売上1000万円でも赤字?利益重視経営への転換方法

売上1000万円でも赤字?利益重視経営への転換方法

「うちの美容室、年間売上1000万円を超えているのに、なぜか生活が楽にならない…」

そんな悩みを抱えている美容室経営者は、実はとても多いんです。
売上が大きくても赤字になったり、
ほとんど利益が残らない美容室がたくさんあります。

でも大丈夫!この記事を読めば、
売上重視から利益重視の経営に変わる方法が分かります。
実際に売上は下がったけど手取りが2倍になった美容室の事例も紹介しますね。

目次

衝撃の事実:売上1000万円でも赤字の美容室が存在する理由

実際にあった事例:Aさんの美容室

地方都市で美容室を経営するAさん(40代男性)のお話です。

【変更前の状況】

  • 年間売上:1200万円
  • スタッフ:3名(本人含む)
  • 1日平均:15〜20人のお客さん
  • カット平均単価:3500円
  • 営業時間:10時〜20時(週6日)

【経費の内訳】

  • 家賃:月18万円(年216万円)
  • 人件費:月45万円(年540万円)
  • 材料費:月12万円(年144万円)
  • 光熱費:月8万円(年96万円)
  • 広告費:月10万円(年120万円)
  • その他:月5万円(年60万円)

年間経費合計:1176万円 実質利益:24万円(月2万円)

月2万円しか残らない!これでは家族を養えません…

なぜこんなことが起きるの?

理由1:「売上=成功」だと勘違いしている
多くの経営者が「売上が多い=成功している」と思い込んでいます。
でも本当に大切なのは「手元に残るお金」です。

理由2:経費のコントロールができていない
売上を上げることばかり考えて、
経費がどんどん膨らんでしまう。

理由3:価格競争に巻き込まれている
「安くしないとお客さんが来ない」と思って、
どんどん値段を下げてしまう。

利益重視経営の基本的な考え方

利益の計算式を覚えよう

利益 = 売上 – 経費

この式から分かることは:

  • 売上を増やすか
  • 経費を減らすか
  • その両方をやるか

で利益が増えるということです。

「売上を追いかける経営」vs「利益を追いかける経営」

売上重視の経営

  • とにかくお客さんをたくさん呼ぼう
  • 価格を下げてでも客数を増やそう
  • 長時間営業で売上アップ
  • 広告費をかけて新規客獲得

結果:忙しいけどお金が残らない

利益重視の経営

  • 適正な価格でサービスを提供しよう
  • お客さんに価値を感じてもらおう
  • 効率よく営業しよう
  • リピート客を大切にしよう

結果:適度に忙しく、しっかり利益が残る

利益重視経営への転換:5つのステップ

ステップ1:現状の「利益率」を計算する

まず、あなたの美容室の利益率を計算してみましょう。

利益率の計算方法 利益率(%)= (利益 ÷ 売上)× 100

  • 月売上100万円
  • 月経費90万円
  • 月利益10万円
  • 利益率:(10 ÷ 100)× 100 = 10%

美容室の理想的な利益率

  • 新規開業:10〜15%
  • 安定期:20〜30%
  • 優良店:30%以上

あなたの美容室の利益率はどうですか?

ステップ2:経費を「固定費」と「変動費」に分ける

固定費(売上に関係なくかかる費用)

  • 家賃
  • 基本給
  • 保険料
  • ローンの返済

変動費(売上に応じて変わる費用)

  • 材料費
  • 電気代(一部)
  • 広告費
  • 歩合給

この分け方ができると、どこを改善すべきかが見えてきます。

ステップ3:「ムダな経費」を見つけて削る

固定費の見直しポイント

  • 家賃:立地に対して高すぎないか?
  • 保険:必要以上に加入していないか?
  • 通信費:使っていないサービスはないか?

変動費の見直しポイント

  • 材料費:無駄に多く仕入れていないか?
  • 広告費:効果の薄い広告を続けていないか?
  • 光熱費:節約できるところはないか?

