「OB施主さんに連絡しようとは思っているんですが、何を言えばいいのかわからなくて…」
こういう話、本当によく聞きます。引き渡しから3年、5年と経ったお客様に対して、何かアクションを起こしたいけれど、「営業っぽく見られたくない」「迷惑かな」と躊躇してしまう。そのまま時間だけが過ぎていく。
でも、正直に言います。OB施主へのリフォーム提案を仕組み化できていない工務店は、毎年かなりの売上機会を逃しています。しかも、そのOB客はすでに「あなたの家づくりを信頼した人たち」なんです。新規客を一から口説くよりも、ずっと成約しやすい。
今回は、私・ハワードジョイマンが日々のコンサルティング業務の中でどんなことを意識しながら工務店の社長に伝えているかを、一日の流れと合わせてお伝えします。静岡を拠点に、全国の工務店をオンラインで支援していますが、OB客フォローの「仕組みがない」問題は、全国共通の課題です。
📋 この記事でわかること
- OB施主へのリフォーム提案に最適なタイミングの見極め方
- 「営業っぽくない」自然な接触方法とツールの活用法
- ハガキ・LINE・訪問のどれをいつ使うべきかの使い分け
- OBフォローを仕組み化して年間売上・利益を大きく伸ばすステップ
こんな方におすすめ
- ✅ OB施主へのリフォーム提案をしたいが、タイミングがわからない方
- ✅ 紹介・口コミだけでなく、OB客からの安定的な受注を作りたい方
- ✅ 「営業っぽい」と思われずに自然にフォローする方法を知りたい方
- ✅ 年間の売上・利益をもっと大きく伸ばしたい工務店の社長
- ✅ OBフォローを属人的な感覚ではなく、仕組みとして整えたい方

朝9時・デスクに向かいながら考えること──「OB客リスト」の価値
私の水曜日は朝9時スタートです。静岡市清水区の事務所に着いて、まずコーヒーを一杯。手帳を開いて、その日コンサルする工務店の社長の現状を頭の中で整理します。
ある日、関東の工務店の社長(年商約4億円・年間新築8棟)から送られてきたシートを見ていました。過去5年のOB施主リスト、なんと約40件。でも、その社長が言うんです。「ハワードさん、このリストを使ったことが一度もないんですよね」と。
これ、実はかなりもったいない話なんです。新築1棟の粗利が平均500万円だとすると、リフォームでも50〜200万円規模の工事が普通に発生します。しかも、すでに信頼関係があるから受注率が高い。
「工務店の社長が見落としがちなのは、OB施主リストが実は『すでに購入意欲のある顧客リスト』だという点です。新規集客に費用をかける前に、まず手元にある資産を活用する。これが利益を増やす最短ルートです」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・工務店集客支援コンサルタント)
OB施主は「見込み客」ではなく「すでに信頼してくれた客」です。この違いを認識するだけで、アプローチの心理的ハードルがぐっと下がります。
午前中のZOOM相談で見えてきた「提案タイミング」の法則
10時からはZOOMで工務店の社長とのオンライン相談。ここで必ず確認するのが、OBフォローの「接触タイミング」です。
リフォームの検討が起きやすいのは、大きく分けて以下のタイミングです。
チェックポイント①:引き渡しから「3年・5年・10年」の節目
住宅設備の多くは3〜5年でメンテナンスの話題が出始めます。外壁・屋根の塗装、給湯器、キッチン設備など。10年目は大規模リフォームの検討が一気に増える時期です。「点検のご案内」という名目で自然に接触できます。
✅ ポイント:引き渡し日をCRMや表計算ソフトで管理し、節目の3ヶ月前にはアクションが起きる仕組みにしておく。「点検」という入口を使えば営業色が出ない。
チェックポイント②:家族構成が変わるタイミング
子どもの進学・独立、両親との同居、孫の誕生──こういったライフイベントは、間取り変更や増改築のきっかけになります。SNSやOB施主ニュースレターを通じて近況を把握しておくことで、「あのタイミングで連絡してくれた」という好印象につながります。
✅ ポイント:OB施主のSNSをゆるくフォローする、または年1回のアンケートハガキで近況を聞く仕組みをつくる。
チェックポイント③:引き渡し後「最初の1年」の感謝接触
これを疎かにしている工務店が多い。引き渡し後6ヶ月〜1年以内の「住み心地はいかがですか?」という連絡は、信頼関係を深める絶好の機会です。ここで温かみのある接触ができると、リフォームだけでなく紹介も生まれやすくなります。
✅ ポイント:引き渡し後6ヶ月・1年のタイミングで自動的にハガキやLINEが送られる仕組みをカレンダーに仕込んでおく。
✓ ここまでのポイント
- OB施主リストは「信頼済み顧客」であり、新規集客より受注率が高い資産
- リフォーム提案の最適タイミングは「3年・5年・10年の節目」「家族構成の変化」「引き渡し後1年以内」の3つ
- 「点検」や「感謝」という入口を使えば、営業色を出さずに自然に接触できる
昼過ぎの資料作成で整理する「接触方法」の使い分け
午後は資料作成の時間。工務店の社長向けに「OBフォローのシナリオ」を組み立てることが多いです。ここで整理しておきたいのが、ツールの使い分けです。
❌ よくあるパターン:「何か送ろうとは思っているが、結局何もしない」
- 「何を送ればいいかわからない」で止まる
- メールを一斉送信して既読もつかず、効果がわからない
- SNSに投稿するだけで、OB施主に届いているか不明
✅ 推奨アプローチ:ツールと目的を明確に分けて組み合わせる
- ハガキDM:節目の挨拶・点検案内・季節の一言。手元に残るため、開封率・記憶定着率が高い。「社長の直筆サイン」があるとさらに効果的
- LINE公式アカウント:施工事例の紹介・キャンペーン案内・アンケート。気軽に開けて、反応がわかる。OB施主を友だち登録してもらう仕組みをつくることが先決
