梅雨が明けると、静岡でも住宅展示場や完成見学会への来場者数がぐっと増える季節になります。「そろそろ家を建てたい」という検討者が動き始める時期です。ところが、こんな声をよく聞きます。
「見学会に来てくれた人はいるのに、そのあと連絡が来ない」「ホームページのアクセスは少しあるのに、問い合わせにつながらない」――この悩みの裏側に、実はターゲット設定の問題が潜んでいることがほとんどです。
今回は、私がこれまで1,000社以上の中小事業者を支援してきたなかで、工務店の経営者から繰り返し聞く「誰にでも対応できます」という言葉が、実は集客の最大の足かせになっているという話をお伝えします。
📋 この記事でわかること
- 「誰でも歓迎」という姿勢がなぜ集客に逆効果なのか
- 工務店が具体的にターゲットを絞り込む手順
- ターゲットを絞ることで起きる問い合わせの質・量の変化
- 実際のクライアントの事例から見る、ターゲティング成功のポイント
こんな方におすすめ
- ✅ ホームページはあるのに問い合わせがほとんど来ない方
- ✅ 「うちはどんな家でも建てられる」とアピールしているのに反応が薄い方
- ✅ 紹介以外の集客の仕組みをつくりたいと考えている工務店経営者
- ✅ SUUMOなどのポータル依存から脱却したい方
- ✅ 値引きせずに「選ばれる工務店」になりたい方

「誰でも歓迎」は、検討者には「誰向けかわからない」と映る
少し前に、静岡市内で注文住宅を手がける工務店の社長からこんな相談を受けました。「うちは木造も鉄骨も、平屋も2階建ても、なんでもできる。それをホームページに書いているのに問い合わせが来ない」と。
私はその会社のホームページを拝見して、すぐに原因がわかりました。施工実績のページには和風あり、モダンあり、ログハウス調あり――とにかく「なんでもできます」という施工写真が並んでいたんです。
検討者の立場で考えてみてください。「家を建てたい」と思ってホームページを見たとき、「この会社は自分たちのような家を得意としているんだな」と感じられなければ、問い合わせには至りません。選ばれるのは「自分に合う会社」だと感じられた会社だけなんです。
飲食店でも同じことが起きます。「和食も洋食もアジア料理もあります」という店より、「本格薪窯ピザの専門店」のほうがピザを食べたい人には迷わず選ばれます。工務店も同じ原理です。
❌ よくある失敗パターン:「誰でも歓迎」アプローチ
- 「どんな家でも建てられます」と全方位に訴求している
- 施工実績がバラバラで、会社の「色」が見えない
- 「こだわり」がホームページに記載されていない、または抽象的
- 検討者が「この会社は自分向けだ」と感じる要素がない
✅ 推奨アプローチ:ターゲットを明確にした訴求
- 「40代・共働き夫婦向けの、収納にこだわった家」など具体的な対象を明示
- 施工実績に一貫したテイスト・テーマが見える
- 「うちが得意とすること」「大切にしていること」が明確に伝わる
- 検討者が「自分たちのことを言っている」と感じられるメッセージがある
ターゲットを絞ると「問い合わせの質」が変わる
ここで、実際にターゲットを絞り込んだ結果、問い合わせの内容が変わったというご報告をいただいているので紹介します。
「HPからの問い合わせが月0件から5件以上になった。しかも、来てくれるお客さんがうちのこだわりをすでに理解した上で問い合わせてくれるので、商談がスムーズになった」
工務店経営者(50代・男性)
この方の場合、もともと「断熱・気密性能にとことんこだわりたい」という技術的な軸を持っていました。ただ、ホームページにはその強みがほとんど伝わっておらず、「一般的な工務店」にしか見えていなかったんです。
そこで、ターゲットを「光熱費を抑えた高性能住宅を建てたい30〜40代のファミリー層」に絞り込み、ホームページのメッセージをすべてその層に向けて整理しました。するとどうなったか。「高断熱住宅を検討していて、御社のサイトを見ました」という質の高い問い合わせが増え始めたんです。
ターゲットを絞ることは、「お客さんを減らすこと」ではありません。「自社にとって最適なお客さんだけを引き寄せる」ことです。
✓ ここまでのポイント
- 「誰でも歓迎」のメッセージは、検討者に「誰向けかわからない」と感じさせてしまう
- ターゲットを絞ると、問い合わせの数だけでなく「質」が上がり、商談がスムーズになる
- ターゲティングは「客を絞る」のではなく「最適な客を引き寄せる」行為
では、どうやってターゲットを絞り込むのか
「わかりました、絞り込めばいいんですね」とはいっても、「じゃあどんなお客さんをターゲットにすればいいのか」で詰まってしまう社長が多いんです。ここを丁寧に考えていきましょう。
ターゲット設定 STEP 1
過去の「よかったお客さん」を書き出す
まず、今まで施工したお客さんのなかで「こういう方ともっと仕事をしたい」と思えたケースを3〜5件書き出してください。年代、家族構成、どんなこだわりを持っていたか、どんな経緯で来てくれたか。この共通点がターゲットのヒントになります。
⚠️ よくある失敗:「すべてのお客さんが良かった」と言って書き出せないケース。「自分に合うお客さん」を明確にすることへの抵抗感が強い社長ほど、この作業に時間がかかります。でも、ここを曖昧にしたままでは先に進めません。