簡単にできる経費削減例

  • LED電球に変える → 電気代20%削減
  • 材料の発注量を調整 → 材料費10%削減
  • 効果の低い広告をやめる → 広告費30%削減

ステップ4:「価値」に見合った価格設定をする

多くの美容室が「価格 = コスト + 少しの利益」で決めています。
でも本当は「価格 = お客さんが感じる価値」で決めるべきです。

価値を高める方法

  • カウンセリングを丁寧にする
  • お客さん一人一人に合わせた提案をする
  • アフターケアをしっかりする
  • 居心地の良い空間を作る
  • 専門的な技術力を身につける

価格アップの実例

  • カット 3000円 → 4500円(価値アップの理由をしっかり説明)
  • トリートメント 1500円 → 2500円(効果を実感してもらう)

ステップ5:リピート客を増やして安定収入を作る

新規客獲得コストは、リピート客維持コストの5倍です。 つまり、リピート客を増やすほうが利益が残りやすいんです。

リピート率を上げる具体的方法

  • お客さんの情報をしっかり記録
  • 次回来店の最適なタイミングを提案
  • LINE等でアフターフォロー
  • 季節に合わせたケア提案

成功事例:売上は下がったけど利益が2倍になったB美容室

地方の住宅街にある
B美容室(経営者:35歳女性)の改革事例をご紹介します。

【改革前】

  • 月売上:80万円
  • 月経費:72万円
  • 月利益:8万円
  • 利益率:10%
  • 1日客数:12〜15人
  • 平均単価:4000円
  • 営業時間:9時〜19時

【改革内容】

  1. 経費削減
    • 効果の薄い広告をストップ(月3万円削減)
    • 材料の仕入れを見直し(月1万円削減)
    • 光熱費節約の取り組み(月5千円削減)
  2. 価格・メニュー改定
    • カット料金:3500円 → 4800円
    • トリートメントコースを新設:3500円
    • ヘアケア商品の販売開始
  3. サービス品質向上
    • カウンセリング時間を10分延長
    • お客さん一人一人のカルテを詳しく記録
    • LINEでのアフターフォロー開始

【改革後(6ヶ月後)】

  • 月売上:75万円(5万円減)
  • 月経費:58万円(14万円減)
  • 月利益:17万円(9万円増)
  • 利益率:22.7%
  • 1日客数:10〜12人(少し減)
  • 平均単価:6200円(大幅アップ)
  • 営業時間:10時〜18時(1時間短縮)

結果:売上は下がったけど、利益は2倍以上に!

なぜ成功したのか?

  1. 無駄な経費をカットした
  2. 適正価格に変更した
  3. お客さんの満足度が上がった
  4. リピート率が向上した
  5. 労働時間が短縮された

利益重視経営のメリット

1. 経営が安定する

売上の波があっても、利益率が高ければ経営は安定します。

2. 時間に余裕ができる

無駄な営業時間を削って、効率的な営業ができます。

3. ストレスが減る

お金の心配が減ると、仕事も楽しくなります。

4. 投資ができるようになる

利益があると、設備投資や技術向上に投資できます。

5. スタッフにも還元できる

利益があれば、スタッフの給料アップも可能です。

今日から始められる利益アップ3つのアクション

アクション1:「利益率」を計算してみよう

電卓を使って、先月の利益率を計算してみてください。
10%以下だったら要注意です。

アクション2:一番大きな経費を確認しよう

家賃、人件費、材料費の中で、どれが一番大きいか確認しましょう。
そこから改善のヒントが見つかります。

アクション3:メニュー価格を見直そう

近隣の美容室と比較して、あなたの価格は安すぎませんか?
もし安すぎるなら、価値を高めて適正価格に変更することを検討しましょう。

よくある質問と答え

Q:「価格を上げたらお客さんが来なくなるのでは?」

A:確かに一部のお客さんは離れるかもしれません。
でも、あなたの技術や接客に価値を感じてくれるお客さんは残ります。
そして、そのお客さんたちがあなたの美容室を支えてくれます。

Q:「経費を削ると、サービスの質が下がりませんか?」

A:無駄な経費を削るのであって、必要な経費は削りません。
むしろ、浮いたお金でサービス品質向上に投資できます。

Q:「売上が下がるのが怖いです」

A:売上が下がっても利益が増えれば、経営は確実に良くなります。
B美容室の事例のように、実際に成功している美容室がたくさんあります。

まとめ:利益重視経営で豊かな美容室経営を実現しよう

売上1000万円でも赤字になる美容室がある一方で、
売上800万円でも300万円の利益を出している美容室もあります。

その差は「売上を追いかけるか、利益を追いかけるか」の違いです。

利益重視経営への転換ポイント

  1. 現状の利益率を把握する
  2. 無駄な経費を削る
  3. 価値に見合った価格設定をする
  4. リピート客を大切にする
  5. 効率的な営業をする

今日からあなたの美容室も、利益重視経営に変わってみませんか?

最初は不安かもしれませんが、
実行してみると「なんで今まで気づかなかったんだろう」と思うはずです。

まずは現状の利益率を計算することから始めてみてください。
そこから全てが変わります!

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この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 代表取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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