- 電話・訪問:点検・修繕の相談が来た時、または大型リフォームに発展しそうな案件。温度感が高いと判断した時に使う
この3つを「最初はハガキ → 反応あればLINEへ誘導 → 検討状態になったら電話」という順番で使うのが基本の流れです。一発で決めようとせず、接触回数を増やすことで信頼が積み重なります。
夕方のセッション後に届いた「あの声」が全てを物語っていた
先日、コンサルティングを受けてくれた工務店の社長からこんな報告をもらいました。
「年間1棟増えただけでコンサル費用の6倍以上が回収できた」
工務店経営者(50代・男性)
この社長、最初はOBフォローの仕組みがゼロでした。過去の施主リストはあるのに、一度も活用したことがなかった。それをハガキDMとLINEを組み合わせた「6ヶ月フォローシナリオ」に落とし込んで実行した結果、8ヶ月後にOB施主からリフォーム相談が入り、最終的には増改築工事として受注。それが呼び水になって紹介も1件生まれた。
私がいつも社長に伝えているのは、「年間1棟増えれば、コンサル費用は何倍にもなって返ってくる」ということです。工務店の粗利水準から考えると、OBフォローに投じる時間とコストは、明らかに見合います。
「『営業したくない』という気持ちはわかります。でも、OB施主が本当に困っているタイミングに連絡できない方が、その施主への失礼だと思いませんか。仕組みがあれば、感情に左右されず、必要な時に必要な人に届けられます」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・工務店集客支援コンサルタント)
OBフォローを「仕組み」にする5つのステップ
感覚や気合いに頼ったOBフォローは続きません。仕組みにして初めて、安定した売上・利益につながります。私がコンサルティングで組み立てる基本の流れはこうです。
OBフォロー仕組み化 STEP 1
OB施主リストの整備と「節目カレンダー」の作成
まず全OB施主の引き渡し日・家族構成・連絡先を一覧化します。そこに「3年後・5年後・10年後」の接触予定日を入れたカレンダーを作る。これだけで「何もしない」状態から抜け出せます。
⚠️ よくある失敗:リストを作っただけで満足して、カレンダーに落とし込まない。誰かが実行する責任者を決めておかないと動きません。
OBフォロー仕組み化 STEP 2
最初の接触文(ハガキ文面)をテンプレート化する
「何を書けばいいかわからない」を解決するのがテンプレートです。季節の挨拶+点検の案内+一言メッセージという構成で、3〜4パターン作っておけば毎回ゼロから考える必要がなくなります。
⚠️ よくある失敗:コピーのような文面を送る。「いつもお世話になっております」から始まる業務的な文章では読んでもらえません。社長の「人となり」が伝わる一言を必ず入れること。
OBフォロー仕組み化 STEP 3
LINE公式アカウントへの誘導線をつくる
ハガキにQRコードを載せてLINE友だち登録を促します。登録してもらえると、その後の施工事例の発信・キャンペーン案内が格段にやりやすくなります。OB施主専用のLINEセグメントを作っておくと管理が楽です。
⚠️ よくある失敗:QRコードを載せるだけで、登録後に何も配信しない。「登録したのに音沙汰なし」では逆効果です。月1回でも有益な情報を届ける運用を決めておきましょう。
OBフォロー仕組み化 STEP 4
「相談しやすい窓口」を明示する
OB施主が「ちょっと聞いてみようかな」と思った時に、どこに連絡すればいいかわからないと行動しません。ハガキにも、LINEにも「気軽にご相談ください」という一言と連絡先を必ず入れることで、相談のハードルを下げます。
⚠️ よくある失敗:問い合わせフォームだけ案内して、電話番号を載せない。高齢の施主や急ぎの相談にはフォームより電話の方が動いてもらいやすいケースが多いです。
OBフォロー仕組み化 STEP 5
反応・受注結果を記録して改善する
ハガキを何枚送ったか、何件反応があったか、受注につながったかを記録します。「やりっぱなし」では改善できません。支援実績1,000社以上の経験から言うと、最初から完璧なシナリオはありません。小さく試して記録して改善するサイクルが、最終的に「安定した受注の仕組み」になります。
⚠️ よくある失敗:最初の1回でうまくいかないと「やっぱり効果がない」と諦める。OBフォローは最低でも3〜6ヶ月継続して初めて成果が見えてきます。
まとめ:OBフォローこそ、利益を伸ばす最も堅実な手段
一日の業務を振り返ると、コンサルティングの中で繰り返し伝えていることがひとつあります。「新しい集客手段を探す前に、手元にある資産を活かせているか」──これです。
OB施主へのリフォーム提案は、派手さはないけれど、確実に利益に直結します。節目のタイミングを押さえて、ハガキとLINEを組み合わせて、仕組みとして動かす。それだけで年間の受注棟数・売上・利益は大きく変わります。
「いい家を建てているのに、なぜ選ばれないのか」──その答えの一部は、「選んでくれたOB施主にもっと向き合う仕組みができていないから」かもしれません。OBフォローの仕組みをつくることは、紹介にもつながり、経営を安定させる一石二鳥の投資です。
まずは手元のOB施主リストを開いてみてください。そこに眠っている可能性は、想像以上のはずです。
OBフォローの仕組みづくりも含め、工務店の集客・売上・利益の改善を体系的に学びたい社長には、まずこちらのガイドブックをお読みください。無料でお渡ししています。
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また、HPからの問い合わせと合わせてOBフォローの仕組みも整えたい、という社長はこちらもご覧ください。一社一社に深く関わる少数精鋭の支援体制で、売上・利益の最大化をご一緒します。