工務店がポータルをやめた後にやるべき自社集客の立ち上げ手順
結論から言うと、ポータルサイトをやめた後に最初にやるべきことは「広告費を別の媒体に移すこと」ではありません。まず自社ホームページを「問い合わせが来る状態」に整えることが先決です。
この順番を間違えると、ポータルをやめた穴を別のポータルや別の広告で埋めようとするループに入ってしまいます。費用だけかかって、結局また「費用対効果が悪い」という同じ悩みに戻る。そういう社長を、私はこの18年で何人も見てきました。
この記事では、実際にポータルサイトへの掲載をやめて自社集客に切り替えた工務店のケースをもとに、立ち上げの手順を具体的にお伝えします。
こんな方におすすめ
- ✅ SUUMOなどのポータルサイトの費用対効果に疑問を感じている工務店経営者
- ✅ ポータルをやめた(またはやめようとしている)が、次に何をすればいいかわからない方
- ✅ 自社ホームページはあるのに問い合わせがほとんど来ない方
- ✅ 紹介・口コミ頼りの経営から脱却して、安定した新規集客の仕組みを作りたい方
- ✅ マーケ専任担当を雇う余裕はないが、Web集客を本格化させたい方

「ポータルをやめたいけど怖い」——その感覚は正しい
静岡県内のある工務店の社長から、こんな相談を受けたことがあります。年商約4億円、年間新築7棟を手がけている会社でした。
「SUUMOに月30万円以上払っているのに、成約につながったのが年間1件あるかどうか。でもやめたら一切問い合わせがなくなるんじゃないかと思って、踏み切れないんです」
この感覚、すごくわかります。ポータルサイトは「問い合わせゼロではない」状態を作り出してくれる。だから怖くてやめられない。でも実態は、年間数十万〜百万円以上を払って、費用対効果の合わない顧客(価格比較ばかりの人、値引き要求が強い人)ばかりが来ている——というケースが大半です。
ポータルをやめることへの不安は自然なことです。ただ、その不安の正体は「集客手段がポータルしかない」という状態にあります。自社に別の集客ルートさえできれば、ポータルへの依存から抜け出せる。この記事ではその「別のルート」を作る手順を解説します。
STEP1:まず「自社HPの現状診断」から始める
先ほどの工務店の社長と最初にやったのは、既存のホームページの現状把握でした。「ホームページはあります」とおっしゃっていたのですが、実際に確認すると——
- トップページに会社名と「地域No.1の工務店」というキャッチコピーはある
- 施工事例のページはあるが、写真が暗くてサイズも小さい
- 「お問い合わせはこちら」ボタンはあるが、フォームがスマホで見づらい
- Googleで「○○市 注文住宅」と検索しても5ページ以内に出てこない
これは珍しいケースではありません。「HPはある」と「HPから問い合わせが来る」の間には、大きな差があります。
現状診断で確認すべきポイントは主に3つです。
① 検索上位に表示されているか(SEOの状態)
地元のお客様が実際に使いそうなキーワード(「○○市 注文住宅」「○○町 工務店 おすすめ」など)でGoogle検索したとき、自社サイトが何ページ目に出てくるか確認します。
② スマートフォンで使いやすいか
今の住宅検討者の7〜8割はスマホで情報収集しています。フォントが小さい、ボタンが押しにくい、読み込みが遅い——これだけで問い合わせはゼロに近くなります。
③ 「なぜこの会社に頼むべきか」が伝わるか
施工事例が並んでいても、「どんな人が建てているか」「どんなこだわりがあるか」が伝わらないと、お客様は比較検討の材料を見つけられず離脱します。
STEP2:Googleビジネスプロフィール(MEO)を整備する
HPの診断と並行してすぐに着手すべきなのが、Googleビジネスプロフィールの整備です。いわゆるMEO対策です。
「○○市 工務店」とGoogleで検索したとき、地図と一緒に表示される会社情報——あれです。ポータルサイトに頼らずに地元の検索流入を獲得するうえで、このGoogleビジネスプロフィールの整備は費用ゼロでできる施策の中で最も効果が高い。
先ほどのケースでも、Googleビジネスプロフィールを見てみると——
- 写真の登録が3枚しかない(競合は20枚以上)
- 口コミへの返信が一切ない
- 営業時間・サービス内容が未入力
この状態を整えるだけで、地元検索での表示順位が上がるケースは非常に多い。特に口コミへの丁寧な返信と、施工写真の定期的な追加は、今すぐ始められて効果の出やすいアクションです。
✓ ここまでのポイント
- ポータルをやめる前に、まず自社HPを「問い合わせが来る状態」に整備することが先決
- HPの現状診断では「SEO」「スマホ対応」「価値の伝わり方」の3点を確認する
- Googleビジネスプロフィールの整備は費用ゼロで始められる地元集客の要
STEP3:「伝わる施工事例ページ」をHPに作り込む
MEOと並行して取り組むべきなのが、施工事例ページの強化です。
住宅の購買検討は「高単価・長期検討・一生に一度」という性質があります。お客様は何ヶ月もかけてホームページを見比べ、「この会社に頼みたい」という確信を持てた会社に問い合わせます。つまり、施工事例ページはただの写真集ではなく、「なぜこの会社なのか」を伝える説得材料として機能させる必要があります。
