1店舗目の成功パターンを2店舗目で再現する方法

1店舗目の成功パターンを2店舗目で再現する方法【美容室多店舗展開の成功法則】

目次

はじめに:なぜ1店舗目の成功が2店舗目で再現できないのか?

「1店舗目はこんなに上手くいってるのに、2店舗目はなかなか…」

こんな悩みを抱える美容室オーナーがとても多いんです。
実際、多店舗展開に挑戦した美容室の約6割が
「2店舗目で苦戦」しているというデータもあります。

でも安心してください!
1店舗目の成功には必ず「再現可能な理由」があります。
その理由を見つけて、システム化すれば2店舗目でも
同じ成功を手に入れることができるんです。

今回は、1店舗目で培った成功パターンを
2店舗目でしっかりと再現する具体的な方法を、分かりやすく解説します。

まずは1店舗目の「成功の秘密」を徹底分析しよう

ステップ1:お客様に愛される理由を探る

お客様アンケートを実施してみましょう

簡単な質問で大丈夫です:

  • 「なぜ当店を選んでくださったのですか?」
  • 「当店の一番気に入っているところは?」
  • 「お友達に当店を紹介するとしたら、どう説明しますか?」

実際の回答例

  • 「家から近くて通いやすい」
  • 「話しやすくてリラックスできる」
  • 「髪の悩みをちゃんと聞いてくれる」
  • 「技術が高くて満足度が高い」
  • 「料金が明確で安心」

ステップ2:数字で成功要因を分析

重要な数字をリストアップ

  • 客単価:平均いくら?
  • リピート率:何%のお客様が再来店?
  • 来店頻度:平均何ヶ月に1回?
  • 新規集客:月に何人の新規客?
  • 口コミ紹介:月に何人が紹介?

分析例

客単価:6,500円
リピート率:75%
来店頻度:45日に1回
新規集客:月15人
口コミ紹介:月8人

ステップ3:成功を支える「見えない要因」を発見

意外と見落としがちなポイント

  • オーナーの人柄や接客スタイル
  • スタッフの雰囲気や連携
  • 店内の居心地の良さ
  • 立地の特性(住宅地、商業地など)
  • 地域との関係性

質問してみましょう
「私がいない時とある時で、お客様の反応は違う?」
「お客様が一番リラックスしている瞬間は?」
「なぜうちのスタッフは長く働いてくれるんだろう?」

成功パターンの「システム化」で再現可能にする

システム化とは?

簡単に言うと…
「オーナーがいなくても、誰がやっても同じ結果が出る仕組み作り」

例えば

  • カウンセリングの進め方をマニュアル化
  • 接客トークを標準化
  • 店内レイアウトを統一
  • 技術レベルを均一化

システム化の5つのステップ

ステップ1:接客フローの標準化

お客様が来店してから帰られるまでの流れを詳細に書き出す

【標準接客フロー例】
1. お出迎え(30秒以内)
   - 笑顔で「いらっしゃいませ」
   - お名前確認
   - コート等をお預かり

2. カウンセリング(5-7分)
   - 前回からの変化確認
   - 今回のご希望聞き取り
   - 提案とアドバイス

3. 施術中の会話(適度な距離感)
   - お客様のペースに合わせる
   - 無理に話しかけない
   - でも気遣いは忘れずに

4. 仕上げ確認(必ず一緒に鏡で)
   - 正面、横、後ろから確認
   - ご満足いただけたかチェック
   - 次回のアドバイス

5. お会計・お見送り
   - 明確な料金説明
   - 次回予約のご案内
   - 感謝の気持ちを伝える

ステップ2:技術レベルの統一

技術チェックリストを作成

  • カットの基本技術(10項目)
  • カラーの基本技術(8項目)
  • パーマの基本技術(6項目)
  • 接客マナー(15項目)