ターゲット設定 STEP 2
「誰の、どんな悩みを解決できるか」を言語化する
「30代共働き夫婦で、子どもが生まれて手狭になった賃貸から注文住宅に移りたい。光熱費が気になっていて、なるべく長期的にランニングコストを下げたい」――こういう解像度でターゲットを言葉にできると、ホームページに書くべき内容が自然に決まってきます。
⚠️ よくある失敗:「30〜50代の家族層」という範囲で終わってしまうケース。それではまだ広すぎて、メッセージが全方位になってしまいます。「誰の、どんな場面で、どんな悩みを」まで絞り込みましょう。
ターゲット設定 STEP 3
ホームページのメッセージをターゲットに向けて書き直す
ターゲットが決まったら、トップページのキャッチコピーから施工実績の選び方、お客様の声の見せ方まで、すべて「そのターゲットが見たときに共感するか」という視点で見直します。ここを変えるだけで、アクセス数が同じでも問い合わせ率が変わってきます。
⚠️ よくある失敗:ターゲットを決めたのにホームページは変えないケース。「絞り込んだ」つもりでも、ページの内容が変わっていなければ、検討者には伝わりません。
「『誰でも建てられます』という会社は星の数ほどある。でも『あなたのような暮らしを実現したい方のための工務店です』と言える会社は少ない。ターゲットを絞ることは、競合との差別化そのものなんです」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・増益繁盛メソッド 考案者)
「絞り込んだら仕事が減るのでは」という不安に答える
ここまで読んでいただいた社長のなかには、「でも、ターゲットを絞ったらせっかく来てくれたお客さんを逃すんじゃないか」と感じた方もいるかもしれません。
これは、私がコンサルを始めた当初から必ずといっていいほど聞かれる質問です。正直に言います。短期的には、問い合わせ数が一時的に減ることもあります。
ただし、重要なのはここからです。ターゲットを絞り込んだ工務店では、こんな変化が起きています。
「紹介だけに頼らなくていい仕組みができて、経営が安定した。しかも、来るお客さんがうちの家づくりに共感してくれている方ばかりになって、値引き交渉もほとんどなくなった」
工務店経営者(40代・男性)
ターゲットを絞って集客した結果、「価値観の合うお客さん」だけが来るようになる。つまり、値引きをしなくても選ばれるようになるんです。これが、私が「増益繁盛メソッド」で工務店の社長に一番伝えたいことの一つです。
年間に10棟こなすのと、8棟でも粗利が高い案件に絞るのと、どちらが手元に残るお金が多いか――数字で考えると答えは明確です。
ターゲティングはホームページだけの話ではない
ターゲットを絞り込む効果は、ホームページの問い合わせ改善だけに止まりません。Googleビジネスプロフィール(MEO)の口コミ文章、SNSの投稿内容、見学会のコンセプト、さらには営業トークまで、すべてに一貫性が生まれます。
「うちのターゲットはこういう方だから、この施工写真を前面に出そう」「このブログ記事はターゲットの悩みに直接刺さるテーマだから書こう」という判断が自然にできるようになります。
逆にいえば、ターゲットが決まっていないと、SNSを始めても何を発信すればいいかわからない、ブログを書こうにもテーマが散漫になる、という状態が続きます。更新が続かない理由の多くは、実はターゲットが決まっていないことにあるんです。
私が支援してきた工務店の社長たちが「月5件以上のHP問い合わせ」を実現できたのは、まず「誰に向けて発信するか」をしっかり定めたからこそです。
まとめ:「誰でも歓迎」をやめることが、選ばれる工務店への第一歩
今回の記事でお伝えしたかったことを一言でまとめると、「誰でも歓迎」というメッセージは、誰の心にも刺さらないということです。
いい家を建てているのに選ばれない。紹介だけに頼って安定しない。ホームページはあるのに問い合わせが来ない。こうした悩みの多くは、技術ではなくターゲット設定とメッセージの問題から来ています。
過去の「よかったお客さん」を振り返り、「誰の、どんな悩みを、どうやって解決できるか」を言語化し、ホームページのメッセージをそこに向けて整える。この一連の流れが、紹介だけに頼らない集客の仕組みをつくる第一歩です。
「自分ひとりで考えるのは難しい」「どこから手をつければいいかわからない」という社長は、ぜひ以下からご覧ください。私が18年以上の支援経験と1,000社以上の実績をもとに、工務店の集客に特化してまとめたガイドブックを無料でお届けしています。
【無料】年間5棟多く受注するための集客ガイドブックはこちらから
また、「ターゲット設定からホームページ改善まで、一緒に取り組んでほしい」という社長には、こちらのサポートも用意しています。月5件以上のHP問い合わせを目指して、二人三脚で進めていきましょう。
「年間1棟増えれば、コンサル費用は何倍にもなって返ってくる」――これは私の言葉ではなく、実際に取り組んできた社長たちの声です。まずは一歩、踏み出してみてください。