具体的に変えるべき要素はこうです。
- 家族構成・予算感・要望など「建てた家族のストーリー」を掲載する
- 施工前と施工後の写真を並べて変化をわかりやすくする
- 実際に住んでいるお客様のコメントを入れる
- 「この家の自慢ポイント」を社長やスタッフの言葉で書く
先ほどの工務店では、この施工事例の作り直しに約2ヶ月かけました。「手間がかかる」と最初は渋っていた社長でしたが、完成後にこんな声をいただきました。
「HPからの問い合わせが月0件から5件以上になった」
工務店経営者(50代・男性)
問い合わせが来るようになった理由は一つではありませんが、施工事例ページを「読めるページ」に変えたことが大きかったと感じています。写真と会社名だけのページでは、お客様は「ここに頼もう」という気持ちになれません。
STEP4:集客の「入口」を複数持つ——SEO・広告・SNSの組み合わせ方
HPとMEOを整えたら、次は「どうやってそのHPに人を連れてくるか」です。
ここで大切なのは、一つの手段に頼らないこと。ポータルサイト依存から抜け出そうとしているのに、今度はSEO一本に頼ったり、Instagram一本に頼ったりしては同じことの繰り返しになります。
私が工務店向けに提案している「5ステップ集客法」では、以下の手段を組み合わせます。
- SEO(検索対策):「○○市 注文住宅」「○○町 工務店 坪単価」などのキーワードで上位表示を狙う。時間はかかるが中長期的に費用対効果が高い
- MEO(Googleマップ対策):地元検索での表示順位を上げる。特に「近く」を探しているユーザーへのリーチに効果的
- Meta広告・Google広告:短期間で見込み客にリーチしたいときに有効。ただし「広告費をかければ集客できる」という考えは危険で、HPの中身が整っていないと費用の無駄になる
- SNS(Instagram):施工写真・日常の発信でブランド認知を育てる。問い合わせの直接の入口よりも「この会社いいな」という印象を積み重ねる場として活用する
SNSについては「更新が続かない」という悩みをよく聞きます。これはSNSを「集客の直接手段」と思っているから続かなくなる。「信頼を積み重ねる場」と位置づけてみると、月4〜8投稿でも十分機能します。
なお、「お金を掛けずに売上を伸ばす」という考えには注意が必要です。広告投資をして集客する仕組みを作ることこそが、社長の労働時間を短縮しながら売上・利益を最大化する近道です。ただし、HPの中身が整っていない状態で広告費だけかけても効果は出ません。順番が大事です。
STEP5:「数字で管理する」習慣をつける——ポータル依存に戻らないために
ここまで4ステップを実行しても、最後のこのステップを省略すると、またいつかポータルに頼りたくなる瞬間が来ます。
数字で管理するとは、以下のような指標を毎月確認することです。
- HPへの月間訪問者数(Googleアナリティクスで確認)
- HPからの月間問い合わせ件数
- 問い合わせから商談への転換率
- 商談から受注への転換率
- 集客経路ごとのコスト(SEO・広告・SNS・紹介)
これを見ることで「どの施策が機能しているか」「どこに問題があるか」が見えてきます。感覚だけで「SEOが効かない」「広告が無駄だ」と判断するのではなく、数字をもとに改善を繰り返す。この習慣がないと、うまくいっているものを途中でやめてしまったり、効果の出ていないものに投資し続けたりということが起きます。
「紹介だけに頼らなくていい仕組みができて、経営が安定した」
工務店経営者(40代・男性)
この社長も最初は「数字なんて苦手で」とおっしゃっていました。でも月一回の確認を3ヶ月続けるうちに、「どこに力を入れるべきか」が自分でわかるようになったとのことでした。
まとめ:ポータルをやめる「怖さ」の正体は、仕組みがないことへの不安
ポータルサイトをやめることへの恐怖は、「自社に代わりの集客手段がない」という不安から来ています。逆に言えば、自社HPから月5件以上の問い合わせが来る仕組みができれば、ポータルへの依存を断ち切ることができる。
今回紹介した手順をおさらいします。
- STEP1:自社HPの現状診断(SEO・スマホ対応・価値の伝わり方)
- STEP2:Googleビジネスプロフィール(MEO)の整備
- STEP3:伝わる施工事例ページの作り込み
- STEP4:SEO・広告・SNSの組み合わせによる集客入口の複数化
- STEP5:数字で管理する習慣をつけて改善を続ける
「年間1棟増えればコンサル費用は何倍にもなって返ってくる」——これは私がよくお伝えする話ですが、注文住宅1棟の粗利は500万円を超えることも多い。集客の仕組みに投資することは、決して贅沢ではなく、経営の必要経費です。
私、ハワードジョイマンは静岡市清水区を拠点に、全国の工務店経営者の集客支援を行っています。飲食店・美容室で体系化した「増益繁盛メソッド」を工務店向けに特化させ、18年・1,000店舗以上の支援実績をもとに、再現性のある手順でサポートしています。
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