定期的な技術研修

  • 月1回の技術チェック
  • お互いにモデルになって練習
  • 1店舗目のスタッフが指導役

ステップ3:商品・メニューの統一

基本メニューは完全統一

  • メニュー名
  • 料金設定
  • 施術内容
  • 使用商品

地域性を考慮した調整も必要

  • 価格帯の微調整(±10%程度)
  • 地域特性に合わせたメニュー追加
  • でも基本は統一が重要

ステップ4:店内環境の再現

雰囲気作りの要素

  • 内装の色調統一
  • 音楽の選択基準
  • 香りや照明
  • 清潔感の維持方法

お客様の居心地を左右するポイント

  • 座席の間隔
  • プライバシーへの配慮
  • 雑誌や本の選択
  • 温度・湿度管理

ステップ5:集客方法の標準化

1店舗目で効果的だった集客法をそのまま移植

  • POP作成のルール
  • チラシの作り方
  • SNS発信の内容とタイミング
  • 口コミを増やす仕組み

2店舗目特有の課題と対策

課題1:オーナーが2つの店舗を回る時間管理

時間配分の基本パターン

  • 午前中:1店舗目(9:00-13:00)
  • 午後:2店舗目(14:00-18:00)
  • 残り時間:事務作業・スタッフ指導

効率化のコツ

  • 各店舗での滞在時間を決める
  • 緊急時以外は予定を変更しない
  • 店長候補を早めに育成

課題2:スタッフのモチベーション管理

2店舗目スタッフが感じやすい不安

  • 「1店舗目の方が大切にされている?」
  • 「技術レベルは本当に同じ?」
  • 「将来性はあるの?」

解決策

  • 定期的な全体ミーティング
  • 店舗間でのスタッフ交流
  • 平等な評価制度
  • 成長機会の提供

課題3:お客様の期待値とのギャップ

よくあるギャップ

  • 「1店舗目と同じクオリティを期待していたのに…」
  • 「オーナーがいないときのサービスが…」
  • 「雰囲気が違う…」

対策

  • 開店前の十分な準備期間
  • 1店舗目からお客様を一部移行
  • オーナーの顔見せ頻度を高める

成功する2店舗目開店の手順

開店3ヶ月前:基盤作り

やるべきこと

  • スタッフ採用・研修開始
  • 1店舗目での実習
  • 技術レベルの統一
  • 接客マナーの統一

開店1ヶ月前:仕組みの最終確認

チェックポイント

  • 全スタッフの技術レベル
  • 接客フローの定着度
  • 店内オペレーションの確認
  • 緊急時対応の練習

開店後1ヶ月:密着サポート

オーナーの動き

  • 毎日2店舗目に顔を出す
  • お客様の反応をチェック
  • スタッフの不安解消
  • 細かい改善点の修正

開店後3ヶ月:独立運営への移行

段階的な自立支援

  • オーナーの滞在時間を徐々に短縮
  • 店長の権限拡大
  • 問題解決能力の向上
  • 定期報告システムの確立

実際の成功事例:Aサロンの場合

1店舗目の成功要因分析

強み

  • オーナーの丁寧なカウンセリング
  • アットホームな雰囲気
  • 技術力の高さ
  • 地域密着の関係性

システム化の取り組み

カウンセリングシートの作成

  • 質問項目を標準化
  • 記録方法を統一
  • 次回への引き継ぎ方法を確立

技術研修プログラム

  • 基本技術の動画撮影
  • チェックシートによる評価
  • 定期的な技術確認

雰囲気作りのマニュアル

  • 音楽の選び方
  • 会話のきっかけ作り
  • 居心地の良い空間作り

2店舗目での成果

開店3ヶ月後の数字

  • 客単価:1店舗目と同水準
  • リピート率:70%(目標65%)
  • 新規集客:順調に推移
  • スタッフ満足度:高水準

よくある失敗パターンと対策

失敗パターン1:「オーナー依存」からの脱却ができない

失敗例

  • オーナーがいないと売上が半減
  • お客様から「オーナーはいつ来るの?」と聞かれる
  • スタッフが自信を持てない

対策

  • 段階的にスタッフの権限を拡大
  • オーナー以外の「売り」を作る
  • スタッフの個性を活かした運営

失敗パターン2:急ぎすぎて質が落ちる

失敗例

  • 研修期間を短縮してしまう
  • 技術レベルが追いつかないまま開店
  • お客様からクレームが続出

対策

  • 十分な準備期間を確保
  • 「完璧になってから」の姿勢
  • 開店を遅らせる勇気も必要

失敗パターン3:1店舗目と全く同じにしようとする

失敗例

  • 立地や客層の違いを無視
  • 地域性を考慮しない
  • 画一的すぎて魅力がない

対策

  • 基本は同じ、細部は調整
  • 地域のニーズに合わせた微調整
  • 「統一感のある個性」を目指す

長期的な成功のために

継続的な改善システム

月次チェック項目

  • 両店舗の数字比較
  • お客様満足度調査
  • スタッフのフィードバック
  • 競合状況の確認

年次見直し項目

  • システムの有効性確認
  • 新しい成功要因の発見
  • 市場変化への対応
  • 3店舗目への準備

スタッフ成長による相乗効果

目指す形

  • 各店舗に店長クラスのスタッフ
  • 店舗間での情報共有
  • お互いの成功事例を学び合う
  • 切磋琢磨による全体レベル向上

まとめ:成功パターン再現の3つの鍵

1. 徹底的な分析と理解

  • 1店舗目の成功要因を「見える化」
  • 数字と感覚の両面から分析
  • お客様の声を大切にする
  • 見落としがちな要因も発見

2. システム化による再現可能性

  • 属人的な要素を仕組み化
  • 誰がやっても同じ結果が出る仕組み
  • でも機械的になりすぎない工夫
  • 継続的な改善を組み込む

3. 地域性を考慮した適応

  • 基本は統一、細部は調整
  • 地域のニーズに合わせた柔軟性
  • お客様との距離感の調整
  • 競合環境への対応

成功への心構え

大切なのは

  • 焦らず、丁寧に進める
  • 1店舗目以上の準備をする
  • スタッフを信じて任せる
  • お客様の満足を最優先にする

そして何より

  • 1店舗目で培った「お客様を大切にする心」
  • これを2店舗目でも忘れずに

あなたの2店舗目が、1店舗目以上に地域の皆様に愛される
素敵な美容室になることを心から応援しています!

次のアクション

  • 1店舗目の成功要因分析から始めましょう
  • お客様アンケートを実施してみましょう
  • 接客フローを書き出してみましょう
  • スタッフと一緒に「強み」を話し合ってみましょう

成功パターンの再現で、安定した多店舗経営を実現しましょう!


この記事は美容室経営の実践的なノウハウをもとに作成しています。
多店舗展開の際は、各店舗の特性を考慮した個別対応も重要です。

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この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 代表取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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