目標に直結しているか」を1項目ずつ確認する
書き出した行動リストに対して、一つひとつに「これ、今の自分の目標に直結しているか?」と問いかけます。
ここで使う判断基準は、「売上が増えるか」「利益が残るか」「将来の仕組みになるか」の3点のみです。この3つのどれにも当てはまらないなら、それは今すぐやらなくていい行動か、誰かに任せられる行動です。
チェックポイント1:その行動は「今週の目標」に直接つながっているか
「やらないとまずい気がする」という感覚で動いている行動は、意外と目標に直結していないことが多い。「誰かに言われたから」「前からそうしてきたから」という理由だけで続けている行動がないか確認する。
✅ ポイント:「この行動がなくなっても、売上や利益は変わらないか?」を問い直す。変わらないなら、まずそこを削る候補にする。
チェックポイント2:「急な対応」が常態化していないか
電話対応、急なスタッフ対応、その場その場の調整——こうした「緊急に見える行動」が、リストの大半を占めていないか確認する。これらは発生するたびに思考を中断させ、本来やるべき行動に使う時間を削っていく。
✅ ポイント:急な対応が多い原因は、あらかじめ仕組みが整っていないことが多い。「なぜ急な対応が発生するのか」の根っこを探ることが先決。
✓ ここまでのポイント
- 「時間が足りない」は、目標に直結しない行動が7〜8割を占めているために起きている構造的な問題
- 整理の出発点は「これからやること」ではなく「先週実際にやったこと」を全部書き出すこと
- 1項目ずつ「売上・利益・仕組みのどれかに直結するか」を問い直し、直結しないものを削る候補にする
「なくす・任せる・変える・速める」の4分類で振り分けた後、実際に行動を手放すには「任せる仕組みの作り方」と「自分の時間の使い方の設計」が必要になります。動画講座「行動収益化法」では、1週間の行動分析で直結しない行動を特定してやめる判断をする手順と、行動を分解してマニュアル化し委譲するプロセスを全8本・約6時間17分で学べます。有料の動画教材で、申し込み後すぐに視聴を開始できます。
「忙しいのは、大人気の証拠。でも大人気と、成果のない忙しさは全然違う。やることリストの中に、自分の目標に直結しない行動が7割以上あるなら、それはリストの問題じゃなくて、経営の設計の問題です。」
ハワードジョイマン(繁盛店研究所 主宰・中小企業診断士)
コツ3:行動を「なくす・任せる・変える・速める」の4つで振り分ける
目標に直結しないと判断した行動を、いきなり全部捨てようとすると混乱します。だから4つの選択肢で振り分けていきます。
❌ よくあるパターン:「これも必要、あれも必要」でリストが減らない
- 「もしかしたら必要かもしれない」という不安で行動を手放せず、リストが膨らみ続ける
- 結果として何も捨てられず、整理したつもりで何も変わらない
✅ 推奨アプローチ:4分類で強制的に振り分ける
- なくす:やめても誰も困らない行動。即削除
- 任せる:自分でなくてもできる行動。スタッフや外注に委ねる
- 変える:やり方を変えれば時間を圧縮できる行動
- 速める:自分がやるが、より短時間で終わらせられる行動
この4分類で振り分けると、「なくす」と「任せる」の合計で全体の40〜50%の行動が手放せることが多い。これだけで週に数時間の余白が生まれます。
タスクを減らす4つのコツや委譲で自分の仕事を減らす方法も、この振り分けの実践に役立ちます。
コツ4:「やらないリスト」を先に作る
やることリストを整理した後に必要なのが、「やらないことリスト」を明文化することです。
人は「やると決めたこと」は意識できても、「やらないと決めたこと」は忘れやすい。だから翌週にまた同じ行動を無意識にやってしまう。それを防ぐために、削った行動を「やらないリスト」として別に書き留めておく。
やらないリストの作り方
「なくす」に分類した行動を一覧にして、スマホのメモか手帳に貼っておく。週の始めにそのリストを見直す習慣をつけるだけで、知らないうちに行動が元に戻ることを防げます。
✅ ポイント:やらないリストは毎週更新する。先週手放した行動が今週は必要になることもあるし、逆に先週まで気づかなかった無駄な行動が新たに見つかることもある。固定するのではなく、週次で見直す「生きたリスト」として使う。
「原因は100%自分にある。やることが増え続けているのは、環境や忙しさのせいじゃなくて、何かを断る仕組みを作っていないから。やることリストの整理は、自分の時間と経営の主導権を自分で取り戻す作業です。」
ハワードジョイマン(繁盛店研究所 主宰・中小企業診断士)
「電話対応の負担が軽くなっただけで、こんなに考える時間が生まれるとは思っていませんでした。漠然とした不安が、やることが見える安心に変わった感覚があります。」
イタリアン経営者(40代・女性)|客単価18%向上、電話対応の負担を軽減
このイタリアンの女性オーナーは、行動を書き出して振り分けた結果、電話対応という「自分でなくてもできる行動」を仕組みで減らすことができました。その結果、客単価が18%向上しただけでなく、「やることが見える安心」という精神的な余裕も手に入れています。数字の改善と、気持ちの変化は、セットで起きるものです。
まとめ:リストの整理は「経営の設計」そのもの
やることリストを整理する4つのコツをまとめると、次の通りです。
- 先週やったことを全部書き出す(20〜40項目が目安)
- 「目標に直結しているか」を1項目ずつ確認する(基準は売上・利益・仕組みの3点)
- 直結しない行動を「なくす・任せる・変える・速める」の4つで振り分ける
- 削った行動を「やらないリスト」として書き留め、週次で見直す
「時間がないから考えられない」という状態は、やることリストを整理することで必ず変わります。整理には特別なツールも大きな投資も必要ありません。紙とペンがあれば今日から始められます。
経営者の仕事は、現場を回すことだけじゃない。儲かるアイデアと儲かる仕組みをつくること——それが社長の本来の仕事です。そのための時間を、まずやることリストの整理から捻出してみてください。
行動の整理と時間の捻出について、さらに体系的に学びたい方は、タスクを整理する手順も合わせて読んでみてください。
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