なぜ忙しいのにお金が残らないのか?美容室経営の落とし穴

なぜ忙しいのにお金が残らないのか?美容室経営の落とし穴

毎日朝から晩まで忙しく働いているのに、
月末になると「あれ?お金が全然残ってない…」と驚いた経験はありませんか?

実は、多くの美容室経営者が同じ悩みを抱えています。
売上は上がっているのに、なぜかお金が手元に残らない。
この記事では、そんな美容室経営の「見えない落とし穴」について、
分かりやすく解説していきます。

目次

売上と利益は全然違う!基本の考え方

売上100万円でも手元に残るのは…?

まず、簡単な例で考えてみましょう。

月の売上が100万円の美容室があったとします。

  • 家賃:20万円
  • 人件費:40万円
  • 材料費:15万円
  • 光熱費:5万円
  • その他経費:15万円

合計経費:95万円

手元に残るお金(利益):5万円

売上100万円なのに、実際に残るのはたった5万円。これが現実です。

「忙しい = 儲かる」は大間違い

多くの美容室経営者が勘違いしているのは、
「忙しければ儲かる」と思っていることです。

でも実際は:

  • 忙しい = お客さんがたくさん来る
  • 儲かる = お金が手元に残る

この2つは全く別の話なんです。

美容室経営者が陥りがちな5つの落とし穴

落とし穴①:「売上」ばかり気にして「経費」を見ていない

よくある間違い
「今月は売上150万円だった!すごい!」

実際は…
売上150万円でも、
経費が140万円かかっていたら、
利益はたった10万円です。

改善のコツ 売上と同じくらい、
経費もしっかりチェックしましょう。
毎月の経費をノートに書き出すだけでも、
無駄が見えてきます。

落とし穴②:安い料金で勝負しようとする

よくある間違い
「近所の美容室より安くすれば、お客さんがたくさん来る!」

実際は…
安い料金だと、たくさんのお客さんを相手にしても利益が少なくなります。

計算例

  • カット3000円 × 50人 = 売上15万円
  • カット5000円 × 30人 = 売上15万円

同じ売上でも、5000円のほうが20人分の時間と材料費が浮きます。

落とし穴③:何でもかんでも「経費」だと思っている

よくある間違い
「美容室のためだから、これも経費でしょ?」

実際は…
本当に必要な経費と、無駄遣いの境界線があいまいになっています。

チェックポイント

  • その購入は本当に売上アップにつながる?
  • 同じ効果を得る、もっと安い方法はない?
  • 今すぐ必要?来月でもいい?

落とし穴④:時間の使い方が下手

よくある間違い
「お客さんがいない時間も、なんとなく美容室にいる」

実際は…
お客さんがいない時間の過ごし方で、利益が大きく変わります。

時間の有効活用法

  • 次の日の準備をする
  • SNSで新規客を呼び込む
  • スタッフと技術の勉強をする
  • 経費の見直しをする

落とし穴⑤:お客さんに「また来てもらう」ことを考えていない

よくある間違い
「今日のお客さんが満足してくれたから大丈夫」

実際は…
新しいお客さんを1人獲得するコストは、
既存のお客さんに再来店してもらうコストの5倍と言われています。

リピートの重要性

  • 新規客:チラシ代、広告費などコストがかかる
  • リピート客:コストはほぼゼロ
  • リピート客:あなたの美容室を信頼している = 高いメニューも受け入れやすい

「お金が残る美容室」に変わる3つのステップ

ステップ1:現状を正確に把握する

まずは1ヶ月間、以下の数字を記録してみてください:

売上の記録

  • 日別の売上
  • メニュー別の売上
  • 新規客とリピート客の比率

経費の記録

  • 家賃、人件費(固定費)
  • 材料費、光熱費(変動費)
  • 広告費、その他

時間の記録

  • お客さんがいる時間
  • 空いている時間の過ごし方

ステップ2:「ムダ」を見つけて削る

記録した数字を見て、以下をチェック:

経費のムダ

  • 使っていない材料はない?
  • 電気代を節約できるところはない?
  • 本当に必要な広告費?

時間のムダ

  • 準備に時間をかけすぎていない?
  • お客さんを待たせる時間はない?
  • 無駄な作業を繰り返していない?

ステップ3:利益を増やす仕組みを作る

客単価を上げる

  • トリートメントなどオプションメニューを提案
  • お客さんの髪の悩みに合わせた商品を勧める
  • メニューの見せ方を工夫する

リピート率を上げる

  • お客さんの情報をしっかり記録する
  • 次回の来店時期を提案する
  • LINE等でアフターフォローをする

効率を上げる

  • 予約管理システムを導入する
  • よく使う道具の配置を工夫する
  • スタッフとの連携を良くする

成功している美容室の共通点

実際にお金が残る美容室を経営している方には、
共通点があります:

1. 数字に敏感

毎日の売上、毎月の経費、
お客さんのリピート率など、大切な数字をしっかり把握しています。

2. お客さんのことを本気で考えている

「安くすればいい」ではなく、
「お客さんの悩みを解決する」ことに集中しています。

3. 無駄な時間を作らない

空いた時間も有効活用して、
将来の売上につながる活動をしています。

4. 継続的に改善している

「今のままでいいや」ではなく、
常に「もっと良くするには?」と考えています。

まとめ:今日からできる3つのこと

この記事を読んだあなたが、
今日からすぐにできることは:

1. 家計簿をつけるように、美容室の「経費簿」をつける

売上だけでなく、
どこにお金を使っているかを把握しましょう。
スマホのメモ帳でも十分です。

2. お客さん一人一人に、もう一度来てもらう工夫を考える

「今度はいつ頃来ていただけそうですか?」
という一言から始めてみましょう。

3. 空いた時間に「利益を増やす活動」をする

掃除だけでなく、SNSの更新、
お客さんへのお礼のメッセージ、明日の準備など、
売上につながることに時間を使いましょう。


忙しいのにお金が残らないのは、あなたの技術が悪いからではありません。

ただ、「売上を上げること」と
「お金を残すこと」の違いを知らなかっただけです。

この記事で紹介したポイントを一つずつ実践していけば、
必ずあなたの美容室も「忙しくて、お金も残る」経営に変わります。

まずは今日から、売上と同じくらい経費に注目してみてください。
きっと新しい発見があるはずです!

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この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 代表取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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